平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等 |
先週の行政の動き (12月29日~1月11日)
1月9日 消費者安全法の重大事故等に係る公表について (消費者庁) https://www.caa.go.jp/notice/assets/ consumer_safety_cms201_200109_01.pdf 消費者安全法に基づき、令和元年 12 月 23 日から令和2年1月5日までに 関係行政機関等から生命・身体被害に関する消費者事故等として通知された 事案は 72 件、うち重大事故等として通知された事案は 39 件でした。 東京都から、健康食品の報告が1件上がっています。 事故発生日:令和元年9月 通知受理日:令和元年12月23日 製品名等:健康食品 被害状況等:重症1名(60歳代) 事故内容:当該健康食品を摂取したところ、じんましんを発症。 事故発生都道府県:東京都 |
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(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起は掲載していません) 素材情報から ●「プラセンタ、胎盤」危険情報:被害事例 ・61歳女性 (日本) がプラセンタサプリメントを摂取したところ (期間、摂取量不明) 、呼吸困難感を訴え受診。検査所見より自己免疫性肺胞蛋白症と診断され、摂取中止により改善した 。 気管支学 2016.05 (0287-2137)38巻Suppl. Page S333. 国立健康・栄養研究所セミナー「ふだんの食事に生かす栄養素の知識」のお知らせ https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/ pdf/seminar20200107.pdf 日時:2020年2月1日(土)13:00-16:00(12時開場) 場所:よみうりホール(JR有楽町駅前 読売会館7階) 講演内容 基調講演「食品成分表はおもしろい! -成分表を活用した食育」 淑徳大学看護栄養学部栄養学科 教授 渡邊智子 講演1「食品包装の裏側 〜ラベル見てますか?〜」 食品保健機能研究部 食品分析・表示研究室 鈴木一平 講演2「みんなとってる?! ビタミンとミネラル」 食品保健機能研究部 健康食品情報研究室 室長 佐藤陽子 入場無料、当日会場にて受付、先着800名 |
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①活動的であることは前立腺がんのリスクを軽減する? 活動的であることは、前立腺がんのリスクを軽減するようだ、という英国ブリストル大学からの研究報告。 既に、研究チームは、世界がん研究基金(WCRF)の報告から前立腺がんリスク因子を同定しており、今回はこのリスク因子に因果関係が見られるかどうかを、メンデルランダム化(MR)分析によって検討した。 対象者は、PRACTICALおよびGAME-ON/ELLIPSEの参加者で前立腺がん患者79,148名対対照者61,106名および悪性前立腺がん患者15,167名対対照者58,308名である。再現性の確認には、英国バイオバンクの前立腺がん患者7,844名と対照者204,001名のデータを用いた。 WCRFは、57の潜在的リスク因子を同定しており、そのうち22を一塩基多型を用いたMR分析に使用した。その結果、研究チームは、全前立腺がんリスクについて、以下の因子に因果性を認めたという。 ●加速度計計測身体活動量(OR=0.49) ●血清鉄(OR=0.92) ●BMI(OR=0.90) ●一価不飽和脂肪酸(OR=1.11) 英国バイオバンクのデータによる再現分析でも、主分析の結果と同様の結果が得られたという。 なお、悪性前立腺がんについては、身長が高いことにがんリスクを低下させる効果がみられた(OR=1.07)。 https://academic.oup.com/ije/ advance-article-abstract/doi/10.1093/ije/ dyz235/5650986?redirectedFrom=fulltext (KC オッズ比0.49というのは、すごいですね。動いていれば、前立せんがんのリスクが大いに減るということですね。) |
②運動を続けると脳の灰白質に良いことが判明 心肺エクササイズ(きびきび歩き、ランニング、自転車、その他心拍数を高める運動)は、身体に良いだけでなく、脳にも良いようだ、というドイツ神経変性性疾患センターからの研究報告。 研究チームは、ドイツ北東部の独立した2つのコホート参加者である2,013人の成人(21-84歳)を対象とした。1997年から2012年まで段階的に検査が実施された。エクササイズバイクを使用中の最大酸素摂取量その他の基準を用いて心肺機能が測定された。またMRI画像診断装置により脳のデータも分析された。 解析の結果、心肺フィットネスを高める運動は、脳の健康改善に寄与し、灰白質の減少を遅くする可能性が示唆されたという。 「有酸素運動が身体だけでなく認知機能にも良い影響を与えることができるという間接的証拠を提供している。この研究の重要な特徴は、これらの結果が高齢者にも当てはまることだ」と関連エディトリアルで米国メイヨ-クリニックのロナルド・ピーターセン医師はコメントしている。 article/S0025-6196(19)30522-1/fulltext |
③超加工食品の摂取量が多いと2型糖尿病が増加するかも
スナック菓子などの超加工食品の摂取量が多い人では、糖尿病のリスクが増加した、という仏パリ大学からの共同研究報告。 対象者は、フランスのインターネットべースの大規模コホート研究(French NutriNet-Sante cohort 2009-2019)に参加した18歳以上の104,707人(平均年齢42.7歳)であった。研究では、対象者の超加工食品の摂取と2型糖尿病のリスクとの関連を検討した。食品摂取量は、24時間思い出し法を用いて算出した。 超加工食品とは、防腐剤や着色料、乳化剤などを含む加工食品や加糖飲料のことである。スナック類や菓子類のほか、調理済みの肉や魚、ハムやソーセージ、インスタント食品なども含まれる。 平均6.0年の追跡調査の結果、超加工食品(特に、炭酸飲料、エナジードリンク、人工甘味料入り飲料などの甘い飲料、香料などの入った乳製品、乳化剤の入ったソースやドレッシング類)を多く摂取した人では、2型糖尿病のリスクが有意に高いことが明らかになったという。 本研究は、大規模観察的前向き研究であり、別の集団、セッティングでの検証が求められるが、栄養政策担当者が超加工食品の摂取を制限するよう推奨することを支持するエビデンスを供給するものである、と研究チームは結論付けている。 |
④妊娠中の夜食、食事の質の低さは、妊娠後の体重増加・保持と関連する?! 妊婦が毎日7時以降に多くの食物を摂取したり、質の低い食物摂取であると、分娩後体重保持(出産後18カ月で5kg以上保持)する可能性が3倍以上であるという、シンガポール、KK女性を子供病院等からの報告。 食事の量と質、食事のタイミング、食事頻度は、体重コントロールに影響を及ぼす可能性があると報告されているが、妊娠中のこれらの要因が、出産後、母体の体重維持に影響を与える可能性があるかどうかは、これまで明らかになっていない。そこで、研究者らは、アジアのコホートを用いて、母体の妊娠中の概日食パターン、食事の質と18カ月時の分娩後体重保持(PPWR)との関連を調査したという。 今回の研究対象者は、687名であり、食事パターンと食事の質は、妊娠26週から28週の時、24時間思い出し法を用いて評価した。PPWRは、産後18か月の体重から妊娠初期の母体の体重を差し引き算出、PPWRの定義として妊娠初期から産後18か月まで5kg以上の体重保持とした。 結果は、女性の16%が、PPWRを有していた。交絡因子で調整後、夜食(夜食のエネルギー摂取増加によって定義)、食事の質の低さ(健康的な食事指数のスコアにより中央値によって定義)は、PPWRの高リスクと独立して関連していたという。PPWRと夜間の絶食期間と食事回数との関連は観察されなかった。 「 今回の研究結果より、出産後の望ましくない体重増加と保持防止するために、妊娠中の女性は、母親と赤ちゃんのどちらにとっても十分な栄養を摂取し、以下の食生活を取り入れることを推奨する」と、ファビアン・ヤップ准教授とロイ・シー・リン博士は述べている。 (1)妊娠中は適切な食事を摂ること。 (2)全粒穀物、果物、野菜、低脂肪乳製品をより多く摂ること。 (3)脂肪分が多く、塩辛く、甘い食品を減らすこと。 (4)夕食の食事時間を早めにするか、夜は軽食を摂ること。 (5)規則正しくに食事を摂ること。 https://www.mdpi.com/2072-6643/11/11/2686 |
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行政公表資料より
特になし |
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尿から鉄分の充足状態が判定できる方法を開発 (株式会社ファンケル) https://www.fancl.jp/news/pdf/ 20200108_nyoukaratetubunnnozyuusokuhanntei.pdf 尿にも微量に含まれる「フェリチン」を測定し、鉄分の充足状態を簡単に判定する方法を開発しましたので、お知らせします。 体内の鉄分が不足し始め、潜在的な鉄不足になると体中に酸素を運ぶ働きのあるヘモグロビンよりも先に貯蔵鉄である「フェリチン」の量が減少します。さらに鉄分が不足し、鉄欠乏の状態になるとヘモグロビンも低下します。 |
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特定保健用食品
今週はなし |
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※【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。 |
今週はなし 撤回情報 2020年1月6日付け B178「小林HMB(エイチエムビー)パウダー」 B185「小林HMB(エイチエムビー)タブレット」 小林香料株式会社 ・・・・3-ヒドロキシ-3-メチルブチレート(HMB) 撤回理由 「機能性関与成分名の見直しのため」 (KC すでに関与成分をHMBカルシウムとした製品が届けられています。) 機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。 https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/ |
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今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。
またこれから一年、メルマガ配信を続けて見ようと思います。 お付き合いいただきますようよろしくお願いいたします。 新年のあいさつに代えて、2019年の勝手に健康食品重大ニュースを記載してみます。 勝手に2019年の健康食品の話題を考えてみる 1. 機能性表示食品の届出は、今年も順調な伸び 今年も(今年度も)、機能性表示食品は、過去最高の届出件数で伸び続けている。 3月末には、軽症者データの受け入れや、エキス成分の取り扱いもスタートして、もう一つステップアップしたステージに入ったように思う。 軽症者データの活用では、アレルギー関係の訴求で、従前の「鼻のムズムズ感」から一歩踏み込んだ「花粉」という文言を入れ込んだ機能性表示まで出てきている。 エキス成分に関しては、早々に一つ届け出が受理されたが、その後は皆無であり、残念な限りである。ただ、届け出をするための条件を見ると、なかなかハードルが高いことは間違いかない。 2. 医薬品成分含有サプリメントの摘発
今年は、医薬品成分を混入しているサプリメントの摘発が多かったように思う。ほとんどが、外国からの輸入品ではある。ある意味、効果があるという面では確かなのだとは思うが、健康被害も懸念され、さらなる取り締まり強化が望まれる。
インターネットの販売サイトなどの規制をかけない限り、なかなか難しいのかもしれない。
3. 景品表示法の措置命令、課徴金納入命令 今年も、景品表示法の措置命令、課徴金納入命令が多く出された。 大型案件では、成分の広告による措置命令も出され、一歩踏み込んだ対応になってきているように思われる。当該商品の課徴金がどれくらい来るのか、今から、興味津々である。健康食品の課徴金としては過去最大になることは間違いなさそうである。 4. 食品衛生法の指定成分を公表 指定成分等含有食品による健康被害情報届出の省令案が公表絵された。 指定成分は、下記の4成分で、令和2年2月2日告示され、6月1日から施行される。6月1日以降は、指定成分含有食品の健康被害情報の報告義務が課せられる。 「コレウス・フォルスコリー」 「ドオウレン」 「プエラリア・ミリフィカ」 「ブラックコホシュ」 コレウス・フォルスコリーは、用量が多ければ、ほぼ間違いなく下痢が起きることが予想され、報告件数は、かなりに上ることが予想され、今後どのような形に展開していくのか興味があるところである。 これと直接連動しているわけではないが、食薬区分の見直しも進んでおり、「食区分」から「医薬区分」に移行が予想されているものには、健康食品素材で使われているものがいくつか含まれている。 5. 食品表示法の猶予期間終了にともなう表示の改定 令和2年4月1日以降に製造する食品に関しては、食品表示法に基づく新表示が完全義務付けとなり、中小企業のパッケージの改定作業が佳境に入っているようだ。 今後も、原料原産地表示、遺伝子組み換えと改定作業は続く。 また、食品表示の添加物記載の検討会が行われているが、どのように最終的になるのか、まったく方向性が見えない。用途名の併記、用途名表示ではなく成分名表示へ変更するのか、ビタミン等の栄養強化の添加物の未記載はどうするのか、無添加表示をどうするのか等々、検討課題はいくつも上がっているが、どのようになっていくのか、今のところ全くわからない。今年度中に報告書をまとめて、来年度には改正されそうではある。 そのほか、特定原材料の「くるみ」の追加も予定されている。 食品表示の変更は、全食品が対象であり、健康食品も例外でなく、今後も数年間は変更作業が続きそうである。 6. サプリメントの品質問題 国民生活センターが、夏に公表した「錠剤・カプセル状の健康食品の品質等に関する実態調査」の報告書で、約半分の製品で、崩壊試験をクリアしなかったとされた。 サプリメントに薬局方の崩壊試験の基準を当てはめるか否かの問題は残るとは思うが、まったく崩壊しないものは、体内に吸収されないことも事実である。この辺りは、今後、製造メーカーも検討していく必要がありそうだ。 崩壊試験に限らず、製品の品質確保は、保健機能を謳うならば、当然のことであり、いわゆる健康食品にしても、健康維持・増進を期待するならば、品質の問題は避けて通れない課題である。 第三者機関でのチェック体制を確立して、安心マークなどをつけることも検討してもよいのではと考える。 7. 消費者安全法で、健康所食品に注意喚起 9月に、消費者安全法による健康食品の使用に関する注意喚起が、初めて出された。 今回の対象となった商品は、ここ数か月で、下痢等の健康被害情報が急激に増えたことによる、注意喚起であった。ただ、この商品でなぜ下痢を起こしたか等に関しては、一切わかっていないようだ。 消費者安全法による注意喚起は、販売中止等を求めるものではなく、あくまで使用者に対して、使用する際の注意事項を喚起するものである。 ただ、実際問題としては、対象会社にとっては、対応はかなり大変なことになったと思う。 8. 健康食品の定期購入のクレームが急増 健康食品の定期購入に関するクレームが、全国の消費者センターで急増した。これは、健康食品自体が問題ではなく、あくまで販売の仕方の問題であり、通販事業者、電話勧誘取引業者のモラルが問われる。年末には、特商法違反の行政処分も出されたが、1回のみの客寄せ価格で、4か月の縛り契約などというのは、いくら契約内容に書いてある、読んでない購入者が悪いというような、考え方は通用しない。 一早い改善を求めたいところである。 9. トクホ、特別用途食品の保健機能範囲の拡大 トクホ、特別用途食品は、食品の効能を国が許可している食品であり、機能性表示食品とは大きく取り扱いが違う。 病気の治療のため、予防のためにも用いられる食品であり、その効能(保健機能)の拡大が求められる。実際に今後検討が始まるが、機能性表示食品の機能性範囲の検討以上に、よりの早い対応が必要であると考える。 トクホの公正競争規約は、気のせい表紙度食品に先立ち、新年度よりスタートのようです。 10 来年は 機能性表示食品の公正競争規約の検討が本格的に始まる。 1月には、機能性表示食品の届出の事後チェック指針も公表され、広告と有効性に関しての第三者機関でのチェックが進んでいく。 一年間、大きく変革される取り組みになることが予想される。 食品表示に関する地方庁の取り締まり(指導)が、活発になることが予想される。 食品製造販売関連事業者のHACCPも導入され、健康食品製造業者もHACCP導入が義務付けられる。また、食品関連事業者としての届出制度もあり、今後、より規制が強化されることが予想される。食品のリコールの届出義務化は翌年だが、実際のとりあつかいについても来年は公表されることになると思われる。 業界団体に目を向ければ、健康食品産業協議会を中心とした業界団体の再編成が本格化することが予想される。日健栄協との事業の棲み分けも今後の課題である。 では、素敵な連休を! |
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平成30年4月1日 第1号発行