薬剤師のための健康食品情報第194号
平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等 |
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先週の行政の動き (12月19日~12月25日) 消費者庁リコール情報 小谷穀粉「十六種調合野草健康茶」 - 返金/回収 https://www.recall.caa.go.jp/result/ detail.php?rcl=00000028791&screenkbn=06 回収の理由: 食品表示法違反のおそれ 配合16種類の原料中において、本来、「米」の配合をすべきところ、商品リニューアル前の配合に基づいて「黒大豆」を配合し、製造が行われたため。 健康被害の報告はございませんが、大豆アレルギーの召し上がりになられた場合、アレルギー症状が発症する恐れがございます。 12月22日 食品添加物の不使用表示に関するガイドラインのパブリックコメント 食品表示の添加物の不使用表示に関するガイドラインに関するパブリックコメントがスタートしました。 食品添加物の不使用表示に関するガイドライン(案) https://public-comment.e-gov.go.jp/ servlet/PcmFileDownload?seqNo= 0000228347 パブリックコメントは、こちらから https://public-comment.e-gov.go.jp/ servlet/Public?CLASSNAME=PCMM STDETAIL&id=235080063&Mode=0 (KC パブリックコメントがスタートしました。施行は、令和6年4月です。) 12月23日 機能性表示食品(D製品1~690)についての評価判定結果を公表 (ASCON) ASCON科学者委員会は、機能性表示食品(D製品1~690)についての評価判定結果を公表しました。 一覧と評価総括と、E1製品以降の届出者による自己評価活動についてもご案内しています。 評価判定を行った累計380機能性表示のうち326が基準に適合。 A判定(有効性について十分な科学的根拠がある)が82、B判定(有効性についてかなりの科学的根拠がある)が150、C判定(有効性についてある程度の科学的根拠がある)が94。科学的根拠を巡り届出者と同委員会の見解が合わない「見解不一致」も54あった。 ASCON科学者委員会評価判定最終報告(D1-D690) http://ascon.bz/wp/wp-content/uploads/ 2021/12/ASCON%E7%A7%91%E5%AD%A6% E8%80%85%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC% 9A%E8%A9%95%E4%BE%A1%E5%88%A4%E5% AE%9A%E6%9C%80%E7%B5%82%E5%A0%B1% E5%91%8A%EF%BC%88D1-D690%EF%BC% 89_211220z1.pdf (KC Dナンバーの判定ですが、現在はGナンバー。3年前に届出された製品の判定、もう少しスピーディーに行わないと思う。また、資料を提出しないメーカーが多くいるということも、考えないといけないと思う。) |
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健康食品の健康被害情報(12/19~12/25) 国立健康栄養研究所HPより (外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません) 12月21日 アイルランド食品安全局がテトラヒドロカンナビノール (THC) を含む製品の自主回収情報を公表 ■注意喚起および勧告内容 2021年12月17日、アイルランド食品安全局 (FSAI:Food Safety Authority of Ireland) が高濃度のテトラヒドロカンナビノール (THC) を含む製品「Kama Hemp CBD Oil 750mg CBD, 10%」 (バッチ No. B 221109、賞味期限:2022年11月9日) の自主回収情報を公表。アイルランド食品安全局は当該製品を使用しないように勧告。 ■解説 当該製品には、欧州食品安全機関 (EFSA) が設定した急性参照用量 (ARfD、健康に悪影響を示さないと推定される一日当たりの摂取量) を超えるデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール (THC:大麻の主要成分で幻覚作用を有する) が含まれているため、当該バッチの製品を対象に、業者による自主回収が行われている。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。 なお、以前にも当該製品と同一ブランドの製品において、基準値以上のTHCの検出が報告されている 。 https://www.fsai.ie/news_centre/ food_alerts/kama_hemp_cbd_oil.html 12月24日 オーストラリアTGAがテトラヒドロカンナビノール (THC) を含む製品に注意喚起 ■注意喚起および勧告内容 2021年12月21日、オーストラリアTGA (Therapeutic Goods Administration) がテトラヒドロカンナビノール (THC) を含む製品「Rick's Hemp Oil Full Spectrum Hemp Supplement 500 mg」に注意喚起。オーストラリアTGAは当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。 ■解説 当該製品を分析したところ、高濃度のデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール (THC:大麻の主要成分で幻覚作用を有する) が検出された。また、当該製品には、表示されていないカンナビノイド (カンナビジオール (CBD) 、カンナビクロメン (CBC)) が含まれている。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。 https://www.tga.gov.au/alert/ ricks-hemp-oil-full-spectrum-hemp- supplement-500-mg 素材情報より 「タウリン (2-アミノエタンスルホン酸)」安全性:危険情報 ・栄養ドリンク摂取後に軽度の蕁麻疹発症経験がある38歳男性 (日本) が、ランニング後にタウリン含有栄養ドリンクを1本摂取したところ、30分後に全身に蕁麻疹を生じ意識消失したため救急搬送された。プリックテストにて栄養ドリンク中のタウリンに陽性を示したことから、タウリンによるアナフィラキシーと診断された。 Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology. 2016;10(4):466. 「グルコサミン」安全性:医薬品等との相互作用 ・心臓外科手術の既往歴がありワルファリンを服用中の79歳女性 (日本) が、グルコサミンを含有する健康食品を摂取したところ (摂取量、期間不明) 、プロトロンビン時間延長、硬膜下血腫、皮下血腫を生じた。グルコサミンによるワルファリンの作用増強が原因と考えられた。 広島医学. 2016;69(11):760. |
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①炎症誘発性の食事は、中高年成人のフレイル発症のオッズの増加と関連 |
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炎症誘発性の食事は、中高年成人のフレイル発症のオッズの増加と関連 炎症誘発性食品(例えば、単純糖質または飽和脂肪が豊富な食品)が多い食事を定期的に摂取することは、中高年期のフレイル発症のリスク増加と関連しているようだ、という米国マーカス加齢研究所などからの研究報告。 米国の地域在住高齢者の約6人に1人は、転倒、入院、死亡のリスクが高まる機能障害の深刻な状態であるフレイルを発症する。以前の研究では、特定の栄養素をフレイルまたは身体機能と関連付けていたが、個人の食事全体とそのフレイルへの影響を経時的に把握していなかったという。 この問題に対処するために、研究チームは、個人の食事の全体的な炎症可能性を反映した食事の炎症指数(E-DII)スコアを計算した。 研究チームは、フラミンガム心臓研究の比較的健康な1,701人の参加者を対象としてデータ解析した結果、炎症誘発性の食事が12年間のフレイルのリスク増加と関連していることを発見したという。E-DIIスコアが1ポイント高いと、12年間でフレイルになる確率が16%高くなった。最も炎症促進性の食事をした4分の1の者は、最も抗炎症性の食事をした4分の1の者に比べて、フレイルの発症の確率が2倍以上高かった。 「この研究では、食物繊維や抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、フラボノイドなど)などの栄養素を含む食品を定期的に食べることで、高齢者がフレイルになるのを防ぐことができることが示されました」と筆頭著者のコートニー・ミラー博士は述べている。 https://academic.oup.com/ajcn/ advance-article-abstract/doi/10.1093/ ajcn/nqab317/6374864 |
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②高齢者の身体活動と認知症のリスクとの関連を調べる |
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高齢者の身体活動と認知症のリスクとの関連を調べる 高齢者の身体活動の増加は、たとえ少量の低強度運動であっても、認知症のリスクの低下と関連しているかもしれない、という韓国・延世大学校医療院などからの研究報告。 2009年1月から2012年12月まで韓国国民健康保険サービスデータベースから健康診断データを入手できた、認知症の既往のない65歳以上の62,286人の参加者を分析した。対象者は、2013年12月31日まで追跡調査された。 参加者のうち、60.4%が女性であり、平均年齢は73.2歳だった。42か月の追跡期間(中央値)中に、3,757人の参加者(6.0%)が認知症を発症し、全体の発症率は1,000人年あたり21.6人だった。 非活動的な者(0 MET-分/週)と比較して、不十分に活動的な者(1-499 MET-分/週;平均284 MET-分/週)は10%、活動的な者(500-999 MET-分/週;平均675 MET-分/週)は20%、および非常に活動的な者(>1000MET-分/週;平均1627 MET-分/週)は28%、認知症リスクが低かった。 したがって、認知症リスクの漸進的な減少は、身体活動レベルの増加と関連しており、制限された3次スプライン曲線は、この関連付けが少量の身体活動から始まっていることを示していたという。完全な座位行動と比較して、少量の低強度身体活動(1-299 MET-分/週;平均189 MET-分/週)でさえ、認知症リスクの低下と関連していた。 低強度身体活動の奨励は、高齢者の認知症リスクを減らす可能性がある、と研究チームは結論付けている。 https://jamanetwork.com/journals/ jamanetworkopen/fullarticle/2787226 |
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先週の健康・健康食品関連情報(12月19日~12月25日) |
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肉類摂取と胃がん罹患リスクとの関連 (国立がん研究センター) https://epi.ncc.go.jp/jphc/ outcome/8795.html 平均して約15年の追跡期間中に、2701人が胃がん(男性1868人、女性833人)に罹患しました。肉類全体、赤肉、加工肉、鶏肉について、最も少ないグループを基準として比較しましたが、胃がん全体の罹患リスクとの間に、統計学的に有意な関連はみられませんでした。しかし、胃がんを、上部、下部に分けた場合、男女とも、肉類全体、赤肉、加工肉摂取量との関連は見られませんでしたが、女性では、鶏肉の摂取量が多いと下部の胃がんのリスクが25%低い結果でした。 歯を失うと認知症になるメカニズムを明らかに 男性では人との交流、女性では果物・野菜の摂取が大きく影響 (東北大) https://www.tohoku.ac.jp/japanese/ 2021/12/ press20211220-01-dementia.html 歯の喪失と認知症発症との間に有意な関連が見られ、その関連を友人・知人との交流人数といった社会的な要因や、野菜や果物の摂取などの栄養に関する要因が部分的に説明することが分かりました。特に男性では、友人・知人との交流人数が口腔と認知症との関係を13.79%、女性では野菜や果物摂取が8.45%説明し、大きな役割を果たしていました。歯をできるだけ残すことは、家族や友人との社会関係を維持することにもつながり、また良好な栄養状態を通じて、認知症発症予防に寄与している可能性があります。 ジンジャーエキスとコラーゲンの組み合わせで「遅筋」の機能が高まることを発見 (ポーラ) https://www.pola.co.jp/company/ news/po20211220/un1llu000000fh1d-att/ po20211220.pdf 女性21名(平均43.7±6.4歳)を対象に、アクティブジンジャーエキスとコラーゲンペプチドを配合した食品を3ヶ月間飲用しました。表情筋の筋肉状態のパラメータとして、筋電計の測定により、頬の筋張力(平均積分筋電図のRMS値)の変化を検証した結果、飲用により頬の筋力が増加傾向を示しました。 (KC 機能性表示食品とする場合、どんな機能性の表示にするのか興味あります。美容効能はNGなので、どんな健康効果にするのか興味があります。) 抹茶に肺炎球菌の殺菌作用と毒素阻害作用 薬剤耐性菌にも効果 (新潟大) https://www.niigata-u.ac.jp/news/ 2021/98517/ 抹茶は、飲用よりも低濃度で薬剤耐性肺炎球菌を含む肺炎球菌株に対して殺菌作用を示し、さらに、その主要毒素PLYが毒力発揮に必要な重合体形成を阻害し、細胞毒性も妨げた。 上記の抹茶効果は、主にEGCGが担い、EGCGは煎茶よりも抹茶に約5倍多く含まれるカテキン成分であった。 |
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特定保健用食品
先週のトクホ・機能性表示食品情報(12月19日~12月25日) 特別用途食品 12月24日 1件 許可 区分:えん下困難者用食品 |
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※【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。 ※効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。 会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧 ■制度開始から届出た商品を確認できます。 商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス ■エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。 |
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注目の届出 |
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メリークリスマス みなさん、どんなクリスマスをお過ごしですか。 今年も残すところ、本当に1週間を切ってしまいました。 良い年でしたか? 今年は、これで最終回としたいと思います。 新年は、1月8日に新年第一号を配信する予定です。 今年も1年間ありがとうございました。 それでは、素敵な年末年始を。 (KC) |
平成30年4月1日 第1号発行