平成30年4月1日 第1号発行
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【注目】 #1 地中海型食より減量と脂質制御に優れたビーガン食? #2 精製穀物は心臓発作と死亡リスクの上昇と関連? #3 高齢者の歩き方から認知機能障害を特定できる? #4 植物性たんぱく質は女性の認知症死亡リスクを下げる? #5 大学・研究機関等公表資料より #6 機能性表示食品届出公表一覧 |
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行政からの通知、取り締まり等 |
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健康食品の健康被害情報(2/21~2/27) 国立健康栄養研究所HPより (外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません) 2月25日 カナダ保健省が表示されていない高濃度のビタミンDを含むおそれのある製品の自主回収を公表 ■注意喚起および勧告内容 2021年2月21日、カナダ保健省 (Health Canada) が表示されていない高濃度のビタミンDを含むおそれのある製品「Perfect Sports Core Series Pure Creatine (Creatine Powder) 」 (NPN:80012948) の自主回収情報を公表。カナダ保健省は当該製品を摂取しないように勧告。 ■解説 当該製品はクレアチンを含む健康製品として販売されていたが、ロットNo. 2006CRTN807において表示されていない高濃度のビタミンDが含まれていることが判明した。当該製品はビタミンDを含む旨が記載されておらず、またビタミンD含有製品としての認可を受けていない。現在、業者 (Genex Nutraceuticals) による自主回収が実施されている。 現在のところ、当該製品との関連が疑われる健康被害については不明。 https://healthycanadians.gc.ca/recall- alert-rappel-avis/hc-sc/2021/ 75037a-eng.php (KC カナダのオリジナルのレポートを見ても、どれくらいの量が入っていたかは記載されていません。) 2月26日 米国FDAがうつ病などへの効果を標ぼうした製品の販売業者に改善要請 ■注意喚起および勧告内容 2021年2月19日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) が、うつ病などの精神疾患を予防、または治療するなど虚偽の宣伝を行う10社に表示の改善を要請。 ■解説 米国FDAは、ウェブサイトでうつ病や精神疾患を治療、緩和、予防すると主張してダイエタリーサプリメントを販売していた10社 (Enlifta LLC、Lifted Naturals、Mountain Peak Nutritionals、SANA Group LLC、Wholesome Wellness、Dr. Garber’s Natural Solutions、ProHealth Inc、Blossom Nature LLC、FDC Nutrition Inc、Silver Star Brands) に対し、FDAの承認なく、病気への効果をうたう広告は違法であるとして、警告文書を発行した。米国FDAは当該企業に対して表示の改善などの対応を要請している。 https://www.fda.gov/news-events/ press-announcements/fda-warns-10- companies-illegally-selling-dietary- supplements-claiming-treat-depression -and-other?utm_medium=email&utm_source =govdelivery (KC コロナ関連のものです。コロナ禍があり、そのメンタルヘルスに役立つとしていたものらしいです。) 健康食品の素材情報より 2月22日 「グルコサミン」「コンドロイチン硫酸」危険情報:被害事例 ・2型糖尿病のため服薬中 (詳細不明) の76歳男性 (日本) が、グルコサミン・コンドロイチン含有サプリメントを2ヶ月間摂取したところ (摂取量不明) 、1週間継続する労作時の息切れと食欲不振を生じ受診、肺炎と診断され入院。抗菌薬を投与したが改善せず、薬剤性好酸球性肺炎が疑われ、加療により改善した。 日大医学雑誌. 2013;72(6):338. |
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#1 ①地中海型食より減量と脂質制御に優れたビーガン食? |
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地中海型食より減量と脂質制御に優れたビーガン食? 低脂肪のビーガン食は、地中海型の食事と比較して、体重、体組成、インスリン感受性、コレステロール値のより良好な改善効果を示すようだ、という米国・責任ある医療のための医師の会などによるランダム化クロスオーバー試験の結果報告。 研究チームは、過体重だが糖尿病ではない参加者62名を対象に、ランダムに2群に分け、一方にビーガン食を、別の一方に地中海型食を割り当て、16週間継続したのち、4週間の洗い出し期間をおいて、食事を交代してさらに16週間継続した。 データ解析の結果、参加者はビーガン食で体重を平均6kg低下させたが、地中海型食では平均体重は変化しなかった。 また参加者はビーガン食で脂肪を3.4kg多く低下させた。内臓脂肪も315cm3減少させた。総コレステロールとLDL-コレステロールも各々18.7mg/dLと15.3mg/dL有意に低下した。 血圧はどちらの食事においても低下したが、地中海型食のほうが低下の度合いが大きかった。 https://www.tandfonline.com/doi/full/ 10.1080/07315724.2020.1869625 (KC 普通に考えて、ビーガン職は脂質が少ないのだから、そのような結果になるのは当たり前のような気もする。) |
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#2 ②精製穀物は心臓発作と死亡リスクの上昇と関連? |
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精製穀物は心臓発作と死亡リスクの上昇と関連? クロワッサンや白パンなどの精製穀物を大量に摂取すると、主要な心血管系疾患、脳卒中、死亡のリスクが高くなるようだ、というカナダ・サイモンフレイザー大学からの研究報告。 Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE)研究は、世界中の低、中、高所得国の多様な人口からの食事を調査している。21か国の137,130人の参加者を対象とした16年間の分析で、研究者らは精製穀物と添加糖の摂取量が長年にわたって大幅に増加していることを発見したという。 穀物は、精製穀物、全粒穀物、白米の3つのグループに分類された。精製穀物には、精白パン、パスタ/ヌードル、朝食用シリアル、クラッカー、精製穀物を含むベーカリー製品/デザートなど、精製小麦粉で作られた商品が含まれていた。全粒穀物には、全粒粉と、完全なまたは破砕した全粒穀物が含まれていた。 解析の結果、研究者らは、1日あたり7サービング以上の精製穀物を摂取すると、早期死亡のリスクが27%高くなり、心臓病のリスクが33%高くなり、脳卒中のリスクが47%高くなることを発見した。 全粒穀物または白米を摂取しても、健康への重大な悪影響は見られなかったという。 https://www.bmj.com/content/372/bmj.m4948 (KC 玄米でなくても良いということですかね。玄米だと、もっと良い結果ということになるのでしょうか?) |
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#3 ③高齢者の歩き方から認知機能障害を特定できる? |
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高齢者の歩き方から認知機能障害を特定できる? 高齢者の歩行パターンから様々なタイプの認知症をより正確に診断し、アルツハイマー病を同定できるようだ、というカナダ・ローソン健康研究所などからの研究報告。 研究チームは、パーキンソン病、軽度認知障害、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など様々な認知機能障害、疾患をもつ人々と認知的に健康な人々を含む500名の高齢者の歩行パターンを検討した。 因子分析によって、4つの独立した歩行領域(リズム、ペース、変動性、姿勢制御)が同定された。高い歩行変動性のみが低い認知パフォーマンスと関連しており、それによって70%の信頼性でアルツハイマー病を同定することができたという。歩行の変動性とは、歩行時に発生する歩幅の距離とタイミングの変動を意味する。 「これは、歩行の変動性が、認知障害と運動制御の両方に関連する脳の領域で発生するプロセスの重要なマーカーであることを示す最初の強力な証拠である」と筆頭研究者のフレデリコ・ペルッチーニ=ファリア博士は語っている。 https://alz-journals.onlinelibrary.wiley.com/ doi/10.1002/alz.12298 |
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#4 ④植物性たんぱく質は女性の認知症死亡リスクを下げる? |
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植物性たんぱく質は女性の認知症死亡リスクを下げる? 植物性たんぱく質を多く摂取した閉経後の女性は、そうでなかった女性に比べて、早死、心血管系疾患、認知症関連死のリスクが低かった。米国アイオワ大学などからの研究報告。 研究チームは、1993年から1998年に全米規模の「女性健康イニシアチブ」研究に参加した10万人以上の閉経後女性(50-79歳)を2017年2月まで追跡調査したデータを解析した。期間中に25,976件の死亡が確認された(心血管系疾患による死亡6,993件、がんによる死亡7,516件、認知症による死亡2,734件)。 解析の結果、植物性たんぱく質の摂取が最高だった閉経後女性は、植物性たんぱく質の摂取が最低だった閉経後女性に比べて、全死因による死亡リスクが9%低く、心血管系疾患による死亡リスクが12%低く、認知症関連の死亡リスクが21%低かったことが明らかになったという。 加工赤肉の摂取が高いことは、認知症による死亡リスクが20%高いことと関連していた。 非加工肉、卵、乳製品の摂取が高いことは、心血管系疾患による死亡リスクが、各々12%、24%、11%高いことと関連していた。卵の摂取が高いことはまた、がんによる死亡リスクが10%高いことと関連していた。 けれども、卵の摂取が高いことは、認知症による死亡リスクが14%低いことと関連しており、鶏肉の摂取は、認知症による死亡リスクが15%低いことと関連していたという。 https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/ JAHA.119.015553 (KC こんなのが出ると、また肉を食べなくなる人が増えますね。大豆がたんぱく質の中で最高と言うわけではないと思うが…) |
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先週の健康・健康食品関連情報(2月21日~2月27日) |
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日本人における飲酒と乳がんリスク (国立がん研究センター社会と健康研究センター) https://epi.ncc.go.jp/can_prev/ evaluation/8652.html 日本人においても欧米での報告と同様に閉経前乳がんでは飲酒が乳がんの罹患リスクを上昇させることが明らかとなりました。一方で閉経後乳がんでは、日本人では有意な関連が認められませんでした。これらの結果は診断時の閉経状態に基づいた分類においても同様の傾向を示しました。 一人暮らしの大学生は歯科検診に行かなくなり、歯ぐきが腫れやすくなることを3年間の追跡調査で発見 (岡山大) http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/ release_id810.html 一人暮らしの大学生は定期的な歯科検診に行かなくなり、結果的に歯ぐきが腫れやすくなることが明らかになりました。 (KC 確かに一人暮らしの大学生が、歯医者に定期的にクリーニングに行くイメージはないですね。) 日中のかみしめが歯周病の進行のリスクになることを世界で初めて発見 新たなリスクを知ることで歯周病の進行を抑えることに貢献 (岡山大) http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/ release_id809.html 日中に歯と歯がどのくらい接触しているのか、あるいはかみしめているのかに気が付いていない方が多くいらっしゃいます。運転・家事・パソコン作業・勉強・スマホ操作などの最中にかみしめていないかを気にかける方が増えるといいと思います。 (KC 昼間は、あまり歯に力を入れているイメージがありませんでしたが、無意識のうちにかみしめていることがあるのかもしれません。それが歯周病の原因になるとはびっくりです。) 日本人高齢者のサルコペニアの有病率、関連因子、 死亡・要介護化リスクを解明 (東京都健康長寿医療センター) https://www.tmghig.jp/research/release/ 2021/0218.html 群馬県と埼玉県の地域の高齢者健診受診者計1,851人(平均年齢72歳)を対象に、平均5.8年間(最大9.5年)の追跡研究を行いました。 その結果、サルコペニアの有病率は、年齢とともに上昇し、75~79歳では男女ともに約22%、80歳以上では男性の32%、女性の48%がサルコペニアに該当していました。サルコペニアの人はそうでない人に比べて、男性では「身体活動が少ない」「血液中のアルブミン濃度が低い」「喫煙者が多い」「最近1年以内の入院が多い」、女性では「うつ症状が多い」「認知機能の低下が多い」ことがわかりました。 また、サルコペニアの人は、筋肉量、筋力ともに低下していない人に比べて、総死亡リスクは男性で2.0倍、女性で2.3倍高く、要介護発生リスクは男性で1.6倍、女性で1.7倍高くなることが明らかとなりました。 国立高度専門医療研究センター6機関の連携による「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」公開 (国立精神・神経医療研究センター) https://www.ncnp.go.jp/topics/ 2021/20210219jh.html 健康を左右する「喫煙」「飲酒」「食事」「体格」「身体活動」「心理社会的要因」「感染症」「健診・検診の受診と口腔ケア」「成育歴・育児歴」「健康の社会的決定要因」について、エビデンスに基づき具体的な提言を行っています。 (KC 時間がある方は、目を通しておくとよいと思います。) 黒ウコンのポリメトキシフラボノイドが「長寿遺伝子」産物SIRT1を活性化する (東京大) https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/ topics_20210219-1.html 黒ウコンKaempferia parviflora 由来のポリメトキシフラボノイドであるケルセチン 3,5,7,3',4'-ペンタメチルエーテル(略称KPMF-8)が SIRT1 に結合することで、酵素(SIRT1)と基質(Ac-p53ペプチド)との親和性が8.2倍に増強すること、一方、レスベラトロールがSIRT1に結合しても1.4倍しか増強されないことを明らかにしました。さらにヒト培養細胞(MCF-7)を用いて、培地に添加したKPMF-8が細胞内のSIRT1活性を亢進させることも示しました。 (KC NMN以外でも、今後不老のための健康食品成分が、本当に出てくるようになるかもしれませんね。) |
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※【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。 ※効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。 会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧 ■制度開始から届出た商品を確認できます。 商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス ■エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。 |
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今週は、撤回情報、注目の届出情報はありません。 |
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おはようございます。 今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。 あっという間に、来週月曜から3月です。 年度末の攻防が始まります。どの仕事を優先して終わらせるか、忘れたふりをして来年度に回してしまうか。 3月は提出しなければいけない書類もあり、締め切り仕事も通常月より多く、いつも2月末は、2月も31日までにしてほしいと叫んでいます。 今年は春が早いようで、桜の開花も早まるようです。花粉も早くから飛び始め、花粉症の人からは今年は大変との声を多く聞きます。 ところで、東京オリンピックは開催されるのでしょうか。 そろそろ、やるかやらないかの判断を出して頂かないと、新年度のスケジュールも立てられない状況になってきました。 誰かが「中止します。」と言ってくれれば簡単なのでしょうが、そうもいかないようですね。 それでは、素敵な週末を。 (KC) |
平成30年4月1日 第1号発行
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