薬剤師のための健康食品情報第190号
平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等 |
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先週の行政の動き (11月21日~11月27日) 11月19日 新型コロナウイルス感染症流行下における薬局での医療用抗原検査キットの取扱いについて (厚生労働省事務連絡) https://www.mhlw.go.jp/content/ 000836277.pdf 事務連絡より抜粋 .陳列等について ○ 医療用抗原定性検査キットについては、入手を希望する者がその販売について容易に認識できるよう、調剤室以外に陳列すること又は空箱を陳列することは差し支えないこと。 ○ 医療用抗原定性検査キット及び空箱の陳列場所は問わないが、販売にあたっては、薬剤師による説明、使用にあたっての留意事項を理解していることの確認等が必要であることに留意すること。 .広告等について ○ 薬局においては、入手を希望する者がその販売について容易に認識しやすくなるよう、「新型コロナウイルス感染症に係る医療用抗原定性検査キットを取り扱っている」旨について薬局内に掲示すること。また、薬局の店頭や、薬局に隣接する店舗(当該薬局が入居する建物を含む。)への掲示のほか、販売する薬局のホームページやチラシ等へ掲載することも差し支えないこと。 11月24日 株式会社シーズ・ラボに対する景品表示法に基づく措置命令 https://www.caa.go.jp/notice/assets/ representation_cms214_211124_01.pdf 消費者庁は、本日、株式会社シーズ・ラボに対し、同社が供給する「4D」と称する食品に係る表示について、景品表示法に違反する行為(優良誤認に該当)が認められたことから、同法第の規定に基づき、措置命令を行いました。 表示媒体 自社ウェブサイト 表示内容 「『痩せたいけれど我慢したくない!』あなたのために! クリニカルサロン 『シーズ・ラボ』独自開発」、「食事の気になるカロリーを速攻カット!!」、「脂っこい料理 甘~いスイーツ 食べ過ぎてもなかったことに!」、「糖質カット 脂質カット 脂肪燃焼 お通じすっきり」及び「フォーディー 4D ダイエットサプリ」との記載と共に、複数の料理とスイーツの画像を背景にフォークとナイフを手にして口を開いた人物の画像、本件商品及び本件商品の容器包装の画像等のとおり表示することにより、あたかも、本件商品を摂取すれば、本件商品に含まれる成分の作用により、食事から摂取したカロリーの吸収が直ちに著しく阻害されることによって、体重増加が阻止される効果が得られるかのように示す表示をしていた。 11月25日 特定商取引法違反の通信販売業者に対する業務停止命令(3か月)及び指示並びに当該業者の代表取締役に対する業務禁止命令(3か月) https://www.caa.go.jp/notice/ assets/consumer_transaction_cms 203_211125_01.pdf 東北経済産業局は、健康食品を販売する通信販売業者である株式会社BIZENTOに対し、令和3年11月24日、特定商取引に関する法律第15条第1項の規定に基づき、令和3年11月25日から令和4年2月24日までの3か月間、通信販売に関する業務の一部(広告、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。 ビゼントは、ウェブサイトにおける、購入者に対して本件商品1袋を30日ごとに届け、最低4回の継続を利用条件とし、初回を1袋500円で販売する内容の「鍛神HMBCa2,000mg<キレキレコース定期便>」と称する定期購入契約において、顧客の意に反して売買契約の申込みをさせようとする行為をしていた。 (KC インターネット通販で、定期購入縛りがある初回が非常に安く設定されている健康食品の契約条件がわかりにくいまま契約させているということです。) 11月26日 特別用途食品に関するリーフレット「腎臓病用組合せ食品ってなに?」を公開 (消費者庁) https://www.caa.go.jp/policies/policy/ food_labeling/health_promotion/assets/ food_labeling_cms206_211126_01.pdf |
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健康食品の健康被害情報(11/21~11/27) 国立健康栄養研究所HPより (外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません) 11月26日 アイルランド食品安全局がテトラヒドロカンナビノール (THC) を含む製品の自主回収 ■注意喚起および勧告内容 2021年11月24日、アイルランド食品安全局 (FSAI:Food Safety Authority of Ireland) が高濃度のテトラヒドロカンナビノール (THC) を含む製品「Kama Hemp 100% Organic Hemp Juice Powder」 (バッチ No. 230426、賞味期限:2023年4月26日) の自主回収情報を公表。アイルランド食品安全局は当該製品を使用しないように勧告。 ■解説 当該製品は、未承認の新規食品 (novel food) であり、欧州食品安全機関 (EFSA) が設定した急性参照用量 (ARfD、健康に悪影響を示さないと推定される一日当たりの摂取量) を超えるデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール (THC:大麻の主要成分で幻覚作用を有する) が含まれているため、当該バッチの製品を対象に、業者による自主回収が行われている。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。 https://www.fsai.ie/news_centre/ food_alerts/kama_hemp_recall.html 素材情報より 「青汁」安全性:危険情報 ・63歳男性 (日本) が、健康のために青汁を摂取していたところ (摂取量不明) 、皮疹を生じ、医療機関を受診して経過観察していたが、約2ヶ月後に増悪。その1ヶ月後に他の医療機関を受診したところ、浮腫性紅斑、紅色丘疹が多数あり、紅皮症が認められた。DLSTにおいて青汁が陽性を示した。 日本皮膚科学会雑誌. 2014;124(6):1172. |
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①食事療法は薬に勝るか |
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細胞の内部の働きに対する食事と薬との影響を比較すると、食事の方がはるかに強い影響力を持っていることがわかったという。豪・シドニー大学チャールズ・パーキンス・センターによる動物実験から。食事療法は薬よりも強力である可能性があることが示唆された。 今回、マウスで実施された研究で、栄養(総カロリーと主要栄養素のバランス)が、糖尿病の治療や老化の遅延のために一般的に使用される3つの薬よりも大きな影響を与えることが示された。 論文の上級著者であるシンプソン教授は、薬は栄養素と同じ生化学的経路を標的にすることもできるとし、これまで、食事を変更することなく代謝の健康と老化を改善することを目的とした薬を発見するため、多大な労力がかけられてきたと述べている。 「食事療法は強力な薬です。しかし現在、薬は、食事の構成による相互作用があるのか、そしてそれはどのようなものなのかを考慮せずに投与されています。 同じ栄養素シグナル伝達経路で作用するように設計されている場合でも、です。 人間がマウスと本質的に同じ栄養素シグナル伝達経路を共有していることを考えると、この研究は、代謝の健康を改善するためには薬を服用するよりも、食事を変えることの方が高い価値を得るだろうことを示唆しています」。 本研究では、たんぱく質、脂質、炭水化物のエネルギーバランス、3種の薬の投与量のレベルがそれぞれ異なる40グループものマウスを用いた、複雑な研究を設計した。これにより、1つの栄養素だけに焦点を合わせるのではなく、さまざまな栄養素の混合と相互作用が健康と病気にどのように影響するかを検討することができた。 研究者らは、食事中のエネルギー摂取量と主要栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)のバランスが肝臓に強い影響を与えていることを発見した。 代謝経路だけでなく、細胞の機能を制御する基本的なプロセスにも特に強力な影響を及ぼしていたのは、たんぱく質と総エネルギー摂取量だった。 たとえば、たんぱく質の摂取量は、エネルギーを生成する細胞の一部であるミトコンドリアの活動に影響を与えていた。たんぱく質とエネルギーの量は、細胞が適切に機能し、また新しい細胞を作るのを助けるために、細胞が遺伝子をどれだけ正確にそれぞれのたんぱく質へと変換するか、に影響するため、下流効果を生み出す。 これらの2つの基本的なプロセスは老化に関連している。 それに対し、薬は基本的にそれらを再形成するのではなく、主に食事に対する細胞の代謝反応を弱めるように作用していた。 しかし研究者らはまた、薬の生化学的効果と食事組成との間のいくつかのより具体的な相互作用を発見した。 ある抗加齢薬は、食事の脂質と炭水化物によって引き起こされる細胞の変化に大きな影響を及ぼしたが、がんや糖尿病の薬はいずれ、エネルギーを生成するミトコンドリアに対する食事たんぱく質の影響をブロックしていた。 https://www.sciencedirect.com/science/ article/abs/pii/ S1550413121005283?via%3Dihub (KC 食事療法が、薬物療法に勝るかは別して、病気の治療においても、食事が重要なのは言うまでもない。) |
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先週の健康・健康食品関連情報(11月21日~11月27日) |
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コロナ禍における子どもの抑うつ症状とスマホ所有との経時的な関連性について(弘前大) https://www.hirosaki-u.ac.jp/61729.html 小学4年生から中学1年生(研究開始時点:2019年9月)に在籍していた児童生徒(N=5204)を対象に縦断的な調査を行い、スクリーンタイムの上昇に最も寄与していると考えられるデバイスであるスマート・フォンの所有と子どもの抑うつ症状との経時的な関連性を調査した。 調査時点は、2019年9月、2020年7月、2020年12月、2021年3月の3時点を含む、合計4時点であった。 解析の結果、研究開始時点においてスマート・フォン所有群と非所有群の間に有意な抑うつ症状の差が見られなかったものの、2020年12月および2021年3月時点において、所有群の抑うつ症状は非所有群に比べて有意に悪かった。 心不全患者における介護発生率を明らかに 年間の新規介護保険申請は一般人口の2倍以上 (新潟大) https://www.niigata-u.ac.jp/news/ 2021/96745/ 高齢心不全患者を対象に行った調査において、心不全患者における介護発生率(=新規介護保険申請率)が一般人口に比べ極めて高く、患者に内在する諸問題が介護発生率増加に寄与していることを示しました。 植物由来乳酸菌IJH-SONE68株の分泌する細胞外多糖体が自己免疫疾患を予防改善することを動物実験で発見 (広島大) https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/67799 「潰瘍性大腸炎」を誘発させたモデルマウスに対して、イチジクの葉から取得した植物由来乳酸菌(植物乳酸菌)の一種「Lactobacillus(Lb.)paracasei IJH-SONE68」がつくる細胞外多糖体(exopolysaccharide、EPS)を摂取させることで、モデルマウスの病態と炎症症状を明らかに改善することを発見しました。さらに、予防効果もありました。 また、 EPSの摂取により、炎症症状の改善とともに、炎症性サイトカインMIP-2の発現が有意に抑制され、かつ、IL-10(抗炎症性物質として機能する)サイトカインの発現が有意に上昇しました。 |
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特定保健用食品
今週はなし |
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※【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。 ※効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。 会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧 ■制度開始から届出た商品を確認できます。 商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス ■エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。 |
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今週の撤回情報 2021年11月19日付け F254 「小岩井βラクトリンコーヒー」 小岩井乳業株式会社 ・・・・ βラクトリン 撤回理由 「販売中止の為」 G687 「野菜一日これ一本Plus(プラス)200ml b」 カゴメ株式会社・・・・ トマト由来食物繊維、GABA 撤回理由 「本品の販売予定はなくなった為。」 |
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G720 「REMWELL(レムウェル)」 |
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おはようございます。 北海道は、真っ白な世界になってしまったようです。11月では観測史上最大の積雪だとか。 地球温暖化と叫ばれていますが、北海道には、今年もちゃんと雪が降ったようです(と言うか、降り過ぎです)。 さて、消費者庁から、特別用途食品「腎臓病用組合せ食品」のリーフレットが公開されました。今のところ、許可になっている製品は一つもありません。察するに、近々許可第一号が出るということが大いに考えられます。 許可基準としては、「糖尿病用組合せ食品」もあるので、そちらの方も、リーフレットに許可製品が待たれるところです。 日に日に寒くなっていきますが、お身体にご自愛の上、素敵な12月をむかえましょう。(KC) |
平成30年4月1日 第1号発行
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