2022年7月2日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第220号

薬剤師さんのための健康食品情報第220号


平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (6月26日~7月2日)
 
6月24日 医薬品成分を含有する製品の発見について (東京都)

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/
hodohappyo/press/2022/06/24/07.html

 
都では、いわゆる健康食品による健康被害発生の未然防止のため、都内で販売等される製品の調査及び成分検査を行っています。
今般、以下の製品の成分検査を行ったところ、ED(勃起不全)治療薬として承認されているシルデナフィルと類似の構造をもつ新規成分「N-フェニルプロポキシフェニルカルボデナフィル」が検出されました。
 
商品名    SUPER DX(スーパーデラックス)
名称       牡蠣の加工食品
輸入者    株式会社リブラ(東京都文京区根津1-23-9-302
原材料名 牡蠣の抽出物(ポリペプチド)、大豆タンパク、澱粉、豚ゼラチン(日本製カプセル)
内容量    0.3グラム×2×5
賞味期限 2023 02
原産国    中国
形状 カプセル
検出成分 1カプセル中、「N-フェニルプロポキシフェニルカルボデナフィル」を1415ミリグラム検出 
 
 
6月29日 「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」の一部改正及び「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」の一部改定を公表 (消費者庁)
 
事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針

https://www.caa.go.jp/notice/assets/
representation_cms216_220629_04.pdf

 
インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項

https://www.caa.go.jp/notice/assets/
representation_cms216_220629_05.pdf


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより


健康食品の健康被害情報(/26~7/) 国立健康栄養研究所HPより


(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません)
 
6月28日 香港衛生署が医薬品成分 (シブトラミンなど) を含む製品に注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2022624日、香港衛生署(Department of Health) が医薬品成分 (シブトラミンなど) を含む製品「VSlimming Herbal」に注意喚起。香港衛生署は当該製品を購入、使用しないように勧告。
 
■解説
これは、香港衛生署による買上調査で判明した事例。当該製品は痩身効果をうたって店舗で販売されていたが、検査の結果、医薬品成分であるシブトラミン、スピロノラクトンが検出された。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。

https://www.info.gov.hk/gia/general/
202206/24/P2022062400529.htm

 
 
素材情報から
 
「ゴマ」安全性:危険情報
・小児喘息、副鼻腔炎、膀胱がんの既往がある80代女性 (日本) が、習慣的にゴマ油でうがいをしていたところ (期間不明) 5年間継続する咳嗽、喀痰の増悪のため受診。肺にすりガラス陰影が認められたため、気管支喘息治療を受けたが4ヶ月後の検査で陰影が拡大した。気管支肺胞洗浄液に脂肪貪食肺胞マクロファージが多数認められ、ゴマ油による外因性リポイド肺炎と診断され、ゴマ油うがいの中止により改善した。
日本医学放射線学会秋季臨床大会抄録集. 2021;57:S444.


患者さんとの会話のための話題提供


LINK de DIETより



米国の肥満率、さらに深刻に

米国の肥満率、さらに深刻に
  
現在、米国の成人の肥満率は42.4%に上り、約20年前に比べて4割も増加しているという。また、性別・人種別にみると、黒人女性が最も体重増加が大きく、10年間で平均9kgほど増えていたという。米ブリガム・ヤング大学の研究。
米国での肥満蔓延の深刻さを詳述する、重要で希少なデータが明らかにされた。
 
米国全国健康・栄養調査(NHANES)による13,800人以上の成人の長期的な体重増加についての分析から、対象者の半数以上が、10年間の体重増加率が5%以上であることがわかった。さらに、3分の1以上が10%以上体重が増加し、約5分の120%以上増加していたという。
「米国の肥満の蔓延は減速していません」と、研究の筆頭著者であるタッカー教授は述べている。「10年間の体重増加が米国の成人の間で深刻な問題であることは疑いようがありません。」
 
なお、男女別にみると、体重増加量は男性よりも女性の方が有意に大きく、10年間の体重増加は女性で平均12ポンド、男性は平均6ポンド(2.7kg)であり、女性は男性の2倍であった。人種によっても異なり、平均体重増加量は最大だったのは黒人女性で10年間で19.4ポンド(8.8kg)、最少だったのはアジア系男性で2.9ポンド(1.3kg)だった。
 
年代別にみると、体重が最も増加するのは、若年および中年期に見られた。年齢が上がるにつれて体重は増えにくくなり、平均して以下の通りの増加量であった。
 
20代 17.6ポンド
30代 14.3ポンド
40代 9.5ポンド
50代 4.6ポンド
 
上記の通りに体重が増えると、成人期に合計45ポンド(20kg)以上体重が増えてしまうため、多くの人が肥満のカテゴリーに入ることになる。保健社会福祉省とCDCによると、現在、米国の成人の42.4%が肥満(BMI30以上)であり、2000年当時の肥満率(30.5%)から大幅に増加している。

https://www.hindawi.com/journals/jobe/
2022/7652408/

 
(KC 日本のことではありませんが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響で、また肥満度が上がるのかもしれません。)


先週の健康・健康食品関連情報


先週の健康・健康食品関連情報(6月26日~7月2日)
 
行政公表資料より
 
特になし


大学・研究機関等公表資料より



男性のオメガ 3 系脂肪酸摂取量と配偶者に対する暴力の関連について:エコチル調査 (富山大)


https://www.u-toyama.ac.jp/wp/
wp-content/uploads/20220630-1.pdf

 
「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータを用い、オメガ 3 系脂肪酸(青魚に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)、エゴマ油やシソ油に多く含まれるα-リノレン酸など)を多く摂っている男性は、配偶者(パートナーを含む)に対して暴力を振るうリスクが低いことを明らかにしました。特に、ほとんど摂っていない男性でリスクが顕著に高いことから、オメガ 3 系脂肪酸を気持ち多めに摂取するように食習慣を変えることで、配偶者に対する暴力行為を減らせる可能性が示唆されました。
 
(KC 男性の皆さん、お魚食べましょう。)
 
 
魚の油「オメガ3脂肪酸」由来の新たな代謝物が難病の肺高血圧症の進行を抑える (慶応大)

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/
2022/6/29/28-125146/

 
炎症細胞の一つである肥満細胞で、心臓や血管によいとされる魚油に含まれる「オメガ3脂肪酸」の代謝物(エポキシ化オメガ3脂肪酸)が産生され、肺血管の異常な線維化を抑えることを明らかにしました。さらに、このエポキシ化オメガ3脂肪酸の産生酵素であるPAF-AH2が、難病の肺高血圧症と深く関連することを動物実験や患者のゲノム情報から明らかにし、この脂質の補充投与が肺高血圧症を改善させる治療手段となりうることを示しました。
 
 
食後の血糖値上昇抑制効果が期待される米「まんぷくすらり」 (生研支援センター)

https://www.naro.go.jp/laboratory/
brain/press/153873.html

 
「まんぷくすらり」は、難消化性澱粉の含有量が普通の米の10倍近くも高く(加工形態により異なります。)、ヒト介入試験の結果から、食後の血糖値上昇抑制効果が期待されます。
 
 
微細藻類ユーグレナの継続的な摂取により、加齢に伴う記憶力の低下を抑制 (ユーグレナ)
https://www.euglena.jp/news/220620/
 
通常食飼育した老齢マウス(20ヶ月齢以上)では、通常食飼育した若齢マウス(3ヶ月齢)と比較して、Y字型迷路試験において、空間認知記憶が低下しました(図1)。一方、ユーグレナを含む餌を2ヶ月間摂取した老齢マウス(20ヶ月齢)を用い、通常食で飼育した老齢マウスと比較して、加齢による認知機能の変化を評価したところ、Y字型迷路試験において、空間認知正答率が向上しました。加えて、ユーグレナの摂取により、アーム総進入回数を指標とした自発運動量が増加しました。これらの結果は、老齢マウスでのユーグレナの継続的な摂取が、加齢に伴う記憶力と活動量の低下を抑制したことを示しています。



先週のトクホ・機能性表示食品情報


特定保健用食品


先週のトクホ・機能性表示食品情報(6月26日~7月2日)
 
特定保健用食品
 
今週はなし


機能性表示食品届出公表


効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。
会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧
制度開始から届出た商品を確認できます。

商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス
エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。
H133 富士化学工業株式会社 オメガサプリトリプル
H134 丸大食品株式会社 プラズマローゲン ハードカプセル
H135 株式会社リフレ 腰の楽太郎
H136 プレミアアンチエイジング株式会社 X2 BURN(エックストゥー バーン)
H137 株式会社サンエー21 GABA入りおろしにんにく a
H138 日本農産工業株式会社 三ツ星たまご
H139 株式会社はつらつ堂 ナチュラル快腸 ナチュリン
H140 株式会社ユーグレナ からだにユーグレナ マスカット&ハーブ味
H141 株式会社ユーグレナ からだにユーグレナ やさしいマスカット&ハーブ味
H142 株式会社Linc'well Sui(スイ)+サプリ-Right clock(ライト クロック)-
H143 プレミアアンチエイジング株式会社 X4 SLIM(エックスフォー スリム)
H144 株式会社松屋フーズ 松屋 お腹の脂肪が気になる方の牛めしの具
H145 マルマンH&B株式会社 アップルシェイプa
H146 マルマンH&B株式会社 アップルシェイプb
H147 株式会社プレミアムコスメ ミラスープ ぜいたく中華
H148 株式会社プレミアムコスメ ミラスープ 濃いうまコムタン
H149 株式会社プレミアムコスメ ミラスープ コク旨コンソメ
H150 森永製菓株式会社 カカオの力 チョコレート
H151 森永製菓株式会社 MCT(エムシーティー)スタイル<とろけるショコラ>
H152 株式会社明治 オリゴスマート<カカオコク深ミルクチョコレート>

届出撤回情報
 
2022年6月24日付け
A91 「メタバリアスリム」      
富士フイルム株式会社 ・・・・ サラシア由来サラシノール
撤回理由 「生産終了となるため」


今週の注目の届出

注目の届出
 
特になし
 
「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから
 
YouTube チャンネル名
「機能性表示食品情報」


https://www.youtube.com/channel/
UCz0TQYw99ttqqQCmiKzxVww

 
チャンネル登録をしてご覧いただければ幸いです。


あとがき


おはようございます。

久しぶりに、午前中に配信です。
 
それにしても暑いですね。
連日、35度は、身体にしんどすぎます。
 
さて、いつのまにか7月に入ってしまいました。既に今年も半年終了と言うことになりました。
この半年、色々な仕事に追われ、全く年初に目標としたことがなされていない現実を見て、愕然としております。
さらには、この暑さで頭もボーっとしてきて、いっそのこと、今年の年初の目標はなかったことにしようかとさえ思っているところです。
 
みなさん、暑いので、くれぐれもご自愛ください。
首掛け扇風機、買った方が良いですかね?
 
 
メルマガに対する意見、感想等あれば、ぜひお声を聞かせてください。

それでは、素敵な週末を。  (KC)