更新:2019年4月21日
平成30年4月1日 第1号発行
平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等
先週の行政の動き (2月24日~3月2日)
3月1日 「食品表示基準Q&A」の一部改正 (消費者庁)
3月1日付けにて、「食品表示基準Q&A」の第6次改訂版が、公表されました。
食品表示基準Q&A
新旧対照表
行政ではありませんが
2月25日 機能性表示食品の効果判定に関する新たな項目の設定について (ASCON科学者委員会)
機能性表示食品の有効性について、民間の立場から評価判定活動を行っているASCON科学者委員会から、機能性表示食品の科学的根拠として、プラセボの前後差と試験群の前後差を比較して「群間差あり」とする論文を根拠論文とすることは、大きな問題があると指摘。
健康食品ではありませんが
2月20日 小顔になる効果を標ぼうするサービスの提供事業者2社に景品表示法に基づく措置命令 (東京都)
(1) S.O.M株式会社(優良誤認)
ア 表示内容
自社ウェブサイトにおいて、あたかも、本件役務の提供を受けることで、頭蓋骨の歪みやずれが矯正されることにより、目の大きさ、鼻の高さ、エラの張り、額の広さ、ほお骨の位置及びあごの形が変化し、かつ、小顔になるかのように表示していた。
(2) 株式会社ビューネス(優良誤認)
ア 表示内容
自社ウェブサイトにおいて、あたかも、本件役務の提供を受けることで、頭蓋骨の歪みやずれが矯正されることにより、直ちに小顔になり、かつ、それが持続するかのように表示していた。 |
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2月27日 シンガポールHSAが医薬品成分 (タダラフィル) を含む製品に注意喚起
■注意喚起および勧告内容
2019年2月26日、シンガポールHSA (Health Science Authority) が医薬品成分 (タダラフィル) を含む2製品 (Hickel、Solomon Island Soloco Traditional Candy) に注意喚起。シンガポールHSAは当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。
■解説
当該製品は「100%天然」、「副作用なし」などと謳い、心臓や腎臓の健康および病態、免疫機能などの改善を標榜してインターネットを介して販売されていたが、検査の結果、医薬品として処方される量の30倍に相当するタダラフィルが含まれていることが判明した。現在のところ、当該製品との関連が疑われる健康被害については不明。
(KC 30倍に相当するタダラフィル含有というのはすごいですね。300mgくらいなのでしょうか? さらに、それらの製品は、サプリメントではなく、キャンディーです。)
話題の食品・成分の下記記事が、更新されています。
「花粉症対策について」
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail885.html |
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患者さんとの会話のための話題提供 LINK de DIETより ① 集中的な血圧管理は認知症のリスクを軽減
高齢者の集中的な血圧管理は、軽度認知障害(MCI)の発症を有意に低下させるようだ、という米国ウェイクフォレスト医科大学からの研究報告。
研究チームは、9,361名の高血圧患者を対象に、ランダム化臨床試験を実施した。収縮期血圧を介入群は集中的なケアによって120mmHg以下に、対照群は通常ケアによって140mmHgにすることを目標に治療を実施した。
平均5.11年の追跡期間中、1000人年あたり集中管理群と対照群で各々7.2人と8.6人が認知症と診断された。この差は統計的に有意ではなかった。けれども、集中管理群は、対照群に比べて、MCIの発症が、1000人年あたり14.6人対18.3人と、有意に低下した。またMCIとおそらく認知症(Probable dementia)を足した発症率は、1000人年あたり20.2人対24.1人で、こちらも有意に低下したという。
「集中管理群では認知症が15%低下したが、統計的に有意ではなかったことには失望させられた」と主任研究者のジェフ・ウィリアムソン教授は述べている。
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② 全粒穀物、食物繊維は、肝細胞がんのリスクの低下と関連している!?
24年に渡って対象者を追跡した長期疫学研究において、全粒穀物と食物繊維の摂取と肝細胞がんのリスクには関連が見られることが明らかになった。米国ブリガム婦人病院などからの研究報告。
研究チームは、米国の2つの大規模コホートである看護師健康研究と医療専門職追跡研究の参加者125,455人(女性77,241名、男性48,214名、平均年齢63.4歳)のデータを解析した。
全粒穀物、食物繊維の摂取について食物摂取頻度調査を4年ごとに実施した。コックス比例ハザードモデルを用いて、食事と肝細胞がんのリスクが解析された。
平均24.2年の追跡調査期間中に141名が肝細胞がんと診断された。全粒穀物の摂取の増加は、肝細胞がんのリスクの低下と有意な関連がみられた(ハザード比0.63)。
同様に、ブラン(ふすま)の摂取量の増加は、肝細胞がんのリスクの低下と関連がみられたが、これは統計的に有意ではなかった(ハザード比0.70)。胚芽にはそのような関連はみられなかった。
穀類の食物繊維の摂取増加は、肝細胞がんのリスク低下と関連がみられたが、統計的に有意ではなかった(ハザード比0.68)。果物と野菜の食物繊維については、そのような関連は見られなかったという。
全粒穀物の摂取増加は、そして恐らく穀物性食物繊維とブランの摂取増加についても、米国成人集団において肝細胞がんのリスク低下と関連している可能性がある、と研究チームは結論付けいている。
③ ダイエット飲料は閉経後の脳卒中と関連しているかも
閉経後女性において、複数のダイエット飲料を摂取することは、微小動脈の閉塞による脳卒中リスクの上昇と関連しているかもしれない。米国アルバートアインシュタイン医科大学からの研究報告。
研究チームは、女性健康イニシアチブ研究に参加した開始時50-79歳だった81,714名の閉経後女性の平均11.9年間の追跡調査データを解析した。データは、年齢、高血圧、喫煙などの因子について調整された。
ダイエット飲料を週1回未満または全く飲まない女性に比べて、1日に2-3回以上人工甘味料の添加された飲料を摂取する女性は、
●脳卒中の発症リスクが23%高かった
●虚血性脳卒中の発症リスクが31%高かった
●心疾患(致死的および非致死的心筋梗塞)の発症リスクが29%高かった
●全死因による死亡リスクが16%高かった
という。特に
●心疾患と糖尿病の既往のない女性においては、小動脈閉塞虚血性脳卒中のリスクが、2.44倍
●BMI30以上の肥満で心疾患のと糖尿病の既往のない女性においては、血栓形成性脳卒中のリスクが、2.03倍
●アフリカ系米国人で心疾患のと糖尿病の既往のない女性においては、血栓形成性脳卒中のリスクが、3.93倍
であったという。
「肥満女性は、低カロリーダイエット飲料を飲む傾向が高いかもしれないが、我々の研究結果は、ダイエット飲料には脳卒中や心疾患のリスクがないわけではないことを示唆している」と筆頭研究者のヤスミン・モサヴァ=ラマニ博士はコメントしている。
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先週の健康・健康食品関連情報(2月24日~3月2日)
行政公表資料より
第5回全国在宅医療会議資料より (厚生労働省)
「在宅医療をご存じですか?」リーフレット(案)
https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000483299.pdf |
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大学・研究機関等公表資料より
日本人の軽度認知障害からアルツハイマー型認知症への移行に血清カルシウム低値が関連することを同定(東京大学)
ものわすれを主症状とする軽度認知障害の被験者234名の認知機能を最長3年間観察したところ、約半数の被験者が3年のうちにアルツハイマー型認知症へ移行・進行していることが確認されました。このアルツハイマー型認知症への移行に関与する因子をさまざまに検討した結果、観察開始時点での血液中のカルシウム値が正常範囲ながらも低め(血清カルシウム値が補正後9.2 mg/dL未満)であることが関連因子として見出されました。
「日本人基準ゲノム配列」初版JG1の公開 (東北大学)
東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は、日本人のゲノム解析を行うためのひな型となる基準ゲノム配列として「日本人基準ゲノム配列(JRGA)」の初版 JG1 を作成・公開しました。
血中マイクロRNAを用いた認知症発症リスク予測モデルの構築(日本医療研究開発機構)
大規模な血液マイクロRNA測定により認知症の発症リスク予測モデルを構築。
三大認知症(アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症)を高感度かつ特異的に判別可能にした。
(KC 認知症体外診断薬を期待します。)
カカオポリフェノールの継続摂取が、閉経後女性における糖代謝改善の可能性と、血圧とコレステロールの低下を確認 (東京医科大学)
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先週のトクホ・機能性表示食品情報(2月24日~3月2日)
今週はなし
機能性表示食品届出公表(2月24日~3月2日)
届出撤回情報
31年2月20日付け
B11 「沈香の恵」
アピ株式会社 ・・・・沈香葉エキス(ゲンクワニン配糖体として)
撤回理由「申請内容変更に伴うリニューアルのため」 |
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今週の注目の届出
D435 「「はたらくアタマに」抹茶ラテ」他
アサヒ飲料株式会社
・・・・
ラクトノナデカペプチド(NIPPLTQTPVVVPPFLQPE)
機能性表示 「本品にはラクトノナデカペプチド(NIPPLTQTPVVVPPFLQPE)が含まれます。ラクトノナデカペプチド(NIPPLTQTPVVVPPFLQPE)には、年齢とともに低下する認知機能の一つである注意力(事務作業の速度と正確さ)の維持と計算作業の効率維持に役立つことが報告されていますので、ものごとを忘れやすいと感じている中高年の方に適しています。」
新規成分 SR(2報)で評価
1 物忘れの自覚あるいは他覚症状を有する年齢50歳以上70歳以下の健常日本人男女60名を対象にラクトノナデカペプチド2.4mgを含む飲料を1日1回、8週間服用するプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験が行われた。
結果 被験飲料で、日本語版 RBANS 神経心理テストの総合評価が有意に改善し、注意力と遅延記憶力が有意に改善した。さらに、群間比較においても、被験飲料の摂取はプラセボ飲料に比して、摂取8週後の注意力を有意に改善させ、注意力の下位検査である符号 処理能力を有意に高めることが見出された。
Int J Food Sci Nutr. 2018 May.69(3) 369-376
2 物忘れの自覚あるいは他覚症状を有するMMSE24点以上の年齢60歳以上79歳以下の日本人男女70名を対象にラクトノナデカペプチド2.1mgを含む錠剤を1日1回、12週間服用するプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験が行われた。
結果 ラクトノナデカペプチドの摂取により、内田クレペリン検査の群間比較において正答数の変化量を有意に増加させた。さらに SF-36 において活力、社会生活機能、精神的 QOL サマリースコアが有意に改善したが、プラセボでは効果を認めなかった。
薬理と治療 2017年45巻8号 Page1303-1314
作用機序
ラクトノナデカペプチドは、脳の海馬におけるアセチルコリン分泌量及び BDNF 遺伝子発現量を増加させることにより、認知機能の一部である注意力(事務作業の速度と正確さ)と計算作業の効率を維持すると考えられる。
(KC ラクトノナデカペプチドは、カルピスさんが「CS19ペプチド」として売っているものと同じものです。
ちなみに、NIPPLTQTPVVVPPFLQPEは、
Asn-Ile-Pro-Pro-Leu-Thr-Gln-Thr-Pro-Val-Val-Val-Pro-Pro-Phe-Leu-Gln-Pro-Gluということですね。 )
機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。
過去のメールマガジンは、こちらのサイトから閲覧可能です。
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