2020年4月25日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第108号:(2020/4/19~4/25)

平成30年4月1日 第1号発行
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【注目】


#1 活発な運動は閉経期女性の精神的健康に貢献

#2 中年からの生活習慣の変更で女性の脳卒中リスクが低下

#3 ビタミンDを多く含む食品は心臓の健康に役立つ可能性があります

#4 過敏性腸症候群を緩和する熱不活化プロバイオティクスの臨床試験

#4-1女性アスリートに効果的な多様な食事

#4-2プロバイオティクスはにきびの治療に役立つ可能性があります

#4-3食事は認知機能の維持に役立つ可能性があります

#5 大学・研究機関等公表資料より

#6 機能性表示食品届出公表一覧

行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (419日~425)
 
420日 栄養成分表示に係る消費者への普及啓発の実施状況について
 
本調査は、都道府県等を対象として、アンケート調査により、普及啓発の実施状況をまとめたものです。
https://www.caa.go.jp/future/project/
project_008/pdf/
future_cms201_200420_01.pdf

 
(KC 消費者が栄養成分表示を利用し、活用するための消費者への普及啓発を行っていますかの問いに対し、7割を超える自治体が、「行っている」と回答しています。もちろん、啓発活動をすることは大事ですが、本当は、消費者が活用するようにならないと意味がありません。)
 
 
424日 栄養素等表示基準値の改定に関する調査事業報告書の公表
 
本報告書は、消費者庁の委託を受け、株式会社インテージリサーチが有識者による検討委員会を設置し、取りまとめたものである。
 
栄養素等表示基準値の改定に関する調査事業報告書
https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/information/research/
2019/pdf/
food_labeling_cms206_200424_01.pdf

 
(KC 食品表示基準2020年度版を食品表示基準に反映するか否かのための調査報告書。

結論としては、2020年版が出ても、栄養素等表示基準値の改定を行わないという内容です。)
 
 
424日 難消化性糖質及び食物繊維のエネルギー換算係数の見直し等に関する調査・検証事業報告書の公表
 
消費者庁から、本日(424)、「難消化性糖質及び食物繊維のエネルギー換算係数の見直し等に関する調査・検証事業報告書」が公表されました。
 
本報告書は、消費者庁の委託を受け、株式会社インテージリサーチが有識者による検討委員会を設置し、取りまとめたものである。
 
難消化性糖質等に関する知見を調査し、分析通知で対応できていない成分のエネルギー換算係数及び分析方法等について、最新の知見等を踏まえた科学的根拠に基づく検討を実施し、分析通知の見直しに向けた基礎資料を得ることを目的として本事業を実施した。
 
「難消化性糖質及び食物繊維のエネルギー換算係数の見直し等に関する調査・検証事業報告書」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/information/research/2019/
pdf/food_labeling_cms206_200424_02-2.pdf

 
(KC 基本的には、従来の方法で良いという考え方になっています。)


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより



(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起は掲載していません)
 
新型コロナウイルス 感染予防に効果ある?
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/
detail.php?no=2142

 
4月20日 8.ビタミンC
 
ビタミンCが新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対して効果があるように謳う宣伝が見受けられますが、現時点ではそのような効果は確認されていません。
 
同じウイルス性感染症であるインフルエンザの予防に対する効果を検討した論文を検索したところ、論文は見つかりませんでした。
ビタミンCは風邪に良いと言われていることから、風邪を含むウイルス性上気道感染症への効果を解析したメタ分析 (複数の試験を総合的に評価した結果) について調べたところ3報の論文が検索され、そのうち2報においては症状の持続期間を短縮させた結果が含まれていましたが、風邪を含む上気道感染症の発症率に影響は認められませんでした。
 
このように、現時点では、インフルエンザやウイルス性上気道感染症の予防に対して「ビタミンCが効く」といえる十分な情報は見当たりません。新型コロナウイルス感染症に対して検討した論文も見当たりませんので、情報の拡大解釈にはご注意ください。
 
4月21日 9. タンポポ茶
現時点においてインフルエンザなどに対する予防効果を検討した報告は見当たりません。
こまめな手洗いなどの予防をして、根拠のない製品には気を付けましょう。
 
4月22日 10.プレバイオティクス
プレバイオティクス(β-グルカン、オリゴ糖など)が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対しても効果があるように謳う宣伝が見受けられますが、現時点ではそのような効果は確認されていません。
 
同じウイルス性感染症であるインフルエンザに対する効果を検討した論文を検索したところ、予防効果を検討した論文は見つかりませんでしたが、一部の人でガラクトオリゴ糖の摂取が風邪やインフルエンザ症状を軽減したという論文が1報見つかりました。
また、上気道感染症への効果でみると、成人においては、β-グルカンの摂取で発症数の低下が認められた論文が1報、発症には影響がなかった論文が2報あり、発症に対する予防効果は一致していませんでした。そのうち1報では、発症後の症状の重症度にも影響は認められなかった一方、1報では重症度を軽減、また別の1報では一部の症状の改善を速めたと報告していました。
乳児においては、プレバイオティクス含有の調製乳やプレバイオティクスの摂取で気道感染症の発症数の減少がみられたという論文が2報、影響がなかったという論文が1報ありました。
 
プレバイオティクスの効果は、摂取するプレバイオティクスの種類や形態、量、摂取する人の体調などにも依存すると考えられます。
 
4月23日 11. ケイ素( シリカ )
現時点においてインフルエンザなどに対する予防効果を検討した報告は見当たりません。
ケイ素は骨の形成に重要な元素のひとつです。植物性の食品や飲料水から適切に摂取しましょう。
 
4月24日 12. ビタミンA
現時点においてインフルエンザに対する予防効果を検討した報告は見当たらず、呼吸器感染症の予防には効果ないことが報告されています。
ただし、不足すると感染症にかかりやすくなるため、緑黄色野菜などを積極的にとるよう心がけましょう。
 
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/
detail.php?no=2142

 
(KC
新型コロナウイルス肺炎に良いとされて売られている健康食品素材・成分について、科学的根拠は今のところないと、毎日のように情報が上げられています。ここに掲載することにより、消費者庁は、これらの素材・成分について、コロナ関連の広告を打つと、科学的根拠を無しとして、優良誤認の景表法違反とする流れなのだと思います。)


患者さんとの会話のための話題提供



LINK de DIETより

#1
活発な運動は閉経期女性の精神的健康に貢献

女性は更年期を迎えるとうつ症状などネガティブな精神状態が増加する傾向が高まるが、活発に運動する女性ではその度合いが少ないようだ、というフィンランド・ユヴァスキュラ大学からの研究報告。

研究チームは、フィンランドで実施された『筋アポトーシスの女性ホルモン制御(ERMA)』研究の一部である1,000名を超える女性(47-55歳)を対象に検討を行った。閉経状態は血清ホルモン濃度と月経日誌によって決定し、閉経期前(304名)、早期周閉経期(198名)、後記周閉経期(209名)、閉経期(387名)に分けられた。精神的健康状態と運動については参加者の自己申告とした。
 
閉経期前の女性は、閉経期女性に比べて抑うつ症状が少なかった。閉経の段階と人生満足度の関連は見られなかった。高度の身体活動をしている女性は、そうでない女性に比べて、よりポジティブな感情を抱くことが多く、生活満足度が高く、抑うつ症状が少なかったという。https://journals.lww.com/menopausejournal/
FullText/2020/04000/The_role_of_physical
_activity_in_the_link_between.6.aspx
#2
中年からの生活習慣の変更で女性の脳卒中リスクが低下

中年期以降でも女性が脳卒中のリスクを下げるのに遅いことはない、という研究報告。禁煙、運動、減量によってそれは可能であるようだ。米国ハーバード大学からの研究報告。

研究チームは、看護師健康研究の参加者で、平均52歳で参加した約6万人余りの女性を平均26年に渡って追跡調査し、脳卒中に及ぼす、禁煙、毎日30分以上の運動、肥満の場合の減量の影響について検討した。
また、魚、ナッツ類、全粒穀物、果物、野菜を多く、赤肉を減らし加工肉を摂らず、飲酒も少なくするという。健康的な食生活の影響についても検討した。
 
その結果以下のようなことが明らかになったという。

●生活習慣に変化のなかった女性の4.7%が脳卒中に罹患した

●禁煙、運動、減量を行った女性では、脳卒中のリスクが25%低かった

●健康的な食事への変更を行った女性は、脳卒中のリスクが23%低かった。
 
研究チームでは、魚とナッツ類の摂取を増やし非加工赤肉の摂取を減らした女性では、脳卒中のリスクが、運動、禁煙、減量ほどではないが、低下することも発見したという。

本研究は観察研究であり、対象者は大部分が白人の中年女性であるものの、他の研究結果などを併せて考えるに、この効果は男性にも一般化できるだろうと考察している。

130分以上の運動は、脳卒中のリスクを20%下げるだろう」とのことである。https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/
STROKEAHA.119.026761
#3
ビタミンDを多く含む食品は心臓の健康に役立つ可能性があります

ビタミンDを豊富に含んでいる食品を摂取することで、心臓保護効果を期待できるかもしれない、というギリシャ・ハロコピオ大学からの研究報告。

研究チームは、2001年から2012年にかけて、ギリシャのアテネ周辺で集めた1,514名の男性と1,528名の女性を対象に調査をおこなった。
ビタミンDの摂取量によって、低・中・高の3群に分けたところ、心血管系イベント(心筋梗塞や脳卒中など)の発症リスクが、男性では低群24%、中群17%、高群12%であり、女性では、低群14%、中群10%、高群11%であった。
 
ほどほどでニュートラルな心臓健康効果を示すビタミンDサプリメントを摂取する臨床試験とは対照的に、本研究においては、ビタミンDの食品からの摂取の増加は、心臓関連疾患に、特に男性において、保護効果の見られることが期待される結果であったという。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/
10.1111/jhn.12748

 
(KC 最近、ビタミンDは本当に注目されていますね。)
#4
過敏性腸症候群を緩和する熱不活化プロバイオティクスの臨床試験

熱で不活化したプロバイオティクス細菌が、過敏性腸症候群(IBS)の症状を有意に改善した、という独ハンブルク大学からの研究報告。『ランセット消化器病学及び肝臓学』に掲載された。

研究チームは、443人のIBS患者を対象に、ランダムに2群に分け、1群は熱不活化Bifidobacterium bifidum MIMBb75カプセル1212回、別に1群にはプラセボ(偽薬)カプセル1212回を8週間にわたって摂取してもらった。
その結果、介入群では8週間の摂取期間中、34%74人)において腹痛が少なくとも全期間の30%で改善され、すべてのIBS症状が少なくとも全期間の50%で有意に改善された。プラセボ群で改善ガ見られたのは19%43人)に留まったので、改善者は介入群でプラセボ群に比べて1.7倍あったことになる。
 
介入群とプラセボ群で副作用の報告に違いはなく、またどちらからも重篤な副作用の報告はなかった。最も一般的な副作用は腹痛で、全体の1%未満に留まった。介入群の91%が治療の耐容性について、良好または極めて良好と評価した。
https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/
pii/S246812532030056X
#4-1
女性アスリートに効果的な多様な食事

一般的な「最先端」のスポーツ栄養製品は、通常の糖質が豊富で安価なジャガイモベースの食品と比べて、女性アスリートの回復を促進するのに効果的とはいえないようだ、という米国モンタナ大学からの研究報告。

「アスリートは販売戦略に脆弱であり、すぐに影響されがちだ」と主任研究者のブレント・ルビー教授は語っている。教授は持久性運動のベテランアスリートである。
 
研究チームは、これまでにも、運動後の炭水化物が、消費された筋肉を補充するのに効果的であることを示してきた。2015年の研究では、マクドナルドのハッピーミールが、運動からの回復に、市販の栄養製品と同様に効果的あることを示して注目を集めた。
今回研究チームは、女性の余暇的なアスリートを対象に同様の検証を行った。
ルビー教授らは、ジャガイモ研究教育連合の研究費で、マクドナルド研究と類似の研究を実施したが、今回は、ジャガイモ製品とスポーツサプリメントが男性と女性の余暇的なアスリートの筋肉回復に及ぼす影響を調べることにした。
 
8人の男性と8人の女性を対象に、90分間の高強度サイクリングに続いて休息、回復、燃料補給、そして20kmタイムトライアルを実施した。血液検査と筋肉生検を行った結果、男性も女性も通常の食品によってスポートサプリメントと同様の回復が見られたという。
https://link.springer.com/epdf/10.1007/
s00421-020-04352-2

 
(KC
これだけ読むと、普通に炭水化物を摂っていればよいことになりますね。)
#4-2
プロバイオティクスはにきびの治療に役立つ可能性があります

慢性的な炎症によって惹起されるニキビは、しばしば抗生物質によって治療されるが、プロバイオティクスが補助治療として効果的かもしれない、というイラン医科大学ラソウルアクラム病院からの研究報告。

研究チームは、プロバイオティクスを含むクリームあるいは経口のニキビ治療薬のどちらかを用いて実施された臨床試験の報告を網羅的に集めて解析した。

分析の結果、プロバイオティクスは、皮膚のニキビに対する自然の防御機構に促進的に作用することが示唆されたという。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/
10.1111/dth.13279
#4-3
食事は認知機能の維持に役立つ可能性があります

地中海型食事と眼疾患に関する二つの大規模な疫学研究から、食事が認知機能の低下を遅くすることが明らかになった、という米国国立眼病研究所からの研究報告。

研究チームは、加齢関連眼疾患研究(AREDS)とその後継研究AREDS2のデータを解析した。どちらも約4千人の参加者を含んでいた。研究開始時に食事調査が実施された。AREDSでは5年後に認知機能が検査され、AREDS2では、開始時、2年、4年、10年後に検査された。
 
データ解析の結果、AREDSでは地中海型食事スコアが高い参加者は、認知機能障害のリスクが低下することが分かった。魚、野菜の摂取が多い者に最大の保護効果が認められた。AREDS2でも10年後に、魚の摂取量が最も多かった者が、認知機能の低下が最も遅かったことがわかった。
 
個人間の地中海型食事スコアの違いはわずかであり、日常的にその違いはわからないが、人口レベルでは、認知機能が食事に依存していることが明確に示されている、と主任研究者のエミリー・チュー医師はコメントしている。
 
(KC AREDSの試験は、その後このようなフォーローもしているのですね。日本も、早くこのような大掛かりな疫学試験ができるといいのにと思います。)


大学・研究機関等公表資料より



行政公表資料より
 
人との接触を8割減らす10のポイント (厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/
bunya/0000121431_00116.html


(KC 店舗に貼りますかね? 遠隔診療だけでなく、遠隔服薬指導も入れてほしいですね。)

「アカシア樹皮抽出物」有効性:その他 (国立栄研 健康食品の安全性・有効性情報より)
 
・顔や手にムズムズ感のある健康な成人60 (試験群30名、平均44.3±9.8歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、アカシア樹皮抽出物 (カテキン180 mg/日、プロアントシアニジン245 mg/日含有) 8週間摂取させたところ、顔の経表皮水分蒸散量の減少が認められた。一方、手の経表皮水分蒸散量、顔および手の皮膚表面水分量、つや、粘弾性、皮膚疾患評価尺度 (Dermatology Life Quality Index) のスコア、かゆみの自己評価 (VAS) に影響は認められなかった。
Biosci Biotechnol Biochem. 2019 Mar;83(3):538-550.
 
 
大学・研究機関等公表資料より
 
非喫煙女性の受動喫煙と糖尿病発症との関連 (国立がん研究センター社会と健康研究センター)https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/
8489.html

 
今回の研究は女性を対象に、本人にたばこを吸う習慣がなくても、夫が吸っているたばこの本数が多いと、その後の糖尿病のリスクが上昇するという傾向がみられました。また、職場など家庭以外の場所で、受動喫煙による糖尿病リスクへの影響も示唆されました。はっきりとしたメカニズムはわかっていませんが、これまで様々な研究から、能動喫煙によりインスリン抵抗性や血糖の上昇が誘導されることがわかっており、受動喫煙でも同じことが起きていると考えられます
 
 
肥満関連遺伝子FTOに見られる遺伝子多型と大腸がん罹患リスクとの関連について (国立がん研究センター社会と健康研究センター)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/
8488.html

 
今回の研究から、肥満関連遺伝子FTOに見られる幾つかの遺伝子多型が大腸がん罹患リスクと関連している可能性が示唆されました。肥満関連遺伝子FTOrs8050136多型がCAまたはAA型の人では、FTOの発現量が低下することによって細胞増殖を抑制する作用があると言われているアディポネクチンの働きがより低下する可能性があります。そのために、アディポネクチンの血中濃度が最も低値な人たちの間で大腸がんの罹患リスクがより上昇していたのかもしれません。
 
 
糖尿病、HbA1c、血糖値と高眼圧症との関連  (国立がん研究センター社会と健康研究センター)https://epi.ncc.go.jp/jphcnext/result/
individual.html?entry_id=62

 
糖尿病やHbA1c・血糖値が高い人では、高眼圧症の有病率が高いことが、日本人でもわかりました。さらに、角膜の厚さを調整しても、糖尿病やHbA1c・血糖値が高い人と高眼圧症の関連を認めたことから、角膜の厚さに関わらず、血糖値が高いことで眼圧が上昇する可能性が示唆されました。
 
 
十分な PCR 検査の実施国では新型コロナの死亡率が低い
死亡者数からは、西洋とアジアでは感染の広がりは 100 倍違う (千葉大学)
http://www.chiba-u.ac.jp/general/
publicity/press/files/2020/20200421
covid19_PCR.pdf

 
新型コロナ感染症で死亡者数を減らすためには PCR 検査の陽性率を低下させることが必要
であり、そのためには PCR 検査数を濃厚接触者などで症状が見られていない者にまで幅広く拡充させることが
急務であると結論します。
 
 
医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)不活化効果 (北里大学)
https://www.kitasato.ac.jp/jp/albums/
abm.php?f=abm00026588.pdf&n=20200417
_
プレスリリース_医薬部外品および雑貨の
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活
効果について.pdf

 
エタノールは、50%以上の濃度であれば、接触時間 1 分間で十分なウイルス不活性化が可能だ と考えられた。 不活化効果の確認された上記製品は、新型コロナウイルスの不活化に有効と考え られた。新型コロナウイルスの汚染が懸念される手指や硬質表面の洗浄の他、日常使用する衣類やリネン類の洗浄などに活用が期待できる。
  ・接触時間:1分(製品裏面の使い方から、手指の洗浄、拭き取り洗浄を想定

不活化効果 あり
製品名
かんたんマイペット(原液)、クイックルワイパー 立体吸着ウエットシート 香りが 残らないタイプ(絞り液)、クイックルワイパー 立体吸着ウエットシートストロング (絞り液)、クイックル Joan シート(絞り液)、クイックル Joan 除菌スプレー(原液)、 食卓クイックルスプレー(原液)、セイフキープ(絞り液)、トイレマジックリン 消臭・洗浄スプレー ミントの香り(原液)、ハンドスキッシュEX(原液)、ビオレガード薬用泡ハンドソープ(原液)、ビオレu薬用泡ハンドソープ (3 倍希釈)、ビオレガード薬用手指用消毒スプレー(原液)、ビオレガード薬用ジェルハンドソープ (3 倍希釈)、ビオレu手指の消毒液(原液)、リセッシュ除菌 EX プロテクトガード(原液)

不活化効果 なし
製品名
なし

・接触時間:10分(製品裏面の使い方から、洗濯、器具の洗浄を想定 )
不活化効果 あり
製品名
アタック高浸透リセットパワー(3.5g/L)、 アタック ZERO(3000 倍希釈液)、クリ ーンキーパー(100 倍希釈) 、ワイドハイターEX パワー液体(100 倍希釈液)、ワイ ドハイターEX パワー粉末(5.0g/L)、ワイドマジックリン(10g/L)

不活化効果 なし
製品名
アタック 抗菌 EX スーパークリアジェル(1200 倍希釈液)
 
 
PM2.5の濃度が高くなると心停止の発生が増える可能性があることを解明 (国立環境研究所)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/
20200415/20200415.html

 
日本でもPM2.5の濃度が高くなると院外心原性心停止が増える可能性があることを明らかにしました。
 
 
水素水が持久運動のエネルギー消費量を有意に低減 (立命館大学)
http://www.ritsumei.ac.jp/
file.jsp?id=458502&f=.pdf

 
トライアスロン選手12名を対象とし、暑熱環境下(室温32℃、相対湿度50%)で最大酸素摂取量の65%相当の負荷で60分間のペダリング運動を実施しました。その後、毎分20Wずつの漸増負荷式の運動を行い、疲労困憊に至るまでの時間を評価しました。運動中は、電解水素水(水の電気分解によって生成されるアルカリ性で且つ抗酸化性を持つとされる水素分子(H2)を含む飲用の水)または、浄水を10分毎に体重1kgあたり2.0mlの量を摂取し、血液指標、エネルギー代謝、組織温等の変化を検討しました。
 
運動中のエネルギー消費量は、電解水素水摂取時が浄水摂取時に比較して有意に低値を示しました(p=0.04)。
このことは、電解水素水を飲んでいたほうが、同じ負荷の運動をするために必要なエネルギーが少なくて済むということになります(燃費がよい)。具体的には、電解水素水を飲用していると1分間あたりのエネルギー消費量が平均0.5kcal少なくて済みました。
 
(KC 個人的には、水素水とスポーツドリンクで比較したらどうなるかに興味があります。)
 
 
新型コロナウイルス治療薬候補となる既承認薬の発見

ネルフィナビルとセファランチン薬剤併用による新型コロナウイルス排除効果 (東京理科大学)
https://www.tus.ac.jp/mediarelations/
archive/20200422_9837.html

 
ネルフィナビル(経口投与)単独治療で累積ウイルス量が約9%に減少し、ウイルス排除までの期間が約4日短縮されました。またネルフィナビル(経口投与)とセファランチン(点滴投与)の併用治療ではさらに効果が増強し、累積ウイルス量が約7%に、ウイルス排除までの短縮期間が約5.5日となりました。

(KC あくまで、試験管レベルの話ではありますが、期待したいですね。)


先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

「アカシア樹皮抽出物」有効性:その他 (国立栄研 健康食品の安全性・有効性情報より)
 
・顔や手にムズムズ感のある健康な成人60 (試験群30名、平均44.3±9.8歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、アカシア樹皮抽出物 (カテキン180 mg/日、プロアントシアニジン245 mg/日含有) 8週間摂取させたところ、顔の経表皮水分蒸散量の減少が認められた。一方、手の経表皮水分蒸散量、顔および手の皮膚表面水分量、つや、粘弾性、皮膚疾患評価尺度 (Dermatology Life Quality Index) のスコア、かゆみの自己評価 (VAS) に影響は認められなかった。
Biosci Biotechnol Biochem. 2019 Mar;83(3):538-550.


機能性表示食品届出公表

【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。

今週はなし
 
2週連続、届け出公表無しの状態です(コロナ禍による影響です)

 

機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/


あとがき


今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。

今週は、新しい情報が少ないので、読み物を多く入れてあります。時間があれば、出典を読んでみるのも良いかと思います。
 
普段だと、GWで、ソワソワした気分になってきますが、今年は、何をして過ごそうかといった不安が先に立つような雰囲気です。

私の場合は、残念ながら例年の如くたまっている仕事を片付けるだけで、いつもと年と変わりません。

少しはこういう機会だからと思い、厚い本でも開いてみようと考えています(たぶん来週には予定変更になっていると思います)。

ただ、そろそろPCが友達というのは飽きてきました。
 
一日も早い日常生活に戻ることを祈念いたします。
 
では、素敵な1週間を。 (KC)

平成30年4月1日 第1号発行

2020年4月18日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第107号:(2020/4/12~4/18)

平成30年4月1日 第1号発行
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【注目】


#1 ベッドタイムの乱れは心血管系リスクを高めるかも

#2 心臓病リスクがすぐにわかる方法-太めの人の場合

#3 毎日の入浴で心血管疾患リスク低下か

#4 ピラティスは、若年の肥満女性の血圧を有意に低下させる

#41握力測定で、初期の糖尿病を特定できる

#42乳がんリスクの低下につながる食物繊維

#5 大学・研究機関等公表資料より

#6 機能性表示食品届出公表一覧

行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (412日~418)
 
4月17日 食品表示基準等の一部改正案に関する意見募集
https://search.e-gov.go.jp/servlet/
Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAI
L&id=235080054&Mode=0

 
「食品添加物表示制度に関する検討会報告書」を踏まえ、消費者の誤認防止の観点等から、食品表示基準にある「合成保存料」、「人工甘味料」等に用いられる「人工」及び「合成」の文言を削除する必要があるための改正他
 
意見募集期間 令和2417()から同年516()まで
 
 
(健康食品の話題ではありませんが)
「コロナに効く」と漢方薬を違法販売の疑い 男2人逮捕
https://www.asahi.com/articles/
ASN4K3V8PN4JPTIL03T.html

 
 「新型コロナウイルスにも効く」とうたい漢方薬を訪問販売した際、必要事項の説明が不十分な書面を渡したとして、大阪府警は16日、同府松原市の医薬品販売会社「まなべ妙薬堂」の社長、山中永貴容疑者(42=大阪市阿倍野区=ら男2人を特定商取引法違反(不備書面の交付)の疑いで逮捕し、発表した。

 生活経済課によると、2人は15日夕、訪れた80代女性宅で漢方薬(147千円)の販売契約を結んだ際、クーリングオフなど必要事項が記載されていない振込用紙を渡した疑いがある。2人とも容疑を認めているという。女性の親族が府警に被害を相談した。

 2人の府警への説明では、以前は客を集めた会場で漢方薬を売っていたが、外出自粛が広がった3月以降は人が集まらず、訪問販売に力を入れ始めた。「マスク足らんのちゃいますか」などと電話をかけ、「欲しい」と答えた家を訪ねていたという。


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより


(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起は掲載していません)
 
4月17日 「新型コロナウイルスにプロバイオティクスが効く」等の情報に注意
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/
detail.php?no=2143

 
プロバイオティクス (乳酸菌・ビフィズス菌など) が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対しても効果があるように謳う宣伝が見受けられますが、現時点ではそのような効果は確認されていません。
 
そこで、同じウイルス性感染症であるインフルエンザなどの予防に対する効果を検討した論文を検索したところ、2014年までに行われた研究結果を総合的に解析したメタ分析で、急性上気道感染症の発症率を低下させたという報告があったものの、最近の研究では、ある特定のビフィズス菌で風邪・インフルエンザ発症数を低下させた論文が1報見つかりましたが、同論文で、違う種類のビフィズス菌や乳酸菌では、風邪・インフルエンザの発症に影響は認められませんでした。そのほかにも、インフルエンザもしくはウイルス性呼吸器疾患の発症数に影響が認められなかった論文が4報あり、発症に対する予防効果は一致していませんでした。なお、そのうちの2報においては、咳や発熱などの症状持続期間を短縮させた結果が含まれていました。
 
また、子どもにおける呼吸器感染症を検討したメタ分析 (複数の試験を総合的に評価した結果) では、症状発現を抑え、症状の持続期間を短縮させたという報告と、特定の乳酸菌で期間を短縮させた一方、ビフィズス菌では影響がなかったという報告が1報ずつありました。
 
プロバイオティクスの効果は、摂取する菌株や形体(ヨーグルトや飲料など)、摂取する人の体調、体質にも依存すると考えられます。
現時点では、インフルエンザやウイルス性呼吸器疾患に対して「プロバイオティクスが効く」といえる十分な情報は見当たりません。新型コロナウイルス感染症に対して検討した論文も見当たりませんので、情報の拡大解釈にはご注意ください。
 
 
新型コロナウイルス 感染予防に効果ある?
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/
detail.php?no=2142

 
415日 2. 納豆
現時点において、ウイルス感染症(新型コロナウイルスやインフルエンザ)の予防効果が認められた情報は見当たりません。
ただし、納豆は良質なタンパク質源ですので、普段の食事に加えることで栄養バランスを整える助けになります。
 
4月15日 3. オリーブ葉 エキス
現時点において、 ウイルス感染症(新型コロナウイルスやインフルエンザ)の予防効果が認められた情報は見当たりません。
手洗い、うがい、十分な食事と睡眠など、適切な予防を行ってください。
 
4月16日 4. マヌカハニー
現時点において、 ウイルス感染症(新型コロナウイルスやインフルエンザ)の予防効果が認められた情報は見当たりません。
#健康管理 には、いろいろなものをまんべんなく食べる習慣が大事です。
 
4月16日 5. 水素水
現時点において、ウイルス感染症(新型コロナウイルスやインフルエンザ)の予防効果が認められた情報は見当たりません。
ただし、のどの乾燥はウイルス感染のリスクを高めるので、 水分補給はこまめに行いましょう。
 
4月17日 6. プロバイオティクス (乳酸菌・ビフィズス菌など)
 現時点ではインフルエンザなどに対して効果があるとする結果と、効果がないとする結果の両方が存在している。また、摂取する菌株や体調により効果は異なるので注意が必要である。
 
4月17日 7. ニンニク
現時点においてインフルエンザなどに対する予防効果はないことが報告されています。
ニンニクはさまざまなお料理の風味づけに抜群の食材です。日々の食事を楽しみましょう。
 
 
4月15日 米国FDAFTCが新型コロナウイルス対策に関連した虚偽の宣伝を行う製品に注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2020410日、13日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) FTC (Federal Trade Commission) が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽の宣伝を行う2製品に注意喚起。業者に改善するよう警告した。

ブランド名:The GBS dba Alpha Arogya India Pvt Ltd
製品:Alpha 11Alpha 21 (アーユルヴェーダ製品)

ブランド名:Herbs of Kedem
製品:ハーブ製品
 
■解説
当該製品は新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽に謳って販売されていた。現在のところ、COVID-19の予防や治療に対する有効性が確認、承認された製品はなく、こうした表示は違法として、業者に改善するよう警告した。

現在のところ、当該製品摂取との因果関係が疑われる健康被害については不明であるが、FDAは消費者に対して、健康被害を受ける可能性があることから、COVID-19の予防や治療、症状緩和などを標榜する製品には十分に注意するよう注意喚起している。
https://www.fda.gov/consumers/
health-fraud-scams/fraudulent-coronavirus
-disease-2019-covid-19-products


患者さんとの会話のための話題提供



LINK de DIETより

#1
ベッドタイムの乱れは心血管系リスクを高めるかも


規則正しい就寝時間と1晩最低7時間の健康的な睡眠が重要であり、充分な睡眠の欠如は、糖尿病、脳卒中、心血管疾患等のリスクを高めるようだ。米国ノートルダム大学からの研究報告。
研究チームは、Fitbitを用いて、557名の大学生から4年間かけて、255,736回の睡眠を記録したデータを解析した。普段の睡眠習慣と、安静時心拍数(RHR)の関係を検討した結果、就眠時間が通常より1-30分遅くなるだけで、RHRの有意な上昇が続く日々において観察されることを発見したという。ここで通常の就眠時間は個人の就眠時間の中央値の前後1時間の範囲としている。就任時間は遅くなるほど、RHRの上昇リスクは高まった
意外にも、通常の時間より早い就眠時間もRHRを高めたという。30分早い就眠時間なら殆ど影響はなかったが、1時間以上早い就眠は有意にRHRを高めた。
 
「本研究において、我々は17時間の睡眠を夜間にしていても、毎日同じ時間にベッドに入らないと、睡眠中の安息時心拍数が高まるだけでなく、それが翌日も続くことを明らかにした」と主任研究者のナイテッシュ・チャウラ教授は語っている。
https://www.nature.com/articles/
s41746-020-0250-6
#2
心臓病リスクがすぐにわかる方法-太めの人の場合


過体重または肥満の人において、太ももの周囲長が大きいほど血圧は低い傾向があり、心臓病リスクも低下する可能性が明らかになった。ただし普通体重の人にはこの傾向はみられなかったという。中国・上海交通大学の研究。
今回の調査結果は、太ももの重量が大きいことが、心臓病のリスクが高い肥満・過体重の人にとって心臓の健康のバロメーターとなる可能性があることを示唆している。太もも周囲長の測定は、特別な機器を必要とせず安価で簡単に行えるため、肥満や過体重者の高血圧の早期発見に役立ちそうだ。
身体の各部位の周囲長の測定は簡単かつ安価に行えるため、以前より特定の疾患のリスクを評価するのに用いられてきた。例えば、ウエスト周囲長が大きいと血圧が上昇し、太ももの周囲が小さいと糖尿病リスクとなることがよく知られている。
 
研究チームは、40歳以上の中国人男女9,250人の大腿囲と血圧との関連を調査した。このうち、5,348人が過体重か肥満、4,172人が通常の体重だった。
その結果、過体重または肥満の人においては太ももの周囲長が大きいこと(男性55cm以上、女性54cm以上)と高血圧リスクの低さに有意な関連性のあることが明らかになった。これは、年齢、性別、BMI、ウエスト周囲長に関わらずみられたという。一方、太ももの周囲長が小さい人(男性は51cm未満、女性は50cm未満)の方が血圧が高くなる傾向があった
一方で、普通体重の人ではウエスト周囲長と高血圧リスクに関連性はみられなかったという。
 
「腹部の脂肪とは対照的に、脚の脂肪は代謝に有益である可能性があります。この関連の原因として最も可能性が高いのは、大腿筋や皮下脂肪が、比較的血圧を維持するのに役立つ様々な有益な物質を安定的に分泌しているということです」と著者のヤン博士は説明している。
ただし、人種や身体活動の違いによって太ももの周囲長に大きな違いがあるため、この研究の周囲長の基準は他の集団には当てはまらない可能性もあるという。
https://ec.bioscientifica.com/view/journals/
ec/9/4/EC-19-0539.xml
#3
毎日の入浴で心血管疾患リスク低下か


毎日お風呂に浸かる習慣は、虚血性心疾患や脳卒中による死亡リスクの低さと関連しているという。この関連が長期的な大規模疫学研究から示されたのは世界初。大阪健康安全基盤研究所、国立がん研究センターなどによる日本人を対象とした研究。
日本人において一般的な浴槽入浴は、睡眠の質と健康への自己評価の高さに関連しているが、心臓発作、心臓突然死、脳卒中といった心血管疾患のリスクに対し、どのような長期的影響を与えるかは明らかになっていない。
これまで、動物実験や少人数の人を対象とした研究では、浴槽入浴が糖尿病や肥満の改善効果が示されていたものの、一方で、浴槽入浴が脳卒中や突然死を引き起こすとの報告もあり、浴槽入浴と心血管疾患との関連ははっきりしていない。
このことを調査するために、研究者らは多目的コホート研究(JPHC研究)のデータを分析した。対象としたのは、研究参加者のうち循環器疾患及びがんの既往がなく、詳細な調査アンケートに回答した30,076人とした。
アンケートは調査開始時点の1990年に行い、浴槽入浴の頻度を含めた生活習慣、運動、食事、アルコール摂取、体重(BMI)、平均睡眠時間既往歴と服用薬などについて尋ねた。
そして対象者を、浴槽入浴頻度によって「週2回以下」、「週に3-4回」、「ほとんど毎日」の3グループに分け、その後の心血管疾患発症との関連を調べた。
 
20年間の追跡期間中に発生した心血管疾患は2097例であり、うち心筋梗塞が275例、心臓突然死53例、脳卒中1769例であった。
データの分析により、浴槽入浴頻度が「週2回以下」のグループと比較して、「ほとんど毎日」のグループは、心血管疾患全体のリスクが28%低下していた。うち虚血性心疾患リスクについては35%低下していたものの、心筋梗塞や心臓突然死については統計学的に有意な関連はみられなかった。なお、脳卒中リスクは26%低下しており、そのうち脳出血では46%、脳梗塞で23%のリスク低下がみられたが、くも膜下出血では関連はみられなかったという。
 
さらに、入浴時の水温と全体的な心血管疾患のリスクとの関連を分析したところ、適温の湯の場合、ぬるめの湯に比べリスクが26%低下、熱めの湯に比べると35%低下することが示された。しかし、脳卒中の全体的なリスクと水温については、有意な関連はみられなかった。
https://heart.bmj.com/content/early/2020/03/
03/heartjnl-2019-315752
#4
ピラティスは、若年の肥満女性の血圧を有意に低下させる?!


マットピラティスは、高血圧、早期血管合併症リスクを有する若年の肥満女性において、心血管を改善させるようだ、という米国、メリーマウント大学等からの報告。
これまでピラティスの心血管系へのメリットについては、エビデンスが不足していた。そこで、研究者らは、慢性疾患の既往歴がない、非喫煙者、血圧高値、BMI3040kg/m2の若年女性を28名対象に、12週間のマットピラティスの効果について調査した。対象者は、無作為に、マットピラティス群か、運動無し群に分けられた。定期的な運動として、週に3回、1時間(ウォームアップとストレッチ10分、マットピラティス40分、クールダウン10分)のトレーニングを行った。介入の前後に、動脈硬化、上腕および大動脈血圧、体脂肪の割合等を評価した。
 
結果は、マットピラティスにより、動脈硬化と大動脈血圧等の血圧が有意に低下したという。
https://academic.oup.com/ajh/article/doi/
10.1093/ajh/hpaa026/5814700

 
(KC マットの上でエクササイズすることが重要なのではなく、とにかく、定期的に体をうごかすことがだいじなのであり、なにもマットの上で運動をしないといけないというわけではない。)
#4-1
握力測定で、初期の糖尿病を特定できる!?


握力の測定が、簡便な2型糖尿病の検査に使えるかもしれない、という米国オークランド大学からの研究報告。
研究チームは、米国・国民健康・栄養調査(NHANES)の2011-2012および2013-2014のデータを使用して、握力と2型糖尿病の関係を検討した。
握力データは、正規化された(体重によって補正された)ものを使用し、年齢別のカットオフ値を決定した。
 
たとえば、50-80歳の女性のカットポイントは0.49であり、60歳の女性の左右の合計握力が43kgで体重が90kgなら、正規化握力は0.478、従って、糖尿病のリスクが高いことを示唆しているという。
「低コストかつわずかの訓練で使え、迅速に評価できることから、ルーチンの健康診断で使用できる」と研究チームはコメントしている。
https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/
pii/S0749379720300799

 
(KC 簡易的にわかるのはすごくいいけど、もう少し、わかりやすい方法にしないと、使い勝手が悪いかもしれない。)
#4-2
乳がんリスクの低下につながる食物繊維


すべての妥当な前向き研究を分析した結果、食物繊維の豊富な食事は乳がんの発症リスクを下げることがわかった、という米国ハーバード大学からの研究報告。
多くの研究が食物繊維の摂取と乳がんの発症リスクについて一致しない結果を報告していることから、ミリアム・ファービッド博士ら研究チームは、20197月までに発表されたすべての妥当な前向き研究を解析することにしたという。
 
研究チームは、見つかった20件の観察研究のデータをプールして解析した結果、食物繊維の摂取量が最も高かった人は最も少なかった人に比べて、乳がんの発症リスクが8%低いことを発見したという。水溶性食物繊維も乳がんリスクの低下に関連しており、また閉経前女性と閉経後女性の両方でリスクの低下が観察された
https://acsjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/
abs/10.1002/cncr.32816


先週の健康・健康食品関連情報

行政公表資料より
 
布マスクの全戸配布に関するQ&A (厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/
bunya/kenkou_iryou/cloth_mask_qa_.html

 
布製マスクのメンテナンスについて

Q9.洗濯機で洗うことができますか。

Q10.再利用しても、品質上問題ないですか。

Q11.どのくらいの頻度で洗えば良いですか。

Q12.漂白剤・柔軟剤・乾燥機は使えますか。

Q13.どのような状態になるまで使用できますか。

Q14.耳掛けゴムがほどけてしまいました。

Q15.耳掛けゴムの長さの調整はどのようにしたら良いですか。
 
(KC 暫くはいろいろな質問を受けると思いますので、一読しておくとよいかと思います。)
 
 
国民健康・栄養調査 統計表 (厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/
kenkou_eiyou_chousa.html

 
国民健康・栄養調査(平成30年)のxls形式の統計表が公表されました。


大学・研究機関等公表資料より


野菜・果物摂取と白内障発症との関連 (国立がん研究センター社会と健康研究センター)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8487.html
 
野菜・アブラナ科野菜摂取は、男性では白内障のリスク低下と関連が認められました。野菜に含まれる、ビタミン等の抗酸化成分、アブラナ科野菜に含まれるイソチオシアネートが白内障発症のリスク低下に関係していると考えられました。一方で、女性では、野菜摂取はリスク増加との関連が認められましたが、白内障は健診や病院に行くことで診断されることが多く、健康意識が高く野菜摂取量の多い女性は、健診などで白内障と診断される機会が多くなるため、見かけ上リスクがあがっているのではないかと考えられました。また、水晶体の濁りを女性ホルモンであるエストロゲンが保護しているという報告もあり、エストロゲン量が低下している高齢女性の野菜摂取量が多いための見かけ上の結果であることも考えられました。
 
 
地域がん登録 全国がん罹患モニタリング集計~2009年から2011年 診断症例 5年相対生存率 (国立がん研究センター)
https://www.ncc.go.jp/jp/information/
pr_release/2020/0415/index.html

 
全部位の5年生存率は、男性62.0%(59.1%)、女性66.9%(66.0%)、男女計64.1%(62.1%)で、前回の2006-2008年診断症例集計から2ポイント向上しています。前回集計と一部集計対象地域が異なるため、単純な比較は難しいですが、全部位での向上は比較的予後がよいがん(前立腺がん、乳がん等)の罹患数増加や、罹患年齢の変化などの影響、一般的な健康状況の改善に加え、後述の部位別、臨床進行度別、年齢階級別の分析の結果から、標準治療の普及や診断・治療技術の進歩がその理由である可能性が示唆されると考えられます。
 
(KC がんも克服できる病気になりつつありますね。)
 
 
肝硬変の全国調査の結果、ウイルス性肝炎に起因する肝硬変が減少し、非ウイルス性肝硬変が増加している実態を明らかに (兵庫医科大学)
https://www.hyo-med.ac.jp/
research_facilities/output/gyoseki/
20200413-01.html

 
C型肝炎とB型肝炎に起因する肝硬変は、それぞれ48.2%11.5%であり、依然として肝炎ウイルスに起因する症例が約60%と過半数を占めていました。しかしながら2007年以前、2008-2010年、2011-2013年、2014年以降の4つの年代に分けて成因を比較すると、2007年までは73.4%であったウイルス性肝炎由来の肝硬変は 2014年以降では49.7%へと減少していました。一方で非ウイルス性肝硬変は増加し、アルコール性肝硬変は13.7%から24.9%に、また非アルコール性脂肪肝炎に由来する肝硬変は2.0%から 9.1%へと増加していました。
 
(KC NASHは、どうして増えているのかが、知りたいところです。)
 
 
機能性表示食品、特定保健用食品などの国内市場を調査 機能性表示食品は2020年に 3,000億円突破、年々特定保健用食品の規模に迫る (富士経済)
https://www.fuji-keizai.co.jp/
file.html?dir=press&file=20036.pdf

 
―2020年国内市場予測(2018年比)―

■機能性表示食品 3,007億円(38.6%増)

~ドリンク類、サプリメントが伸びる。訴求効能別では生活習慣病予防の構成比が拡大~

■特定保健用食品 3,400億円(5.5%減)

~機能性表示食品との競争激化により縮小が続く~


先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

 
今週はなし


機能性表示食品届出公表

【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。

今週はなし
 
(消費者庁のHPより)

令和247日に新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受け、消費者庁における勤務体制の変更により、以下の届出に係る処理時間に大幅な遅延が生じますことを御了承ください。

新規届  変更届  撤回届

なお、データベースの稼働は継続されるため、届出を提出いただくことや、当庁の確認不要である販売状況等更新などの手続は可能です。

通常の確認体制に戻った際には、本サイトにおいて改めてお知らせします。

 
(KC しばらくは、届出の公表も滞りそうですね>)


あとがき


今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。
 
ついに、非常事態宣言が全国拡大されました。なんとか効果が出て、一日でも早く終息することを願いたい。

医療現場で働かけている方は大変かと思いますが、薬剤師の代表として頑張ってください。
 
自宅軟禁が続き、WEB会議が増えています。

会議の回数は、リアル会議の時よりも増えたような気がします。

どんどんPCやスマホのデスクトップに、ソフトの貼りつきが多くなってきています。皆さん共通のソフトを使ってくれるといいのですが・・・
 
では、素敵な1週間を。 (KC)

平成30年4月1日 第1号発行