薬剤師のための健康食品情報第185号
平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等 |
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先週の行政の動き (10月17日~10月23日) 10月21日 危険ドラッグの成分4物質を新たに指定薬物に指定~指定薬物等を定める省令を公布しました~ (厚生労働省) 厚生労働省は、本日付けで危険ドラッグに含まれる別紙の4物質を新たに「指定薬物」として指定する省令を公布し、令和3年10月31日に施行することとしましたので、お知らせします。 新たに指定された4物質は、昨日(10月20日)の薬事・食品衛生審議会薬事分科会指定薬物部会において、指定薬物とすることが適当とされた物質であるため、早急に指定(※3)を行うこととなります。 施行後は、これらの物質とこれらの物質を含む製品について、医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されます。 新たに指定された指定薬物の名称 [物質1] 省令名:N-(1-アダマンチル)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド 通称等:Adamantyl-CHMINACA, A-CHMINACA [物質2] 省令名:キノリン-8-イル=3-[(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)スルホニル]-4-メチルベンゾアート 通称等:2F-QMPSB [物質3] 省令名:1-(ジエチルアミノ)エチル-2-(4-メトキシベンジル)-5-ニトロベンズイミダゾール 通称等:Metonitazene [物質4] 省令名:1-[1-(ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)シクロヘキシル]ピペリジン 通称等:Benocyclidine, BTCP |
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健康食品の健康被害情報(10/17~10/23) 国立健康栄養研究所HPより (外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません) 特になし |
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#1 ①中年期の鉄欠乏は、心臓病の高い発症リスクに関連? |
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中年期の鉄欠乏は、心臓病の高い発症リスクに関連? 中年成人の10年以内に起きる冠状動脈疾患の11%は、鉄欠乏を予防すれば回避できるかもしれない、という独ハンブルク大学からの研究報告。 本研究には、欧州の3つの人口ベースのコホートからの12,164人の参加者が含まれた。年齢は45-68歳(平均59歳)、55%が女性だった。 参加者は、2つの定義に従って鉄欠乏または非欠乏に分類された。1)貯蔵鉄(フェリチン)のみを指標とする絶対的鉄欠乏。2)貯蔵鉄(フェリチン)と血清鉄(トランスフェリン)を含む機能的鉄欠乏。 シュラーゲ博士は次のように説明している。「絶対的鉄欠乏は鉄の状態を評価する伝統的な方法だが、血中を循環する鉄を見逃している。機能的鉄欠乏は、両方の測定値を含み、十分な貯蔵量があるが、体が適切に機能するのに十分な血中濃度がないものをピックアップするため、より正確である。」 研究開始時には、参加者の60%が絶対的鉄欠乏であり、64%が機能的鉄欠乏だった。平均13.3年の追跡期間中に、2,212人(18.2%)が死亡した。うち、573人は心血管系疾患が原因だった。1,033人が冠動脈疾患、766人が脳卒中と診断された。 データ解析の結果、機能性鉄欠乏の者は、機能性鉄欠乏がない者と比較して、冠動脈疾患の発症リスクが24%高く、心血管系の死亡のリスクが26%高く、全死因による死亡リスクが12%高かった。絶対的鉄欠乏は、絶対的鉄欠乏がない場合と比較して、冠動脈疾患の発症リスクが20%上昇することに関連していたが、死亡率とは関連していなかった。 年齢、性別、喫煙、コレステロール、血圧、糖尿病、BMI、および炎症について調整した結果、10年以内に、全死亡の5.4%、心血管系死亡の11.7%、および新たな冠動脈疾患の診断の10.7%が機能的鉄欠乏に起因することが明らかになったという。 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ ehf2.13589 |
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#2 ②低脂肪乳でなくても、大丈夫? |
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低脂肪乳でなくても、大丈夫? 全脂肪乳は、低脂肪乳と同じくらい子供に良いようだ、という豪州エディスコーワン大学からの研究報告。2歳以上の子に低脂肪乳製品を推奨する現在の公衆衛生アドバイスは改定される必要があるかもしれないという。 研究チームは、4-6歳の健康な子供49名をランダムに2群に振り分け、1群は通常の乳製品の代わりに全脂肪乳製品を、別の1群には低脂肪乳製品を割り当てて3か月間摂取してもらった。乳製品は2週間ごとに無料で参加者に宅配された。摂取量は乳製品の残量を2週間ごとに測定して評価された。 子供たちは、低脂肪乳か全脂肪乳かに関わりなく食品から同じ量のカロリーを摂取していた。低脂肪乳群の子供たちは、乳製品からの摂取カロリーと摂取脂肪が低下したが、自然とそれを補う分を他の食品・飲料から摂取したという。 両群間で、肥満あるいは心臓血管系のリスク因子には有意差が見られなかった。 「我々の結果は、健康な子供が肥満の増加や心臓代謝への悪影響なしに全脂肪乳製品を安全に摂取できることを示唆している。 我々の結果と以前の研究を考慮して、食事ガイドラインの将来の改訂では、2歳以上の子供が全脂肪または低脂肪乳製品を摂取できるようにすることを推奨することを検討する必要があるだろう」と研究者はコメントしている。 https://academic.oup.com/ajcn/advance-article/ doi/10.1093/ajcn/nqab288/6388163 |
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#3 ③植物性オメガ-3系脂肪酸の摂取が死亡リスクを下げる? |
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植物性オメガ-3系脂肪酸の摂取が死亡リスクを下げる? 植物油などに含まれるオメガ-3系脂肪酸であるα-リノレン酸(ALA)の豊富な食事は、全死因による死亡、特に心血管系疾患による死亡リスクの低下に関連しているようだ、というイランのテヘラン医科学大学などからの研究報告。 研究チームは、ALAと死亡リスクの関係について検討した1991年から2021年の41件の先行研究をメタ分析した。これらの研究には、2-32年間追跡された18-98歳の約12万人の参加者のデータが含まれていた。 年齢、体重、喫煙状況、飲酒、身体活動などの種々の因子を調整した結果、ALAの摂取量が多いことは、全死因、心血管疾患、冠動脈疾患による死亡リスクがそれぞれ10%、8%、11%低いことに関連していることが明らかになった。 けれども、ALAの摂取量が多いことは、がんによる死亡リスクのわずかに高いことに関連していた。 本研究は、観察研究であるため、堅牢な因果関係を確立することはできない。また、未知の要因や食物(栄養素)摂取量の測定誤差が結果に影響を及ぼした可能性を排除することもできない、と研究者は述べている。 https://www.bmj.com/content/375/ bmj.n2213 |
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先週の健康・健康食品関連情報(10月17日~10月23日) 行政公表資料より 特になし |
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飲酒、喫煙と腎がんの関連 (国立がん研究センター) https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/ 8791.html 腎がんリスクは、飲酒との関連は認められないが、多量喫煙で1.5倍高くなる 平均約19.1年間の追跡期間中に、対象となった約10万6千人のうち340人が腎がんに罹患しました。飲酒習慣では、飲酒するグループで腎がんの罹患リスクがわずかに下がりましたが、統計学的に有意ではありませんでした。一方、喫煙習慣では、「喫煙指数40以上の喫煙者」のみ、「非喫煙者」に比べて腎がんの罹患リスクが約1.5倍高い結果でした。 30 代以上の血糖コントロール不良は歯の本数に影響 奥歯の損失に大きな差があると判明 (滋賀医科大) |
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特定保健用食品
先週のトクホ・機能性表示食品情報(10月17日~10月23日) 特定保健用食品 10月19日 1件 許可 商品名:からだすこやか茶W250 申請者:日本コカ・コーラ株式会社 関与する成分:難消化性デキストリン(食物繊維として) 許可を受けた表示内容:本製品は難消化性デキストリン(食物繊維)の働きにより、脂肪の吸収を抑え、糖の吸収をおだやかにするので、血中中性脂肪が高めで脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の血糖値が気になり始めた方に適した飲料です。 1日摂取目安量:1日当たり3本 区分:特保 許可番号:1829 特別用途食品 10月19日 1件 許可 区分:乳児用調製粉乳 商品名:和光堂レーベンスミルク はいはい 申請者:アサヒグループ食品株式会社 許可を受けた表示内容:和光堂レーベンスミルクはいはいは、母乳が不足したりあげられないとき、 安心してお使いいただけます。 許可番号:第2021011号 |
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※【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。 ※効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。 会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧 ■制度開始から届出た商品を確認できます。 商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス ■エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。 |
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届出撤回公開 2021年10月6日付け C439 「Bifirigo(ビフィリゴ)10000Plus(プラス)」 株式会社ECスタジオ ・・・・ ビフィズス菌BB536 撤回理由 「販売終了のため」 D17 「クルクミン&ビサクロン ドリンク」 D137 「クルクミン&ビサクロン」 ハウスウェルネスフーズ株式会社 ・・・・ クルクミン、ビサクロン 撤回理由 「販売終了のため」 D491 「クルクミン&ビサクロン ドリンクタイプ」 ハウスウェルネスフーズ株式会社 ・・・・ クルクミン、ビサクロン 撤回理由 「発売の予定がないため」 「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから YouTube チャンネル名 「機能性表示食品情報」 https://www.youtube.com/channel/ UCz0TQYw99ttqqQCmiKzxVww チャンネル登録をしてご覧いただければ幸いです。 |
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おはようございます。 急に、寒くなってきました。 つい先日まで、真夏のような暑さだったのがうそのようです。 嘘のようと言えば、コロナウイルスはどこに行ってしまったのでしょうか。 あんなに急激に新規感染者が減るものなのかとビックリするくらいです。 現在開発しているワクチンとか、治療薬と言うのは、果たしてどうなってしまうのでしょうか。 では、素敵な週末を。 (KC) |
平成30年4月1日 第1号発行