薬剤師のための健康食品情報第192号
平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等 |
先週の行政の動き (12月5日~12月11日) 東京都事業者向け食品表示法講習会オンラインセミナー 配信期間:令和4年1月17日(月) 0時~1月31日(月) 23時59分 申込期限:令和3年11月15日(月)~令和3年12月15日(水) 詳細は、 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp /.../chirashi.pdf (KC東京の事業者さん限定ですが、健康食品等を扱う方は、聴講すると、絶対に勉強になると思います。) |
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健康食品の健康被害情報(12/5~12/11) 国立健康栄養研究所HPより (外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません) 12月10日 米国FDAが医薬品成分 (シルデナフィルなど) を含む製品に注意喚起 ■注意喚起および勧告内容 2021年12月8日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) が医薬品成分 (シルデナフィルなど) を含む9製品に注意喚起。米国FDAは当該製品を購入・使用しないように勧告。 こんな製品もありました。 製品名 (検出された医薬品成分) Hard AF! (シルデナフィル、アセトアミノフェン) https://www.fda.gov/drugs/ medication-health-fraud/ public-notification-hard-af-contains- hidden-drug-ingredients 素材情報より 「コーヒー、コーヒーノキ」「カフェイン」安全性:医薬品等との相互作用 ・双極性障害のためアリピプラゾール (抗精神病薬) 24 mg/日、リスペリドン (抗精神病薬:CYP2D6、CYP3A4基質) 5 mg/日、バルプロ酸 (抗てんかん薬) 600 mg/日を服用していた54歳男性 (日本) が、コントロール不良のため炭酸リチウム (躁うつ病治療薬) 400 mgより服用開始後、約1ヶ月で1,400 mg/日まで増量したが、血中リチウム濃度は治療域下限を下回った状態が持続した。コーヒー13~20杯/日 (カフェイン約1,300~2,000 mg/日含有) を摂取していたため10杯/日までに減量したところ、血中リチウム濃度が上昇し、精神症状が改善した。 Clin Neuropharmacol. Jul/Aug 2017;40(4):160-162. 「キシリトール」安全性:危険情報 ・鶏卵、牛乳に対する食物アレルギー、気管支喘息の既往歴がある2歳女児 (日本) が、キシリトール含有菓子を摂取して入浴した30分後に、顔面紅潮、喘鳴を生じて受診。プリックテスト、BAT (好塩基球活性化試験) の結果、キシリトールアレルギーと診断された。 |
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①ビタミンD、心臓の健康にも関連か |
骨の代謝などに不可欠なことで知られるビタミンDだが、心臓の健康とも関連することが示唆された。欠乏状態の人は、そうでない人に比べて心臓病リスクが2倍以上だったという。南オーストラリア大学の研究。 この研究でビタミンD欠乏症の人は、正常レベルの人に比べて、心臓病や血圧の上昇を患う可能性が高いことを示している。濃度が最も低いグループに属する場合、心臓病のリスクは、十分な濃度の参加者に見られるリスクの2倍以上にのぼったという。 世界的にみて、心血管疾患(CVD)は主要な死因であり、年間推定1,790万人の命を奪っている。豪州においては、死亡原因の1/4を占めているほか、1年あたりの関連医療費は50億ドルにのぼっており、これはあらゆる病気の中でも最も多額である。 ビタミンDの欠乏状態は世界の多くの地域で一般的であり、英国バイオバンクのデータでは55%の人が低レベル(50 nmol/L未満)で、13%が重度の欠乏症(25 nmol/L未満)である。他国をみると、ビタミンDが低レベルの人は豪州で23%、米国で24%、カナダでは37%と推計される。 南オーストラリア大学のハイポネン教授は、心臓の健康に対するビタミンD欠乏症の役割を理解することで、心血管疾患の世界的な負担を軽減できると述べている。 「重度の欠乏症は比較的まれですが、これが発生する状況下では、積極的に行動し、心臓への悪影響を回避することが非常に重要です。たとえば、日光への曝露が限られている可能性のある高齢者施設の人々にとって、欠乏は問題になる可能性があります。脂の多い魚、卵、栄養強化食品や飲み物などの食品からもビタミンDを摂取できます」としながらも教授は、欧米では健康的とされる食事でも、十分な量のビタミンDを摂取することは難しいと述べ、皮膚でビタミンDを生成するため太陽光を浴びることが難しい場合はサプリメントからの習慣的摂取が必要だとしている。 この研究では、約27万人を対象に新しい遺伝的アプローチを用い、参加者の血中ビタミンDレベルの高さが心血管疾患リスクにどのように影響するかについて、強力な統計的証拠を提供できるようにした。 |
②カフェインが動体視力を改善する? |
動体視力に対するカフェインの効果を調査するこの種の最初の研究で、カフェインが動く標的の気づきと検出精度を高めることが明らかになった。カナダ・ウォータールー大学の研究。カフェインは参加者の反応時間も改善したという。 研究チームは、低カフェイン摂取者21人(22.5±1.6歳)を対象に、ランダム化二重盲検プラセボ対照バランスクロスオーバー試験を行った。参加者は、2つの異なる日で、ランダムな順序に、カフェイン(4 mg / kg)またはプラセボのいずれかを摂取し60分後に動体視力を測定した。 その結果、カフェインを摂取した参加者は、より小さな動く刺激を識別するときに、有意に高い精度とより速い速度を示し、カフェインが参加者の刺激処理と意思決定にプラスの影響を与えることが推測された。動体視力パフォーマンスに関係する眼球運動速度とコントラスト感度も、カフェイン摂取によって高まった。 s00213-021-05953-1 |
③ブドウは腸内細菌叢とコレステロール代謝に有益? |
ブドウの摂取には、腸内細菌の多様性を増加させ、コレステロールを大きく減少させる効果がみられるようだ、という米国カリフォルニア大学などからの研究報告。 研究チームは、21-55歳の対象者19名に二相型介入研究を実施した。第一相で、参加者は低食物繊維、低ポリフェノール食を4週間摂取した。その後第二相において4週間粉末化ブドウ(1.5カップ相当)を摂取した。 その結果、ブドウの摂取によって、腸内細菌叢の多様性が大幅に増加した。特にグルコースと脂質代謝に有益な細菌であるAkkermansiaが上昇したという。またコレステロールが大幅に低下した。血中総コレステロールは6.1%、LDL- コレステロールは5.9%低下した。コレステロール代謝に関連する胆汁酸も40.9%減少した。中性脂肪と体組成には変化は見られなかった。 https://www.mdpi.com/ 2072-6643/13/11/3965 |
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先週の健康・健康食品関連情報(12月5日~12月11日) |
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食品や化粧品業界の素材開発に新材料 独自開発の「高温焼成シリカゲル」で、抗菌ペプチド見つかる (名古屋大) https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/ public-relations/researchinfo/ upload_images/20211202_engg.pdf ペプチドを吸着できる無毒な高温焼成シリカゲルを開発しました。 コメ粉末からアルカリ抽出法でタンパク質を回収し、ペプシンで加水分解して得られるペプチド混合物を、高温焼成シリカゲルに吸着し、塩基性・疎水性のペプチドが濃縮された混合物を作製したところ、ニキビの原因と言われるアクネ菌に対して抗菌活性を示すことが分かりました。さらに、このペプチド混合物から質量分析で新規の 5 種類の抗菌ペプチドを特定し、このうち 2 種類は、アクネ菌だけでなく、歯周病菌、虫歯菌注、大腸菌に対しても抗菌力を示すことが分かりました。 牛乳1日1杯で脳梗塞予防の可能性 岩手県北地域コホート研究 10年追跡データの解析結果から (岩手医大) https://www.iwate-med.ac.jp/wp/ wp-content/uploads/ 4c6ae4c7a6eabb0a96ae7ef35547b843.pdf 牛乳を飲む人では牛乳を飲まない人(週2杯未満)に比べて、タバコを吸う人や大量飲酒する人が少なく、習慣的に運動している人、魚・大豆タンパクや野菜・果実を多く摂る人が多い傾向が見られました。牛乳を1日1杯飲む人の健康的な生活習慣・食習慣が脳卒中発症リスク低下に影響した可能性が考えられます。 牛乳を飲む人では牛乳を飲まない人(週2杯未満)に比べて、血圧が低い傾向が見られました。牛乳に含まれるミネラルによって血圧上昇が抑制され、脳卒中の発症リスクが低下した可能性が考えられます。 |
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特定保健用食品
先週のトクホ・機能性表示食品情報(12月5日~12月11日) 特定保健用食品 今週はなし |
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※【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。 ※効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。 会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧 ■制度開始から届出た商品を確認できます。 商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス ■エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。 |
機能性表示食品届出公表(12月5日~12月11日) 今週は公開無し 「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから YouTube チャンネル名 |
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おはようございます。 12月に入り、みなさん忙しいのか、情報量が、今週は少ないですね。 たまには、こういう週があると、個人的には息抜きとなってた助かります(笑)。 さて、冒頭で紹介した東京都の食品表示講習会、食品メーカーさん(健康食品含む)は、きっと聴講するとためになると思います。 食品成分表8訂の取り扱いについても、少し触れています。たぶん、今まではなされていなかったような内容もあるかと思います。 今年もあと2回、全力でお届けいたします。 では、素敵な週末を。(KC) |
平成30年4月1日 第1号発行
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