2020年2月16日日曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第98号:(2020/2/9~2020/2/15)

平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等

先週の行政の動き (2月9日~2月15日)

令和元年度第5回食の安全都民講座 「これ食べられる?有毒植物の見分け方講座」を開催案内

〜薬用植物園の研究員が生ガイド!〜
例年、春になると全国的に発生する「有毒植物による食中毒」の予防をテーマに開催します。

(1) 日時 令和2318日(水曜日)午後1時から午後330分まで
(2) 場所 東京都薬用植物園(東京都小平市中島町21-1
(3) 内容 有毒植物に関する講義と園内見学
講義:「これは有毒?食べられる?」
       身近にある有毒植物と食べられる植物の見分け方等について解説します。
園内見学:「有毒植物探検隊」
       植物園内を散策し、有毒植物をご紹介します
(4) 詳細申し込みは、
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/
shokuhin/forum/tominkoza/
tominkozar1-5.html



210日 日本人の食事摂取基準(2020年版)スライド集の公表 (厚労省)

厚労省から、2019年9~12月に行われた「日本人の食事摂取基準(2020年版)」研修会で使用した資料を一部改編した、「日本人の食事摂取基準(2020年版)スライド集」が公表されました。

日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書を基に、ポイントをスライドにまとめたものです。

日本人の食事摂取基準(2020年版)スライド集
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/
000594254.pptx



212日 医薬品成分を含有する健康食品の発見について (千葉県)
https://www.pref.chiba.lg.jp/yakumu/
press/2019/202002.html


令和21月にインターネットから購入した健康食品を千葉県衛生研究所で分析したところ、下記の製品から医薬品成分が検出されました。
これらの製品による健康被害事例は、現在のところ報告されていませんが、健康被害のおそれが否定できないため、この製品を使用している方は直ちに使用を中止してください。

また、この製品が原因と疑われる症状がある場合には、速やかに医療機関を受診してください。

製品名:VIP Golden Royal Honey
内容量(形状):5(シロップ状)
購入先等:<購入先>
インターネットサイト
所在地:兵庫県西宮市
<製造(輸入)業者・販売業者等>
不明(邦文表示なし)

検出された医薬品成分:タダラフィル


214日 電話勧誘販売業者【株式会社RK企画】に対する業務停止命令(3か月)
https://www.caa.go.jp/notice/assets/
consumer_transaction_cms202_200214_01.pdf


九州経済産業局は、電話勧誘販売業者である株式会社RK企画(本社:鹿児島県鹿児島市、屋号:元気365)に対し、 令和2年2月13日、特定商取引に関する法律第23条第1項の規定に基づき、令和2年2月14日から令和2年5月13日までの3か月間、電話勧誘販売に関する業務の一部(勧誘、申 込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。

取引類型:電話勧誘販売
取扱商品:「伝統手づくりにんにく玉」と称する商品、「ハイヒアルロンプレミアム」と称する商品等
特定商取引法に違反する行為
<![if !supportLists]>(1)  <![endif]>氏名等の明示義務に違反する行為(名称及び勧誘目的不明示)
<![if !supportLists]>(2)  <![endif]>売買契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘
<![if !supportLists]>(3)  <![endif]>書面の交付義務に違反する行為(記載不備)
<![if !supportLists]>(4)  <![endif]>商品の販売価格につき不実のことを告げる行為


(健康食品ではありませんが)

27日 フリマ・オークションサイト(アプリ)で許可なく医薬品等を販売することはできません (群馬県)
https://www.pref.gunma.jp/02/
d50g_00048.html


医薬品医療機器等法の規制によりフリマサイト等で販売できないものがあります。
たとえ1回のみの販売であっても医薬品医療機器等法に違反する恐れがあります。

(KC さすがに群馬県までは、情報収集に行っておらず、少し情報提供が遅れました。)


健康食品の健康被害情報(2/9~2/15) 国立健康栄養研究所HPより


(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起は掲載していません)

212日 シンガポールHSAが医薬品成分 (シルデナフィル) などを含む製品に注意喚起

■注意喚起および勧告内容
2020210日、シンガポールHSA (Health Science Authority) が医薬品成分 (シルデナフィル) などを含む2製品に注意喚起。当該製品との因果関係が疑われる健康被害が報告されている。

製品名:
TIAN MA TU CHUNG SEVEN LEAVE GINSENG
天麻杜仲七叶参
検出された成分:クロルフェニラミン
デキサメタゾン


製品名:
IMPACTRA

検出された成分:クロロプレタダラフィル
シルデナフィル
タダラフィル


(KC  天麻杜仲七叶参、パッケージを見ると関節痛等を標榜しているようですが、花粉症の症状緩和には効きそうですね。健康食品ではなく、偽医薬品です。)


患者さんとの会話のための話題提供


LINK de DIETより

赤身の肉・加工肉で心臓病リスクや全死因死亡リスクが上昇?!
  
赤身肉や加工肉の摂取は、あらゆる死因による死亡が高まるようだ、という米・ノースウェスタン大学からの報告。鶏肉や魚類では認められなかったという。

これまで加工肉の摂取と心血管疾患、全死因死亡との関連性は報告されているが、赤身肉、鶏肉、魚類の摂取と心血管疾患、全死因死亡との関連性は不明な点が多かった。そこで、今回は、加工肉の他、赤身肉、鶏肉、魚類の摂取と、心血管疾患の発症および全死因死亡との関連性を調査したという。

今回の研究では、米国の6つの前向きコホート研究に参加した成人のデータを分析した。1985年から2002年までの食事データを収集し、2016831日までフォローアップした。

結果は、魚類ではなく、赤身肉、加工肉、鶏肉を1週間当たり2サービング摂取すると、循環器疾患のリスクが37%上昇したとう。鶏肉や魚類ではなく、赤身肉または加工肉を2サービング摂取すると、全ての死因による死亡のリスクが3%上昇した。
https://jamanetwork.com/journals/
jamainternalmedicine/fullarticle/2759737


(KC  赤身肉は、ここ数年、ずいぶんと批判の的となってきましたね。)

毎日の飲酒は脳年齢の高さに関連する?
  
毎日、飲酒する人々は、ほとんど飲酒しない人々と比べて、相対的な脳年齢が高いかもしれない、という米国サザンカリフォルニア大学からの研究報告。
研究チームは、機械学習とMRIを駆使して英国バイオバンクにあった17,308人(45-81歳)のデータから彼らの相対的な脳年齢を計算した。

飲酒行動が記録されていた11,600人のデータの解析から、ほぼ毎日飲酒した人は、飲酒頻度が少ないか全く飲まない人に比べて、相対的な脳年齢が高ったという。アルコールの摂取量が11g増えるごとに、相対脳年齢は0.02年増加した
同様に、喫煙についても、喫煙指数(pack-years)が1増加するごとに、相対脳年齢は0.03年増加したPack-yearsは、(1日あたりの平均喫煙本数/20)x総喫煙年数。

なお研究者らは、飲酒と喫煙以外にも様々な環境因子、遺伝因子が脳年齢には関係していることを指摘しており、より大規模な集団のデータによってさらに関係を明確にする必要があるとしている。
https://www.nature.com/articles/
s41598-019-56089-4

妊娠中の空腹時血糖値が高いと、母親・赤ちゃんにとって有害?!
  
妊娠中の空腹時血糖値が高いことは、負荷後血糖値が高いことより、高血圧障害・在胎不当過大の強力な予測因子であるようだ、というアルバータ大学等からの報告。これは、妊娠糖尿病の薬物治療が行われた場合でも改善されないという。

研究では、2008年から2014年、アルバータ州において、妊婦250,000人の健康記録を調査したという。対象者のうち、約13,000名が妊娠糖尿病と診断され、約4,000名は空腹時血糖値が5.3 mmol/L以上、約8,800名は、食後1時間およびまたは2時間値の上昇が認められた。


結果は、食後血糖値高値より、空腹時血糖値が高いと、合併症に直面する可能性が高かったとう。空腹時血糖が高いと、在胎不当過大リスクが2.6倍、妊娠高血圧リスクが1.5倍高かった。また、誘発分娩、帝王切開、早産の可能性も高かったという。さらに、空腹時血糖値が高い場合、インスリンやメトホルミンなどの糖尿病治療薬が投与されても、有害な結果が持続したままであった。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/
10.1111/dme.14173

尿路感染症のリスク低下と関連するベジタリアンダイエット
  
菜食主義ダイエットは、尿路感染症の低下と関連しているようだ、という台湾・慈済大学からの研究報告。
尿路感染症は通常大腸菌などの腸内細菌が原因になって起こり、尿道を介して膀胱や腎臓にまで影響が及ぶ。先行研究では、肉が尿路感染症を起こす大腸菌株の主要な媒体であることが示唆されていたが、肉の摂取を避ければ尿路感染症のリスクが探すかどうかはわかっていなかった。

林清隆ら研究チームは、『慈済菜食主義者研究』の参加者である9,724名の仏教徒のデータを収集した。この研究は、仏教徒の台湾人における菜食主義ダイエットの健康効果を検討するものである。

解析の結果、菜食主義者は非菜食主義者に比べて、尿路感染症の全体のリスクが16%低いことが明らかになった。菜食主義者3,040人のうち217人が尿路感染症に罹患したが、非菜食主義者6,684人のうち444人が罹患したという。
女性よりも男性のほうが、菜食主義ダイエットの効果が高かったが、もともと食事の種類に関係なく男性の尿路感染症リスクは女性よりも79%低かった。

研究チームは、家禽類や豚肉のような大腸菌の一般的な媒介食品の摂取を避けることで、菜食主義者は尿路感染症の原因となる大腸菌の摂取を避けられるのだろう、と示唆している。また食物繊維の摂取が多くなることで、腸内での大腸菌の生長が抑えられ、その結果より酸性度が高まり尿路感染症のリスクが低下するのではないかと指摘している。
https://www.nature.com/articles/
s41598-020-58006-6


先週の健康・健康食品関連情報(2月9日~2月15日)

行政公表資料より

新型コロナウイルスに関するQ&A(発生状況や行政の対策)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/
bunya/kenkou_iryou/
dengue_fever_qa_00009.html


新型コロナウイルスに関するQ&A(医療機関・検査機関の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/
bunya/kenkou_iryou/
dengue_fever_qa_00004.html


新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/
bunya/kenkou_iryou/
dengue_fever_qa_00001.html


大学・研究機関等公表資料より


「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第1版)」の公開 (日本環境感染学会)

この度、国内でも増加している新型コロナウイルス感染症の状況を考慮して、各医療機関の診療および感染対策の一助になるよう、「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第1版)」を公開する運びとなりました。

 本ガイドは今後、国内の状況に応じて適宜改訂を行っていく予定ですが、各施設での対応の際に参考にしていただければ幸いです。

「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第1版)」
http://www.kankyokansen.org/uploads/
uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide1.pdf



日本人におけるコーヒー摂取と全死亡および疾病別死亡リスク (国立がん研究センター社会と健康研究センター)
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/
evaluation/8443.html


男女共に、コーヒー5/日未満の摂取によって死亡全体のリスクが有意に低下していましたが、コーヒー摂取量が5/日以上ではその関連が弱くなっていました。また、がん以外のその他の死因においても同様に負の関連が認められました。一方、女性では、12/日のカテゴリーにおいて、コーヒー摂取により心疾患による死亡リスクが低下していましたが、5/日以上の摂取ではリスクが増加していました。男女共に、コーヒー摂取とがん死亡リスクとの間には関連が認められませんでした。


喫煙と膵臓がんリスク(国立がん研究センター社会と健康研究センター)
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/
evaluation/8444.html


日本人においても、確立された喫煙と膵臓がんとの関連を確認できました。さらに、日本人では膵臓がんにおける喫煙の影響には性差がある可能性が示唆されました。禁煙は、特に男性において、膵臓がん予防に効果的であることが分かりました。

(KC 禁煙は、特に男性において、膵臓がん予防に効果的であるとのことです。)


日本人における緑茶摂取と全死亡および疾病別死亡リスク (国立がん研究センター社会と健康研究センター)
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/
evaluation/8445.html


男女共に、緑茶5杯以上/日の摂取によって死亡全体のリスクが有意に低下する傾向が認められました。同様のリスク低下が心疾患死亡および脳血管疾患死亡でも男女ともに認められました。また、女性でのみ1-2/日および3-4/日のカテゴリーでがんによる死亡リスクが有意に低下していました。同じく女性でのみ、3-4/日および5杯以上/日のカテゴリーで呼吸器疾患死亡リスクが有意に低下する傾向が認められました。

(KC 15杯のお茶を飲む方は、そんなに多くないかも?)


茶花エキス・桑の葉エキス・キトサンによる食後血糖値と食後血中中性脂肪値の上昇抑制を確認 (ファンケル)
https://www.fancl.jp/news/pdf/20200213_
kettouchikecchuuchuuseisibouchijous
houyokusei.pdf


本研究では、食後血糖値 (以下、試験 1)と、食後血中中性脂肪値に関する二つの単回摂取試験を行いました。いずれの試験でも、医師が試験参加に問題がないと判断した20歳以上 65歳未満の健康な方に参加いただき(試験 1=40名;試験 2=50 名)、各試験の参加者を茶花エキス、桑の葉エキス、キトサンを含む食品を摂取する群と、茶花エキス、桑の葉エキス、キトサンを含まない食品を摂取する群の2 群に無作為に分けました。試験 1 ではパッご飯を食べた後の血糖値を評価し、試験2では脂肪を添加したコーンスープを食べた後の血中中性脂肪値を評価した。本研究は二重盲検法で実施しました。
結果、試験 1 では、試験の所定スケジュールを完了した 40 名の食後血糖値を調べたところ、被験食品群の方がプラセボ群よりも食後血糖値の変化量のAUCが小さいことを確認した。

また、試験 2 では試験の所定スケジュールを完了した 48 名の食後血中中性脂肪値を調べたところ、被験食品群の方がプラセボ群よりも食後血中中性脂肪値の変化量のAUCが小さいことを確認しました。これらのことから、茶花エキス・桑の葉エキス・キトサン含有食品の摂取が食事の糖や脂肪の分解・吸収を抑制して、食後血糖値や食後血中中性脂肪値の上昇を抑えることが分かりました。

(KC 機能性表示食品の届出のための試験ですね。)


植物由来成分に歯周病を予防する効果を発見(新潟大学)
https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/
uploads/2020/02/re20200214.pdf


歯周病治療で課題となる「歯を支える骨が溶けること」および「組織の炎症」,そして「歯周病の原因細菌の増殖」の全てがヒノキチオールで抑制できることを明らかにしました。


先週のトクホ・機能性表示食品情報(2月9日~2月15日)

特別用途食品

212日 2件 許可


番号:1

区分:乳児用調製粉乳
商品名:森永はぐくみ
申請者:森永乳業株式会社
許可を受けた表示内容:赤ちゃんにとって、健康なお母さんの母乳が最良です。 森永はぐくみは、母乳が足りない赤ちゃんに、安心してお使いいただけます。
許可番号:第2019007

番号:2
区分:乳児用調製粉乳
商品名:森永E赤ちゃん
申請者:森永乳業株式会社
許可を受けた表示内容:赤ちゃんにとって、健康なお母さんの母乳が最良です。 本品は、母乳が足りない赤ちゃんに、安心してお使いいただけます。
許可番号:第2019008

詳細は
https://www.caa.go.jp/notice/assets/
food_labeling_cms206_200212_01.pdf


機能性表示食品届出公表(2月9日~2月15日)

【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。


今週はなし



撤回情報

202029日付け

C64 「ヘルス スイッチ エナジー」
株式会社協和・・・・還元型コエンザイムQ10
撤回理由 「会社都合のため。」


機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/
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あとがき

今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。

今週は、配信が一日遅れて日曜日になってしまいました。

機能性表示食品も、この1週間は届出の公表がなく、今週は、メルマガもボリュームが少なくなっています。

コロナウイルスの感染拡大は、まだまだ収束は先のようですね。もう誰が感染していてもおかしくない段階に移ったのではないでしょうか?

自分でできることをやり続けて、予防するしかありませんね。

では素敵な一週間になりますように。 (KC)
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平成30年4月1日 第1号発行