2022年7月23日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第223号

薬剤師さんのための健康食品情報第223号


平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (7月17日~7月23日)

 

特になし


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより

健康食品の健康被害情報(/17~7/23) 国立健康栄養研究所HPより
(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません)
 
7月22日 米国FDAが医薬品成分 (ロルカセリン) を含む製品に注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2022715日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) が医薬品成分 (ロルカセリン) を含む製品「Dr. Reade Slim Sense」に注意喚起。米国FDAは当該製品を購入・使用しないように勧告。
 
■解説
これは、米国FDAによる調査で判明した事例。痩身効果をうたって、ウェブサイトや店舗で販売されていた当該製品を分析したところ、医薬品成分であるロルカセリンが検出された。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。
 
■関連成分
ロルカセリン (Lorcaserin)
ロルカセリンは、2012年に肥満症治療剤として米国FDAの許可を受けたが、発がんリスクの懸念から2020年に承認が取り下げられた。日本では未承認のため販売されていない。セロトニン2C (5-HT2C) レセプターアンタゴニストで食欲や代謝を調整。
使用により、精神障害、注意力および記憶力の低下を引き起こす可能性がある。
https://www.fda.gov/drugs/
medication-health-fraud/public-notification
-dr-reade-slim-sense-contains-hidden
-drug-ingredient

 
 
健康食品に関する「アドバイザリースタッフ」に相談してみましょう

https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail4979.html
 
アドバイザリースタッフとは、健康食品やサプリメントについての正しい知識を持ち、身近で気軽に無料で相談を受けてくれる、民間の資格をもった言わば健康食品の専門家です。
 また、都道府県や市町村が開催する講演会などを通じて、健康食品やサプリメントの適切な利用についての啓発や、利用による健康被害の防止のための活動をしているアドバイザリースタッフもいます。購入・利用する時だけでなく、利用して体調不良を起こした場合にも相談にのってもらえます。


患者さんとの会話のための話題提供


LINK de DIETより



暴飲は中程度の飲酒者でも飲酒問題のリスクを高める

暴飲は中程度の飲酒者でも飲酒問題のリスクを高める
  
暴飲する中程度の飲酒者は、同じ量をトータルで飲んでいても暴飲しない人に比べて、飲酒問題を発症するリスクが大幅に高い。米国テキサス大学からの研究報告。
研究チームは、米国の中高年能力開発(Midlife Development)研究の2つの波から30歳以上の1,229名の現行の飲酒者を対象に、9年間のタイムラグをおいて2回調査(2004-2015)を実施した。
その結果、平均的な飲酒量とは関係なく、暴飲(binge drinking)は、飲酒問題の数のほぼ3倍の増加と、9年後の飲酒問題の数の40%増加に関連することが明らかになったという。中程度の飲酒者において、暴飲は現行の複数の飲酒問題の5倍近い増加と9年後の複数の飲酒問題の2倍以上の増加と関連がみられた。
 
「これが意味しているのは、毎日1杯飲む人よりも、土曜の夜にだけ7杯飲む人のほうがリスクが高いということです」と筆頭著者のチャールズ・ホラハン博士は述べている。
「成人における暴飲はしばしば公衆衛生の網の目を潜り抜けます」と博士は述べている。「それは、中程度の平均飲酒者において起こるからです。本研究結果は、中程度の平均飲酒者を高リスクだが少数の大量飲酒者に加えて介入の対象にしていく必要性のあることを示唆しています。」
https://linkinghub.elsevier.com/
retrieve/pii/S0749379722001787


食卓で塩を使う人、より高い早死リスクに関連

食卓で塩を使う人、より高い早死リスクに関連
  
食卓で料理に塩を添加する人は、しない人に比べて早死するリスクが28%高いようだ、という米国チュレーン大学からの研究報告。
研究チームは、英国バイオバンクの501,379人のデータを解析した。参加者は2006年から2010年の研究参加時に食塩摂取量を調査され、その後平均9年間追跡調査された。75歳未満の死亡が早死と定義された。
 
解析の結果、食卓で塩を全くまたは殆ど添加しなかった人と比較して、常に塩を添加した人は、早死リスクが28%高かった。また平均余命も短く、50歳の時点での平均余命が、塩を添加しない人に比べて、男性で2.28年、女性で1.5年短かった。
 
「我々が知る限り、本研究は食卓での塩の添加と早死の関係を評価した初めての研究である。それは健康のために食事行動を変えることを推奨するための新たなエビデンスを提供している。食事に加える塩の量を減らすか全く加えないことで、実質的な健康利益がもたらされるだろう」と研究者はコメントしている。
https://academic.oup.com/eurheartj/
advance-article/doi/10.1093/eurheartj/
ehac208/6623278


先週の健康・健康食品関連情報

先週の健康・健康食品関連情報(7月17日~7月23日)
 
行政公表資料より
 
特になし


大学・研究機関等公表資料より



子どもの満足遅延を習慣が支える

マシュマロとプレゼント、長く「待てる」のはどっち? (京都大)


https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/
research-news/2022-07-21-1

 
日本と米国の子どもを対象として、包装されたプレゼントを報酬としたギフト条件(日本の子どもには「待つ」習慣が形成されていないと予想)とマシュマロを報酬とした食べ物条件を比較しました。その結果、予想通り、日本の子どもたちは、ギフト条件よりも食べ物条件において、目の前の報酬を我慢する割合が高いことが示されました。一方、米国の子どもたちは、食べ物条件よりもギフト条件において、報酬を我慢する割合が高いことが示されました。
 
(KC 色んな研究をされている方がいますね。)
 
 
腸内細菌の栄養源となる二つの糖の協調作用が肥満を抑制
腸内細菌利用糖の組合せによる新規プレバイオティクス開発に期待 (慶応大


https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/
2022/7/20/28-125756/

 
L-アラビノースとスクロースを同時に摂取すると、どちらもMACs(腸内細菌利用糖 Microbiota-Accessible Carbohydrates)として機能し、特定の腸内細菌に協調的に作用することにより、有益な腸内細菌代謝物として知られている短鎖脂肪酸である酢酸・プロピオン酸の産生を相乗的に促進させ、高脂肪食誘導性の肥満を抑制することを明らかにしました。また、腸内細菌の酢酸産生において、L-アラビノースとスクロースが異なる代謝経路を活性化することも新たに解りました。
 
 
魚油や亜麻仁油に含まれるオメガ3系多価不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸が痛みに効く分子メカニズムを解明
慢性痛の新規医薬品の開発に期待 (岡山大)


http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/
release_id985.html

 
魚油や亜麻仁油などに含まれるオメガ3系多価不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)が小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)を阻害することで、神経障害性や炎症性疼痛を予防・改善できることをモデル動物で見出しました。
 
 
乳由来「βラクトペプチド」を用いた臨床試験で、メンタルヘルスや精神的活力を改善することを世界で初めて確認 (キリン)

https://www.kirinholdings.com/jp/
newsroom/release/2022/0719_01.html

 
「日常的にいらいらを感じている」など気分状態に問題を感じている45歳~64歳の健常な中高年齢者層の60名を対象に、ランダム化二重盲検比較試験を実施した。6週間の摂取前後に質問紙によって気分状態を評価し、生体指標として唾液中のストレスマーカーを測定しました。その結果、日常の不安感、ストレス知覚度および精神的活力のスコアが、βラクトペプチドを摂取した群ではプラセボ群と比較して有意に改善しました。また、ストレス状態を評価する指標である免疫グロブリンAIgA)もβラクトペプチドを摂取した群では同様に改善しました。
 
(KC 機能性表示食品として登場しそうですね)



先週のトクホ・機能性表示食品情報


特定保健用食品


先週のトクホ・機能性表示食品情報(7月17日~7月23日)
 
特定保健用食品
 
今週はなし


機能性表示食品届出公表


効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。
会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧
制度開始から届出た商品を確認できます。

商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス
エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。
H194 キューサイ株式会社 血管ストレッチ
H195 久光製薬株式会社 Hisamitsu(ヒサミツ) メタサポ
H196 株式会社野口医学研究所 アンセリン
H197 株式会社野口医学研究所 ブルーベリー&ルテインEX(イーエックス)
H198 森永乳業株式会社 睡眠対策ドリンク
H199 株式会社APRENDERS 還元型コエンザイムQ10

届出撤回情報
 
今週はなし


今週の注目の届出


特になし


「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから
 
YouTube チャンネル名
「機能性表示食品情報」


https://www.youtube.com/channel/
UCz0TQYw99ttqqQCmiKzxVww

 
チャンネル登録をしてご覧いただければ幸いです。


あとがき


おはようございます。

暑中お見舞い申し上げます。
コロナ陽性者が激増していますね。
普通の会話として、コロナに罹ってしまいましたと、WEB会議でも、電話でもメールでも聞くようになってきました。
今回の第7波は、これまでとはちょっと状況が違うように感じています。
そろそろ規制の方も、インフルエンザ並みにしていただきたいところです。
 
さて、小学校、中学校は休みに突入したようで、朝の通学風景がしばらく見えなくなり、少し静かになったような気がしています。毎朝の電車も来週から少しすいてくるでしょうか。
夏休みの思い出たくさん作って欲しいものです。
 
暑くて、湿度も高いので、くれぐれもご自愛ください。

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