薬剤師のための健康食品情報第187号
平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等 |
先週の行政の動き (10月31日~11月6日) 11月4日 コロナ予防効果うたい茶の粉末販売か エステサロン経営者書類送検 TBSニュースより 「新型コロナウイルスの予防に効果がある」とうたい、茶の粉末を違法に販売したなどとして、エステサロン経営の女性が書類送検されました。 医薬品医療機器法違反の疑いで書類送検されたのは、東京・港区のエステサロン経営者の女性(25)で、今年2月以降、大手インターネット通販で、コロナ予防に効果があるとうたった茶の粉末などを北海道の女性らにおよそ1万5000円で違法に販売したなどの疑いが持たれています。 女性は茶の粉末について、「コロナ感染拡大後にスリランカで作られた」「免疫力を高め、病気からの回復をサポートしてくれる」などと宣伝していました。また、このほかにも去年9月以降、がんの治療に効果があるとうたった錠剤なども、のべ50人ほどに販売し、およそ57万円を売り上げていたということです。 取り調べに対し、「コロナでエステサロンの収入だけでは不安だった」と容疑を認めているということです。 |
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(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません) 11月5日 香港衛生署が医薬品成分 (メトキサレン) を含む製品に注意喚起 ■注意喚起および勧告内容 2021年11月1日、香港衛生署 (Department of Health) が医薬品成分 (メトキサレン) を含む製品「Hemohim」に注意喚起。当該製品との因果関係が疑われる健康被害が4件報告されている。 ■解説 健康増進を目的に、当該製品を2週間から6ヶ月間摂取した42歳から72歳の女性4名が、褐色尿、黄疸、嘔吐を生じ、急性肝障害と診断されて入院治療を受けた。香港衛生署が患者から提供された当該製品を分析したところ、医薬品成分であるメトキサレンが検出された。現在、全員がすでに退院している。 https://www.info.gov.hk/gia/general/ 202111/01/P2021110100785.htm (KC 日本で流通しているかは別として、この商品は嫌ですね。) 素材情報より 「アシタバ(明日葉)、ハチジョウソウ (八丈草)」安全性:危険情報 ・51歳女性 (日本) が、明日葉青汁を2年間、毎日摂取していたところ (摂取量不明) 、腹痛のため鎮痛剤を服用後、当日夜に発熱、紅斑の出現とその急速な拡大を認め、中毒疹と診断されたが、加療により改善した。その2週間後より中止していた明日葉青汁を1週間、再摂取していたところ (摂取量不明) 、再燃し受診した。DLSTにおいて明日葉青汁が陽性を示した。(2012128964) 。 (2012128964) 日本皮膚科学会雑誌. 2011;121(14):3367. |
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①グリコーゲンは脂肪細胞の熱産生に関係している |
グリコーゲンは脂肪細胞の熱産生に関係している グリコーゲンは細胞のエネルギー貯蔵庫だが、褐色脂肪細胞では、熱産生の引き金の役割も果たしているようだ、という米国カリフォルニア大学サンディエゴ校からの研究報告。 筋肉や肝臓と異なり、脂肪細胞におけるグリコーゲンの役割は謎だったが、今回、研究チームは、グリコーゲンが脂肪細胞の単なるエネルギー貯蔵庫以上の働きを持つことを発見した。それは、エネルギーの処理法の主要な切り替えを行う信号を供給するものだった。 脂肪細胞の褐色化は、細胞がグリコーゲンを作り、そして分解するその能力に依存している、と研究チームは報告している。グリコーゲンの代謝回転は、細胞に、ATP生産を脱共役しても安全だという信号を送っているのである。 「脱共役は、熱を産生する方法であり、エネルギーバランスを保つ助けになる。この経路はしたがって、十分なエネルギー貯蔵がある脂肪細胞にだけ、熱産生するように伝える役割を担っている」と研究者は述べている。 グリコーゲンが脂肪代謝を調節および促進する。そのレベルが高いほど、脂肪がより早く燃焼し、肥満マウスの体重が減少する。ヒトでは、これらの複雑なプロセスに関与する遺伝子は、肥満または体重増加の傾向がある患者で低いことがわかった。これは、脂肪細胞で過剰な体重を燃焼させるためにグリコーゲン経路が必要であることを示唆している。 研究チームは、脂肪細胞のグリコーゲン代謝を調節することで、体重減少と代謝の健康の全体的な改善のための新しいアプローチが提供される可能性があることを示唆している。 https://www.nature.com/articles/ s41586-021-04019-8 |
②健康のためにお酒? たぶん意味がない |
健康のためにお酒? たぶん意味がない 現時点で禁酒している者の死亡リスクの増加は、以前の飲酒や薬物、毎日の喫煙、全体的な健康状態の悪化など、他の因子によって主に説明される可能性がある、という独グライフスヴァルト大学からの研究報告。 先行研究では、アルコールを摂取しない者は、低から中程度の量のアルコールを摂取する者よりも死亡率が高いことが示唆されている。 今回研究チームは、18-64歳の1996年から1997年の間に実施された標準化インタビューに参加したドイツ人成人4,028人のランダムサンプルのデータを使用した。インタビュー前の12か月間の飲酒に関するベースラインデータ、および健康、アルコール、薬物使用に関するその他の情報が利用可能だった。死亡データは、20年後の追跡調査から得た。 参加者のうち、447人(11.10%)は、ベースラインインタビューの前の12か月間アルコールを飲んでいなかった。 これら禁酒者のうち、405人(90.60%)は元アルコール摂取者であり、322人(72.04%)は、以前にアルコール使用障害または危険なアルコール摂取者だった(35.40%)、毎日の喫煙(50.00%)、または自己評価の健康状態があまり良くない(10.51%)など、その他の1つ以上の死亡率を高めるリスク因子を持っていた。年齢、性別、喫煙を調整後、低から中程度のアルコール摂取者と比較して、1つ以上のリスク因子保有者のハザード比は2.44だった。 リスク因子のない125人の禁酒者は、低から中程度の飲酒者と比較して、全死因、心血管またはがんの死亡率に統計的な有意差がなかった。 年齢、性別、喫煙を調整後、低から中程度のアルコール摂取者と比較して、生涯にわたってずっと禁酒を続けていた人(42人)のハザード比は1.64だった。 「この結果は、現在アルコールを控えている人々は、必ずしもアルコール摂取量が低から中程度の集団よりも生存期間が短いとは限らないという見解を支持している」と著者らは述べている。「調査結果は、健康上の理由で飲酒を推奨することに反対するものだ。」 https://journals.plos.org/plosmedicine/ article?id=10.1371/journal.pmed.1003819 |
③「腸の漏れ」、ポリフェノールが豊富な食事で改善 |
「腸の漏れ」、ポリフェノールが豊富な食事で改善 腸壁の細胞同士のすき間が広がって腸の透過性が増大し、有毒な物質が体内に漏れ出すことで疾病を引き起こしてしまう「リーキーガット症候群」が、ポリフェノールを豊富に含む食生活によって改善できたという。スペイン・バルセロナ大学が高齢者を対象に行った研究。 腸の透過性の増大の原因には、加齢・食物アレルギー・不耐性・不健康な食事などがある。このような腸の変化よって、腸の完璧なバリア機能の低下が起こり、血液中に潜在的に有毒な物質が通過する引き金となり、糖尿病、心血管疾患、さらにはアルツハイマー病などの慢性疾患の発症に関連している。 本研究では60歳以上の人を対象に、ポリフェノールを豊富に含む食事、具体的には、リンゴ、ココア、ダークチョコレート、緑茶、クランベリー、オレンジ、またはザクロジュースを1日3回まで、8週間摂取してもらった。結果、腸内細菌叢に特定の変化を与えると腸透過性が改善されることが示されたという。 https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/ pii/S0261561421004167 |
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HFNet コラム「専門家に聞く」 第4回「健康食品の安全性について」 公開 (国立健康栄養研究所) https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail4787.html 第4回目は、国立医薬品食品衛生研究所の畝山智香子 先生が、健康食品の安全性をテーマに書かれています。 生活習慣と胆石との関連 (国立がん研究センター) https://epi.ncc.go.jp/jphc/ outcome/8792.html 加齢、BMI、糖尿病の既往歴が、男女ともに胆石のリスク要因であることが明らかになりました。 さらに、男性では、追跡期間中の5kgを超える体重増加もしくは減少と自覚的ストレスが胆石のリスク要因であった一方で、アルコール摂取は、胆石のリスクが低いことと関連していました。 女性では、追跡期間中の5kgを超える体重増加、喫煙、閉経、高コレステロール血症の服薬が胆石のリスク因子で、初潮が遅いことは胆石のリスクが低いことと関連していました。 メタボリックシンドロームに関わるリスク要因 非肥満者と肥満者の比較分析 (筑波大) https://www.tsukuba.ac.jp/journal/ medicine-health/20211101141500.html 日本人の特定健康診査データ(4万7172人、40~64歳)を用いて、非肥満者と肥満者それぞれについて、MetS構成因子を複数保有するリスク要因を検討しました。 その結果、非肥満者および肥満者いずれも、加齢、性別(男性)、20歳時から10kg以上の体重増加、喫煙、歩行速度が遅いこと、食べる速さが速いこと、1日あたりの飲酒量が多いことが、MetS構成因子の複数保有に関わるリスク要因でした。また、非肥満者は肥満者に比べ、加齢、男性、1日あたりの飲酒量が多いこと、20歳時から10kg以上の体重増加が、高リスク要因であることが示唆されました。一方、定期的な運動の欠如は、肥満者でのみ、MetS構成因子の複数保有との関係を認めました。 ビタミンB2の新たな機能 老化の原因となるミトコンドリア機能低下を改善するメカニズム解明 (神戸大) https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/ NEWS/news/2021_11_02_01.html 老化ストレスを受けた細胞にビタミンB2を添加するとミトコンドリアのエネルギー産生機能が増強され、老化状態に至るのを防止する効果があることを明らかにしました。老化した細胞が体内に蓄積すると加齢性疾患や全身の老化の原因となることが示されていますので、今後ビタミンB2を利用した医薬品や栄養補助食品により細胞の老化を抑制することで加齢性疾患の予防・改善や健康寿命の伸長につながる可能性があります。 (KC 今度はリボフラビンに火がつくかもしれませんね。) 国際宇宙ステーションの研究から尿路結石の新たな予防法を発見 宇宙飛行士の骨密度維持が尿路結石を予防しうることを証明 (名古屋市立大) https://www.nagoya-cu.ac.jp/media/20211105-1.pdf 2009 年以降に国際宇宙ステーションに約6ヶ月搭乗した宇宙飛行士に宇宙飛行の間、抵抗運動機器(ARED)を用いた運動とビスホスホネート製剤の服用を行い、宇宙飛行のあいだの尿中の結石リスク因子と骨吸収マーカーの変化を調べた。その結果、ビスホスホネート製剤を服用しなかった 10 名の宇宙飛行士は、宇宙飛行の開始ともに骨吸収マーカー(NTX, HP)、カルシウム・シュウ酸・尿酸の尿中排泄が増加したのに対し、ビスホスホネート製剤を服用した 7 名の宇宙飛行士はそれらの排泄がいずれも低下することを見いだした。 (KC 宇宙空間では、尿路結石になりやすいということ、はじめて知りました。) |
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特定保健用食品
特定保健用食品 11月4日 1件 許可 商品名:リカルデントフルーツアソートガム パイナップル&ライム 申請者:モンデリーズ・ジャパン株式会社 関与する成分:CPP-ACP(Caとして) 許可を受けた表示内容:むし歯の始まりである脱灰を抑制し、再石灰化 及びその部位の耐酸性を増強するCPP-ACPを 配合しているので、 歯を丈夫で健康にするのに 役立ちます。 1日摂取目安量:2粒1日4回 区分:再許可特保 許可番号:1831 |
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※【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。 ※効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。 会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧 ■制度開始から届出た商品を確認できます。 商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス ■エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。 |
今週は公開無し |
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ついに11月、今年もあと55日となりました。 やり残したていることはたくさんあり、何から手を付けてよいかわからい状態になっているのは例年のことですが、今年は、その上に、予定が次から次へと入ってきて、日に日に積み残しが増えてきているような気がします。 なんとか、年内で目途がつくようにと、計画を立て直しているところです。 さて、今週は機能性表示食品の届出公開もなく、ページ数が少なくなっていますので、きっとみなさんもここまでたどり着いたのではないでしょうか(笑)。 きっと、反動は翌週に出るので、来週はまた50製品程度の公開があるかもしれません。できれば毎週平均して出して頂けるとまとめる方はやりやすいのですが、すくなくても私の苦労などは考えることもなく、事務的に作業されていることであり、どうにもなりません。 一日の寒暖の差も激しいようですので、風邪などひかぬようご自愛ください。 では、素敵な週末を。 (KC) |
平成30年4月1日 第1号発行