2021年8月14日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第175号

薬剤師のための健康食品情報

平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (88日~814)
 
8月4日 数量にかかわらず厚生労働省の確認を必要とする医薬品の改正について (厚労省)

https://www.mhlw.go.jp/content/
000494120.pdf

 
医薬品等の輸入監視については、「医薬品等に係る輸入確認要領について」(令和2年8月 31 日付け薬生監麻発 0831 第4号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)の別添「医薬品等輸入確認要領」に基づき実施されており、同要領中、数量にかかわらず厚生労働省の確認を必要とされている医薬品の製品名等については、「数量にかかわらず厚生労働省の確認を必要とする医薬品について」(令和3年3月 26 日付け薬生監麻発 0326 第2号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)において通知しているところでありますが、今般、同通知の「1.健康被害のおそれがある医薬品成分が検出されたもの」に新たに下記の品目を追加し、別紙のとおり改正するので御了知願います。
 
1.健康被害のおそれがある医薬品成分が検出されたもの
・ペニソール(Penisole
 
(KC 先々週のメルマガで紹介した埼玉で健康被害が出た製品です。
https://www.pref.saitama.lg.jp/
documents/202252/mushounin.pdf
 )
 
 
8月10日 令和2年度インターネット広告表示監視事業 実施報告  (東京都)

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/
hodohappyo/press/2021/08/10/11.html

 
8月10日、東京都から、令和2年度インターネット広告表示監視事業実施報告が公開されました。
 
インターネット広告監視数  24,000
景品表示法に基づく指導  改善指導:257事業者(260件の広告)
 
健康食品
115件の広告を改善指導
 
例)「飲むだけ簡単楽々美的ダイエット生活」「免疫力アップ」などとし、商品(サプリメント等)を摂取するだけで痩身や免疫力向上などの効果を得られるような表示
例)「ランキングNo.1」「モニター満足度96.5%」などと、比較・調査方法が明確ではないにもかかわらず、競争事業者のものよりも高い評価を得ているかのような表示


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより



健康食品の健康被害情報(8/88/14) 国立健康栄養研究所HPより
(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません)
 
素材情報データベースから
 
新規収載
 
「ビフィズス菌」

https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/
detail4741.html


患者さんとの会話のための話題提供



LINK de DIETより



#1

更年期のホットフラッシュは食事で軽減できる?


更年期のホットフラッシュは食事で軽減できる?
  
ダイズが豊富な植物ベースの食事によって、更年期の中程度から重度のほてり(ホットフラッシュ)を減らせるかもしれない、という米国ジョージワシントン大学からの研究報告。
ダイズが豊富な植物ベースの食事が、中程度-重度のほてりを15回近くから1回未満へ84%減少させるという。
 
研究チームは、38名の閉経後女性をランダムに2群に分け、12週間にわたって、1群には186gの調理済みダイズを含む低脂肪ビーガン食を与え、別の1群には食事を変えないでいてもらった。
その結果、対照群のほてりの総数が49%減少したのに対し、介入群では79%の減少がみられた。中程度-重度のほてりは、対照群では42%、介入群では84%減少した。介入群の59%が、期間中、中~重度のほてりを全く経験しなかったが、対照群では全く変化がなかった。
「我々は、食事の組み合わせが重要なのだと信じている。大豆の豊富な植物ベースの食事は、参加者の生活の質を大幅に改善した」と研究者はコメントしている。
https://journals.lww.com/menopausejournal/
Abstract/9000/The_Women_s_Study_for_the_
Alleviation_of_Vasomotor.96938.aspx

#2

ビタミンDは痛みを伴うIBS症状の治療に効果なし


ビタミンDは痛みを伴うIBS症状の治療に効果なし
  
ビタミンDサプリメントは、痛みを伴う過敏性腸症候群(IBS)症状を改善しないようだ、という英国シェフィールド大学からの研究報告。
研究チームは、IBSの症状に及ぼすビタミンDサプリメントの影響を検証するために、135名の対象者をランダムに2群に分け、ビタミンDまたはプラセボを12週間にわたって摂取させた。
参加者の60%は、研究開始時点でビタミンDが不足または欠乏状態だった。解析の結果、ビタミンD摂取群と対照群の間には、IBS症状の重症度の変化に有意な違いは見られなかったという。また、両群のQOL(生活の質)にも有意差は見られなかった。血中ビタミンDレベルは介入群で優位に増加した。
IBS症状の管理において、ビタミンDサプリメントの使用が推奨されるケースはない、と研究チームは結論付けている。
https://link.springer.com/article/10.1007/
s00394-021-02633-w
#3
雑穀ベースの食事は2型糖尿病のリスクを低下させる?


雑穀ベースの食事は2型糖尿病のリスクを低下させる?

雑穀を食べることは2型糖尿病を発症するリスクを減らし、糖尿病患者の血糖値を管理するのに役立つようだ、という国際半乾燥熱帯作物研究所からの系統的レビュー&メタ分析の報告。
研究チームは、雑穀(モロコシ属含む)に関するヒトを対象とした11か国65件の研究のうち、111件の観察を伴う39件の研究がGIの分析に使用され、56件の研究が空腹時と食後の血糖値、インスリン指数、およびHbA1cのメタ分析に使用された。
 
研究では、雑穀の平均グリセミック指数(GI)が52.7と低く、精米や精製小麦よりもGIが約36%低く、トウモロコシと比較してGIポイントが約14-37GIポイント低いことがわかったという。研究された11種類の雑穀はすべて、低(<55)または中(55-69GIとして定義できた。
長期におよぶ雑穀の摂取は、空腹時と食後の血糖値を、それぞれ12%15%有意に低下させた。また前糖尿病患者において、HbA1cレベルの有意な減少が認められた
 
「結論として、雑穀は糖尿病の発症リスクを管理および軽減するのに有益である可能性があり、したがって、予防的アプローチのための糖尿病および前糖尿病の被験者ならびに非糖尿病の人々のための適切な食事を設計するために使用できる」と研究チームはまとめている。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/
fnut.2021.687428/full


先週の健康・健康食品関連情報

先週の健康・健康食品関連情報(88日~814)
 
行政公表資料より
 
特になし


大学・研究機関等公表資料より



アスパラガス成分に血圧降下作用があることを発見 (理化研)

https://www.riken.jp/press/2021/
20210811_2/index.html

 
アスパラガスの代謝物アスパラプチンAの生合成経路、中間体および類縁体を明らかにし、またアスパラプチンAに血圧降下作用があることを示しました。
 
(KC 将来、機能性表示食品として上がってくるのですかね?)
 
 
妊娠中のオメガ3系脂肪酸摂取量が多いと出産後の不適切養育行動が軽減 (富山大)

https://www.u-toyama.ac.jp/
news-education/32231/

 
92,191人の妊婦さんを対象とし、妊娠中のオメガ3系脂肪酸の摂取量と母親による生まれた子どもへの不適切養育行動との関連性を明らかにした画期的な内容です。この結果より、妊娠中にお母さんがオメガ3系脂肪酸を積極的に摂取することで、子どもへの身体的虐待やネグレクト行動を減らせる可能性が示唆されました。
 
(KC 授乳期のみならず妊娠期においても、n-3系不飽和脂肪酸を積極的に摂ることがだいじなようです。)
 
 
ドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)は下部消化管平滑筋の収縮反応を抑制する
DHAEPAは電位依存性Ca2+チャネルに依存した収縮反応を抑制する  (東邦大)


https://www.toho-u.ac.jp/press/
2021_index/20210810-1151.html

 
魚油に多く含有され、健康食品成分としても注目されているドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)が下部消化管平滑筋の収縮反応を非選択的に抑制することを明らかにし、それらの抑制機序として、DHA及びEPAの有する電位依存性Ca2+チャネルの活性化を介した反応を抑制する性質が関与することを見出しました。
 
 
ダッタン蕎麦の成分ケルセチンによりタンパク質凝集体のオートファジーによる分解が促進することを解明 (大阪大)

https://www.dent.osaka-u.ac.jp/topics/
2021/attached/0000037873.pdf

 
ダッタン蕎麦の成分ケルセチンによりタンパク質凝集体のオートファジーによる分解が促進するこ
とを発見
薬用酒にふくまれる生薬成分のオートファジーへの影響を調べることで見つかった
肝障害やアルツハイマー病などへの応用に期待


先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

先週のトクホ・機能性表示食品情報(8月8日~8月14日)
 
特定保健用食品
 
今週はなし


機能性表示食品届出公表

【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。

効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。
会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧
制度開始から届出た商品を確認できます。

商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス
エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。


機能性表示食品届出公表(8月8日~8月14日)  
 
今週は届出の公開はなし
 
 
機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/

「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから
 

YouTube チャンネル名
「機能性表示食品情報」


https://www.youtube.com/channel/
UCz0TQYw99ttqqQCmiKzxVww

 
チャンネル登録をしてご覧いただければ幸いです。

過去のメールマガジンは、こちらのサイトから閲覧可能です。
https://kc1104.blogspot.com/p/blog-page.html


あとがき



おはようございます。
今週は、夏休みのためか情報が少なくなっておりますが、ご了承ください。
何か梅雨に逆戻りしたような天気になっています。
昨年の春からコロナ禍で、時計の針は止まってしまっていますが、只々日々の仕事に追われているような気がします。
早く仕事で地方に行きたいし、たくさんの方と直に情報交換やご意見を聞きたいと思うのですが、なかなか先の予定を立てることが出来ません。
今の状況ではワクチンの接種が50%越えても、色々な規制や自粛の完全解除、マスクやつい立の無い生活に戻っていいですよとはならない気がします。
終わりがいつかわからない、予想できない戦いはしんどいですね。
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新学期が始まる頃には、明るい兆しが見えることを期待いたします。
大雨等も予想されていますので、くれぐれもご注意怠らないように、ご自愛ください。 (KC)

平成30年4月1日 第1号発行