2020年5月30日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第113号:(2020/5/24~5/30)

平成30年4月1日 第1号発行
>>> バックナンバー 一覧 <<<
スポンサーリンク

【注目】


#1 集中力は飽和脂肪の摂取で低下する!?

#2 有機硝酸塩で骨密度は維持できない!?

#3 コーヒーは女性の体脂肪を減らす?

#4 心臓の健康を維持することで認知機能低下を防ぐことができる

#5 大学・研究機関等公表資料より

#6 機能性表示食品届出公表一覧

行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (517日~523)
 
今週は特になし
 
(健康食品ではあれませんが)
 
5月19日 株式会社メイフラワーに対する景品表示法に基づく措置命令
https://www.caa.go.jp/notice/assets/
representation_200519_01.pdf.pdf

 
消費者庁は、本日、株式会社メイフラワーに対し、同社が供給する「ハンドクリーンジェル(300mL)」と称する商品に係る表示について、景品表示法に違反する行為(優良誤認に該当)が認められたことから、同法の規定に基づき、措置命令を行いました。
 
「ハンドクリーンジェル Hand Cleaning Gel 手指用洗浄ジェル アルコール71%配合」と表示することにより、あたかも、本件商品におけるアルコールの配合割合は、71パーセントであるかのように示す表示をしていたが、実際のアルコールの配合割合は、71パーセントを大幅に下回るものであった。
 
(KC  このコロナ禍で、このような商品を流通させるのは許せませんね。アルコール濃度数%30%だったようです。)


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより



健康食品の健康被害情報(5/175/23) 国立健康栄養研究所HPより
(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起は掲載していません)
 
5月18日 国FDAが高濃度の鉛を含む製品の自主回収情報を公表
 
■注意喚起および勧告内容
2020515日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) が高濃度の鉛を含む製品「Watermelon CBD oil tincture (右記写真:米国FDAウェブページより加工転載) (バッチ No. 730、ロット No. K018) の自主回収情報を公表。
 
■解説
当該製品は不安の緩和、痛みの軽減、安らかな睡眠、ストレス軽減などを謳って販売およびサンプル配布されていたが、フロリダ州による買上調査にて当該ロットの製品から高濃度の鉛が検出されたため、業者 (Summitt Labs) による自主回収が実施されている。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については報告されていない。
 
 
519日 米国FDAFTCが新型コロナウイルス対策に関連した虚偽の宣伝を行う製品に注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2020514日、15日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) FTC (Federal Trade Commission) が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽の宣伝を行う4社の製品に注意喚起。業社に表示改善、販売停止または再発防止策の提示を要求した。
 
ブランド名:benjaminmcevoy.com
製品:ダイエタリーサプリメント

ブランド名:White Eagle Native Herbs
製品:ハーブ製品

ブランド名:The Golden Road Kratom
製品:kratom製品

ブランド名:Noetic Nutraceuticals
製品:カンナビジオール (CBD) 製品

■解説
当該製品は新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽に謳って販売されていた。米国ではFDAの承認なくCOVID-19への有効性を表示して販売することは違法として、業者に改善するよう警告した。
製品の中には、米国FDAが以前使用によって痙攣発作、肝障害など様々な健康障害を生じる可能性や中毒性を指摘し、注意喚起したkratom (クラトム、別名:アヘンボク、学名:Mitragyna speciosa) 製品も含まれている。日本ではkratom (省令名:ミトラガイナ スペシオーサ) およびこれに含まれる2物質 (7-Hydroxymitragynine Mitragynine) が指定薬物とされている 
現在のところ、当該製品摂取との因果関係が疑われる健康被害については不明であるが、FDAは消費者に対して、健康被害を受ける可能性があることから、COVID-19の予防や治療、症状緩和などを標榜する製品には十分に注意するよう注意喚起している。
https://www.fda.gov/consumers/
health-fraud-scams/fraudulent-coronavirus
-disease-2019-covid-19-products

 
クラトム (kratom)
タイ、マレーシア、インドネシア、パプアニューギニアに自生する植物Mitragyna speciosaの通称 (別名:アヘンボク) 。痛みやうつの改善など様々な効果を謳って販売されているが、利用により痙攣発作、肝障害などの重篤な病態を含む様々な健康影響を生じるリスクがあり、死亡事例も報告されている。
日本ではKratom (省令名:ミトラガイナ スペシオーサ、ミトラガイナ属に属する他の種との交雑種を含み、直ちに人の身体に使用可能な形状のもの) およびこれに含まれる2物質 (7-HydroxymitragynineMitragynine) が指定薬物とされている。
 
 
520日 オーストラリアTGAがセンシンレン (Andrographis paniculata) を含む製品について注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2020520日、オーストラリアTGA (Therapeutic Goods Administration) が、センシンレン (Andrographis) を含む製品の摂取による味覚障害リスクについて注意喚起。
 
■解説
オーストラリアTGAは、センシンレン (Andrographis) 摂取との関連が疑われる味覚障害の報告が、2019年半ば以降に増加したことを公表した。
センシンレンは、オーストラリアの低リスク医薬品での使用が許可されているハーブ成分であり、インドや中国でも「軽度の発熱」「風邪」「のどの痛み」などに一般的に使用されている。日本国内では、「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される。
オーストラリアTGAは、味覚障害はCOVID-19を含め重篤な疾患の兆候であることから、症状を生じた場合には、すぐに使用を中止して医療機関を受診するよう注意喚起している。
なお、センシンレンはアナフィラキシーを含むアレルギー症状発症のリスクがあるとして、以前オーストラリアTGAから注意喚起が出されている。
https://www.tga.gov.au/alert/
andrographis-paniculata

 
センシンレン (Andrographis paniculata)
発熱、風邪の諸症状、のどの痛み、胃腸の不調や下痢などに対する効果を謳って使用されるハーブで、アーユルベーダ製品や中国伝統医薬品としても知られている。センシンレンを含む製品は豪州医療製品リスト (Australian Register of Therapeutic Goods (ARTG) ) にも登録されており、現在のところ、オーストラリア国内においてセンシンレンの医薬品への利用に関する規制および注意喚起表示の義務はない。
日本では、センシンレンの葉は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に該当。
 
 
522日 米国FDAFTCが新型コロナウイルス対策に関連した虚偽の宣伝を行う製品に注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2020520日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) FTC (Federal Trade Commission) が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽の宣伝を行う2社の製品に注意喚起。宣伝を行ったAmazonアフィリエイトに広告を中止するよう警告した。
 
ブランド名:Life Unlearned, LLC
製品:ビタミンD製品

ブランド名:SpiceTac
製品:ビタミンC製品
 
■解説
当該製品は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽を謳って販売されていた。FDAは当該製品の広告収入を得ているAmazonアフィリエイトに対し、広告を中止するよう要求した。
現在のところ、当該製品摂取との因果関係が疑われる健康被害については不明であるが、FDAは消費者に対して、COVID-19の予防や治療、症状緩和などを標榜する製品には十分に注意するよう注意喚起している。
https://www.fda.gov/consumers/
health-fraud-scams/fraudulent-coronavirus
-disease-2019-covid-19-products

 
 
素材情報データベースから
 
  「マグネシウム」危険情報:被害事例

神経性食欲不振症の既往歴がある28歳女性 (日本) が、自己誘発性嘔吐の代わりにマグネシウム50200/ (酸化マグネシウム16.7 g66.7 g/) 3ヶ月間摂取したところ、鉄欠乏性貧血を呈した。クエン酸第一鉄ナトリウム50 mgにて9ヶ月間治療するも回復せず、マグネシウムの摂取中止と含糖酸化鉄の静脈内投与により回復した。退院後、クエン酸第一鉄ナトリウム100 mg/日の処方で安定していたが、マグネシウムの過剰摂取を再開したところ再度ヘモグロビン値が低下した
Biopsychosoc Med. 2019; 13: 18.
 
 
新型コロナウイルス 感染予防に効果ある?
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/
detail.php?no=2142

 
520日 21. 緑茶 (浸出液)
緑茶 が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対して効果があるように謳う宣伝が見受けられますが、現時点ではそのような効果は確認されていません。
 
同じウイルス性感染症であるインフルエンザの予防に対する効果を検討した論文を検索したところ、緑茶カプセルの摂取により風邪やインフルエンザの発症率低下、症状の持続期間の短縮が認められたとする論文が1報見つかりましたが、緑茶を飲むことによる予防効果を検討した論文は見つかりませんでした。
 
このように、現時点では、インフルエンザやウイルス性呼吸器感染症に対して「緑茶が効く」といえる十分な情報は見当たりません。新型コロナウイルス感染症に対して検討した論文も見当たりませんので、情報の拡大解釈にはご注意ください。
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/
detail.php?no=2160

 
521日 22. カテキン (緑茶などの成分)
カテキンが新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対して効果があるように謳う宣伝が見受けられますが、現時点ではそのような効果は確認されていません。
 
同じウイルス性感染症であるインフルエンザの予防に対する効果を検討した論文を検索したところ、健康な労働者200名(2169歳)を対象とした試験が1報見つかりました。この報告によると、カテキンとテアニンの摂取によりインフルエンザの発症率低下、摂取開始から発症までの期間延長が認められましたが、ウイルス抗原検査によるインフルエンザ感染率には影響が認められませんでした。
 
現時点では、カテキンの効果を検討しているのはこの1報のみで、摂取する量や期間、摂取する対象者によっても効果は異なることが考えられるため、インフルエンザやウイルス性呼吸器感染症に対して「カテキンが効く」といえる十分な情報とは言えません。新型コロナウイルス感染症に対して検討した論文も見当たりませんので、情報の拡大解釈にはご注意ください。
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/
detail.php?no=2161


患者さんとの会話のための話題提供



LINK de DIETより

#1
集中力は飽和脂肪の摂取で低下する!?


飽和脂肪の多い食事を1回摂取するだけで、我々の集中力は低下するようだ、という米国オハイオ州立大学からの研究報告。
研究チームは、51名の女性を対象に、飽和脂肪の豊富な食事または脂肪分をひまわり油(不飽和脂肪が豊富)に置き換えた食事のどちらかを摂取後の注意力を検査した。
その結果、飽和脂肪食を食べた後は、不飽和脂肪食を食べた後に比べて、検査成績が悪化したという。
 
研究チームはまた、リーキーガット(漏出性腸)と呼ばれる病態が結果に影響を与えたかどうかを調べたところ、血流中に腸内細菌が入り易いリーキーガット女性は、どちらの食事を食べても注意力検査のパフォーマンスが低下したことを発見した。
ただ1回の食事で集中力がいかに低下するかに、研究者は目を見張ったという。
 
「ヒマワリ油には飽和脂肪は少ないが、もちろん脂肪が多い。用いたどちらの食事も高脂肪食であり潜在的な問題があるため、低脂肪食と比較するとさらに差が大きくなる可能性があるだろう」と筆頭研究者のアネリス・マディソンは述べている。
https://academic.oup.com/ajcn/
advance-article-abstract/doi/10.1093/ajcn/
nqaa085/5835679?redirectedFrom=fulltext

#2

有機硝酸塩で骨密度は維持できない!?


有機硝酸塩には閉経後女性の骨密度を改善する効果はみられなかった、というランダム化プラセボ(偽薬)対照臨床試験。ニュージーランド・オークランド大学からの報告。
研究チームは、3種類の硝酸塩製品と2種類の異なる用量を用いて、閉経後女性240名を対象に、ランダムに5つの異なる治療グループまたはプラセボ群に割りつけ12カ月の介入を実施したが、測定したどの部位の骨密度にも統計的に有意差はみられず、骨代謝マーカーにも差がなかった
88名(27%)の女性が導入期に離脱したが、その大部分が硝酸塩誘発性頭痛によるものだった。
 
「有機硝酸塩は閉経後の女性の骨密度または骨代謝回転に臨床上の効果がなく、忍容性が低かった。これらの結果は、骨密度および骨代謝回転に対する硝酸塩の大きなプラスの影響を報告している以前の臨床研究の妥当性に疑問を投げかける。」と研究チームは結論付けている。
https://asbmr.onlinelibrary.wiley.com/doi/
abs/10.1002/jbmr.3982

#3
コーヒーは女性の体脂肪を減らす?


12-3杯のコーヒーを飲む女性は、ほとんど飲まない女性に比べて、体脂肪や腹部脂肪が少ない傾向があるようだ、という英国アングリアラスキン大学からの研究報告。
研究チームは、米国の国民健康・栄養調査(NHANES)のデータを使用して、コーヒー摂取量と体脂肪率および腹部脂肪の関係について解析した。
その結果、20-44歳で、12-3杯のコーヒーを飲む女性が最も脂肪が少ないことが明らかになったという。まったくコーヒーを飲まない女性に比べて、平均3.4%低かった。45-69歳の女性の場合には、14杯以上のコーヒーを飲む女性で、飲まない女性に比べて、脂肪が4.1%低かった
 
全年齢の女性の平均では、12-3杯のコーヒーを飲む女性は、飲まない女性に比べて、体脂肪率が2.8%低かったという。
 
コーヒーはカフェイン入りでもカフェイン抜きでも同じ効果がみられた。喫煙者にも非喫煙者にも同様にみられた。慢性疾患のある女性も健康な女性と同様にみられた。
男性の場合には効果はあまり顕著ではなかった。20-44歳の男性で、12-3杯のコーヒーを飲む者は、飲まない者に比べて、体脂肪が1.3%低く、腹部脂肪が1.8%低かったという。
https://academic.oup.com/jn/
advance-article-abstract/doi/10.1093/
jn/nxaa121/5828319?redirected
From=fulltext

#4
心臓の健康を維持することで認知機能低下を防ぐことができる


心血管疾患の発症リスクが高い人は、認知機能の低下、アルツハイマー病の典型的な指標の上昇がみられるようだ、という中国・天津医科大学からの研究報告。
研究チームは、ラッシュ記憶加齢プロジェクトの参加者1,588名を21年追跡調査した。参加者の平均年齢は79.5歳だった。研究開始時に、フラミンガム一般心血管リスクスコア(FGCRS)で評価し、心血管リスクに応じて低・中・高の3群に分けた。
毎年、19の検査を使用して、エピソード記憶、意味記憶、作業記憶、視空間認知、知覚速度を評価し、複合スコアを算出した。
 
研究終了時、研究チームは、心血管リスクが高いほど、エピソード記憶、作業記憶、知覚速度の低下が速いことを発見したという。また、患者の一部のMRIデータを調べたところ、FGCRSが高いほど、海馬、皮質灰白質、脳全体の容積が少ないことがわかったという。海馬と灰白質の減少はアルツハイマー型認知症関連の神経変性の典型的な指標である。MRIはまた、白質高信号という脳の機能低下につながる白点が増加することも示した。
https://www.onlinejacc.org/
content/75/20/2525


先週の健康・健康食品関連情報

先週の健康・健康食品関連情報(517日~523)
 
行政公表資料より
 
特になし


大学・研究機関等公表資料より



腸内細菌が代謝する物質(代謝産物)と認知症が関連することを見出しました
特に糞便中の乳酸は認知症において低値を示しました (国立?寿医療研究センター)
https://www.ncgg.go.jp/hospital/
monowasure/news/20200518.html

 
これまでの研究から、認知機能と腸内細菌は強く関連することが分かりました。
しかし、腸内細菌がなぜ認知機能と関連するのか、という機序は未解明でした。
そこで、今回の研究では、糞便に含まれる腸内細菌の代謝産物を測定しました。
その結果、腸内細菌の代謝産物は認知機能と強く関連していました。
特に、認知症において糞便中の乳酸値が低下していました。
腸内細菌の代謝産物を評価することが、認知症予測の?助になるかもしれません。
 
 
日本人における高齢者入院患者の疾患の特徴を明らかに
全国の診療データベースを用いた大規模疫学解析を実施 (順天堂大)
https://www.juntendo.ac.jp/albums/
abm.php?f=abm00032143.pdf&n=News
Release+Scientific+Reports+20200519.pdf

 
日本人におけるDPC病院入院患者(高齢者)の有病率と疾患の併存状況を明らかにしました。高齢者の急性期入院の有病率は、年齢の推移とともにがんが減少していく一方で循環器疾患や脳血管障害などが増加傾向にあり、超高齢者(本研究では85歳以上と定義する)では肺炎が増加してくることが明らかになりました。
 
 
生活習慣病に睡眠時無呼吸症候群がひそむことを解明
アジア最大資料数のながはまコホートより (京都大学)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/
research_results/2020/documents/
200513_3/01.pdf

 
肥満も生活習慣病もない人、生活習慣病だけある人、肥満だけある人、肥満も生活習慣病もある人の順に、治療が必要となるSASの頻度が高くなりました。これまで肥満がとりわけSASとの関連において注目されていましたが、肥満がなくても生活習慣病があれば中等症以上のSASに注意する必要があることがわかりました。


先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

先週のトクホ・機能性表示食品情報(5月17日~5月23日)
 
特定保健用食品
 
今週はなし


機能性表示食品届出公表

【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。


今週はなし

機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/


あとがき



今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。
関東地方と北海道も来週には、緊急事態宣言が解除されそうです。もう少しの辛抱です。
 
さて、今週は、機能性表示食品の届出公表もなく、ボリュウムがずいぶんと小さくなっています。
来月からは、食品衛生法の指定成分含有食品の取り扱いもスタートします。今年はコロナ禍が無ければ、夏の一斉取り締まりは、栄養成分表示と指定成分含有食品の表示の監視が一つの課題だったと思いますが、今年の一斉取り締まりはないかもしれません。
お役所もテレワークがおおく、種々の仕事でかなり遅れが出ています。年内に遅れを取り戻せるかもわかりません。
 
展示会、講習会、学会等は、いつになったら、集合開催になるのでしょうか。
どこかが勇気をもって口火を切らないと、だらだらの開催が延期、中止がつづき、来年春まで開催できないような情勢にもなりそうです。
秋に開催の学会も、中止やWEB開催の報告が目立ちは始めました。来年の今頃には、全く依然と変わらなくなるのでしょうか、だんだん以前のような日常には戻れないのではというような不安さえ覚えます。
 
まずは、全国の非常事態宣言解除、営業自粛・移動自粛が解除、各種イベントの自粛が、早く解除されることを祈念いたします。
 
では、素敵な週末を。 (KC)

平成30年4月1日 第1号発行

2020年5月23日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第112号:(2020/5/10~5/16)

平成30年4月1日 第1号発行
>>> バックナンバー 一覧 <<<
スポンサーリンク

【注目】


#1 集中力は飽和脂肪の摂取で低下する!?

#2 有機硝酸塩で骨密度は維持できない!?

#3 コーヒーは女性の体脂肪を減らす?

#4 心臓の健康を維持することで認知機能低下を防ぐことができる

#5 大学・研究機関等公表資料より

#6 機能性表示食品届出公表一覧

行政からの通知、取り締まり等

 (517日~523)
 
今週は特になし
 
(健康食品ではあれませんが)
 
5月19日 株式会社メイフラワーに対する景品表示法に基づく措置命令
https://www.caa.go.jp/notice/assets/
representation_200519_01.pdf.pdf

 
消費者庁は、本日、株式会社メイフラワーに対し、同社が供給する「ハンドクリーンジェル(300mL)」と称する商品に係る表示について、景品表示法に違反する行為(優良誤認に該当)が認められたことから、同法の規定に基づき、措置命令を行いました。
 
「ハンドクリーンジェル Hand Cleaning Gel 手指用洗浄ジェル アルコール71%配合」と表示することにより、あたかも、本件商品におけるアルコールの配合割合は、71パーセントであるかのように示す表示をしていたが、実際のアルコールの配合割合は、71パーセントを大幅に下回るものであった。
 
(KC  このコロナ禍で、このような商品を流通させるのは許せませんね。アルコール濃度数%30%だったようです。)


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより



健康食品の健康被害情報(5/175/23) 国立健康栄養研究所HPより
(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起は掲載していません)
 
5月18日 米国FDAが高濃度の鉛を含む製品の自主回収情報を公表
 
■注意喚起および勧告内容
2020515日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) が高濃度の鉛を含む製品「Watermelon CBD oil tincture (右記写真:米国FDAウェブページより加工転載) (バッチ No. 730、ロット No. K018) の自主回収情報を公表。
 
■解説
当該製品は不安の緩和、痛みの軽減、安らかな睡眠、ストレス軽減などを謳って販売およびサンプル配布されていたが、フロリダ州による買上調査にて当該ロットの製品から高濃度の鉛が検出されたため、業者 (Summitt Labs) による自主回収が実施されている。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については報告されていない。
 
 
519日 米国FDAFTCが新型コロナウイルス対策に関連した虚偽の宣伝を行う製品に注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2020514日、15日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) FTC (Federal Trade Commission) が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽の宣伝を行う4社の製品に注意喚起。業社に表示改善、販売停止または再発防止策の提示を要求した。
 
ブランド名:benjaminmcevoy.com
製品:ダイエタリーサプリメント

ブランド名:White Eagle Native Herbs
製品:ハーブ製品

ブランド名:The Golden Road Kratom
製品:kratom製品

ブランド名:Noetic Nutraceuticals
製品:カンナビジオール (CBD) 製品
 
■解説
当該製品は新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽に謳って販売されていた。米国ではFDAの承認なくCOVID-19への有効性を表示して販売することは違法として、業者に改善するよう警告した。
製品の中には、米国FDAが以前使用によって痙攣発作、肝障害など様々な健康障害を生じる可能性や中毒性を指摘し、注意喚起したkratom (クラトム、別名:アヘンボク、学名:Mitragyna speciosa) 製品も含まれている。日本ではkratom (省令名:ミトラガイナ スペシオーサ) およびこれに含まれる2物質 (7-Hydroxymitragynine Mitragynine) が指定薬物とされている 
現在のところ、当該製品摂取との因果関係が疑われる健康被害については不明であるが、FDAは消費者に対して、健康被害を受ける可能性があることから、COVID-19の予防や治療、症状緩和などを標榜する製品には十分に注意するよう注意喚起している。
https://www.fda.gov/consumers/
health-fraud-scams/fraudulent-coronavirus
-disease-2019-covid-19-products

 
クラトム (kratom)
タイ、マレーシア、インドネシア、パプアニューギニアに自生する植物Mitragyna speciosaの通称 (別名:アヘンボク) 。痛みやうつの改善など様々な効果を謳って販売されているが、利用により痙攣発作、肝障害などの重篤な病態を含む様々な健康影響を生じるリスクがあり、死亡事例も報告されている。
日本ではKratom (省令名:ミトラガイナ スペシオーサ、ミトラガイナ属に属する他の種との交雑種を含み、直ちに人の身体に使用可能な形状のもの) およびこれに含まれる2物質 (7-HydroxymitragynineMitragynine) が指定薬物とされている。
 
 
520日 オーストラリアTGAがセンシンレン (Andrographis paniculata) を含む製品について注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2020520日、オーストラリアTGA (Therapeutic Goods Administration) が、センシンレン (Andrographis) を含む製品の摂取による味覚障害リスクについて注意喚起。
 
■解説
オーストラリアTGAは、センシンレン (Andrographis) 摂取との関連が疑われる味覚障害の報告が、2019年半ば以降に増加したことを公表した。
センシンレンは、オーストラリアの低リスク医薬品での使用が許可されているハーブ成分であり、インドや中国でも「軽度の発熱」「風邪」「のどの痛み」などに一般的に使用されている。日本国内では、「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される。
オーストラリアTGAは、味覚障害はCOVID-19を含め重篤な疾患の兆候であることから、症状を生じた場合には、すぐに使用を中止して医療機関を受診するよう注意喚起している。
なお、センシンレンはアナフィラキシーを含むアレルギー症状発症のリスクがあるとして、以前オーストラリアTGAから注意喚起が出されている。
https://www.tga.gov.au/alert/
andrographis-paniculata

 
センシンレン (Andrographis paniculata)
発熱、風邪の諸症状、のどの痛み、胃腸の不調や下痢などに対する効果を謳って使用されるハーブで、アーユルベーダ製品や中国伝統医薬品としても知られている。センシンレンを含む製品は豪州医療製品リスト (Australian Register of Therapeutic Goods (ARTG) ) にも登録されており、現在のところ、オーストラリア国内においてセンシンレンの医薬品への利用に関する規制および注意喚起表示の義務はない。
日本では、センシンレンの葉は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に該当。
 
 
522日 米国FDAFTCが新型コロナウイルス対策に関連した虚偽の宣伝を行う製品に注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2020520日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) FTC (Federal Trade Commission) が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽の宣伝を行う2社の製品に注意喚起。宣伝を行ったAmazonアフィリエイトに広告を中止するよう警告した。
 
ブランド名:Life Unlearned, LLC
製品:ビタミンD製品

ブランド名:SpiceTac
製品:ビタミンC製品
 
■解説
当該製品は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽を謳って販売されていた。FDAは当該製品の広告収入を得ているAmazonアフィリエイトに対し、広告を中止するよう要求した。
現在のところ、当該製品摂取との因果関係が疑われる健康被害については不明であるが、FDAは消費者に対して、COVID-19の予防や治療、症状緩和などを標榜する製品には十分に注意するよう注意喚起している。
https://www.fda.gov/consumers/
health-fraud-scams/fraudulent-coronavirus
-disease-2019-covid-19-products

 
 
素材情報データベースから
 
<![if !supportLists]>    <![endif]>「マグネシウム」危険情報:被害事例
神経性食欲不振症の既往歴がある28歳女性 (日本) が、自己誘発性嘔吐の代わりにマグネシウム50200/ (酸化マグネシウム16.7 g66.7 g/) 3ヶ月間摂取したところ、鉄欠乏性貧血を呈した。クエン酸第一鉄ナトリウム50 mgにて9ヶ月間治療するも回復せず、マグネシウムの摂取中止と含糖酸化鉄の静脈内投与により回復した。退院後、クエン酸第一鉄ナトリウム100 mg/日の処方で安定していたが、マグネシウムの過剰摂取を再開したところ再度ヘモグロビン値が低下した
Biopsychosoc Med. 2019; 13: 18.
 
 
新型コロナウイルス 感染予防に効果ある?
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/detail.php?no=2142
 
520日 21. 緑茶 (浸出液)
緑茶 が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対して効果があるように謳う宣伝が見受けられますが、現時点ではそのような効果は確認されていません。
 
同じウイルス性感染症であるインフルエンザの予防に対する効果を検討した論文を検索したところ、緑茶カプセルの摂取により風邪やインフルエンザの発症率低下、症状の持続期間の短縮が認められたとする論文が1報見つかりましたが、緑茶を飲むことによる予防効果を検討した論文は見つかりませんでした。
 
このように、現時点では、インフルエンザやウイルス性呼吸器感染症に対して「緑茶が効く」といえる十分な情報は見当たりません。新型コロナウイルス感染症に対して検討した論文も見当たりませんので、情報の拡大解釈にはご注意ください。
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/
detail.php?no=2160

 
521日 22. カテキン (緑茶などの成分)
カテキンが新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対して効果があるように謳う宣伝が見受けられますが、現時点ではそのような効果は確認されていません。
 
同じウイルス性感染症であるインフルエンザの予防に対する効果を検討した論文を検索したところ、健康な労働者200名(2169歳)を対象とした試験が1報見つかりました。この報告によると、カテキンとテアニンの摂取によりインフルエンザの発症率低下、摂取開始から発症までの期間延長が認められましたが、ウイルス抗原検査によるインフルエンザ感染率には影響が認められませんでした。
 
現時点では、カテキンの効果を検討しているのはこの1報のみで、摂取する量や期間、摂取する対象者によっても効果は異なることが考えられるため、インフルエンザやウイルス性呼吸器感染症に対して「カテキンが効く」といえる十分な情報とは言えません。新型コロナウイルス感染症に対して検討した論文も見当たりませんので、情報の拡大解釈にはご注意ください。
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/
detail.php?no=2161


患者さんとの会話のための話題提供



LINK de DIETより

#1
集中力は飽和脂肪の摂取で低下する!?


飽和脂肪の多い食事を1回摂取するだけで、我々の集中力は低下するようだ、という米国オハイオ州立大学からの研究報告。
研究チームは、51名の女性を対象に、飽和脂肪の豊富な食事または脂肪分をひまわり油(不飽和脂肪が豊富)に置き換えた食事のどちらかを摂取後の注意力を検査した。
その結果、飽和脂肪食を食べた後は、不飽和脂肪食を食べた後に比べて、検査成績が悪化したという。
 
研究チームはまた、リーキーガット(漏出性腸)と呼ばれる病態が結果に影響を与えたかどうかを調べたところ、血流中に腸内細菌が入り易いリーキーガット女性は、どちらの食事を食べても注意力検査のパフォーマンスが低下したことを発見した。
ただ1回の食事で集中力がいかに低下するかに、研究者は目を見張ったという。
 
「ヒマワリ油には飽和脂肪は少ないが、もちろん脂肪が多い。用いたどちらの食事も高脂肪食であり潜在的な問題があるため、低脂肪食と比較するとさらに差が大きくなる可能性があるだろう」と筆頭研究者のアネリス・マディソンは述べている。
https://academic.oup.com/ajcn/
advance-article-abstract/doi/10.1093/ajcn/
nqaa085/5835679?redirectedFrom=fulltext

#2

有機硝酸塩で骨密度は維持できない!?


有機硝酸塩には閉経後女性の骨密度を改善する効果はみられなかった、というランダム化プラセボ(偽薬)対照臨床試験。ニュージーランド・オークランド大学からの報告。
研究チームは、3種類の硝酸塩製品と2種類の異なる用量を用いて、閉経後女性240名を対象に、ランダムに5つの異なる治療グループまたはプラセボ群に割りつけ12カ月の介入を実施したが、測定したどの部位の骨密度にも統計的に有意差はみられず、骨代謝マーカーにも差がなかった
88名(27%)の女性が導入期に離脱したが、その大部分が硝酸塩誘発性頭痛によるものだった。
 
「有機硝酸塩は閉経後の女性の骨密度または骨代謝回転に臨床上の効果がなく、忍容性が低かった。これらの結果は、骨密度および骨代謝回転に対する硝酸塩の大きなプラスの影響を報告している以前の臨床研究の妥当性に疑問を投げかける。」と研究チームは結論付けている。
https://asbmr.onlinelibrary.wiley.com/doi/
abs/10.1002/jbmr.3982

#3

コーヒーは女性の体脂肪を減らす?


12-3杯のコーヒーを飲む女性は、ほとんど飲まない女性に比べて、体脂肪や腹部脂肪が少ない傾向があるようだ、という英国アングリアラスキン大学からの研究報告。
研究チームは、米国の国民健康・栄養調査(NHANES)のデータを使用して、コーヒー摂取量と体脂肪率および腹部脂肪の関係について解析した。
その結果、20-44歳で、12-3杯のコーヒーを飲む女性が最も脂肪が少ないことが明らかになったという。まったくコーヒーを飲まない女性に比べて、平均3.4%低かった。45-69歳の女性の場合には、14杯以上のコーヒーを飲む女性で、飲まない女性に比べて、脂肪が4.1%低かった
 
全年齢の女性の平均では、12-3杯のコーヒーを飲む女性は、飲まない女性に比べて、体脂肪率が2.8%低かったという。
 
コーヒーはカフェイン入りでもカフェイン抜きでも同じ効果がみられた。喫煙者にも非喫煙者にも同様にみられた。慢性疾患のある女性も健康な女性と同様にみられた。
男性の場合には効果はあまり顕著ではなかった。20-44歳の男性で、12-3杯のコーヒーを飲む者は、飲まない者に比べて、体脂肪が1.3%低く、腹部脂肪が1.8%低かったという。
https://academic.oup.com/jn/
advance-article-abstract/doi/10.1093/jn/nxaa121
/5828319?redirectedFrom=fulltext

#4

心臓の健康を維持することで認知機能低下を防ぐことができる


心血管疾患の発症リスクが高い人は、認知機能の低下、アルツハイマー病の典型的な指標の上昇がみられるようだ、という中国・天津医科大学からの研究報告。

研究チームは、ラッシュ記憶加齢プロジェクトの参加者1,588名を21年追跡調査した。参加者の平均年齢は79.5歳だった。研究開始時に、フラミンガム一般心血管リスクスコア(FGCRS)で評価し、心血管リスクに応じて低・中・高の3群に分けた。

毎年、19の検査を使用して、エピソード記憶、意味記憶、作業記憶、視空間認知、知覚速度を評価し、複合スコアを算出した。
 
研究終了時、研究チームは、心血管リスクが高いほど、エピソード記憶、作業記憶、知覚速度の低下が速いことを発見したという。また、患者の一部のMRIデータを調べたところ、FGCRSが高いほど、海馬、皮質灰白質、脳全体の容積が少ないことがわかったという。海馬と灰白質の減少はアルツハイマー型認知症関連の神経変性の典型的な指標である。MRIはまた、白質高信号という脳の機能低下につながる白点が増加することも示した。
https://www.onlinejacc.org/content/75/20/2525


先週の健康・健康食品関連情報

(517日~523)
 
行政公表資料より
 
特になし


大学・研究機関等公表資料より



腸内細菌が代謝する物質(代謝産物)と認知症が関連することを見出しました
特に糞便中の乳酸は認知症において低値を示しました (国立寿医療研究センター)
https://www.ncgg.go.jp/hospital/
monowasure/news/20200518.html

 
これまでの研究から、認知機能と腸内細菌は強く関連することが分かりました。

しかし、腸内細菌がなぜ認知機能と関連するのか、という機序は未解明でした。

そこで、今回の研究では、糞便に含まれる腸内細菌の代謝産物を測定しました。

その結果、腸内細菌の代謝産物は認知機能と強く関連していました。

特に、認知症において糞便中の乳酸値が低下していました。

腸内細菌の代謝産物を評価することが、認知症予測の助になるかもしれません。
 
 
日本人における高齢者入院患者の疾患の特徴を明らかに
全国の診療データベースを用いた大規模疫学解析を実施 (順天堂大)
https://www.juntendo.ac.jp/albums/
abm.php?f=abm00032143.pdf&n=
NewsRelease+Scientific+Reports+
20200519.pdf

 
日本人におけるDPC病院入院患者(高齢者)の有病率と疾患の併存状況を明らかにしました。高齢者の急性期入院の有病率は、年齢の推移とともにがんが減少していく一方で循環器疾患や脳血管障害などが増加傾向にあり、超高齢者(本研究では85歳以上と定義する)では肺炎が増加してくることが明らかになりました。
 
 
生活習慣病に睡眠時無呼吸症候群がひそむことを解明
アジア最大資料数のながはまコホートより (京都大学)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/
research_results/2020/documents/
200513_3/01.pdf

 
肥満も生活習慣病もない人、生活習慣病だけある人、肥満だけある人、肥満も生活習慣病もある人の順に、治療が必要となるSASの頻度が高くなりました。これまで肥満がとりわけSASとの関連において注目されていましたが、肥満がなくても生活習慣病があれば中等症以上のSASに注意する必要があることがわかりました。



先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

今週はなし


機能性表示食品届出公表

【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。


今週はなし


あとがき



今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。
関東地方と北海道も来週には、緊急事態宣言が解除されそうです。もう少しの辛抱です。
 
さて、今週は、機能性表示食品の届出公表もなく、ボリュウムがずいぶんと小さくなっています。
来月からは、食品衛生法の指定成分含有食品の取り扱いもスタートします。今年はコロナ禍が無ければ、夏の一斉取り締まりは、栄養成分表示と指定成分含有食品の表示の監視が一つの課題だったと思いますが、今年の一斉取り締まりはないかもしれません。
お役所もテレワークがおおく、種々の仕事でかなり遅れが出ています。年内に遅れを取り戻せるかもわかりません。
 
展示会、講習会、学会等は、いつになったら、集合開催になるのでしょうか。
どこかが勇気をもって口火を切らないと、だらだらの開催が延期、中止がつづき、来年春まで開催できないような情勢にもなりそうです。
秋に開催の学会も、中止やWEB開催の報告が目立ちは始めました。来年の今頃には、全く依然と変わらなくなるのでしょうか、だんだん以前のような日常には戻れないのではというような不安さえ覚えます。
 
まずは、全国の非常事態宣言解除、営業自粛・移動自粛が解除、各種イベントの自粛が、早く解除されることを祈念いたします。
 
では、素敵な週末を。 (KC)

平成30年4月1日 第1号発行

2020年5月16日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第111号:(2020/5/10~5/16)

平成30年4月1日 第1号発行
>>> バックナンバー 一覧 <<<
https://kc1104.blogspot.com/2020/05/1112020510516.html#5
スポンサーリンク

【注目】


#1 高齢者の健康維持に筋力トレーニングが効果的

#2 鉄強化豆の食事はルワンダの貧血の女性の健康を改善

#3 ベリー、リンゴ、茶がアルツハイマー病を予防?

#4 アルコール摂取は脳卒中リスクを高めるようだ

#41 カフェインと尿酸がパーキンソン病を予防する!?

#42 甘い飲み物、毎日1杯以上で心血管疾患リスクか

#5 大学・研究機関等公表資料より

#6 機能性表示食品届出公表一覧

行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (510日~516)
 
5月7日 新型コロナウイルス関連広告の苦情レポート~効果・便乗・おとり等50件、広告表現が不適切等68件 (JARO)
https://www.jaro.or.jp/news/20200507.html
 
◆表示に関するもの 50件 
新型コロナウイルスへの効果を標ぼうするもの、新型コロナウイルス等と表示(暗示含む)するもの、マスクの高額販売、欠品しているのに広告に掲載、など。
※違反と判断できるものだけでなく、そのおそれも含まれる。
◆広告表現に関するもの 68件 
新型コロナウイルスの感染拡大や外出自粛の状況に関連付け、広告表現が不適切などとする苦情。
 
(KC 先週、掲載し忘れました。)
 
 
511日 インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について(令和2年1月~3月)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/
representation/
extravagant_advertisement/pdf/
extravagant_advertisement_200511_0001.pdf

 
インターネットにおいて健康食品等を販売している 44 事業者による 65 商品について、健康増進法第 31 条第1項の規定に違反するおそれのある文言等を含む表示を行っていたことが確認されたため、当該事業者に対し、当該表示の改善を要請した。
 
いわゆる健康食品(カプセル、錠剤、顆粒状等)
51 商品】
・がん予防、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、不妊、月経前症候群(PMS)、生理痛・生理不順、更年期障害、骨粗しょう症、風邪・インフルエンザ予防、花粉症、うつ病、精力増強に効果を有すること等を標ぼうする表示
・女性ホルモンの活性化に働きかけ、ダイエット、美白美肌、美髪、肌荒れ改善、エイジングケア、冷え性に効果を有すること等を標ぼうする表示
 
 
5月13日 健康食品買上げ検査の結果について (福岡県)

https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/112127.pdf

 

 県では、いわゆる健康食品による県民の健康被害を未然に防止するため、平成14年度から買上げ検査を行っています。
 
 今般、令和元年11月に強壮や痩身等を意図して販売されている17品目を買上げ、検査を行った結果、1品目から医薬品成分が検出されたため、同法律に基づき、販売業者を管轄する東京都に通報しました。
 
販 売 名 DANDY COFFEE(ダンディコーヒー)

検出成分 シルデナフィル及びタダラフィル

購 入 先 株式会社日日(東京都) ※ 福岡県が製品を購入したインターネット販売業者
 

5月15日 株式会社ユニヴァ・フュージョンに対する景品表示法に基づく措置命令の取消しについて
https://www.caa.go.jp/notice/assets/
representation_cms215_200515_1.pdf

 
消費者庁は、株式会社ユニヴァ・フュージョンに対して平成31年3月29日に行った景品表示法第7条第1項の規定に基づく措置命令について、当該措置命令の処分原因事実として認定した表示期間を改めて検討した結果、本日付けで当該措置命令を取り消しました。
 
(KC 昨年の3月に出された「酵素等の成分の作用による痩身効果を標ぼうする食品の販売事業者5社に対する景品表示法に基づく措置命令」の1社として「コンブチャクレンズ」と称する食品が措置命令を受けていたものです。すでに他の4社については課徴金納付命令が出されています。)
 
 
515日 携帯型の空間除菌用品の販売事業者5社に対する行政指導
https://www.caa.go.jp/notice/assets/
representation_200515_02.pdf.pdf

 
消費者庁は、携帯型の空間除菌用品(二酸化塩素を利用した空間除菌を標ぼうする商品であって、首に下げるなどして使用するものをいう。)の表示に関し、景品表示法に違反(優良誤認表示に該当)するおそれがあることから、5事業者に対し、再発防止等の指導を行いました。
 
行政指導の対象となった事例の概要
携帯型の空間除菌用品を一般消費者に販売するに当たり、自社ウェブサイトにおいて、例えば、以下のように表示することにより、あたかも、様々な利用環境において、当該商品を身につけるだけで周囲のウイルス等を除去する効果があるかのように示す表示をしていた。
・ 身につけるだけで、空間のウイルスを除去

・ 身につけるだけで1?の空間除菌

・ 携帯することで、オフィスや会議室などで除菌・消臭できます

・ 通勤時の予防として、除菌・消臭いたします

・ 電車やバスの中、各種施設の中などで、空間に浮遊するウイルス・菌・臭いを除去します
 
(KC コロナウイルスの関する景表法の優良誤認の行政指導の第3弾です。)


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより



健康食品の健康被害情報(5/105/16) 国立健康栄養研究所HPより
(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起は掲載していません)
 
5月15日 米国FDAFTCが新型コロナウイルス対策に関連した虚偽の宣伝を行う製品に注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2020511日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) FTC (Federal Trade Commission) が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽の宣伝を行う製品「CORE」、「IMMUNE SHOT」に注意喚起。業者に再発防止策の提示を要求した。
 
■解説
当該製品は新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽に謳って販売されていた。業者 (Fusion Health and Vitality LLC) が既に当該製品の販売を停止していたため、FDAは業者に再発防止策を提示するよう要求した。
現在のところ、当該製品摂取との因果関係が疑われる健康被害については不明であるが、FDAは消費者に対して、健康被害を受ける可能性があることから、COVID-19の予防や治療、症状緩和などを標榜する製品には十分に注意するよう注意喚起している。
 
 
素材情報データベースから
 
「グルコサミン」 ●安全性:医薬品等との相互作用
・高血圧、脂質異常症、糖尿病、狭心症、冠動脈ステント治療、脳梗塞発症歴があり、ワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2CYP2C9CYP3A4P糖タンパク質基質) 3.75 mg/日服用中の81歳男性 (日本) が、グルコサミンサプリメントを2ヶ月間併用 (摂取量不明) したところ、INR上昇を認め、グルコサミンサプリメントの摂取中止によりINRは治療域に改善した。
心臓 2018;50(2):197-202.
 
「レスベラトロール」 ●安全性:医薬品等との相互作用
・大動脈弁人工弁置換術後、発作性心房細動のためワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2CYP2C9CYP3A4P糖タンパク質基質) 4.25 mg/日服用中の48歳男性 (日本) が、レスベラトロール含有サプリメントを3週間併用 (摂取量不明) したところ、INR上昇を認めた。サプリメントの摂取中止によりINRが一時低下するも再度上昇したため、ワルファリンを4 mg/日に減量したところ、INRは治療域に改善した。
心臓 2018;50(2):197-202.
 
「ショウガ (生姜、生薑)」 ●安全性:医薬品等との相互作用
・高血圧、心房細動のためワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2CYP2C9CYP3A4P糖タンパク質基質) 3.25 mg/日服用中の64歳男性 (日本) が、自作の酢ショウガ (酢、ショウガ、ハチミツを混ぜたもの) 5/週併用 (摂取量、期間不明) したところ、INR上昇を認め、酢ショウガ摂取を継続し、ワルファリンを2.75 mg/日に減量したところ、INRは治療域に改善した。
心臓 2018;50(2):197-202.
 
 
新型コロナウイルス 感染予防に効果ある?
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/
detail.php?no=2142

 
513日 19. みそ、大豆
 現時点においてインフルエンザなどに対する予防効果を検討した報告は見当たらない。
 
514日 20. ニコチアナミン (大豆などの成分)
 現時点においてインフルエンザなどに対する予防効果を検討した報告は見当たらない。
 
新型コロナウイルスに対しては、手洗いなど、正しい予防を心掛けましょう。


患者さんとの会話のための話題提供



LINK de DIETより

#1
高齢者の健康維持に筋力トレーニングが効果的


COVID-19アウトブレイク中の高齢者にとって身体活動は最優先事項ではないかもしれないが、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の研究によれば、筋力トレーニングは自宅で健康を維持するための効果的な方法かもしれないという。
研究チームは、53名の高齢者をスクリーニングして、21名の65歳以上でフレイル予備軍の女性を対象に、2群に分けた。1群には漸進的に強度フリーの筋力エクササイズプログラムを週312週間実施した。このエクササイズは通常の生活動作を模倣したもので加齢とともに次第に困難になる種類のものだった。
 
「たとえば、我々は参加者に一連のスクワットを完了するように指示した」と共同研究者のニック・ブレイは説明する。「我々はまた、食料品を持ちあげる動作に似た、デッドリフトをするように指示した。」
別の1群には通常の生活ルーチンを維持するよう求めた。
 
筋力と筋肉パフォーマンスの測定の結果、12間の訓練を実施した群では筋肉パフォーマンスが改善され、フレイルの前兆が少なくなったが、傷害が増えることはなかったという。
エクササイズ群は、歩行速度、握力、シットツースタンド時間などすべての測定において改善がみられたという。また、これらの変化は早ければ9週間でみられた。
https://www.jfrailtyaging.com/
all-issues.html?article=782

#2

鉄強化豆の食事はルワンダの貧血の女性の健康を改善


鉄強化豆の18週間の摂取で、ルワンダの女子大学生の身体活動能力が改善された、というCIAT(国際熱帯農業センター)からの研究報告。低所得国における栄養欠乏に対する強化作物の可能性を示したものだという。
CIATの研究チームは、鉄欠乏のみられる16-25歳の女子大学生を対象にランダムに2群に分け、1群には、18週間にわたって、鉄分を強化した豆を、別の1群には強化していない豆を与えた。両群とも12回の食事を提供された。
その結果、鉄強化豆を摂取した女性は、ヘモグロビンと体内鉄状態が回復し、歩行、清掃、その他の家事など軽度の身体活動時に必要なエネルギーが有意に低下した。
 
「本研究は、生物学的に強化された豆が、若い女性の鉄貯蔵状態を効果的に改善して健康な将来の妊娠を確実にするだけでなく、定期的な摂取により、女性の労働から高い生産性を引き出すのに役立つことを確認するものだ」と共同研究者のマーシー・ルンガホはコメントしている。
https://academic.oup.com/jn/article/
150/5/1093/5719504

#3

ベリー、リンゴ、茶がアルツハイマー病を予防?


ベリー、リンゴ、茶などのフラボノイドの豊富な食品の摂取が少ない高齢者は、多い高齢者に比べて、2-4倍アルツハイマー病を発症するリスクが高いかもしれない、という米国農務省人類栄養研究センターからの研究報告。
研究チームは、米国の大規模疫学研究であるフラミンガム心臓研究子孫コホートのデータを解析した。
2,801名(平均年齢59.1歳、52%が女性)を平均19.7年追跡調査した結果、193件のアルツハイマー病とその関連認知疾患(ADRD)事象が発生した。うち158件がアルツハイマー病だった。
種々の関連因子と食事因子で調整後、フラボノイド摂取量で4群に分けると、最も高かった群は、最も少なかった群に比べて、ADRDのリスクが46%低かったという。
 
同様にアントシアニンの摂取量が最も高かった群は、最も低かった群に比べて、ADRDのリスクが76%低かった。フラボノイドポリマーの場合には、42%低かった。
 
アルツハイマー病のみに限っても結果は同様であったという。
https://academic.oup.com/ajcn/
advance-article/doi/10.1093/ajcn/
nqaa079/5823790

#4

アルコール摂取は脳卒中リスクを高めるようだ


アルコール摂取量の増加は、脳卒中と末梢動脈疾患の発症リスクの増加と関連しているようだ、というスウェーデン・カロリンスカ研究所などからの研究報告。
観察研究では、アルコールの大量摂取が特定の心血管疾患のリスク増加と関連していることが一貫して示されているが、この研究法では因果関係を特定できない。
 
今回スザンナ・ラーソン准教授らの研究チームは、メンデルランダム化と呼ばれる別の研究方法を使用して検討を行った。
この方法は潜在的なリスク因子との関連が明らかにされている遺伝子変異を特定し、それに関わる潜在的な疾患リスクの程度を推定するものである。
 
研究チームは、英国の50万人のデータを登録した英国バイオバンクの遺伝子データを解析して、次のような結果を得たという。
 
●大量のアルコール摂取は末梢動脈疾患のリスクを3倍高める

●脳卒中のリスクを27%高める

●冠動脈疾患、心房細動、大動脈瘤のリスクも高めるようだ
 
研究チームは、本研究が、大量のアルコール摂取と脳卒中、末梢動脈疾患のリスクが関連しているメカニズムはおそらく血圧を介するものであることを示唆するものだと述べている。

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/
CIRCGEN.119.002814


#41
カフェインと尿酸がパーキンソン病を予防する!?


二つのプリン体、カフェインと尿酸がパーキンソン病のリスク低下と関連しているかもしれない、という米国ハーバード大学からの研究報告。
研究チームは、369名の突発性パーキンソン病患者と197名の健常者を対象に、横断的症例対照研究を実施した。参加者は全員、ハーバード生体指標研究(HBS)コホートの参加者だった。
尿酸塩は、HBS研究の最初の訪問時に採血した血漿検体を用いて測定した。カフェイン摂取量は、やはり初回訪問時の準定量的調査票から計算された。
 
解析の結果、カフェインの摂取は、突発性パーキンソン病患者で低い傾向がみられたという。年齢、性別、BMI、血漿中尿酸塩濃度で調整後も、カフェインは容量依存的にパーキンソン病の発症リスクの低下と有意に関連がみられた。最もカフェイン摂取量の少なかった人に比べて、最も多かった人は、パーキンソン病の発症リスクが70%以上低かったという。
同様の関連が、血漿中尿酸塩濃度とパーキンソン病の葉症リスクにもみられたという。この関連は男女ともに見られた。
 
研究チームは、尿酸値を高める最近の大規模臨床試験では、パーキンソン病患者に有効性が実証できなかったと警告している。つまり、今回の研究では、パーキンソン病と尿酸値の低下の関連性が示唆されているが、尿酸値を高める戦略は有害である可能性があり推奨できないという。
カフェインについては、長期の臨床試験がまだないため、同様にカフェイン摂取量を増やすことも推奨できないという。
https://content.iospress.com/articles/
journal-of-parkinsons-disease/jpd191882

#42
甘い飲み物、毎日1杯以上で心血管疾患リスクか


毎日1杯以上、砂糖入りの飲料を飲む人は、そうでない人に比べて心血管疾患リスクが高くなることが明らかに。特に砂糖入り果汁飲料の場合、リスクがより高まっていたという。米カリフォルニア大学が女性を対象に行った研究。
この研究は、1995年に開始され現在も継続中の調査で、カリフォルニア州の女性教員106000人以上を対象としている。対象者の平均年齢は52歳で、研究開始時点で心臓病やの脳卒中、糖尿病の既往歴はなかった。
今回、種類を問わず砂糖入り飲料を毎日1杯以上飲む人は、ほとんど、または全く飲まなかった人に比べて閉塞した動脈を開くための血管形成術などの血管再建手術が必要になるリスクが26%、脳卒中リスクが21%高くなることがわかった。この研究において、砂糖飲料は「ジュース類、または砂糖入りの飲料水・茶・果汁飲料」と定義し、100%果汁飲料は対象外とした。
 
飲料の種類によってもリスクに違いがあった。砂糖入り果汁飲料は、毎日1杯以上で心血管疾患リスクが42%高くなっていた。毎日炭酸飲料などの清涼飲料を飲む人では、心血管疾患全般のリスクが23%高くなっていた。
 
さらに、血液中の糖分が多すぎると、酸化ストレスと炎症、インスリン抵抗性、不健康なコレステロールプロファイル、2型糖尿病、ほとんどの心血管疾患のもとになるアテローム性動脈硬化症の発症に強く関連する状態に関連してくるという。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/
JAHA.119.014883


先週の健康・健康食品関連情報

先週の健康・健康食品関連情報(59日~516)
 
行政公表資料より
 
新型コロナ対策のための全国調査
https://www.mhlw.go.jp/stf/
newpage_11244.html

 
「身体・健康について心配している」に「はい」と回答された方の割合は26.8%で、タクシードライバーが最も高く32.7%、学生が最も低く18.9%でした。
 
(KC LINEユーザーのみを対象とした調査です。私のところにも調査のアンケートが来ましたが、このようにちゃんと解析されるなら、今後も回答したいと思います。)


#5

大学・研究機関等公表資料より


成人期の肥満度と胃がん罹患との関連 (国立がん研究センター社会と健康研究センター)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/
8491.html

 
本人男性においてのみ、BMI27以上で胃がん全体の罹患リスクが上昇することが示唆されました。一方、女性では、肥満と胃がん罹患リスクとの関連が見られませんでした。なぜこのような男女差があるのか、そのメカニズムについてはよく解明されていません。
近位部の胃がんについては、本研究では、BMI27以上かつ萎縮性胃炎、ピロリ菌感染、あるいは少なくともどちらかの検査で陽性だったグループで、罹患リスクの上昇をみとめました。
 
 
妊娠中の農薬の摂取が、子どもの自閉症の発症に影響か
http://www.chiba-u.ac.jp/general/
publicity/press/files/2020/
20200512asd.pdf

 
グリホサートを妊娠マウスに飲料水として与えた動物モデル(母体免疫活性化モデル)を用いて、実験を行いました。その結果から、妊娠中の農薬の摂取が、子どもの ASD の発症に関係している可能性が示唆されたほか、多価不飽和脂肪酸の代謝に関わる可溶性エポキシド加水分
解酵素(sEH : soluble epoxide hydrolase ) の異常が、ASD 様の行動異常の発生に重要な役割を果たしていることも明らかになりました。
 
(KC 動物実験の結果ですが、注意しておきたいですね。)
 
 
血液脳関門を透過するジペプチドの摂取は記憶障害の改善に有効
急性アルツハイマー病モデルマウスにて初めて実証 (九州大学)
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/
researches/view/443

 
血液脳関門を透過し脳組織へと到達するジペプチドの摂取が、急性アルツハイマー病モデルマウスでの記憶障害を改善することを世界で初めて明らかにしました。
 
(KC 私もよく存じている九大農学部 松井先生の実験です。一日も早く臨床試験が実施され、有効的な活用を期待したいと思います。)
 
 
女性における尿酸高値の意外な功名 加齢・病態時の肺機能を保護する作用 (熊本大学)
https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/
seimei/20200508

 
尿酸高値は、痛風や腎障害等の病気を引き起こすものですが、「女性の」肺機能低下に対しては、意外にも保護的に働くことを証明しました。
 
 
温室効果ガス排出の削減を急げ  50年後、全人類の3分の1が灼熱の地域に住むことになるかもしれない (総合地球環境学研究所)
https://www.chikyu.ac.jp/publicity/news/
2020/0511.html

 
このまま温室効果ガスの排出が続けば、今から50年以内、すなわち2070年には、全人類の約3分の1が、年平均気温が29度以上の、現在のサハラ砂漠の最も高温な場所に該当するような灼熱の地域に住まざるをえなくなる危機に直面する、という予測も導き出しました。


先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

先週のトクホ・機能性表示食品情報(5月10日~5月16日)

 

特定保健用食品

 

今週はなし


#6

機能性表示食品届出公表

【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。


E819
オリザのコーヒー生豆由来クロロゲン酸類
オリザ油化株式会社
サプリ
コーヒー生豆由来クロロゲン酸類
本品にはコーヒー生豆由来クロロゲン酸類が含まれます。コーヒー生豆由来クロロゲン酸類には肥満度を表す体格指数(BMI)が高めの方のBMIを軽減することが報告されています。

E820
筋肉元気
株式会社スマイル・ジャパン
その他加工
3-ヒドロキシ-3-メチル酪酸カルシウム水和物(HMBカルシウム)
本品には3-ヒドロキシ-3-メチル酪酸カルシウム水和物(HMBカルシウム)が含まれます。HMBカルシウムには、筋肉量や筋力の低下を抑制する働きがあり、自立した日常生活を送る上で必要な筋肉量及び筋力・筋持久力の維持や歩く力の維持に役立つ機能が報告されています。筋力の衰えが気になる方に適しています。

E821
スパイスサプリ サフラン
ヱスビー食品株式会社
サプリ
サフラン由来クロシン、サフラン由来サフラナール
本品にはサフラン由来クロシン、サフラン由来サフラナールが含まれます。サフラン由来クロシン、サフラン由来サフラナールには、睡眠の質が低いと感じている方の活動時の眠気を軽減させ物事をやり遂げるのに必要な意欲を維持させる機能があることが報告されています。

E822
お~いお茶お抹茶POWDER(パウダー)
株式会社伊藤園
その他加工
テアニン、茶カテキン
本品には、テアニン・茶カテキンが含まれます。テアニン・茶カテキンには、年齢とともに低下する認知機能のうち、注意力(注意を持続させて、一つの行動を続ける力)や判断力(判断の正確さや速さ、変化する状況に応じて適切に処理する力)の精度を高める機能があることが報告されています。認知機能(注意力・判断力)が気になる方に適しています。

E823
イージーファイバー乳酸菌プレミアム
小林製薬株式会社
サプリ
難消化性デキストリン(食物繊維) 、 有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulans SANK70258)、 フラクトオリゴ糖
本品には難消化性デキストリン(食物繊維)と生きて腸まで届く有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulans SANK70258)とフラクトオリゴ糖が含まれます。本品は、腸内フローラにおけるビフィズス菌(善玉菌)率を増やし、腸内環境を改善するとともに、お通じを改善する機能があります。お腹の調子を整えたい方におすすめです。

E824
すらすらケア
ACW株式会社
サプリ
ラクトノナデカペプチドNIPPLTQTPVVVPPFLQPE
本品にはラクトノナデカペプチド(NIPPLTQTPVVVPPFLQPE)が含まれます。ラクトノナデカペプチド(NIPPLTQTPVVVPPFLQPE)には、加齢とともに低下する認知機能の一部である注意力(視覚性情報を一時的に記憶しながら、事務作業を速く正確に処理していく能力)の維持と計算作業の効率維持に役立つ機能が報告されていますので、ものごとを忘れやすいと感じている健常な中高年の方に適しています。

E825
なんとかしたい お腹の脂肪!
株式会社グラフィコ
サプリ
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン
本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、日常活動時のエネルギー代謝において脂肪を消費しやすくする作用により、肥満気味の方、BMIが高め(BMI24以上30未満)の方の腹部の脂肪(内臓脂肪及び皮下脂肪)を減らす機能があることが報告されています。

E826
うめ効果ゼリー
中野BC株式会社
その他加工
クエン酸
本品にはクエン酸が含まれます。クエン酸には肥満気味の方の高めの血圧(拡張期血圧)を下げる機能が報告されています。

E827
しなりずむ
株式会社レッドビジョン
サプリ
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン
本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンには、日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪を消費しやすくする作用により、腹部の脂肪(内臓脂肪及び皮下脂肪)を減らす機能があることが報告されています。BMI が高めの健康な方に適しています。

E828
matsukiyoLAB(マツキヨラボ)プレミアムプロテインバーチョコレート
リブ・ラボラトリーズ株式会社
その他加工
ローズヒップ由来ティリロサイド
本品にはローズヒップ由来ティリロサイドが含まれます。ローズヒップ由来ティリロサイドにはBMIが高めの方の体脂肪を減らす機能があることが報告されています。

E829
マツキヨラボプレミアムプロテインバーチョコレート
リブ・ラボラトリーズ株式会社
その他加工
ローズヒップ由来ティリロサイド
本品にはローズヒップ由来ティリロサイドが含まれます。ローズヒップ由来ティリロサイドにはBMIが高めの方の体脂肪を減らす機能があることが報告されています。

E830
マキベリー うるおう瞳
株式会社ディーエイチシー
サプリ
デルフィニジン-3,5-ジグルコシド
本品にはデルフィニジン-3,5-ジグルコシドが含まれるので、長時間パソコンやスマートフォン等の画面を見ることによる眼の疲労感や肩の負担を軽減する機能、眼のうるおいを維持する機能と眼の一時的な不快感を軽減する機能があります。

E831
尿酸ガード
エーザイ株式会社
サプリ
アンセリン
本品にはアンセリンが含まれるので、尿酸値が高め(尿酸値5.57.0mg/dL)の方の尿酸値の上昇を抑制する機能があります。

E832
糖カロカット
株式会社ナチュラルガーデン
サプリ
サラシア由来サラシノール
本品にはサラシア由来サラシノールが含まれます。サラシア由来サラシノールには食事から摂取した糖の吸収を抑え、食後血糖値の上昇をゆるやかにする機能があることが報告されています。

E833
プラズマローゲンBOOCS(ブックス)粉末カプセル
株式会社藤野ブレインリサ-チ
サプリ
ホタテ由来プラズマローゲン
本品にはホタテ由来プラズマローゲンが含まれます。ホタテ由来プラズマローゲンには、認知機能の一部である、空間認知能や場所を理解する能力といった記憶力を維持する機能があることが報告されています。

E834
SUNKINOU(サンキノウ) ブラックジンジャー
三生医薬株式会社
サプリ
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン
本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、日常活動時のエネルギー代謝において脂肪を消費しやすくする作用により、BMIが高め(BMI24以上30未満)の方の腹部の脂肪(内臓脂肪及び皮下脂肪)を減らす機能があることが報告されています。

E835
サラダまぐろたたき
株式会社マリンフレッシュ
その他加工
難消化性デキストリン
本品には難消化性デキストリン(食物繊維)が含まれます。 難消化性デキストリンは、おなかの調子を整える機能があることが報告されています。

E836
「アクティブカルピス」
アサヒ飲料株式会社
その他加工
乳酸菌CP2998株(L.curvatus CP2998
本品には乳酸菌CP2998株(L.curvatus CP2998)が含まれます。 乳酸菌CP2998株(L.curvatus CP2998)は、年齢とともに低下する歩行機能の向上に役立つことが報告されています。毎日をアクティブに過ごしたい方の歩く働きをサポートします。

E837
小岩井βラクトリンミルク
小岩井乳業株式会社
その他加工
βラクトリン
本品にはβラクトリンが含まれます。βラクトリンには加齢に伴って低下する記憶力(手がかりをもとに思い出す力)を維持することが報告されています。

E838
糖質90%オフのど飴
森永製菓株式会社
その他加工
イヌリン
本品にはイヌリンが含まれます。イヌリンは善玉菌として知られているビフィズス菌を増やすことで、おなかの調子を整えることが報告されています。本品は、腸内フローラを良好にし、おなかの調子を整えたい方に適した食品です。

E839
トリプルヨーグルト砂糖不使用 ドリンクタイプ
森永乳業株式会社
その他加工
トリペプチドMKP(メチオニン-リジン-プロリン)、難消化性デキストリン(食物繊維)
本品にはトリペプチドMKP(メチオニン-リジン-プロリン)と難消化性デキストリン(食物繊維)が含まれます。トリペプチドMKP(メチオニン-リジン-プロリン)には、高めの血圧(収縮期血圧)を下げる機能、難消化性デキストリン(食物繊維)には、食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇をおだやかにする機能が報告されています。

E840
BHN(ビーエイチエヌ)のブロッコリースプラウト
ビーエイチエヌ株式会社
サプリ
スルフォラファングルコシノレート
本品にはスルフォラファングルコシノレートが含まれます。スルフォラファングルコシノレートには、健康な中高齢者の健常域でやや高めの血中ALT値を下げることが報告されています。(血中ALT値は、肝臓の健康状態を示すマーカーの一つです。)

E841
思いやりのPQQ(ピーキューキュー)
株式会社グランヒル大阪
サプリ
ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩
本品にはピロロキノリンキノン二ナトリウム塩を含んでいます。ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩は、健康な中高齢者に対して、認識能力の一部である注意力及びワーキングメモリー(得られた視覚情報を短時間で認識し、同時に正しく処理し行動に移す能力)の維持に役立つことが報告されています。

E842
W(ダブル)のひらめき
雪印ビーンスターク株式会社
サプリ
大豆由来ホスファチジルセリン、イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトン
本品には大豆由来ホスファチジルセリン、イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンが含まれます。大豆由来ホスファチジルセリンは、記憶力が低下した健康な中高齢者の認知機能の一部である記憶力(言葉を思い出す力)を維持する機能が報告されています。イチョウ葉由来フラボノイド配糖体及びイチョウ葉由来テルペンラクトンは、健常な中高年者の加齢によって低下する脳の血流を改善し、認知機能の一部である記憶力(日常生活で見聞きした情報を覚え、思い出す力)の精度や判断の正確さを向上させることが報告されています。

E843
ナップルジーアイプラス粒a
エムジーファーマ株式会社
サプリ
サラシア由来サラシノール
本品にはサラシア由来サラシノールが含まれます。サラシア由来サラシノールには糖の吸収を抑え、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする機能があることが報告されています。

E844
りんご酢
久保醸造合名会社
その他加工
酢酸
本品には酢酸が含まれます。酢酸には肥満気味の方の内臓脂肪を減少させる機能があることが報告されています。内臓脂肪が気になる方に適した食品です。


今週の注目の届出

今週の注目の届出
 
E819 「オリザのコーヒー生豆由来クロロゲン酸類」
オリザ油化株式会社 ・・・・ コーヒー生豆由来クロロゲン酸類
「本品にはコーヒー生豆由来クロロゲン酸類が含まれます。コーヒー生豆由来クロロゲン酸類には肥満度を表す体格指数(BMI)が高めの方のBMIを軽減することが報告されています。」
 
新規成分 SR(2)で評価
 
① BMI25 以上(肥満 1 度)の男女(1975 歳,50 名,フランスの成人年齢は 18歳)の健常者を対象に,コーヒー生豆由来クロロゲン酸類 180 mg をカプセル形態で 60 日間摂取させた試験で,アクティブ群でプラセボ群と比較して有意(p<0.001)な BMI と体重の減少が認められた。
Phytotherapie 2006, 4,1-4

② BMI23 以上(正常高値,肥満 1 度)の健常女性(1955 歳,43 名,韓国の成人年齢は 19 歳))を対象に,クロロゲン酸類 98.6 mg を含有するコーヒー生豆エキスをカプセル形態で 8 週間摂取した試験で,プラセボ群と比較して第 1 椎骨における内臓脂肪面積および総脂肪面積に有意差(p<0.05)が認められた。
Korean J. Nutr. 2010, 43, 374-381
 
作用機序
コーヒー生豆由来クロロゲン酸類のうち,カフェオイルキナ酸類(3-カフェオイルキナ酸,4-カフェオイルキナ酸,クロロゲン酸),フェルロイルキナ酸類(3-フェルロイルキナ酸,4-フェルロイルキナ酸,5-フェルロイルキナ酸),ジカフェオイルキナ酸類(3,4-ジカフェオイルキナ酸,3,5-ジカフェオイルキナ酸,4,5-ジカフェオイルキナ酸)は肝臓の脂肪代謝を促進させる。
またクロロゲン酸は脂肪組織における脂肪合成を抑制すると考えられる。
 
(KC コーヒー豆由来クロロゲン酸類を関与成分としては、花王さんが、血圧降下、肌の保水と末梢血流改善で届けていますが、生豆由来は初であり、BMIの軽減も初です。
クロロゲン酸に関しては、ボタン防風由来の物が血糖値を抑制するものが届けられています。)
 
 
E830 「マキベリー うるおう瞳」
株式会社ディーエイチシー ・・・・ デルフィニジン-3,5-ジグルコシド
「本品にはデルフィニジン-3,5-ジグルコシドが含まれるので、長時間パソコンやスマートフォン等の画面を見ることによる眼の疲労感や肩の負担を軽減する機能、眼のうるおいを維持する機能と眼の一時的な不快感を軽減する機能があります。」
 
新規成分 臨床試験で評価
目の渇きや疲れを感じる14時間以上VDT作業を行う健常人男女74名を無作為に2グループに分け,試験食品またはプラセボ食品を4週間摂取させた。試験参加者には,試験開始前と後においてそれぞれVDT作業を実施してもらい,VDT負荷前と後における涙液量,BUT検査,縮瞳率,フリッカーテストおよびアンケートによる評価を行った。
結果、デルフィニジン3,5-ジグルコシド4.0 mg/日を4週間摂取することで,VDT作業前の涙液分泌およびVDT作業後の自覚症状 (目の疲れ,肩のこりおよび目の不快感) が摂取前後において有意に改善した。
Journal of Traditional and Complementary Medicine 9 (2019) 172-178
 
作用機序
デルフィニジン-3,5-ジグルコシドは,眼において酸化ストレスの原因であるROS(活性酸素種)の産生を抑制することで涙液量の減少を抑制し,涙液量の減少に起因する眼の疲労感や肩への負担の増加および眼の不快感を軽減すると考えられる。
 
(KC マキベリーの成分を関与成分にしています。マキベリーを原材料とする機能性表示食品は初です。なんとなくですが、ヒットの予感がします。)
 
 
E836 「「アクティブカルピス」」      
アサヒ飲料株式会社 ・・・・ 乳酸菌CP2998株(L.curvatus CP2998
「本品には乳酸菌CP2998株(L.curvatus CP2998)が含まれます。 乳酸菌CP2998株(L.curvatus CP2998)は、年齢とともに低下する歩行機能の向上に役立つことが報告されています。毎日をアクティブに過ごしたい方の歩く働きをサポートします。」
 
新規成分 SR(1)で評価
65歳以上 80歳未満の健常な男女 130名に、加熱殺菌した乳酸菌CP2998株を一日摂取量あたり5×1011個含むカプセル剤、またはプラセボ食品を12 週間摂取させる無作為化二重 盲検プラセボ対照並行群間試験を実施した。その結果、歩行速度および ケイデンスにおいて、乳酸菌 CP2998 株含有試験食品の12 週間摂取によりプラセボ群と比較して有意な向上が確認された。ストライドにおいては、試験食品群とプラセボ群共に0週目と比較して12 週間摂取後で 意な向上が確認されたが、群間に有意な向上は確認されなかった。
薬理と治療,47 (6), 937-947, 2019
 
作用機序
乳酸菌 CP2998 株の摂取による歩行速度及びケイデンスの増加(筋電位の増加、即ち筋活動量の増加がケイデンスの増加に寄与したと考えられた)、即ち歩行機能の向上の作用機序は、年齢とともに低下する足の筋肉の活動 量の増加であると考えられた。
 
KC 歩行機能の向上に役だつ乳酸菌の登場です。)
 
 
E841 「思いやりのPQQ(ピーキューキュー)
株式会社グランヒル大阪 ・・・・ ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩
「本品にはピロロキノリンキノン二ナトリウム塩を含んでいます。ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩は、健康な中高齢者に対して、認識能力の一部である注意力及びワーキングメモリー(得られた視覚情報を短時間で認識し、同時に正しく処理し行動に移す能力)の維持に役立つことが報告されています。」
 
新規成分 SR(3(査読付きは1))で評価
 
二重盲検RCT
対象 日本人の健常な男女(介入群21(7名、女14/プラセボ群20(7名、女13)、摂取期間 12週間
主要アトカムは、
Stroop 干渉率 (注意力、ワーキングメモリー)
Touch Mスコア (視空間認知機能、時間順序認知機能、ワーキングメモリー)
結果、1日に20mgのピロロキノリンキノン二ナトリウム塩を摂取することで、健康な中高齢者の認識能力の一部である注意力及びワーキングメモリーの維持に効果があることが報告されていた。
Advances in Experimental Medicine and Biology 876:319-325(2016)
 
作用機序
NGF の発現増大及び NGF 受容体の発現増加による神経成長と神経修復、抗酸化作用による神経保護、ミトコンドリア新生とミトコンドリア活性化、脳血流増大効果が複合的に働くことであると考えられる。
 
 
機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/


あとがき



今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。

やっとコロナ禍も静まりつつあります。39県の皆さん、お疲れさまでした。残り8都道府県も来週のこのメルマガ発行の時には、緊急事態宣言が解除されていることを願っています。
 
今週は、昨年出された景品表示法の措置命令を1件取り消すとの報告が、消費者庁からありました。もちろん、行政としては大きなミスですが、なんでこんなことが起こったのが大変不思議です。措置命令を出す前には、メーカーにとっては不利益処分となるので、しっかり裏を取ったうえで命令を出すはずなのですが、すごく不思議です。
 
いつもの日常に戻るまで、もう少しです。頑張りましょう。
 
では、素敵な週末を。 (KC)
https://kc1104.blogspot.com/2020/05/1112020510516.html#5

平成30年4月1日 第1号発行