平成30年4月1日 第1号発行
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【注目】 #1 母乳哺育児のプロバイオティクス、1年間は腸内で持続 #2 加工肉が死亡と心血管系疾患のリスクが高いことに関連 #3 深夜のおやつが職場のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性 #4 - #5 大学・研究機関等公表資料より #6 機能性表示食品届出公表一覧 |
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行政からの通知、取り締まり等 |
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先週の行政の動き (4月11日~4月17日) 特になし |
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健康食品の健康被害情報(4/11~4/17) 国立健康栄養研究所HPより (外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません) 素材データベースより 4月12日 「ヨウ素、ヨード」安全性:危険情報 ・神経性食欲不振症の13歳女児 (日本) が、食事制限開始直後よりとろろ昆布20 g/日、昆布およびだし汁 (推定ヨウ素摂取量34,700μg/日) を1年間摂取したところ、全身倦怠感が持続したため受診。TSH上昇、T3、T4低下、肝酵素およびクレアチニン上昇、心膜液貯留、腹水が認められ入院し、ヨウ素過剰摂取によるヨウ素誘発性甲状腺機能低下症と診断され、とろろ昆布の摂取中止により改善した。 Pediatr Int. 2019 May;61(5):528-529. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31090969/ |
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#1 ①母乳哺育児のプロバイオティクス、1年間は腸内で持続 |
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母乳哺育児のプロバイオティクス、1年間は腸内で持続 プロバイオティクス(Bifidobacterium infantis)を与えられた母乳哺育児において、プロバイオティクスは児の腸内で最大1年間は持続するようだ、という米国カリフォルニア大学からの研究報告。 「以前の研究では、母乳で育てられた赤ちゃんにB.infantisを与えると、補給後30日まで続く有益な効果があることを同じグループで示したが、今回は1歳までの持続的なコロニー形成を示した最初の研究である」と主任研究者のジェニファー・スミロウィッツ博士は述べている。 B.infantisは、赤ちゃんがヒトの母乳に含まれるオリゴ糖を消化するのを助ける友好的な腸内微生物である。この細菌は、かつては母乳で育てられた乳児によく見られたが、先進国の乳児ではほとんど姿を消したという。劇的な減少は、抗生物質の使用の増加、粉ミルクの摂取、帝王切開などの要因によるものと考えられている。 「B.infantisは乳児の腸の門番のようなもので、オリゴ糖を食べ、潜在的な病原体にとっては望ましくない環境を作り出す」とスミロウィッツ博士は述べている。 スミロウィッツ博士は、B.infantisの不足は、アレルギー、喘息および自己免疫疾患などの炎症性疾患の台頭に関係していると述べている。研究によると、乳児の腸内にB.infantisが定着すると腸の炎症が減少することが示唆されている。 スミロウィッツ博士らによる以前の研究は、赤ちゃんに生後7日から28日までB.infantisを与えた結果、補充後30日までB.infantisの持続的コロニー化が起きることを示唆していた。今回の追跡調査では、生後4、6、8、10、12か月の乳児から糞便サンプルを採取した。 スミロウィッツ博士は、一般にプロバイオティクスが短命であり、母乳を与えられた生後12か月の乳児は通常、腸内細菌叢に影響を与える固形食品も食べているため、このプロバイオティクスがその間持続していたことに驚いたという。 https://www.nature.com/articles/ s41390-020-01350-0 |
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#2 ②加工肉が死亡と心血管系疾患のリスクが高いことに関連 |
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加工肉が死亡と心血管系疾患のリスクが高いことに関連 未加工の赤肉や鶏肉の摂取は、死亡率や主要な心血管系疾患事象のリスクと関係ないが、加工肉摂取は多いほど総死亡率と主要な心血管系疾患のリスクの上昇と関係するようだ。カナダ・マクマスター大学などからの研究報告。 研究チームは、2003年に開始された長期疫学研究であるPURE研究のデータを解析した。この研究では、5大陸21の低所得国、中所得国、高所得国から164,000人を超える参加者の食生活と健康アウトカムが追跡された。 「PURE研究は、未加工肉と加工肉の摂取量と低中所得国からの健康アウトカムの関連に関する情報を提供する最初の多国籍研究である。さらに、PURE研究は、実質的により多様な集団と幅広い食事パターンを検証しているので、新しい証拠を提供することを可能にする」と主任研究者のマーシッド・デーガン博士は語っている。 参加者の食生活は、食物摂取頻度アンケートを使用して記録された。さらに、参加者の死亡と主要な心血管系疾患事象に関するデータが収集され、研究チームは、肉の消費パターンと心血管系疾患イベントおよび死亡との関連を解析した。 研究チームは、「未加工の赤肉と鶏肉の摂取と死亡リスクまたは主要な心血管系疾患リスクの間に有意な関連性は見つからなかった」と述べている。対照的に、加工肉の摂取は、総死亡リスクと主要な心血管系疾患リスクの高いことに関連していた。 https://academic.oup.com/ajcn/ advance-article-abstract/doi/10.1093/ajcn/ nqaa448/6195530?redirectedFrom=fulltext |
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#3 ③深夜のおやつが職場のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性 |
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深夜のおやつが職場のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性 夜間の不健康な食行動は、翌日の仕事での人々のパフォーマンスを落とし、離脱行動を助長する可能性がある、という米国ノースカロライナ州立大学からの研究報告。 「不健康な食事が職場の行動やパフォーマンスにただちい影響することを初めて示唆した」と主任研究者のソンヒ・"ソフィア"・チョー助教授は述べている。 研究チームは、米国で97名のフルタイム勤務者に対して、一連の質問に1日3回10日連続で回答してもらった。毎日の仕事の前に、参加者は彼らの身体的および感情的な幸福に関連する質問に答えた。毎日の終わりに、参加者は仕事で何をしたかについての質問に答えた。夕方、就寝前に、参加者は仕事後の飲食行動についての質問に答えた。 解析の結果、研究チームは、人々が夜間に不健康な食事をした場合、翌朝身体的な問題を報告する傾向が高まることを発見した。問題には頭痛、胃痛、下痢などがあった。加えて、人々が夜間に不健康な食事をした場合、翌朝、感情的な緊張感が高まったことを報告する傾向が高まった。彼らの食事の選択に罪悪感を感じたり恥ずかしかったと感じたという。不健康な食行動に関連したこれらの身体的、感情的な緊張は、1日を通しての仕事における振る舞いにも影響した。 研究チームはまた、感情的に安定している人、つまり感情的に不安定でないためにストレスにうまく対処できる人は、不健康な食事による悪影響が少ないことを発見したという。感情的に安定した人々は、不健康な食事の後に身体的または感情的な緊張を感じる可能性が低いだけでなく、身体的または感情的な緊張を報告した場合でも、職場の行動が変化する可能性が低くなったという。 https://doi.apa.org/ doiLanding?doi=10.1037%2Fapl0000890 (KC 食べることより、精神的なことの方が大きいということでしょうか。) |
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先週の健康・健康食品関連情報(4月11日~4月17日) |
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自身の出生体重と妊娠高血圧症候群および妊娠糖尿病リスクとの関連(国立がん研究センター社会と健康研究センター) https://epi.ncc.go.jp/jphcnext/result/ individual.html?entry_id=71 出生体重が3000g未満であった女性では、妊娠期における妊娠高血圧症候群のリスクが高かったことと関連がみられました。 成人後の糖尿病との関連と同様、出生体重が少ない(1500-2499g)グループでは、妊娠糖尿病のリスクが高いという関連がみられました。しかし、さらに出生体重が少ない(1500g未満)グループでは妊娠糖尿病との関連がみられませんでした。 乳児の腸内ビフィズス菌の占有率は年上のきょうだいがいると高い 日本人乳児の腸内細菌叢に影響を及ぼす各種因子の研究から (順天堂大) https://www.juntendo.ac.jp/news/ 20210413-01.html 生後1か月児の腸内細菌叢におけるビフィズス菌の占有率は、分娩時に母体への抗菌薬投与があった群では非投与群に比べ有意に低下していたが、成長に伴ってその差が消失していた。 1か月児および3か月児のビフィズス菌の占有率は、年上の兄弟がいる群において、いない群に比べ有意に高く、ビフィズス菌の定着が促されている可能性がある。 バクテロイデス菌の占有率は、帝王切開群で低く、経膣分娩群では高いことから、分娩方式の違いが菌の占有率に影響することが明らかになった。 非アルコール性脂肪肝は運動により体重減少とは関係なく改善する (筑波大) https://www.tsukuba.ac.jp/journal/ medicine-health/20210412140000.html NAFLDを有する中年肥満男性を対象に、3ヶ月間の運動介入(有酸素性運動トレーニング)もしくは減量介入(食事ダイエット)を実施しました。その結果、運動は、肝脂肪蓄積と肝硬度に対して、体重減少とは独立した改善効果を発揮することが分かりました。運動介入が有効に働くメカニズムとして、様々な生理活性物質の血中濃度を変化させ、NAFLDの病態関連因子を改善するとともに、抗酸化ストレス応答転写因子の活性化を介して、生体の抗炎症・酸化ストレス応答を誘導する可能性が示唆されました。 さらに、中高強度の身体活動(エネルギー消費量が安静時の3倍以上となる運動)に着目し、その増加量の高値群と低値群に分類して比較解析を行ったところ、介入前後において、高値群では、体重減少とは独立して、NAFLDの肝脂肪蓄積、肝機能障害、生理活性物質の血中濃度に大きな改善が認められました。 メタボ患者の歯周病は運動で改善する〜運動療法が口腔内環境に及ぼす効果を実証 (筑波大) https://www.tsukuba.ac.jp/journal/ medicine-health/20210410070000.html 歯周病と診断されたNAFLDの中年肥満男性49名を対象に、3か月間の運動療法を実施し、その前後で唾液を収集し、炎症に関わる物質である唾液中の免疫グロブリンA(IgA)、菌体内毒素lipopolysaccharide(LPS)、TNF-α、ラクトフェリンの測定、および、口腔内細菌叢のゲノム解析を行いました。また、中年肥満男性21名を対象に食事療法を実施し、運動療法の効果との比較を行いました。 その結果、運動療法によって、口腔内細菌叢の種多様性が増大すること、また、LPS産生に関わる歯周病菌の菌数とLPS産生能が減少することが分かりました。すなわち、運動療法には、口腔内環境を改善する新しい効果があることが示唆されました。 肺を健康に維持するためには口の衛生管理が重要 舌苔細菌の蓄積と高齢者の気流制限との関連が明らかに (九州大) https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/ researches/view/588 福岡県久山町の70〜80歳の高齢者 484 名の舌苔細菌叢の状態と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の特徴である気流制限の有無との関連を検討しました。その結果、舌上の総細菌量が多い者(上位50%)では少ない者(下位50%)に比べ気流制限の頻度が高いことが明らかとなりました。特に優占種の一つであるPrevotella melaninogenicaの量が多いほど気流制限の頻度が高い傾向が認められました。これらの結果は口腔管理による舌の常在細菌叢の制御が肺機能の維持に役立つ可能性を示しています。 (KC 久山町スタディーは、どんどんいろんな結果が出てきて、頼もしい限りです。これだけ色々管理されていると、皆さん健康志向が強くなって、長生きすることになりますかね。) 若返り効果が期待されているNMNを生産する乳酸菌を発見 (静岡大) https://www.shizuoka.ac.jp/news/ detail.html?CN=7168 フルクトバシラス属の乳酸菌がNMNを菌体内外に生産することを発見しました。この乳酸菌を用いたNMNの工業生産プロセスを構築するとともに、NMNを含有する乳酸菌そのものを製剤化することにより、乳酸菌のプロビオティクス効果も併せた新しいニュートラシューティカルとなることが期待できます。 (KC 自分も価格が安くなれば、ぜひNMNの摂取を続けたいと思います。) |
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特定保健用食品
先週のトクホ・機能性表示食品情報(4月11日~4月17日) 特定保健用食品 4月14日 許可 No.1 商品名:オルビス ディフェンセラマスカット 申請者:オルビス株式会社 関与する成分:グルコシルセラミド 許可を受けた表示内容:本品に含まれる米胚芽由来のグルコシルセラミドは、肌の水分を逃しにくくするため、肌の乾燥が気になる方に適しています。 1日摂取目安量:1日1包 区分:再許可等特保 許可番号:1817 No.2 商品名:オルビス ディフェンセラピーチ 申請者:オルビス株式会社 関与する成分:グルコシルセラミド 許可を受けた表示内容:本品に含まれる米胚芽由来のグルコシルセラミドは、肌の水分を逃しにくくするため、肌の乾燥が気になる方に適しています。 1日摂取目安量:1日1包 区分:再許可等特保 許可番号:1818 詳細は、 https://www.caa.go.jp/notice/assets/ food_labeling_cms206_210414_02.pdf |
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※【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。 ※効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。 会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧 ■制度開始から届出た商品を確認できます。 商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス ■エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。 |
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「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから YouTube チャンネル名「機能性表示食品情報」 |
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おはようございます。 今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。 今週も先週に引き続き、情報が少なめとなっています。 久しぶりにトクホが2件許可になりました。機能性表示食品は、2020年度1000件を突破しました。まだまだこの勢いは続きそうです。 特保は、疾病リスク低減と規格基準型の2つに集約移行すべきではないでしょうか。あとは機能性表示食品に任せた方が良いような気がします。 さて、首都圏も一都三県が「まん延防止等重点措置」に入ってしまいました。ただ、駅のこちら側とあちら側では規制が違う等、何をどのように規制しているか今一つはっきりとしない自粛要請であり、とてもこれで感染拡大の抑制になるとはイメージができません。一方で、よくわからない聖火リレーは続け、オリンピックも強行するという。国として何を優先するのか、明確にして欲しいところです。オリンピックの開催と、コロナウイルス感染制御とどちらが重要ですか? それでは、素敵な週末を。 (KC) |
平成30年4月1日 第1号発行