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【注目】 #1 運動はアルツハイマー患者の記憶障害を遅らせるかも #2 定期的なカフェインの摂取は脳の構造に影響 #3 高果糖食は免疫系の損傷を引き起こす可能性がある? #4 長寿のための果物2つ、野菜3つ #5 大学・研究機関等公表資料より #6 機能性表示食品届出公表一覧 |
行政からの通知、取り締まり等 |
先週の行政の動き (2月28日~3月6日) |
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健康食品の健康被害情報(2/28~3/6) 国立健康栄養研究所HPより (外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません) 3月2日 香港衛生署が医薬品成分 (エフェドリンなど) を含む製品に注意喚起 ■注意喚起および勧告内容 2021年2月25日、香港衛生署 (Department of Health) が医薬品成分 (エフェドリンなど) を含む製品に注意喚起。香港衛生署は当該製品を購入・使用しないように勧告。 ■解説 これは、香港衛生署による買上調査で判明した事例。当該製品は、海外からの入手品と称し、ソーシャルメディアで痩身製品として販売されていたが、製品名の表示はなく、検査の結果、医薬品成分であるエフェドリン、フルオキセチン、ヒドロクロロチアジド、トピラマートが検出された。 現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。 https://www.info.gov.hk/gia/general/ 202102/25/P2021022500518.htm (KC このサプリメントは、何を期待してこんな医薬品成分を入れたのでしょうね。) 3月2日 米国FDAが医薬品成分 (シブトラミン) を含む製品に注意喚起 ■注意喚起および勧告内容 2021年2月26日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) が医薬品成分 (シブトラミン) を含む製品「Vy & Tea」に注意喚起。米国FDAは当該製品を購入・使用しないように勧告。 ■解説 これは、米国FDAによる調査で判明した事例。痩身効果をうたってウェブサイトや小売店で販売されていた当該製品を分析したところ、医薬品成分であるシブトラミンが検出された。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。 なお、当該製品と同名の製品において、過去にも医薬品成分の混入が報告されている。 https://www.fda.gov/drugs/ medication-health-fraud/public-notification -vy-tea-contains-hidden-drug-ingredient 3月5日 シンガポールHSAが医薬品成分 (シブトラミンなど) を含む製品に注意喚起 ■注意喚起および勧告内容 製品名:Bobba Fitz 検出された医薬品成分:シブトラミン 製品名:Bobba Toxx 検出された医薬品成分:センノシド ■解説 当該製品は、天然素材含有などと称し、痩身効果を標ぼうしてウェブサイトやソーシャルメディアを介してセット販売されていた。 ・女性1名 (年齢不明) が、当該製品を併用したところ (摂取量、期間不明) 、動悸、気分のむらを生じ、摂取中止により改善した。HSAによる検査の結果、「Bobba Fitz」からシブトラミン、「Bobba Toxx」から通常量の約4倍のセンノシドが検出された。 シンガポールHSAは、消費者に対し、当該製品を使用しないように、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告し、大げさに有効性をうたう健康製品を使用しないよう注意を促している。 https://www.hsa.gov.sg/announcements/ press-release/bobba-fitz 健康食品の素材情報より 3月1日 「ローヤルゼリー」安全性:危険情報 ・28歳女性 (日本) が、ローヤルゼリーサプリメントを摂取したところ (摂取量不明) 、呼吸困難、口唇腫脹を経験し、約4年後に別のローヤルゼリーサプリメントを摂取し (摂取量不明) 、再び呼吸困難、口唇腫脹を生じた。原材料でプリックテストを実施したところ、いずれの製品においても、ローヤルゼリーで陽性反応が見られたため、ローヤルゼリーによるアナフィラキシーと診断された 。 西日本皮膚科. 2014;76(4):388-389 . 3月4日 「プエラリア・ミリフィカ、ガウクルア」安全性:危険情報 ・49歳男性 (日本) が、プエラリア・ミリフィカ含有の健康食品を摂取したところ (摂取量、期間不明) 、腹部膨満感、黒色便を生じて受診。門脈血栓症と診断され、健康食品の摂取中止と加療により改善した。 岐阜県内科医会雑誌. 2020;33(1):29-33. 新規収載 ●「パイナップル」 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/ detail4489.html |
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#1 ①運動はアルツハイマー患者の記憶障害を遅らせるかも |
運動はアルツハイマー患者の記憶障害を遅らせるかも 有酸素運動は、アルツハイマー型認知症の高齢者の記憶障害を遅らせるのに役立つ可能性がある、という米国アリゾナ州立大学看護健康イノベーション学部からの研究報告。 研究チームは、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症の高齢者96人を対象としたパイロットランダム化比較試験を実施した。参加者は、6か月間のサイクリング(エアロバイク、介入群)またはストレッチ(対照群)のいずれかにランダムに割り当てられた。アルツハイマー病評価尺度-認知(ADAS-Cog)を使用して認知機能を評価した。 6か月間におけるADAS-Cogの変化は1.0±4.6(サイクリング)と0.1±4.1(ストレッチ)であり、どちらも疾患の進行に伴って自然に観察される予想される3.2±6.3ポイントの増加よりも有意に小さかったが、サイクリング群とストレッチ群の間に有意差は見られなかった。 https://content.iospress.com/articles/ journal-of-alzheimers-disease/jad201100 |
#2 ②定期的なカフェインの摂取は脳の構造に影響 |
定期的なカフェインの摂取は脳の構造に影響 定期的なコーヒーの摂取は、脳の灰白質に変化を及ぼす可能性があるが、それは一時的なもののようだ、という瑞バーゼル大学からの研究報告。 研究チームは20名の健康な若者を対象に検討を行った。全員がほぼ毎日定期的にコーヒーを飲んでいた。 対象者は、2回の10日間介入試験を受け、その間カフェインを含むものを摂取しないように言われた。各々の介入期間中、1回はカフェインの錠剤を、別の1回はプラセボの錠剤を毎日1回摂取するように言われた。 10日間の介入が終わった時点で、脳画像診断によって対象者の灰白質の体積が測定された。また睡眠実験室で脳波計で記録しながら睡眠の質も検証された。 その結果、カフェインは睡眠には影響しないが、灰白質には影響することが明らかになったという。 カフェインもプラセボも対象者の睡眠の深さに影響を及ぼさなかった。けれども、灰白質には有意差がみられた。プラセボで10日過ごした(カフェイン禁欲)後の灰白質の体積は、カフェインで10日過ごした後よりも多かったという。その違いは、記憶の統合に不可欠な脳の領域である海馬を含む、右内側側頭葉で特に顕著だった。 https://academic.oup.com/cercor/ advance-article-abstract/doi/10.1093/ cercor/bhab005/ 6135013?redirectedFrom=fulltext |
#3 ③高果糖食は免疫系の損傷を引き起こす可能性がある? |
高果糖食は免疫系の損傷を引き起こす可能性がある? フルクトース(果糖)を多く含む食事を摂取すると、免疫系の適切な機能が妨げられる可能性があるかもしれない、という英国スウォンジー大学からの研究報告。 フルクトースの摂取量は、主にショ糖(砂糖)と高果糖コーンシロップの消費量の増加に起因して、西欧諸国全体で大幅に増加しており、肥満、2型糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患に関連しているといわれる。けれども、高レベルの食事由来フルクトースに曝露された単球やマクロファージなどの免疫細胞に対する代謝的影響およびメカニズムについての我々の理解は限られている。 今回の研究では、フルクトースが免疫系を活性化させ、その過程で炎症に関連するより反応性の高い分子を生成することが示唆されている。この種の炎症は、細胞や組織に損傷を与え、臓器や体のシステムが正常に機能しない原因となり、病気につながる可能性があるという。 https://www.nature.com/articles/ s41467-021-21461-4 |
#4 ④長寿のための果物2つ、野菜3つ |
長寿のための果物2つ、野菜3つ 大規模疫学研究とメタ分析の結果によると、果物2サービング、野菜3サービングを毎日食べることが、長寿に最適であるかもしれない。米国ハーバード大学などによる研究。 研究チームは、最大30年間追跡された合わせて10万人の成人を含む看護師健康調査(女性)と医療専門職追跡調査(男性)のデータを解析した。どちらの調査も2-4年ごとに繰り返し収集された詳細な食事調査のデータが含まれていた。 本研究ではまた、南北アメリカ、欧州、アジア、アフリカ、豪州の29の国と地域から約190万人の参加者を含む26件の研究からの果物と野菜の摂取と脂肪に関するデータがメタ分析された。 解析の結果以下のようなことが明らかになったという。 ●毎日約5サービングの果物と野菜を摂取すると、死亡のリスクが最も低くなった。5サービング以上の摂取は追加の利益と関連していなかった。 ●果物を1日2サービング、野菜を1日3サービング食べることが、最大の寿命と関連していた。 ●1日に2サービングの果物と野菜を摂取した者と比較して、1日に5サービングの果物と野菜を摂取した者は、全死因による死亡リスクが13%低かった。心臓病や脳卒中などの心血管系疾患による死亡リスクは12%低かった。がんによる死亡リスクは10%低かった。慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患による死亡リスクは35%低かった。 ●果物や野菜と見なされる可能性のあるすべての食品が同じ利点を提供したわけではなかった。例:でんぷん質の野菜、フルーツジュース、ジャガイモは、全死因および特定の慢性疾患による死亡リスクの低下と関連していなかった。 ●一方で、ほうれん草、レタス、ケールなどの緑の葉物野菜や、柑橘系の果物、ベリー、ニンジンなど、ベータカロチンとビタミンCが豊富な果物や野菜は効果を示した。 https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/ CIRCULATIONAHA.120.048996 |
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先週の健康・健康食品関連情報(2月28日~3月6日) |
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中学生でも、標準体重と比べ肥満では、心血管代謝異常リスクを有する可能性が約2.9倍高まる 中学生時代の肥満度と心血管代謝異常リスク (新潟大) https://www.niigata-u.ac.jp/news/ 2021/83807/ 肥満の中学生は、標準体重の中学生に比べ心血管代謝異常リスク(=大人でいう生活習慣病傾向)を持つ可能性が約2.9倍まで上昇 肥満に至らない軽度過体重でも、女子においては標準体重の中学生と比べ、血圧高値である可能性が有意に高かった (KC 若くても肥満は生活習慣病になり易いということですね。) 赤ちゃんへの栄養方法とその期間、および、授乳時の赤ちゃんに対する働きかけと産後うつの関連 (富山大) https://www.u-toyama.ac.jp/outline/ publicity/pdf/2020/20210303.pdf 6か月間の完全母乳育児をした群は、しなかった群と比較して産後うつになる割合が低いことが明らかになりました。しかし、たとえ完全母乳育児でなくとも、赤ちゃんの目を見て語りかける行動をとっていた場合、産後うつのリスクが低くなることがわかりました。 トレハロースによる虚血後の心機能改善にはじめて成功 心筋梗塞や心臓手術への貢献に期待 (北海道大) https://www.hokudai.ac.jp/news/ 2021/02/post-797.html ラットの心臓を用いて,35分間,トレハロースを2%の濃度で含んだ酸素化した生理的な液体で灌流し拍動させました。その後心臓の灌流を止め,20分間,完全に心臓を虚血状態にしました。再度灌流した後,2%濃度のトレハロースで灌流を行った群では,トレハロースを使用しなかった群と比較して有意に心臓の収縮力が増加しました。 (KC 昔は希少糖とも呼ばれていたトレハロースですが、構造は簡単でグルコースが連なった二糖類です。動物実験の結果ですが、期待が持てていいですね。) アトピー性皮膚炎に対する「タンニン酸配合入浴剤」の効果を検証 汗中の抗原を中和しヒスタミンの遊離を抑制し、かゆみ改善に有効 (広島大) https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/63120 アトピー性皮膚炎患者を対象に、「タンニン酸配合入浴剤」と「タンニン酸を配合しない入浴剤」を各々2週間ずつ使用した場合の痒みに対する効果をランダム化二重盲検クロスオーバー試験で実施しました。 軽症から中等症の患者において、「タンニン酸配合入浴剤」使用時は「タンニン酸を配合しない入浴剤」使用時よりも夜間における痒みが有意に大きく低下しました。 「タンニン酸配合入浴剤」の使用前後を比較すると、午後および夜間の痒みにおいて有意な低下が見られました。また、午前の痒みにおいても痒みの低下傾向が見られました。 |
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※【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。 ※効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。 会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧 ■制度開始から届出た商品を確認できます。 商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス ■エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。 |
機能性表示食品届出公表(2月28日~3月6日) 今週はなし 「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから YouTube チャンネル名「機能性表示食品情報」 https://www.youtube.com/channel/ UCz0TQYw99ttqqQCmiKzxVww チャンネル登録をしてご覧いただければ幸いです。 |
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おはようございます。 今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。 首都圏の緊急事態宣言は、2週間延長になってしまいました。 ただ、夜の飲食店以外は、電車も街中も人出は多くなっているので、宣言を解除しなくても同じなのかもしれません。 さて、今週、アフリエイト広告に大きなメスが入りました。健康食品ではなく、医薬部外品・化粧品に対するものでしたが、化粧品以上にひどいアフリエイト広告が出ているのが健康食品であり、年度内にも、同様の違反が摘発されるかもしれません。 アフリエイターは、今回も罰せられることはなく、販売会社の広告とみなされて販売者が罰せられる形になっています。アフリエイターにも何らかの罰則が適用されるようになると、かなり効果はあるように思うのですが。 どちらにしても、この手の広告は早急に撤退願いたいものです。 それでは、素敵な週末を。 (KC) |
平成30年4月1日 第1号発行