平成30年4月1日 第1号発行
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【注目】 #1 ビタミンDが子供の重度の湿疹を軽減? #2 高たんぱく質の食事が健康体重を維持するカギ? #3 腸内細菌と糖尿病をつなぐ(?)成分 #4 - #5 大学・研究機関等公表資料より #6 機能性表示食品届出公表一覧 |
行政からの通知、取り締まり等 |
先週の行政の動き (11月22日~11月28日) 11月20日 医薬品成分を含有する製品の発⾒について (神奈川県) https://www.pref.kanagawa.jp/documents/ 10562/201120yakumupress2.pdf 神奈川県では、医薬品成分を含有する製品の流通防止を図るため、いわゆる健康食品の試買 検査を毎年実施しています。 今年度、インターネット通販により試買し、神奈川県衛生研究所で検査した次の製品から医薬品成分が検出されました。 製品名:キャンディーB+コンプレックス 内容量:2錠 購入サイト:サイト名:パインヒル サプリメントショップ 所在地:福岡県久留米市 製造(輸入)業者 :不明 (製品表示に邦文記載なし) 検出された 医薬品成分 :タダラフィル 製品名:ロイヤルハニー VIP 内容量:2包 購入サイト:サイト名:パインヒル サプリメントショップ 所在地:福岡県久留米市 製造(輸入)業者 :不明 (製品表示に邦文記載なし) 検出された 医薬品成分 :タダラフィル 製品名:RoyalHoney for Him 内容量:12 包 購入サイト:サイト名:ROYALHONEY JAPAN OFFICIAL SHOP 所在地:東京都港区 製造(輸入)業者 :不明 (製品表示に邦文記載なし) 検出された 医薬品成分 :タダラフィル 製品名:RoyalHoney CRUZE VIP 内容量:12 包 購入サイト:サイト名:ROYALHONEY JAPAN OFFICIAL SHOP 所在地:東京都港区 製造(輸入)業者 :不明 (製品表示に邦文記載なし) 検出された 医薬品成分 :タダラフィル キャンディーB+コンプレックスとロイヤルハニーVIP は、複数の製品を詰め合わせ「LOVELOVESET(L)」の名称で販売されていました。 11月26日 令和元年度「無承認無許可医薬品等買上調査」の結果について (厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/ 11126000/000698218.pdf 強壮・痩身・筋肉増強効果を目的として国内で販売されている、いわゆる健康食品等155製品を都道府県の協力の下で購入し、国立医薬品食品衛生研究所で分析を行った結果、下記1製品から医薬品成分を検出しましたのでお知らせします。 これらの製品をお持ちの方は、直ちに使用を中止してください。また、健康被害が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診してください。 買上都道府県:茨城県 製品名:NEW SAMSU SUPER OIL 検出された医薬品成分:ブフォテニン 含量:1製品中 25 μg |
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健康食品の健康被害情報(11/22~11/28) 国立健康栄養研究所HPより (外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません) 11月26日 米国FDAが未承認成分を含む製品の自主回収情報を公表 ■注意喚起および勧告内容 2020年11月23日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) は未承認成分を含む2製品の自主回収情報を公表。 製品名 CORE essential nutrients及びImmune Boost Sublingual Vitamin D3 ■解説 当該製品は、食品への添加が認められていない精神刺激性物質 (ホルデニン) を含んでいることが判明したため、2020年出荷分を対象に、業者 (Fusion Health and Vitality LLC) による自主回収が実施されている。現在のところ、当該製品摂取との因果関連が疑われる健康被害は報告されていない。 https://www.fda.gov/safety/recalls-market -withdrawals-safety-alerts/fusion-health- and-vitality-issues-voluntary-nationwide- recall-core-essential-nutrients-and-immune (KC ホルデニン(N、N-ジメチルチラミン)は、ビールに含まれる活力上がる成分として話題になったこともありますが、最近はあまり聞ききませんね。) 11月26日 米国FDAが医薬品成分 (シブトラミン) を含む製品に注意喚起 ■注意喚起および勧告内容 2020年11月24日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) が医薬品成分 (シブトラミン) を含む製品「Body Shape Weight Loss System」に注意喚起。米国FDAは当該製品を購入・使用しないように勧告。 ■解説 これは、米国FDAによる調査で判明した事例。痩身を謳って海外から通信販売されていた当該製品を分析したところ、医薬品成分であるシブトラミンが検出された。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。 https://www.fda.gov/drugs/medication- health-fraud/public-notification-body- shape-weight-loss-system-contains-hidden -drug-ingredient-0 11月27日 シンガポールHSAが医薬品成分 (シブトラミンなど) を含む製品に注意喚起 ■注意喚起および勧告内容 2020年11月25日、シンガポールHSA (Health Science Authority) が医薬品成分 (シブトラミンなど) を含む製品「Queenz Mango Xsliim Botanical Beverage Mix Mango Powder with Garcinia Cambogia & Aloe Vera Extract」に注意喚起。当該製品との関連が疑われる健康被害が2件報告されている。シンガポールHSAは当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。 ■解説 劇的な痩身効果や解毒作用をうたってインターネットで販売されていた当該製品を摂取した2名 (性、年齢、摂取量不明) が、胸部不快感、心拍数の増加、口渇を生じた。シンガポールHSAが当該製品を分析したところ、医薬品成分のシブトラミンとセンノシドが検出された。 https://www.hsa.gov.sg/announcements/ press-release/queenz-mango-xsliim 健康食品の素材情報より 新規収載 11月24日 「パッションフルーツ」 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/ detail4439.html |
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#1 ①ビタミンDが子供の重度の湿疹を軽減? |
ビタミンDが子供の重度の湿疹を軽減? ビタミンDサプリメントで、重度のアトピー皮膚炎または湿疹のある子供の症状が軽減されるようだ、というエジプト・マンスーラ大学のランダム化プラセボ対照臨床試験の報告。 研究チームは、86人の炎症性皮膚症状を訴える小児患者をランダムに2群に分け、1群には毎日高用量の25ヒドロキシビタミンDサプリを、別の1群にはプラセボ(偽薬)を12週間にわたって経口摂取させた。 その結果、炎症性皮膚症状の軽快の割合は、プラセボ群の42.09%に対して、ビタミンD群では56.44%と、統計的に有意な改善がみられたという。 「ビタミンDサプリメントは、重度のアトピー性皮膚炎の臨床転帰を改善する効果的な補助療法になる可能性がある」と研究チームは結論付けている。 https://bpspubs.onlinelibrary.wiley.com/ doi/10.1002/prp2.679 |
#2 ②高たんぱく質の食事が健康体重を維持するカギ? |
高たんぱく質の食事が健康体重を維持するカギ? 高たんぱく質食は、エネルギー消費と脂肪酸化を高めるかもしれない、というカナダ・アルバータ大学からの研究報告。 研究チームは、アルバータ大学の掲示板広告を介して、18歳から35歳の健康で普通体重の成人を募集した。43名(女性19名、男性24名)の参加者は、ランダムに2群に振り分けられ、1群(介入群)にはエネルギー比率にして炭水化物35%、たんぱく質40%、脂質25%からなる高たんぱく質の食事が、対照群には、同カロリーで、炭水化物55%、たんぱく質15%、脂質30%という北米の典型的な比率の食事が与えられた。 参加者は、ヒューマンカロリーメーター内で、32時間にわたって食事を受け取り、その間のカロリー代謝が持続的に測定された。 解析の結果、典型的な北米の食事パターンと比較して、高たんぱく質の食事が、より高いエネルギー消費、脂質酸化の増加、負の脂肪バランスにつながることが明らかになった。 つまり、たんぱく質の割合が高い食事は、カロリーは同じでもたんぱく質の割合が低い食事と比較して、エネルギー消費と脂肪酸化が増加する可能性がある。 要約すると、本研究の結果は、高たんぱく質の食事は、肥満率の上昇と戦うための有望な栄養戦略である可能性があることを示唆している、と研究チームは述べている。 doi/10.1093/ajcn/nqaa283/5986961 |
#3 ③腸内細菌と糖尿病をつなぐ(?)成分 |
腸内細菌と糖尿病をつなぐ(?)成分 2型糖尿病において、インスリンを効きにくくさせると考えられる特定の成分は、腸内細菌の変化によってレベルが上昇するようだ。またこの成分は、糖尿病予備軍の人にも多く見られるという。スウェーデン・イェーテボリ大学の研究。 腸と腸内細菌は数多くの病気において重要であると考えられており、腸内細菌叢が食事のいくつもの成分の分解に影響を与えることが示されている。腸内細菌叢と2型糖尿病に関するこれまでの研究では、酪酸を生成する食物繊維と、それらが血糖コントロールとインスリン抵抗性に与える影響の可能性に焦点が当てられてきた。 イェーテボリ大学のフレデリク・ベッキエド教授らの研究グループは先行研究で、糖尿病は腸内細菌の組成の変化に関連している可能性があること、そしてそれは病気を招くおそれのある分子の産生を増加させることによるものとしていた。 具体的には、腸内細菌叢の変化がアミノ酸の一種ヒスチジンの代謝の変化を引き起こし、それによってインスリンの血糖降下作用を妨げる分子「プロピオン酸イミダゾール」の産生の増加をもたらすことを示したのだ。 今回の研究では、1,990人の被験者を対象としたヨーロッパ3か国での大規模な調査により、2型糖尿病患者の血中のプロピオン酸イミダゾールのレベルが上昇したことを初めて示した。 https://www.nature.com/articles/ s41467-020-19589-w |
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先週の健康・健康食品関連情報(11月22日~11月28日) |
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低炭水化物食と死亡リスクとの関連 (国立がん研究センター社会と健康研究センター) https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/ 8641.html 炭水化物の摂取量に対する脂質やたんぱく質の摂取量が少ない場合と多い場合のいずれも死亡リスクが高まることがわかりました。また、脂質やたんぱく質の摂取源が、動物性食品か、植物性食品かによって死亡リスクとの関連が異なることがわかりました。 炭水化物の摂取量を減らして脂質やたんぱく質の摂取量を増やす場合には、死亡(特に循環器疾患死亡)のリスク低減の観点から、脂質・たんぱく質は主に植物性食品から摂取することが望ましいことが示唆されました。 (KC 結局は、バランスの良い食事をとりなさいという結論に達しますね。) 酒粕と米麹で作った甘酒に「日常生活における疲労感を軽減」 (森永製菓) https://www.morinaga.co.jp/public/ newsrelease/web/fix/file5fb7430c65895.pdf 日頃から疲労を感じている 50~64 歳の女性 10 名を対象に、酒粕と米麹で作った甘酒の疲労感軽減効果をプラセボ飲料と比較検証しました(クロスオーバー試験)。酒粕と米麹で作った甘酒(190 g、112 kcal)を 2 週間毎日 1 本ずつ飲んだ対象者に、日常生活で生じる精神的疲労と身体的疲労を誘導するための計算課題とバイク運動をそれぞれ30 分間行ってもらった後、酒粕と米麹で作った甘酒を 1 本飲んでから休憩を 60 分間とってもらいました。 アンケート調査(VAS、CFS、POMS2 短縮版)を行いました。 VAS による疲労感評価では、酒粕と米麹で作った甘酒を飲んだ時(酒粕・米麹甘酒群)には、対照飲料を飲んだ時(対照群)と比較して、計算課題とバイク運動を行った後の疲労解消の見込みが統計学的に有意に改善しました。 (KC 機能性表示食品として届けられるのですかね?関与成分は何になるのでしょうかね?) ユーザー参加型のゲノム研究により宿主遺伝要因が日本人腸内細菌叢に影響を与えることを確認(東京大学) https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/ about/press/page_00048.html 被験者の外的要因である食習慣や生活習慣等138の項目についてのデータを取得し、それらと腸内細菌叢との関連性を評価しました。その結果、主要な21の菌について281の有意な関連性が認められました。 メラトニンの代謝産物AMKが長期記憶を促進する 加齢に伴う記憶力低下の改善に期待 (東京医科歯科大学) http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/ kouhou/20201124-2.pdf 松果体ホルモンであるメラトニンの代謝産物 N1-acetyl-5-methoxykynuramine(AMK)を、学習前および学習後にマウスに1回投与するだけで、長期記憶が誘導されることを初めて明らかにしました。 l 学習・記憶能力が低下した老齢マウスにおいても、AMK を投与すると低下した記憶形成能力が有意に改善することを明らかにしました。 (KC まだ、動物試験の結果ですが、期待したいですね。) “ランナー下痢”の解明に手掛かり 長時間・高強度な運動で腸内細菌に変化 (摂南大) https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/ 2020/files/25498.pdf 女性長距離ランナーは下痢の原因となるコハク酸の便中濃度とコハク酸を産生する細菌の比率が健常女性に比べて高いことが判明 女性長距離ランナーは腸の炎症と関連する細菌の比率が健常女性に比べて高いことが判明 レスベラトロールによる筋ジストロフィー治療の有効性についての臨床研究の成果 長寿遺伝子の長期活性化による運動機能の向上と筋力の増加 (札幌医大) https://web.sapmed.ac.jp/jp/news/press/ jmjbbn000000ur4t.html 12歳から46歳のドゥシャンヌ型、ベッカー型、福山型の筋ジストロフィー症の患者さん男性10名、女性1名。多くの方は症状がかなり進行した方で、7名の方は歩行困難で車いすが必要な方を対象に、所定の検査(血液、筋力、心臓、呼吸機能など)後にレスベラトロール1回/1日を8週間連続服用し、その後8週間はレスベラトロールを2回/1日で服用、さらにその後、レスベラトロール投与量を3回/日に増量して8週間連続で服用しました。 ・運動機能の向上:運動機能スケール(MFM)を測定したところ、レスベラトロール服用24週間後に10%の向上が見られました。このような向上は通常の治療法ではこれまで観察されたことがないものでした。 ・筋力の向上:2種類の筋力測定項目で有意な増加が観察され、10名の患者さんで測手できた肩を挙げる力では、投与24週間後で平均して2倍の筋力増加(平均で4 kgfが8.3 kgfに増加)が観察されました。また、5名の患者さんで測定できた肩の外転力でも約2倍の筋力増加(平均で4 .4kgfが9.1 kgfに増加)が見られました。このような筋力の増加もこれまでの治療法では見ることができないものでした。 (KC 健康食品としてのレスベラトロールは、パッとしませんでしたが、医薬品としての可能性があるのは、なんともうれしい限りです。) 不妊症・不育症の女性への緊急調査 新型コロナウイルス感染拡大の影響が明らかに (岡山大) http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/ release_id783.html 不妊症、不育症(流産や死産を繰り返して子どもを持つことができない状態)の女性の 中には、「コロナ禍の中で妊娠することが不安」と考える例もある一方で、年齢が高くなるほど妊娠 率が低下し流産率が上昇することもあり「延期する時間はない」と悩む例も見られます。 約35%の不妊症・不育症女性が、新型コロナウイルス感染拡大により「精神的に不安定になった」と回答し、約40%が治療を再考し、約15%は治療を延期していました。 約38%の不妊症・不育症女性が「年収が減少すると思う」とし、約60%が経済的不安を持っていました。また、約85%が経済状況は不妊症・不育症の治療に影響すると回答しました。 (KC 将来的に、人口減の方向へ、また一歩進んでいるみたいです。) |
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特定保健用食品
先週のトクホ・機能性表示食品情報(11月22日~11月28日) 特定保健用食品 今週はなし |
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※【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。 ※効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。 会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧 ■制度開始から届出た商品を確認できます。 商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス ■エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。 |
今週はなし 届出撤回情報 2020年11月11日付け E35 「キオクのミカタ(認知機能)」 株式会社サン・クラルテ製薬 ・・・・ DHA 撤回理由「商品名変更のため」 「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから YouTube チャンネル名「サプリ情報」 今週は、機能性関与成分GABAの簡単解説もアップしています。 チャンネル登録をしてご覧いただければと思います。 |
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おはようございます。 今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。 来週から、ついに12月突入です。今年もカウントダウンの時期になってきました。 今年は、本来ならオリンピックもあり、10大ニュースなども明るい話題が多くなるはずだったのでしょうが、残念ながら、コロナ一色の年になってしまいました。 感染の拡大は、国内でも、今までの最大の状況となっています。国の政策の蛇行状態を見るにつけ、政府としては、このコロナウイルスは、恐ろしいものと思っているのか、単なる風邪の延長と思っているのか、全く判断できません。 GoToナントカの中止は、国民への注意喚起をする上では効果的だと思いますが、GoToナントカが、今回の拡大の一番の要因ではないように思います。 インフルエンザが流行っていないのが、せめてもの救いといった感じですが、これはマスク着用が功を奏しているのかもしれません。 今年も残り一か月、なんとか明るい話題で終わりたいものです。 では、素敵な3週末を。 (KC) |
平成30年4月1日 第1号発行