2018年10月7日日曜日

薬剤師さんのための健康食品情報(2018/9/30~10/6)

更新:2019年4月21日
薬剤師がぜひ知っておきたい「健康食品」に関する情報 
(2018/9/30~10/6)

平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等

先週の行政の動き (930日~103)

928日  東京都「悪質事業者通報サイト」をリニューアル

従来の悪質業者と架空請求に加え、誇大広告の通報フォーマットページを追加。

(KC 東京都は今年4月から、都民や都内の消費生活センターからの情報を整理・分析する情報管理班を新設し、悪質事業者の取り締まりや誇大広告の監視などを強化しています。)


103日 食品表示法に基づく食品表示基準の一部改正に係る消費者委員会への諮問

諮問内容  食品表示基準の一部改正(新たな遺伝子組換え表示制度)
現行制度では、「遺伝子組換えでない」と表示する場合、意図せざる遺伝子組換え農産物の一定の混入(大豆ととうもろこしについては混入率5%)を許容していたところ、今後は表示の正確性を担保するため、「遺伝子組換えでない」旨の表示を「混入がないと認められる」場合に限ることとし、「遺伝子組換えでない」旨の表示の要件を定めた食品表示基準第3条及び第 18 条の規定を改正する。

(KC やはり、検出限界以下の物のみ、「遺伝子組み換え品でない」の表示になるようです。)


105日 電話勧誘販売業者【エールジャパン(株)】に対する行政処分

北海道経済産業局は、「スーパーヤマブシタケ元」と称する健康食品の電話勧誘 販売を行っていたエールジャパン株式会社(本社:東京都新宿区)に対し、本日、特定商取引法第23条第1項の規定に基づき、平成30106日から平成3115日までの3か月間、電話勧誘販売に関する業務の一部(勧誘、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。

認定した違反行為は、再勧誘、商品の効能に関する事項についての不実告知及び契約書面の交付義務違反です。

同社は、遅くとも平成 27 4 月頃以降、電話勧誘販売に係る本件商品の売買契約の締結について勧誘をするに際し、電話勧誘顧客に対し、「続けることで糖尿病にも効果が現れます。」、「認知症の進行も抑える作用がある。」、 「どんな病気にも効く。」などと、あたかも当該商品を摂取することにより 病気の治療若しくは予防又は病状の改善ができるかのように告げていました。  (商品の効能に関する事項についての不実告知)

また、北海道経済産業局は、同社の事業本部長である東野義明に対し、本日、 特定商取引法第23条の21項の規定に基づき、平成30106日から平成3115 日までの3か月間、前記業務停止命令により同社に対して業務の停止を命じた範囲の業務を新たに開始することの禁止を命じました。

(KC 最近、会社だけでなく、その社員にも、業務停止命令が立て続けに出されています。)


健康食品ではありませんが、「痩身効果を謳う下着」に対して、2件の景表法の課徴金納付命令が出ています。

105日 株式会社SAKLIKITに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令

消費者庁は、本日、株式会社SAKLIKITに対し、同社が供給する「CC+ DOWN LEGGINGS(シーシープラス ダウンレギンス)」と称する下着に係る表示について、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を行いました。

違反事例
「何もしなくても24時間絶食状態!! 異常なスピードで体重が落ちる!! その威力はたった3日で-5kg減量! 7日後・・・-10kg 10日後・・・-14kg 21日後には下半身だけじゃない!? 全身の脂肪が痩せていく!!」と記載するとともに人の身体を比較した画像を掲載した上で「78kg⇒56kg!! 体重-22kg減!!」と記 載
「ただレギンスを履くだけで・・・ ①ミクロ単位の骨盤矯正 ↓↓↓ ② 強制循環呼吸法 ↓↓↓ ③脂肪の無限∞燃焼 ↓↓↓ ④毒素の大量排出 この4stepで 365日・・・ 脱ぎ捨てるまで痩身スパイラルが止まらない」と記載
 「14日以内に全身の脂肪を削ぎ落とす!! ≫14日間着用≪」と記載 するとともに人の腹部を比較した画像を掲載した上で「体重64kg⇒43 kg 体重-21kg減 体脂肪率⇒驚異の9%」と記載
 「体型が激変した体験者は 既に300名を超えています」と記載した上で「◎最低体重記録を更新しました! 柴田茜様(29歳)3週間着用」と 記載するとともに人の身体を比較した画像を掲載した上で「61kg⇒43 kg ≫-18kg≪ 出産を期に15kg太ってしまいました。5年くらい何をしても全く落ちなかったのに・・・・CC+ダウンレギンスを履き始めたら、ここ数年の最低体重記録を更新しました。」と記載

課徴金 255万円

(KC 1年と5か月で約8000万円の売り上げがあったということですね。)


105日 株式会社ギミックパターンに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令

消費者庁は、本日、株式会社ギミックパターンに対し、平成30326日に東京都が行った景品表示法第7条第1項 の規定に基づく措置命令を踏まえ、同社が供給する「エクスレッグスリマー」と称するストッキング、「エクスグラマー」と称するブラジャー、「エクスレーヴ」と称 するショーツ及び「エクスレンダー」と称するブラ付きタンクトップに係る表示について、それぞれ、同法第8条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を行いました。

違反は、
「あたかもあたかも、本件ストッキングを着用するだけで、容易に著しく脚が細くなる効果が得られるかのように示す表示をしていた。」
「あたかも、本件ブラジャーを着用するだけで、容易に著しい豊胸効果が得られるかのように示す表示をしていた。」
「あたかも、本件ショーツを着用するだけで、容易に著しい痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた。」
「あたかも、本件ブラ付きタンクトップを着用するだけで、容易に著しい痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた。」
これらに、合理的根拠を裏付ける資料がなかった。

課徴金
本件ストッキング 2387万円
本件ブラジャー 892万円
本件ショーツ  2892万円
本件ブラ付きタンクトップ 2309万円

(KC 地方庁発の措置命令に関する初めての課徴金納付命令です。それにしても、女性の美しさを求める願望はすごいとしか言いようがありません。なんと4商品合計で1年7か月の間で、28億円以上販売されています。)


(直接は関係ないと思いますが、関係の医療機関の方への情報提供として)
104日 平成30年度厚生労働省委託「医療法人制度改革に関するセミナー」 (厚労省)

全国19都市で無料セミナーを実施されます。
事業目的・対象者
医療法人関係者、行政機関、各種団体、企業、専門家、金融機関の方を対象とした改正医療法における持分なし医療法人への移行や地域医療連携推進法人制度等について周知・解説するためのセミナーを実施いたします。

セミナーの内容
・改正医療法における持分なし医療法人への移行
・地域医療連携推進法人制度
・医療従事者の勤務環境改善 等

申込等は、こちらから


健康食品の健康被害情報(9/3010/3) 国立健康栄養研究所HPより

今週は、特になし

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患者さんとの会話のための話題提供

LINK de DIETより


9月末から、新情報が更新されていないので、新しい情報なし
先週の健康・健康食品関連情報(930日~106)

行政公表資料より

第1回 上手な医療のかかり方を広めるための懇談会 資料 (厚生労働省)

(KC この懇談会は、注目していく必要があるかと思います。)


大学・研究機関等公表資料より

人によって異なる決断をすることの大切さ
決断の多様性が集団のメリットを高めることを数理統計学的に証明 (京都大学)

研究者からのコメント
 多様性は人間を含めた生物の基本です。情報に触れてどういう決断をするかにも個人ごとに多様性があり、何かしらの意義があるだろうと考えて研究を始めました。一方、医療の領域では唯一最善の選択肢を調べる研究が盛んです。私たちは、その流れに一石を投じ、決断の多様性の意義、楽天的な人の、天邪鬼な人の存在意義がわかりました。この研究成果は、研究仲間にもなかなか理解してもらえず、完成から2年かかってようやく論文として発表できることになりとても感慨深いです。

(KC 面白いです。時間がある方は目を通してみてください。)




肺炎球菌の8割以上が薬剤耐性であることを明らかにしました(新潟大学)

市中において日常生活を過ごす人達にも,抗生物質が効かない肺炎球菌が広く流布している。
市中肺炎球菌の 82%がマクロライド系抗生物質に耐性であった。
市中肺炎球菌の 38%がペニシリン系抗生物質に耐性であった。
市中からは,多剤耐性化した肺炎球菌も分離された。


肉を食べる頻度が少ないことが女性では緑内障のリスクに
留萌で実施した横断的集団研究の結果(旭川医科大学)

北海道留萌市で広報を行い、40歳以上の約1,700人の方(40歳以上の市民の11%)に眼底写真検診を受けてもらいました。そこで見つかった開放隅角緑内障の方とそうでない方の、年齢、生活習慣、健康測定値などを比較しました。運動や喫煙、飲酒、魚や肉を食べる頻度など生活習慣を伺い、 身長・体重、血圧などを測定し、統計的に処理したところ、女性で開放隅角緑内障の方はそうでない方に比べ、1週間に肉を食べる日数が少ないことが明らかになりました(開放隅角緑内障の方は 平均1.7日、そうでない方は2.7日)。




先週のトクホ・機能性表示食品情報(923日~929)

特定保健用食品の許可

今週は新たな許可なし


機能性表示食品届出公表(930日~106)

届出番号
届出日
商品名
届出者
食品の区分
機能性関与成分名
表示しようとする機能性
D119
2018/8/7
puluo(プルオ)
株式会社アビストH&F
その他加工
ヒアルロン酸Na
本品にはヒアルロン酸Naが含まれます。ヒアルロン酸Naは肌の水分保持に役立ち、乾燥を緩和する機能があることが報告されています。
D120
2018/8/8
国産グルコサミン
八幡物産株式会社
サプリ
グルコサミン塩酸塩、サケ軟骨由来コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸Na
本品にはグルコサミン塩酸塩、サケ軟骨由来コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸Naが含まれるので、ひざ関節の違和感を緩和することで、ひざの曲げ伸ばしを伴う動きを改善する機能があります。
D121
2018/8/9
テーブルラボ
日水製薬医薬品販売株式会社
サプリ
ターミナリアベリリカ由来没食子酸
本品には、ターミナリアベリリカ由来没食子酸が含まれるので、食事の脂肪の吸収を抑えて、食後に上がる中性脂肪を抑える機能があります。食後に上がる中性脂肪が気になる方に適した食品です。
D122
2018/8/9
INNER(インナー) Heat(ヒート) 33000
株式会社ECスタジオ
サプリ
モノグルコシルヘスペリジン
本品にはモノグルコシルヘスペリジンが含まれます。モノグルコシルヘスペリジンには、冬期や冷房などで気温の低い時に血流(末梢血流)を維持する機能があり、体温(手足)を保つ機能が報告されています。


(機能性表示食品撤回情報)

30928日付け
B569 「健康道場ラクトフェリン」
サンスター株式会社 ・・・・ ラクトフェリン
撤回理由「本品での販売予定がないため」
(参考)
D99 ラクトフェリンS  同一処方で、機能性がより分かりやすく書かれたものに変更されて届けられています。
「本品にはラクトフェリンが含まれており、お通じがとどこおりがちで、かつ睡眠の質が気になる方に対し、硬めの便の状態をなめらかにする機能と、起床時の眠気や疲労感を軽減する機能があります。」

30103日付け
A28 「テアニン」
森下仁丹株式会社 ・・・・ L-テアニン
撤回理由「既に届出番号C185のヘルスエイドテアニンとしてリニューアル発売しており、本品は終売しているため。」
(参考)
A28の機能性表示
「本品にはL-テアニンが含まれます。L-テアニンには作業などに由来する緊張感を軽減する機能があることが報告されています。」
C185の機能性表示
「本品にはL-テアニンが含まれます。L-テアニンには質の良い睡眠(朝、目覚めた時の疲労感や眠気を軽減)をサポートする機能があることが報告されています。また、一過性の作業にともなうストレスをやわらげる機能があることが報告されています。」

C183 「はちみつしょうが黒酢」
株式会社Mizkan ・・・・ 酢酸
撤回理由「終売のため」

C184 「はちみつしょうが黒酢 ストレート」
株式会社Mizkan ・・・・ 酢酸
撤回理由「終売のため」


今週の注目の届出
D120 「国産グルコサミン」(八幡物産株式会社)
関与成分 グルコサミン塩酸塩、サケ軟骨由来コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸Na
新規成分のものはありませんが、3つの成分を含む一つの製品として、臨床試験で評価して届けています。

被験食群、プラセボ群各22名で試験開始したが、終了までに4名が脱落した。また、1名をケガの為除外し、最終的に39名で解析を行った。16週間の摂取期間。
その結果、「階段を上り下りする時の膝のこわばり・痛み」、「座った状態から立ち上がる時の困難さ」等、膝関節の動きを伴う質問項目及び2ステップテストにおいてプラセボ食品摂取群と比較して当該製品摂取群が有意に改善していた。ただし、2ステップテストは初期値に群間有意差があった為、当該表示の根拠からは除外した。

作用機序
(a) グルコサミン
①抗炎症作用 細胞試験により、グルコサミンが炎症反応を抑制することが示唆されている ②軟骨分解抑制及び再生作用 細胞試験、動物試験、ヒト臨床試験の何れか又は複数の方法により、グルコサミンが、軟骨の構成成分であるヒアルロン酸やコラーゲンの合成を促進することや軟骨の分解を抑制すること及び 軟骨を再生することが確認されている。
(b) コンドロイチン硫酸 腸管免疫に作用し、Th1 細胞/Th2 細胞のバランスを Th1 細胞側に促進するため、炎症を抑制 する作用があると考えられている。
(c) ヒアルロン酸 Na ウマ膝滑膜線維芽細胞の研究において、炎症抑制効果が示唆されている等。
グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸 Na にはそれぞれ膝関節機能を正常に保つ作用があると考えられるただし、それぞれの機能性関与成分の含有量からグルコサミンが当該機能性の主体であり、コンドロイチン硫酸及びヒアルロン酸 Na は補助的に関与していると考えられる。

機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/

平成30年4月1日 第1号発行

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