更新:2019年4月21日
薬剤師がぜひ知っておきたい「健康食品」に関する情報
(2018/8/12~8/18)
薬剤師がぜひ知っておきたい「健康食品」に関する情報
(2018/8/12~8/18)
平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等
(KC Body Slim Herbalは、ネットでひくと、海外の販売サイトでまだ購入できるようなので、日本で購入される方はいないとは思いますが、シブトラミンは、心血管障害の患者さんでは使用で死亡例も出ていますので、一応掲載しておきます。)
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行政からの通知、取り締まり等
今週は特になし
(最近の消費者団体の動き)
「葛の花由来イソフラボン」を配合した機能性表示食品の販売業者15社に対する申入れ活動について
(8月9日 消費者支援機構関西)
葛の花由来イソフラボンを配合した機能性表示食品の広告で、景品表示法に基づく措置命令を受けた販売会社15社に対し、購入者への返金に応じるように申し入れていれに対して1社を除く14社が返金に応じる旨を回答した。
(KC 残り1社も後日、返金対応をすでに対応していると回答されています。)
「酵素+++ダイエット」につき、医薬品医療機器等法に違反する「無許可無承認医薬品(医薬品的形状・効能効果の表示・用法用量の表示)」に該当する疑いがあるとの申し入れ
(8月16日 食の安全・監視市民委員会 )
商品名:「酵素+++ダイエット」
箱表面に表示された文言:「運動せずにダイエット」
箱裏面に表示された文言:酵素+++の有効成分について
「穀物麹及び発酵エキス」多種多様な酵素含有
「コレウスフォルスコリ」ダイエット、燃焼系成分
「乳酸菌」整腸作用、健康維持
申し入先
・行政 東京都健康安全研究センター
・表示責任者 グリコケミカル株式会社
・販売店 株式会社ドン・キホーテ
「UHA グミサプリ KIDS STUDY」につき、食品表示法表示基準に基づく「機能性表示食品」制度(未成年者への訴求を禁止)に違反する疑いがあるとの申し入れ
(8月16日 食の安全・監視市民委員会 )
商品名:「UHA グミサプリ KIDS STUDY」
箱表面に表示された文言:勉強中のお子様をサポート
箱裏面に表示された文言:噛んでひらめきグミサプリ
DHAとルテインに加え、母乳に含まれる成分α-GPCを配合し、お子様の考える・見るをサポートします
申し入先
・行政 消費者庁表示対策課
・表示責任者 味覚糖株式会社
・販売店 株式会社ドン・キホーテ
(KC 機能性表示食品制度に違反すると言っていますが、本品は機能性表示食品としての届出はしておらず、未成年に訴求すること自体は違反でないと思われ、申し入れポイントが違うようにも思います。表示内容も、保険機能や効能・効果を宣伝しているようには思えず、今一つピンときません。)
健康食品の健康被害情報(8/12~8/18) 国立健康栄養研究所HPより
8月17日 シンガポールHSAが医薬品成分 (シブトラミン) を含む製品に注意喚起
■注意喚起および勧告内容
2018年8月16日、シンガポールHSA (Health Science Authority) が医薬品成分 (シブトラミン) を含む2製品 (Body Slim Herbal、Sparkle Twins) に注意喚起。シンガポールHSAは当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。
■解説
当該製品は痩身効果を謳い、インターネットを介して流通していたが、検査の結果、医薬品成分であるシブトラミンが検出された。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。なお、「Sparkle Twins」は以前にも医薬品成分の混入および関連が疑われる健康被害が報告されている。
http://www.hsa.gov.sg/content/hsa/en/News_Events/Press_Releases/2018/bodyslimherbalsparkletwins.html
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患者さんとの会話のための話題提供
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de DIETより
① 禁煙後は糖尿病リスクに注意
禁煙に成功した後の数年間は、体重増に気を付けていないと糖尿病リスクが2割ほど高まってしまうという。とはいえ、たとえ体重が増えたとしても禁煙によるメリットは大きく、心血管疾患やがんなどのリスクが低下、早死リスクも半減するとのことだ。米国ハーバード公衆衛生大学院の研究。
以前から、禁煙後の数年間に糖尿病を発症したり耐糖能が低下するリスクのあることが知られていたが、その原因はわかっておらず、喫煙者が禁煙をためらうおそれがあった。しかし今回の研究から、喫煙後の糖尿病等リスク上昇の原因は体重増によるものであるほか、一定期間が経過すれば糖尿病リスクは非喫煙者と差がなくなることが明らかになった。
今回の研究は、3つの大規模コホート研究から計17万人分以上のデータを分析したもの。禁煙してからの体重増加と、2型糖尿病や心血管疾患その他による死亡リスクの関連について調べた。
その結果、禁煙してからあまり年月の経っていない人の2型糖尿病発症リスクは、喫煙中の人に比べて平均22%以上高くなったという。リスクは禁煙後5-7年経った頃にピークを迎えるものの、その後は段々低下していった。なお、体重の増え方が大きい人ほど2型糖尿病リスクはより高くなり、体重が増えなかった人はリスクが上昇しなかった。また、禁煙後30年経つとリスクは元々の非喫煙者と同レベルにまで低下したという。
さらに、体重増が10kg以上だった人においても、禁煙後は全死因による早死リスクが半減、心血管疾患による早死リスクは67%減少したことが明らかになった。
研究者のフー氏によると、禁煙によるメリットの大きさを考えると、喫煙者が体重増をおそれて禁煙をためらうべきではないとのこと。禁煙によるメリットを最大にするために、健康的な食事と身体活動によって体重増を最小限に、などと話している。
② 朝食で糖質の燃焼が促進
朝食を食べてから運動をすると、朝食に含まれていた糖質だけでなく、体内に貯蔵されていた糖の燃焼率が高まるほか、次に食べる昼食の消化・吸収・代謝が速やかに行われるようだ。英国バース大学の研究。
この研究では健康な男性12人を対象に、①朝食の2時間後に運動(自転車こぎ1時間)した場合、②朝食は食べずに同様の運動をした場合、③朝食後3時間安静にした場合について、血糖値と筋グリコーゲンの測定を行った。
その結果、朝食を食べることで運動中に糖質の燃焼率が高まったほか、運動後に摂った食事の消化や代謝率も上昇することを発見したという。このことについて、研究リーダーの一人であるゴンザレス博士は次のように話している。
「運動前に朝食を摂ることが、運動後の食事への反応にどう影響するかを調べた研究としては、これが初めてのものです。私たちは朝食を食べると、食べなかった場合に比べて、運動後の食事に含まれる糖質の消化・吸収・代謝の速度が上がることを発見しました」
「さらに、運動前の朝食が運動中の糖質燃焼を増加させること、そしてこの糖質は、単に食べたばかりの朝食に由来するものだけではなく、筋肉中にグリコーゲンとして蓄えられていた糖質も含まれることがわかったのです。運動前に朝食を摂ると「昼食」後の血糖値が速やかに降下するのは、筋グリコーゲンの利用が増加したから、かもしれません。」
③ 「うま味」の効果と脳の関係
うま味成分の豊富なスープを飲むことで脳に微妙な変化を引き起こし、健康的な食行動と食品選択をもたらす可能性が明らかになった。米国ベス・イスラエル・ディコネス・医療センターの研究。
日本語である「うま味」は、「umami」として世界中で使われている。おいしく、風味豊かな食事を表すほか、甘味・塩味・苦味・酸味とともに5つの基本の味の1つを意味する。うま味の鍵となる成分はグルタミン酸塩という天然の非必須アミノ酸。ほとんどすべての食品に存在するが、特に乳製品・魚類・肉類といったたんぱく質の豊富な食品に多く含まれている。
過去の実験的研究では、過食で体重増加の傾向にある女性において特に、食前にグルタミン酸ナトリウムを添加したスープを飲むことで食欲と食事量を減らすことができると示されている。今回の研究では、若く健康な女性を対象に、グルタミン酸ナトリウムを添加/無添加いずれかのチキンスープを飲んでもらって脳活動の変化について調べた。その際には、摂食についての自己抑制をみるためのコンピュータ試験のほか、特殊なメガネをかけてもらい、視線の動きを観察できるようにした上でビュッフェ形式の食事を摂ってもらったり、食品選択をする際の脳活動を測定するなどした。
すると、うま味に富むスープを摂取した後は、自己抑制がより効いており、食事の際にはより集中し、食品選択の際には自己管理の成功に関連のある脳の領域が活性化していたという。また、飽和脂肪の摂取量が少なかったことも明らかになった。今回の結果が実際の食生活にもあてはまり、体重減にもつながるのかどうか、今後の検証が待たれる。
(KC A社さんが、喜びそうなデータですね。
いまだに、加工食品で、「化学調味料無添加」などをうたい文句にしてある商品を多く見ます。食品中に含まれるグルタミン酸ナトリウムも、化学合成したものも、発酵技術を応用して作ったものも、同じなのにといつも思います。どうも食品メーカーの消費者をだまそうという文言に見えてしまいます。)
先週の健康・健康食品関連情報(8月12日~8月18日)
行政公表資料より
今週は特にありません。
平成29年簡易生命表(平均余命)概況の公表 (厚生労働省) (先月の掲載忘れ)
平成 29 年簡易生命表によると、男の平均寿命は 81.09 年、女の平均寿命は 87.26 年となり前年と比較して男は 0.11 年、女は 0.13 年上回っている。
大学・研究機関等公表資料より
今週は特にありません。
先週のトクホ・機能性表示食品情報(8月12日~8月18日)
特定保健用食品の許可
今週は、許可の公表なし
機能性表示食品届出公表(8月12日~8月18日)
届出番号
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届出日
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商品名
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届出者
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食品の区分
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機能性関与成分名
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表示しようとする機能性
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D43
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2018/6/20
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リセットレモンタブレット
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味覚糖株式会社
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その他加工
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クエン酸
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本品にはクエン酸が含まれます。
クエン酸は日常生活における軽い運動後の一時的な疲労感を軽減することが報告されています。 |
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D44
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2018/6/20
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ま~るい形のねぎとろ丼用(たれ付)
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マルハニチロ株式会社
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その他加工
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DHA、EPA
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本品にはDHA・EPAが含まれます。DHA・EPAには中性脂肪を低下させる機能があることが報告されています。
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D45
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2018/6/21
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イチョウでGOO!(グー)
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株式会社バイオ・サプリ
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サプリ
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イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトン
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本品にはイチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンが含まれます。これらの成分には中高年者において、認知機能の一部である記憶力(少し前に覚えたことを思い出す力)を維持する機能があることが報告されています。
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D46
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2018/6/21
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えんきん a
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株式会社ファンケル
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サプリ
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ルテイン・アスタキサンチン・シアニジン-3-グルコシド・DHA
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本品にはルテイン・アスタキサンチン・シアニジン-3-グルコシド・DHAが含まれます。本品は手元のピント調節機能を助けると共に、目の使用による一時的な肩・首筋への負担を和らげます。また、ルテインは光の刺激から目を保護するとされる黄斑部の色素を増やすことや、コントラスト感度が改善する(ぼやけの緩和によりはっきりと見る力を助ける)ことが報告されています。
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D47
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2018/6/22
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α(アルファ)の輝
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株式会社シンギー
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サプリ
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ビルベリー由来アントシアニン
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本品にはビルベリー由来アントシアニンが含まれます。ビルベリー由来アントシアニンにはピント調節機能をサポートし、目の疲労感を緩和することが報告されています。
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D48
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2018/6/22
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美食家の知恵 プレーン
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クラシエフーズ株式会社
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その他加工
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イヌリン
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本品にはイヌリンが含まれています。イヌリンは血中中性脂肪を下げること、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが報告されています。さらに、イヌリンは善玉菌として知られているビフィズス菌を増やすことで、お腹の調子を整えることが報告されています。本品は血中中性脂肪を下げたい方、食後の血糖値が気になる方、お腹の調子を整えたい方に適した食品です。
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今週は、新規成分はありません。
注目すべき届出としては
①
D44 「ま~るい形のねぎとろ丼用(たれ付)」
機能性表示は、「本品にはDHA・EPAが含まれます。DHA・EPAには中性脂肪を低下させる機能があることが報告されています。」
ネギトロ丼用の具の冷凍食品です。
注意書きとして「抗凝固剤、抗血小板剤、血糖降下剤、降圧剤等を服用中の方は、医師又は薬剤師にご相談ください。」と書かれています。
(KC 毎回書きますが、ネギトロ丼を食べるのに、薬剤師に相談されても困りますよね。)
②
D46 「えんきん a」
機能性表示食品で一番有名な「えんきん」が、処方は変わっていませんが、ルテインの効能を追加しています。
機能性表示「本品にはルテイン・アスタキサンチン・シアニジン-3-グルコシド・DHAが含まれます。本品は手元のピント調節機能を助けると共に、目の使用による一時的な肩・首筋への負担を和らげます。また、ルテインは光の刺激から目を保護するとされる黄斑部の色素を増やすことや、コントラスト感度が改善する(ぼやけの緩和によりはっきりと見る力を助ける)ことが報告されています。」
(KC 今後の広告・宣伝がどのように変わるのか注目してみたいところです。)
③
D48 「美食家の知恵 プレーン」
イヌリン自体は新しい届け出ではありませんが、なんと3つの機能性を入れてあります。
機能性表示「本品にはイヌリンが含まれています。イヌリンは血中中性脂肪を下げること、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが報告されています。さらに、イヌリンは善玉菌として知られているビフィズス菌を増やすことで、お腹の調子を整えることが報告されています。本品は血中中性脂肪を下げたい方、食後の血糖値が気になる方、お腹の調子を整えたい方に適した食品です。」
1日2回、お茶とかコーヒーとかに、溶かして飲むようになっているスティックタイプ入りの粉末です。
機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/
平成30年4月1日 第1号発行