2020年8月15日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第124号:(2020/8/9~8/15)

平成30年4月1日 第1号発行
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【注目】


#1 体重の増加、脳活動に悪影響か

#2 植物性たんぱく質の豊富な食事が死亡リスクを下げる

#3 -

#4 -

#5 大学・研究機関等公表資料より

#6 機能性表示食品届出公表一覧

行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (89日~815)
 
8月14日 医薬品成分が検出された製品について(情報提供) (長崎県 厚労省)
https://www.mhlw.go.jp/content/
11126000/000659065.pdf

 
長崎県では、健康被害の発生を未然に防止するため、医薬品成分の含有が疑われる製品の買上調査を実施しています。

今般、インターネットによる通信販売で製品を買い上げ、成分分析を行ったところ、下記製品から医薬品成分である「エフェドリン」等が検出されました。

製品名:JUNGLE KING(復刻品)★合法ハーブ ※NEW☆ルート

内容量 (形状):4.34 g (植物片)

販売業者(インターネット):販売業者:アロマ堂

所在地:大阪府大阪市
※商品に販売業者、製造業者等の表示なし


検出された医薬品成分:エフェドリン・プソイドエフェドリンメチルエフェドリン


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより



健康食品の健康被害情報(8/98/15) 国立健康栄養研究所HPより

(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起は掲載していません)
 
812日 米国FDAFTCが新型コロナウイルス対策に関連した虚偽の宣伝を行う製品に注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
202086日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) FTC (Federal Trade Commission) が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療するなど虚偽の宣伝を行うカバノアナタケ (チャーガ) 製品に注意喚起。業社に販売停止を警告した。
 
■解説
当該製品は、「124 Chaga Capsules」、「Chaga Tea」、「Canadian Chaga Tincture」と称するカバノアナタケ (チャーガ) 製品で、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) を予防または治療に効果があるなど虚偽に謳ってインターネットで販売されていた。米国ではFDAの承認なくCOVID-19への有効性を表示して販売することは違法として、業者 (Canadian Chaga) に販売停止を警告した。現在のところ、当該製品摂取との因果関係が疑われる健康被害については不明であるが、FDAは消費者に対して、COVID-19の予防や治療、症状緩和などを標榜する製品には十分に注意するよう注意喚起している。
https://www.fda.gov/consumers/
health-fraud-scams/fraudulent-coronavirus-
disease-2019-covid-19-products


患者さんとの会話のための話題提供



LINK de DIETより

#1
体重の増加、脳活動に悪影響か


体重の増加、脳活動に悪影響か
  
BMIの上昇は脳のすべての領域の活動と血流の低下につながり、アルツハイマー病や精神疾患のリスク上昇に関連するという。米エイメン・クリニックなどの研究。

この研究は、肥満と脳機能障害の関連を探る最も大規模な研究の1つ。18-94歳までの17,000人以上を対象に、単一光子放射断層撮影(SPECT)によって脳の血流と活動を測定して分析した。脳血流の低さは、アルツハイマーを発症の最大の予測因子であるとともに、うつ病、ADHD、双極性障害、統合失調症、外傷性脳損傷、中毒、自殺、その他の状態と関連するとされる。

「この研究は、過体重や肥満が脳の活動に深刻な影響を与え、アルツハイマーやその他の多くの精神・認知疾患のリスクを高めることを示しています」と、筆頭著者のエイメン医師は話している。
 
参加者をBMIの値によって低体重、正常体重、過体重(BMI25以上)、肥満(BMI30以上)、病的肥満(BMI40以上)とグループ分けしてSPECTの結果を比較したところ、BMIがより高いグループになるほど脳のすべての領域において血流が顕著に減少するというパターンはが見つかった。特に、アルツハイマーに脆弱と指摘されている、側頭葉および頭頂葉、海馬、後部帯状回といった脳領域の血流は、BMIと反比例していた。
https://content.iospress.com/articles/
journal-of-alzheimers-disease/jad200655

#2

植物性たんぱく質の豊富な食事が死亡リスクを下げる

植物性たんぱく質の豊富な食事が死亡リスクを下げる
  
たんぱく質、特に植物性たんぱく質を多く摂取することと、さまざまな死因による死亡のリスクが低いことの間には関連がみられるようだ、というイラン・テヘラン医科大学からの研究報告。

研究チームは、成人を対象にしたたんぱく質の摂取とすべての死因による死亡リスクの関連を検討した前向き研究32件を系統的レビューし、うち31件のメタ解析を実施した。
研究は3.5年から32年間の追跡期間中に、715,128人の参加者のうち113,039人の死亡が確認された(心血管系疾患16,429人、がん22,303人など)。
 
総たんぱく質の摂取量は、全死因による死亡リスクの低下と関連がみられた。植物性たんぱく質の摂取量は、全死因および心血管系疾患による死亡リスクの低下と有意に関連していたが、がん死亡リスクとの関連はみられなかった。

総たんぱく質および動物性たんぱく質の摂取量は、心血管系疾患およびがんによる死亡リスクとの有意な関連はみられなかった。

植物性たんぱく質の摂取と全死因による死亡リスクの間には用量作用的な関連がみられた。植物性タンパク質の摂取量が、カロリーにして総カロリーの3%増えるごとに、全死因による死亡リスクは5%低下した。
https://www.bmj.com/content/370/bmj.m2412


先週の健康・健康食品関連情報

先週の健康・健康食品関連情報(89日~815)
 
行政公表資料より
 
特になし


大学・研究機関等公表資料より



青年期から老年期における自尊心の年齢差を解明
年齢が高いほど、自尊心が高い (東京理科大)
https://www.tus.ac.jp/mediarelations/
archive/20200806_0103.html

 
16歳の青年から88歳の高齢者6,113名を対象に、自分自身に対する全体的な評価である自尊心を測定し、その年齢差の傾向を分析しました。

分析の結果、年齢が高い人ほど自尊心が高く、この傾向に性別や調査時期・自尊心の構成要素(自己好意・自己有能感)による違いはほとんど見られませんでした。
 
 
日本人のマスク着用行動に関する調査結果を発表 (同志社大)
https://www.doshisha.ac.jp/news/2020/
0807/news-detail-7771.html

 
新型コロナウイルス感染症の流行における日本人のマスク着用行動を調査した結果、他の着用者に同調しようとする傾向と強く結びついており、本来の目的であるはずの感染防止の思いとはごく弱い関連しか認められないという分析結果を得た。
 
 
高齢者の難聴~心臓血管疾患や短い教育歴でリスク増加
富山県認知症高齢者実態調査の結果より (富山大)
https://www.u-toyama.ac.jp/outline/
publicity/pdf/2020/20200807.pdf

 
 富山県認知症高齢者実態調査の対象者は、県内の 65 歳以上の高齢者で不完全回答および認知症のある人を除いた 1039 名を対象に、難聴の有無と、生活習慣病や社会経済的要因(教育歴)との関連性を評価しました。
その結果、対象者のうち 126 人(12.1%)に難聴がありました。また、心臓血管疾患(狭心症・心筋梗塞)の既往のある人や教育歴が短い人で、難聴のリスクが増加することが分かりました。


先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

先週のトクホ・機能性表示食品情報(8月9日~8月15日)

特定保健用食品
 
今週はなし


機能性表示食品届出公表

【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。

効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。
会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧
制度開始から届出た商品を確認できます。

商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス
エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。


機能性表示食品届出公表(8月9日~8月15日)
 
今週はなし
 
機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/


あとがき



残暑お見舞い申し上げます。
 
今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。

お盆休みということもあり、情報は少なめです。
 
さて、今週は、もお盆休みにもかかわらず、健康食品の関連事業者からの問い合わせが多くありました。

殆どの質問は、「自社製品でも、免疫訴求の機能性表示食品が取れるか?」というものです。残念ながら、今現在これだけのデータが出ているが、あとどれくらいのデータが必要かというようなものはなく、ただ漠然とうちの商品で機能性表示食品が取れるかというものばかりでした。

どんな商品でも、しっかりとしたエビデンスがあれば、機能性表示食品の届出は可能です。

ただ、イメージだけの商品には未来はありません。しっかりと臨床試験をして結果を出すことが要求される時代になっていることを健康食品事業者は、そろそろ自覚すべきです。

「兎に角、一度使ってみて」と云うような時代は終わりました。

 
 
では、素敵な夏休みを。 (KC)

平成30年4月1日 第1号発行