2018年5月26日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報(2018/4/22~4/28)号

更新:2019年4月21日
薬剤師がぜひ知っておきたい「健康食品」に関する情報 
(2018/4/224/28)

平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等

427日 インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について
(平成 30 年1月~3月)

消費者庁から、平成 30 年1月から3月までの期間、インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視結果を公表されました。
インターネットにおいて健康食品等を販売している 54 事業者による 55 商品の表示について、健康増進法第 31 条第1項の規定に違反するおそれのある文言等があった。
(違反事例)
・脂肪燃焼、新陳代謝の向上、老廃物の除去の効果を有すること等を標ぼうする表示
・女性ホルモンの活性化に働きかけ、美肌、更年期障害の軽減、高血圧や動脈硬化の予防等に効果を有すること を標ぼうする表示

(KCコメント 定期的なルーチンのロボット検索調査です。
消費者庁から指導されると、メーカーさんは、すぐに対応して、その後の措置まではいくことはありません。)


健康食品の健康被害情報(4/224/27) 国立健康栄養研究所HPより

425日 厚生労働省と福岡県が医薬品成分 (シルデナフィルなど) を含むいわゆる健康食品に注意喚起

■注意喚起および勧告内容
2018425日、厚生労働省と福岡県が医薬品成分 (シルデナフィルなど) を含むいわゆる健康食品3品目に注意喚起。厚生労働省と福岡県は当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関または最寄りの保健所に相談するように勧告。

販売名――――――検出された医薬品成分
MAGNA-RX(マグナ-rx)―――――シルデナフィル
ex-lax(エックス-ラックス)――――センノシドA、センノシドB
牛寳(ギュウホウ)――――シルデナフィル

■解説
福岡県による買上調査によって判明した事例。平成2911月にインターネット販売業者15社から購入した15品目 (痩身系7品目、強壮系5品目、育毛系1品目、精神系2品目) について検査を行ったところ、痩身を標榜する1品目、強壮を標榜する2品目から医薬品成分が検出された。福岡県は、効能効果をうたった健康食品は購入しないよう呼びかけている。現在のところ、当該製品摂取との因果関係が疑われる健康被害は報告されていない。なお、「MAGNA-RX」は以前にも医薬品成分の混入が報告されている。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11126000-Iyakushokuhinkyoku-Kanshishidoumayakutaisakuka/180425_fukuoka_1.pdf

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患者さんとの会話のための話題提供

LINK de DIETの記事より

   鉄サプリの一部、がん発症と関連のおそれ
  
2つの鉄化合物(クエン酸第二鉄とEDTA鉄水和物)が既知のがんのバイオマーカーを上昇させるようだ、というスウェーデン・チャルマース工科大学からの研究報告。
クエン酸第二鉄はサプリメントとして、EDTA鉄水和物は食品添加物として一般的に使用され世界中で販売されている。どちらも先行研究でマウスの結腸がんを増悪させることが報告されていたが、そのメカニズムやヒト細胞への影響はほとんどわかっていなかった。

研究チームは培養ヒト結腸がん細胞を用いて、通常サプリメントとして用いられる濃度のこれら化合物の影響について検討した。対照には硫酸第一鉄を用いた。

硫酸第一鉄にはまったく影響がみられなかったが、クエン酸第二鉄とEDTA鉄水和物は、低用量でも、既知のがんマーカーであり、しばしば長期の予後不良に関連している、アンフィレグリンの形成を増加させた。

「我々は、既知のがんマーカーであるアンフィレグリンを上昇させたのであり、クエン酸第二鉄とEDTA鉄水和物は、発がん性があるかもしれない、と結論づけることができる」と筆頭研究者のナタリー・シアーズ助教授は語っている。
http://www.oncotarget.com/index.php?journal=oncotarget&page=article&op=view&path[]=24899&path[]=78067




座り過ぎは代謝だけでなく脳にも悪影響?
  
長時間座り続けることは、記憶力に関連する脳の一部に良くない影響を及ぼすようだ、という米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校からの予備的研究。
研究チームは、45-75歳の35名に、この1週間の身体活動量や座位時間について聞き取り調査した後、高解像度MRI画像診断を受け、脳の新規記憶が形成される部位である内側側頭葉(MTL)を詳細に調査した。

その結果、座位行動は、MTLが薄くなることの有意な予測因子であることが明らかになったという。身体活動をしていても、それが高い強度であっても、それだけでは座位行動の有害影響を防ぐには不十分であった。

この研究結果は、長時間座り続けることが脳の構造を薄くする原因になると言っているのではなくて、両者に相関関係がみられただけであることに注意すべきだと研究者らは語っている。加えて、調査では何時間座っているかを尋ねただけで、その間にどれくらい頻繁に立ち上がるかは尋ねなかった。
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0195549



   妊娠中の加糖飲料は子の認知機能を悪くするかも
  
妊娠中の女性とその子供が、砂糖類を多く摂取すると、子供の認知機能(特に記憶と学習)が悪くなる可能性があるようだ、という米国メリマックカレッジとハーバード大学からの報告。
妊娠中に砂糖入り飲料からダイエットソーダに変更しても悪影響を及ぼすという。しかしながら、子供の果物摂取は、有益な影響を有し、認知スコアの高さと関連していた。

研究では、1999年から2002年、プロジェクトビバに参加した妊婦1,000人以上の食事評価データを収集した。彼らの子供の食事は、小児期に評価、子供の認知は、小児期早期(3歳頃)と小児期中期(7歳頃)に評価した。

結果は、下記の通りであった。
●母親の砂糖摂取量(特に糖類添加飲料[SSB])は、小児期の非言語能力を含む認知低下と関連していた。
●母親のSSB摂取は、言語的知識と非言語スキルの両方に関連する全体的な知能の乏しさと関連していた。
●母親のダイエットソーダ摂取は小児期早期の細かい運動スキルの乏しさ、視覚的空間把握力、視覚的運動能力、小児期中期の言語能力の乏しさに関連していた。
●子供のSSB摂取は、小児期中期の言語的知性の乏しさと関連していた。
●小児期早期のフルクトースと果物の摂取は、いくつかの領域における認知スコアの高さ、より語彙の受容力の広さと関連していた。果物は、さらに、小児期早期の視覚的運動能力の高さと小児期中期の言語的知性に関連した。
●フルーツジュースは、認知改善に関連しなかった。


知っておきたい関連情報(422日~428)

行政公表資料より

データヘルス時代の母子保健情報の利活用に関する検討会資料から
乳幼児健診における標準的な健診項目一覧


大学・研究機関公表資料より

「トマト減塩食」の摂取で減塩効果指標(尿中ナトリウム/カリウム比)が大幅に改善することを確認
「トマト減塩食」を 2 週間摂取することによる、尿中ナトリウム/カリウム比の大幅な改善が 確認されました。これにより、通常料理の調味料(みそ、しょうゆなど)を減らし、代わりにトマト ケチャップやトマトソース、トマトを取り入れることで、減塩効果が期待できることがわかりました。
また、アンケート調査により、トマト減塩料理は「おいしい」かつ「調理が簡単」な料理である、という評価が得られました。


薬局での指先HbA1cチェックの優れた医療経済性
検体測定室での糖尿病の早期発見は費用対効果に優れ医療費削減に繋がる


検体測定室で指先HbA1c自己検査を受けた1人あたり、質調整生存年で+0.0203QALYの延伸効果が、52,722円少ない費用でもたらされることが判明しました。このことは、将来の医療費の減少を示唆しています。検体測定室の設置が進む中、その費用効果分析が行われたのは本研究が初めてであり、糖尿病の専門家と公衆衛生の専門家の協働により得られた成果です。

トクホ・機能性表示食品情報(4月22日~4月28日)

特定保健用食品の許可
今週は無し。

機能性表示食品届出公表(422日~428)

機能性表示食品届出公表(422日~4月28)

届出番号
届出日
商品名
届出者
食品の区分
機能性関与成分名
表示しようとする機能性
C420
2018/3/1
有田みかん
ありだ農業協同組合
生鮮
β-クリプトキサンチン
本品には、β-クリプトキサンチンが含まれています。
β-クリプトキサンチンは骨代謝のはたらきを助けることにより、骨の健康に役立つことが報告されています。
C421
2018/3/1
GABA(ギャバ)ココア 180G
名糖産業株式会社
その他加工
GABA
本品にはGABAが含まれています。 GABAには事務的な作業による一時的・心理的なストレスを低減する機能があることが報告されています。
C422
2018/3/5
HMB for(エイチエムビー フォー)シニア
株式会社つうはん本舗
サプリメント
3-ヒドロキシ-3-メチルブチレート(HMB
本品には、3-ヒドロキシ-3-メチルブチレート(HMB)が含まれます。3-ヒドロキシ-3-メチルブチレート(HMB)には、自立した日常生活を送る上で必要な筋肉量及び筋力の維持・低下抑制に役立つ機能、歩行能力の改善に役立つ機能が報告されています。

今週は、新規成分はありません。

機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。

(KCコメント 今回も、温州ミカンがひとつ届けられましたが、機能性表示食品でなくても、甘いうんしゅうミカンなら、β-クリプトキサンチンはしつかりはいっています。冬場に毎日3個ずつ食べれば、一年間OKということですが、そんなにみかん食べられるものですかね?)

平成30年4月1日 第1号発行