2022年4月3日日曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第207号

薬剤師さんのための健康食品情報第207号


平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (3月27日~4月2日)
 
3月25日 「令和3年度特別用途食品(特定保健用食品を除く。)に係る栄養成分、特定保健用食品に係る関与成分及び機能性表示食品に係る機能性関与成分に関する検証事業(買上調査)」の調査結果

https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/foods_with_function_claims/
assets/foods_with_function_claims_220325_0001.pdf

 
3月25日付けで、今年度の試売調査の結果が公表されました。
100製品中、「関与成分等が申請等資料の記載どおりに含有されていなかった品目」が、1製品あったようです。
 
 
325日 健康食品買上げ検査の結果について (福岡県)

https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/
attachment/157940.pdf

 
今般、令和3年11~12月に強壮や痩身等を意図して販売されている14品目を買上げ、検査を行った結果、1品目から医薬品成分が検出されました。
 
<販売業者及び違反品目>

購入先michiyuki ogawa (横浜市港北区)
販売名Royal Honey VIP
検出成分タダラフィル

3月28日 特別用途食品(疾病リスク低減表示)の改定について (消費者委員会) 
葉酸とカルシウムの疾病リスク低減が、下記のように変更されるようです。
 
カルシウム
この食品はカルシウムを豊富に含みます。日頃の運動と適切な量のカルシウムを含む健康的な食事は、若い女性が健全な骨の健康を維持し、歳をとってからの骨粗鬆症になるリスクを低減する可能性があります。
 
葉酸
この食品は葉酸を豊富に含みます。適切な量の葉酸を含む健康的な食事は、女性にとって、神経管閉鎖障害※を持つ子どもが生まれるリスクを低減する可能性があります。
((※)下記注釈は、許可表示の文章とは別途、容器包装に表示させること。)
※ 神経管閉鎖障害とは、妊娠初期に脳や脊髄のもととなる神経管と呼ばれる部分がうまく形成されないことによって起こる神経の障害です。葉酸不足の他、遺伝などを含めた多くの要因が複合して発症するものです。
 
資料 令和3年度調査事業の結果を踏まえた疾病リスク低減表示に係る通知改正
(328日 第60回 新開発食品調査部会 資料より)
https://www.cao.go.jp/consumer/
kabusoshiki/shinkaihatu/bukai/
doc/060_20220328_shiryou1.pdf

 
資料 令和3年度消費者庁事業「特定保健用食品の疾病リスク低減表示に係る調査・検討事業」検討結果概要
https://www.cao.go.jp/consumer/
kabusoshiki/shinkaihatu/bukai/doc/
060_20220328_sankou2.pdf

 
 
329日「健康食品の不適正な表示・広告にご注意!」令和3年度健康食品試買調査結果 (東京都)
 
東京都から、3月29日付けにて、令和3年度健康食品試買調査結果が公表されました。
 
健康食品による健康被害を未然に防止するため、都では、法令違反の可能性が高いと思われる健康食品を販売店やインターネット通信販売などで購入し、調査を行っています。
このたび、令和3年度の調査結果を取りまとめましたのでお知らせします。
 
販売店で購入した製品では、46品目中24品目に不適正な表示・広告がみられました。
インターネット等の通信販売で購入した製品では、80品目中78品目に不適正な表示・広告がみられました。
 
詳細は、
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/
hodohappyo/press/2022/03/29/
documents/18_01.pdf

 
【健康増進法上、健康保持増進効果等の虚偽誇大表示に該当するおそれのある表示の事例】
・著しく事実に相違する又は人を誤認させるおそれのある表示
スリムな女性のイラストとともに商品説明として、「酵素のパワーで消化と代謝を促進 脂肪を溜めない!」、「解毒作用」、お客様の声として「約半年間で○kg の減量に成功」「食事制限一切なし」等と表示し、消費者があたかも当該商品を摂取するだけで痩身効果が得られるような誤認を招くおそれのある表示。(これら文言だけでなく、写真なども含めた表示全体から判断)
 
【景品表示法上、消費者の自主的かつ合理的な商品選択を阻害するおそれのある表示の事例】
・優良誤認に該当するおそれのある表示
「美味しく食べて楽々ダイエット」等の効果を裏付ける合理的根拠がないおそれのある表示や「リピート率№1」等と客観的な実証のないおそれのある表示をし、商品が他社の商品よりも優れているかのように消費者の誤認を招くおそれのある表示
 
【医薬品医療機器等法上、医薬品とみなす標ぼうの事例】
医薬品として承認を得たものではないにもかかわらず、以下のような医薬品的効能効果を標ぼうしていた。
・疾病の治療又は予防を目的とする効能効果
「心筋機能の正常化」「うつ症状を改善」「高血圧の緩和」「月経前症候群の症状の緩和」「骨粗しょう症の予防」「風邪予防」「歯周病予防」「がん予防」「白内障、緑内障、加齢黄斑変性の予防」「結石の予防と除去」
・身体の組織機能の一般的増強・増進を主たる目的とする効能効果
「血中コレステロール分解」「フリーラジカルの活動抑制」「薄毛改善」「育毛」「脂肪代謝改善」「抗炎症作用」「免疫力アップ」「強心作用」「放射性物質の排出を促進」「尿酸排泄」
 
 
3月30日 食品表示基準、「食品表示基準について」及び「食品表示基準Q and A」を改正 (消費者庁)
 
3月30日付けで、食品表示基準が改正され、それに基づく、「食品表示基準について」(通知)及び「食品表示基準QandA」が改正されています。
 
食品表示基準(最新版)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/food_labeling_act/assets/
food_labeling_cms201_220330_05.pdf


食品表示基準(新旧対照表)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/food_labeling_act/assets/
food_labeling_cms201_220330_07.pdf

 
「食品表示基準について」(最新版)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/food_labeling_act/assets/
food_labeling_cms201_220330_13.pdf


「食品表示基準について」(新旧対照表)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/food_labeling_act/assets/
food_labeling_cms201_220330_15.pdf

 
「食品表示基準QandA(最新版)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/food_labeling_act/assets/
food_labeling_cms201_220330_26.pdf


「食品表示基準QandA(新旧対照表)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/food_labeling_act/assets/
food_labeling_cms201_220330_28.pdf


食品表示基準の一部改正案に関する意見募集の結果

https://public-comment.e-gov.go.jp/
servlet/PcmFileDownload?seqNo=
0000233606

 
 
3月30日 食品添加物の不使用表示に関するガイドライン案に関する意見募集の結果の公表 (内閣府)

https://public-comment.e-gov.go.jp/
servlet/PcmFileDownload?seqNo=
0000233496

 
意見総数758 件あり、その概要書も、なんと120ページ以上のものになっています。
関心の高さがわかります。
 
 
3月31日 認知機能に係る機能性を標ぼうする機能性表示食品の表示に関する改善指導及び一般消費者等への注意喚起について (消費者庁)

https://www.caa.go.jp/notice/assets/
representation_cms214_220331_01.pdf

 
「機能性表示食品に対する食品表示等関係法令に基づく事後的規制(事後チェック)の透明性の確保等に関する指針」(令和2年3月 24 日消表対第 518号、消食表第 81 号消費者庁次長通知)に基づき、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から一斉監視を行いました。
その結果、当該商品の効果について著しく優良等であるものと誤認することを防止する観点から、①景品表示法及び健康増進法に基づき、物忘れや認知症の治療又は予防効果等の医薬品的効果効能が得られるかのような表示をしていた3事業者3商品に対して改善指導を行うとともに、②健康増進法に基づき、届出された機能性の範囲を逸脱した表示をしていた 112 事業者 128 商品に対して改善指導を行いました。
 
 
4月1日 「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」及び「機能性表示食品に関する質疑応答集」の一部改正
 
機能性表示食品の届出等に関するガイドライン(最新版)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/foods_with_function_claims/
assets/foods_with_function_claims_220401_
0002.pdf


機能性表示食品の届出等に関するガイドライン(新旧対照表)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/foods_with_function_claims/
assets/foods_with_function_claims_220401_
0003.pdf


機能性表示食品に関する質疑応答集(最新版)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/foods_with_function_claims/
assets/foods_with_function_claims_220401
_0004.pdf


機能性表示食品に関する質疑応答集(新旧対照表)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/foods_with_function_claims/
assets/foods_with_function_claims_220401
_0005.pdf


届出マニュアル統合版(最新版)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/foods_with_function_claims/
assets/foods_with_function_claims_22040
1_0006.pdf

 
KC大きな変更はないように思います。成人年齢引き下げに伴う変更があるみたいです。 )
 
 
4月1日 「特別用途食品の表示許可等について」の一部改正
 
「特別用途食品の表示許可等について」(最新版)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/foods_for_special_dietary_uses/
assets/food_labeling_cms206_20220401_02.pdf

 
新旧対照表

https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/foods_for_special_dietary_uses
/assets/food_labeling_cms206_20220401_
04.pdf

 
(KC
アレルゲン除去食品のうち乳児を対象とした粉乳及び液状乳における経過措置等を1年延ばしたもの。)


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより

健康食品の健康被害情報(/27~4/) 国立健康栄養研究所HPより

(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません)
 
素材情報より
 
「プロバイオティクス」安全性:危険情報
・慢性閉塞性肺疾患 (COPD) による肺炎で入院治療中の78歳男性 (日本) が、下痢のためClostridium butyricum含有プロバイオティクスを24日間服用していたところ、嘔吐、意識障害、低酸素症、低血圧を生じた。血中からC.butyricumが検出され、同菌による菌血症と診断された。プロバイオティクスの服用中止と加療により回復した。

日本救急医学会雑誌. 2020;31(11):2127.


患者さんとの会話のための話題提供


LINK de DIETより



カカオフラバノールサプリが心血管リスクを軽減する可能性

カカオフラバノールサプリが心血管リスクを軽減する可能性

  

大規模なランダム化試験で、心血管系死亡の27%の減少を含む、カカオフラバノールの予防的心血管系効果の兆候がみられたが、主要な結果である総心血管系イベント低下は10%で、統計的に有意ではなかった、という米国ブリガムアンドウィメンズ病院からの報告。

研究チームは、米国人成人21,442名(女性65歳以上12,666名、男性60歳以上8,776名)を対象にランダム化二重盲検プラセボ対照2x2要因臨床試験を実施して、カカオ抽出物サプリメントと総合ビタミン剤の心血管系疾患とがんに対する影響を検討した。

 

今回の報告はカカオ抽出物の影響に関するもので、参加者は、ランダムにカカオ抽出物サプリメント群(1500mgフラバノール、80mg(-)-エピカテキン含む)またはプラセボ群に振り分けられた。

平均3.6年の追跡調査期間中に、カカオ群410名、プラセボ群456名に心血管系事象が観察された(HR=0.90)が、統計的に有意ではなかった。セカンダリ・エンドポイントとして、心血管系死亡、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈再建のハザード比は、各々0.730.870.910.95であり、全ての死因による死亡のハザード比は0.89だった。

 

カカオ抽出物サプリメントは、高齢者の心血管系事象を有意に減少させなかったが、心血管系の死亡を27%低下させた。

https://academic.oup.com/ajcn/advance-article/
doi/10.1093/ajcn/nqac055/6548186?login=false


軽度の飲酒が心臓に良いという理論に異議

軽度の飲酒が心臓に良いという理論に異議

  

軽度の飲酒が心血管系の健康利益をもたらすことはないかもしれない、という米国ハーバード大学などからの研究報告。

研究チームは、英国バイオバンク(大規模な生物医学データベース、および詳細な遺伝情報と健康情報を含む研究リソース)の参加者で、平均年齢57歳、平均アルコール摂取量週9.2杯の成人371,463人のデータを解析した。

研究チームは、先行研究と同様に、軽い飲酒者から中程度の飲酒者が心臓病のリスクが最も低く、飲酒しない人々がそれに続くことを発見したという。大量に飲んだ人が最もリスクが高かった。

ところが、研究チームはまた、軽い飲酒者から中程度の飲酒者は、身体活動や野菜の摂取量が多く、喫煙が少ないなど、非飲酒者よりも健康的なライフスタイルを持っている傾向があることも発見した。わずかな生活習慣要因を考慮に入れると、アルコール摂取に関連する利益が大幅に減少することがわかったという。

 

研究チームが、参加者から採取したサンプルの遺伝子分析を行った結果、より高いアルコール摂取量を予測した遺伝的変異を持つ個人は、実際に大量のアルコールを摂取する可能性が高く、高血圧と冠状動脈疾患を患う可能性が高いことを発見したという。分析はまた、男女共に、アルコール摂取量の違いによってもたらされる心血管リスクには、実質的な違いがあることを明らかにした週に0杯から7杯に増加するときのリスクの増加は最小限であり、週に7杯から14杯に増加するときのリスクははるかに高かった。そして、1週間に21杯以上のアルコールを飲む場合のリスクは特に高かった。調査結果は、米国農務省の国内ガイドラインによって「低リスク」と見なされたレベル(男性12杯未満、女性11杯未満)でも心血管リスクの上昇を示唆している。

 

アルコール摂取量と心血管リスクの関係が線形ではなく指数関数的であるという発見は、Mass General Brigham Biobank30,716人の参加者に関するデータの追加分析によって裏付けられた。したがって、アルコール摂取量を削減することは、1日に1杯のアルコール飲料を飲む人々にも利益をもたらす可能性があるが、削減することによる健康上の利益は、より多くを消費する人々にとってより実質的であり、おそらくより臨床的に意味がある。

https://jamanetwork.com/journals/
jamanetworkopen/fullarticle/2790520


緑の地中海型食は腸内細菌叢を介して体重と心臓リスクを減らす

緑の地中海型食は腸内細菌叢を介して体重と心臓リスクを減らす

  

緑色地中海型(G-MED)食は、ヒトの腸内細菌叢に強く影響する。大規模臨床介入試験DIRECT-PLUSにおいて、G-MED食は、ヒトの体重と血糖値制御に有意な好ましい変化をもたらすことが知られている細菌を豊富にした。このG-MED食による健康増進効果は、腸内細菌叢の変化を介したものであることが明らかになったという。イスラエル・ネゲブベングリオン大学などからの報告。

G-MED食の概念を最初に導入したのは、アイリス・シャイ教授が率いるDIRECT-PLUS試験研究チームである。この修正されたMED食は、従来の健康的なMED食よりも、ポリフェノールがさらに豊富で、赤肉・加工肉が少ないという。参加者は、1日にクルミ128g、緑茶13-4杯、アオウキクサ(Duckweed)緑色シェイク100g(冷凍キューブ)を摂取する。

 

今回研究チームは、腹部肥満/脂質異常症の参加者294人を、健康的な食事ガイドライン食、MED食、およびG-MED食の3つの介入グループのいずれかにランダム化に振り分けて介入試験を実施した。

その結果、両方のMED食が、腸内微生物叢の群集構造に実質的な変化を引き起こすことが明らかになったという。

特に、G-MED食は、糖代謝とインスリン感受性にプラスの効果があることで知られる細菌であるプレボテラ属を含む特定の微生物の変化を誘発し、インスリン抵抗性に関連する分岐鎖アミノ酸の還元に関与する遺伝的経路を促進した。

 

今回の知見は、DIRECT-PLUS試験で以前に発表されたG-MED食の効果を説明するものであるという。それは、伝統的で健康的なMED食に比べて、高ポリフェノール、緑色植物ベースの食事が自己糞便細菌移植のために最適化された腸内細菌叢をもたらすこと、G-MED食が脂肪肝の寛解を促進し、LDL-コレステロール、血糖値制御、CRP、血圧制御、そして加齢関連の脳の衰えを改善することである。

今回の結果は、すべての食事が腸内細菌叢に実質的な変化を引き起こす一方で、G-MED食の変化ははるかに顕著であることを示したという。興味深いことに、G-MED食による腸の有益な変化は、この新しいダイエットが被験者の腸内の希少細菌に特に影響を与える傾向に起因していた。この現象はおそらく、食事の主要な構成要素であるアオウキクサが西洋人にとって新しいものであり、この植物によって誘発された新しい腸環境の下で、通常は隠された微生物が繁殖することを可能にするという事実によるものだった、と研究者らは述べている。

https://genomemedicine.biomedcentral.com/
articles/10.1186/s13073-022-01015-z


先週の健康・健康食品関連情報

先週の健康・健康食品関連情報(3月27日~4月2日)
 
行政公表資料より
 
くらしの危険366「調べてみました、飲料のカフェイン含有量」の公表 (国民生活センター)

https://www.kokusen.go.jp/kiken/pdf/
366dl_kiken.pdf

 
国民生活センターから、くらしの危険366「調べてみました、飲料のカフェイン含有量」が公開されています。
 
国内ではカフェインの許容??摂取量等は定められていませんが、海外でのリスク評価によると、悪影響のない??当たりの最?摂取量は、健康な成?では400mg、妊婦では200mg300mg、健康な?ども及び?少年では年齢などによって異なりますが、体重1kg当たり2.5mg3mgなどとされています。
 
 
FAOWHO出版(2019年)"Sustainable healthy diets - Guiding principles"の日本語版「持続可能で健康的な食事に関する指針」の公開 (国立健康・栄養研究所)
 
国立健康・栄養研究所から、FAOWHO出版(2019年)"Sustainable healthy diets - Guiding principles"の日本語版が公開されました。
 
「持続可能で健康的な食事に関する指針」

https://www.nibiohn.go.jp/eiken/center/
Sustainable_healthy_diets_guiding_principles_
Japanese_Feb21_accept.pdf


大学・研究機関等公表資料より


身体活動と認知症との関連 (国立がん研究センター)

https://epi.ncc.go.jp/jphc/
outcome/8908.html


総身体活動量、総MVPA、余暇MVPAが多いことは、認知症のリスク低下と関連がみられました。しかしながら、認知症と診断される前の段階の身体活動の低下による因果の逆転の可能性を検討するために、追跡を開始してから初期に診断された認知症を、1年ずつ期間を延ばして除外した結果、除外した期間が、男性では7年以上、女性では8年以上になると、総身体活動量と総MVPAについては、関連性がみられなくなりました。一方で、余暇MVPAに関しては、初期に診断された認知症を除外しても、男性では統計学的に有意な関連が残りました。

食物繊維摂取と肺がん罹患との関連 (国立がん研究センター)

https://epi.ncc.go.jp/jphc/
outcome/8909.html


男性において、食物繊維の総摂取量、野菜からの食物繊維の摂取量が多いグループでは、肺がんの罹患リスクの減少がみられました。しかし、穀物からの食物繊維の摂取量、豆類からの食物繊維の摂取量、果物からの食物繊維の摂取との関連はみられませんでした。女性では、食物繊維の総摂取量、食品別由来の食物繊維摂取量においても肺がんの罹患リスクとの関連はみられませんでした

(KC 色んな食材から、食物繊維を摂った方が良いということでしょうか。)

血中CRPC反応性蛋白)濃度とがん罹患リスクとの関連 (国立がん研究センター)

https://epi.ncc.go.jp/jphc/
outcome/8906.html


血中CRP濃度が上昇するにつれて、統計学的有意に、がん全体の罹患リスクは高くなりました。がんの部位別に行った解析では、大腸がん、肺がん、乳がん、胆道がん、腎がん、白血病において、血中CRP濃度が上昇するにつれて、統計学的有意に罹患リスクは高くなりました。

魚由来の n-3 系多価不飽和脂肪酸が脳動脈狭窄と関連 (滋賀医科大)

https://www.shiga-med.ac.jp/sites/
default/files/2022-03/press.pdf


滋賀県草津市住民から無作為抽出された 40-79 歳の男性 739 名を本研究の分析対象としました。

魚由来 n-3 PUFA の血中濃度が高いほど、脳動脈狭窄リスクが低くなりました。

一方、その他の脳血管病変(ラクナ梗塞、微小出血、白質病変)と魚由来 n-3 PUFA濃度との明らかな関連は認めませんでした。

早起きは三文の損: 朝型人間の夜ふかしと、夜型人間の早起きが生産性低下と関連 (東京医科大)

https://team.tokyo-med.ac.jp/omh/news/
202203_chronotype/


多変量解析の結果、全体では「遅寝」と「早起き」がそれぞれ生産性低下と関連していました。具体的には1時間の遅寝で0.29%1時間の早起きで0.14%生産性が低下することが明らかになりました。さらには、この傾向の有意性は朝型と夜型で異なることが示されました。朝型人間にとっては起床時刻はプレゼンティズム(生産性低下)と有意に関連せず、入眠時刻の遅れのみが関連しました(0.16%/h, p<.001)。夜型人間にとっては逆に入眠時刻はプレゼンティズム(生産性低下)と有意に関連せず、起床時刻の早さのみが関連しました(0.16%/h, p=.035)

経腸栄養剤が腸内環境に及ぼす新たなメカニズムを解明
経腸栄養に伴う腸内細菌叢の多様性低下の予防法、治療法開発への期待 (藤田医科大)


https://www.fujita-hu.ac.jp/news/
j93sdv000000dp36.html


経腸栄養患者では健常者と比較して重要な腸内細菌が少なく、免疫機能も低いため、疾患にかかりやすい可能性が示唆されました。

今回実施したプロバイオティクスの摂取は腸内細菌叢を改善するまでには至らないものの、一部の腸内代謝物質の変動を促すことがわかりました。



先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

先週のトクホ・機能性表示食品情報(3月27日~4月2日)  

特定保健用食品

今週はなし


機能性表示食品届出公表

【届出番号】【商品名】【届出者】【届出者】【食品の区分】【機能性関与成分名】【表示しようとする機能性】の順で掲載。

効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。
会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧
制度開始から届出た商品を確認できます。

商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス
エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。
4月2日公表分
G1199 ロート製薬株式会社 ロートV5a
G1200 株式会社ジェイブレーンズ  プロテオグリカンDX(ディーエックス)
G1201 C-Brain株式会社 Dr.ブレイン記憶
G1202 株式会社オーガランド 血管と血圧
G1203 井藤漢方製薬株式会社 ルイモス
G1204 くだものの山長  やすらぐマスクメロン for Relax (フォー リラックス)
G1205 くだものの山長  やすらぐマスクメロン for Sleep (フォー スリープ)
G1206 協同乳業株式会社 LKM(エルケイエム)ヨーグルトIC(アイシー)100g
G1207 DUEN合同会社 DHA・EPA(ディーエイチエー・イーピーエー)
G1208 金印株式会社 わさび&ヘスペリジン
G1209 サンキスト・パシフィック株式会社  サンキストレモン
G1210 キューオーエル・ラボラトリーズ株式会社 Shibottell(シボッテル)
G1211 株式会社見えるん  よく見えるん
G1212 株式会社メディワン 大豆イソフラボンプラス
G1213 株式会社エポラ ルテイン&6種のベリー
G1214 ファイテン株式会社 ファイテン しなやかルート
G1215 森永乳業株式会社 森永トリプルヨーグルト砂糖不使用 ドリンクタイプ
G1216 株式会社ナチュラルガーデン 風光明媚
G1217 ベータ食品株式会社 ぐっすりハーブビューティー
G1218 株式会社ルルーナ リコバリア
G1219 株式会社再春館製薬所 Lashiku(ラシク)腸活a
G1220 株式会社サプリプラスファミリー スルフォラファン
G1221 株式会社ZERO PLUS SLILIN S b(スリリン エス ビー)
G1222 株式会社MeMe  MeMe(メメ)サプリ 目と脳
G1223 株式会社エポラ おなかすっきりのお守り
G1224 株式会社ZERO PLUS Style Shift Lact a(スタイルシフトラクト エー)
G1225 森永乳業株式会社 森永トリプルヨーグルト砂糖不使用
G1226 株式会社夢菓房たから  讃岐のオリーブ新漬けおこわ
G1227 佐々木製茶株式会社  べにふうきお茶パウダー
G1228 株式会社mimozax株式会社アカシアの樹 オメガノイド
G1229 日本ヘルスケア製薬株式会社 MSM(エムエスエム)+(プラス)N-アセチルグルコサミン
G1230 日本ヘルスケア製薬株式会社 MSM(エムエスエム)+(プラス)N-アセチルグルコサミンα(アルファ)
G1231 フジッコ株式会社 クロノケアG(ジー)
G1232 株式会社あじかん 機能性表示食品Dr.(ドクター)ナグモの青汁 30本
G1233 株式会社ヘルシープラス ロコモヘルプS(エス)
G1234 株式会社Hongo 納豆キナーゼEX(いーえっくす)(アルミ袋入)
G1235 ジャパンメディック株式会社 骨のミカタA
G1236 ジャパンメディック株式会社 骨の味方α
G1237 株式会社山田養蜂場 はちみつ バーモントドリンク
G1238 小林製薬株式会社 涙アイヤス
G1239 オリヒロプランデュ株式会社 機能性表示食品 ルテインプラス
G1240 UMIウェルネス株式会社 フコース
G1241 合同会社Endian チルアウトリラクゼーション スリープタブレット
G1242 メロディアン株式会社 Ultra Venus VC1000(ウルトラヴィーナスブイシーセン)
G1243 森永製菓株式会社 MCT(エムシーティー)スタイル<ビスケット>
G1244 株式会社東洋新薬 フラバンサプリメントK
G1245 株式会社yaotomi  癒しのGa(ギャ)!バナナ
G1246 株式会社エル・エスコーポレーション 記憶の戦士
G1247 北海道アンソロポロジー株式会社 イチョウ葉のカギ
G1248 旭松食品株式会社 小さな新あさひ豆腐粉末調味料付
G1249 旭松食品株式会社 新あさひ豆腐粉末調味料付5個入
G1250 熊本ソフトウェア株式会社  お日さまのしずく
G1251 株式会社青成堂 Sulalio(スラリオ)
G1252 キリンビバレッジ株式会社 キリン 免疫ケア 100ml
G1253 キリンビバレッジ株式会社 キリン 免疫ケア 100ml ピーチテイスト
G1254 株式会社クロムス  リジェネシアメモリー
G1255 株式会社ZERO PLUS おなかの脂肪を減らす しっとりカレーせんべい b
G1256 株式会社明治 チョコレート効果プラスCACAO(カカオ)72%
G1257 森永製菓株式会社 カカオの力
G1258 合同会社フルクラム さらリズム
G1259 株式会社ハーバルアイ ターミナリアタイト
G1260 森永製菓株式会社 カカオの力 スティック

届出撤回情報

2022317日付け
D131 「エーコープ緑茶plus(プラス)」
全国農業協同組合連合会 ・・・・ ローズヒップ由来ティリロサイド
撤回理由 「販売不振のため製品を終売するため。」
 
E677 「ケールスルフォラファンスプラウト」
E678 「ブロッコリースルフォラファンスプラウト」
株式会社サラダコスモ ・・・・ スルフォラファングルコシノレート
撤回理由 「後継商品に切り替えのため」
 
G1005 「大麦青汁」
株式会社中京医薬品 ・・・・ 有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulans SANK70258
撤回理由 「販売中止のため」
 
2022322日付け
E180 「HMB(エイチエムビー)ライフサポート」
イワキ株式会社 ・・・・ カルシウム ビス-3-ヒドロキシ-3-メチルブチレートモノハイドレート(HMBカルシウム)
撤回理由 「法人番号変更に伴い新たな届出を行ったため撤回いたします。」
 
2022323日付け
G571 「むくみサポート」
マルマンH&B株式会社 ・・・・ ヒハツ由来ピペリン類
撤回理由 「商品名を【むくみサポート】から【むくみクリア】にし新規で届出をし(届出番号G692)を商品として販売するため。」
 
2022325日付け
G1117 「NAQSEL(ナクセル)a」
株式会社レバレッジ ・・・・ ヒドロキシクエン酸(HCA)、ターミナリアベリリカ由来没食子酸
撤回理由 「当該商品について販売、製造を行う予定がないため」
 
2022328日付け
G678 「ローヤルファイン」
株式会社コネクト ・・・・ GABA撤回理由 「商品の全体的な販売計画見直しのため。」


今週の注目の届出

G1240 「フコース」
UMIウェルネス株式会社 ・・・・ フコース
「本品にはフコースが含まれます。フコースには以下の機能があることが報告されています。 BMIが高め(23以上30未満)の方の ・腹部の脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)、体重、ウエスト周囲径の低下を助けることでBMIの低下をサポートする ・便秘傾向の方の便の回数を増やすことで便通を改善する」
 
新規成分 SR(1報)で評価
健康な日本人の成人男女に対し、フコース150mgを含む食品もしくはプラセボ食品を20週間摂取させ、腹部脂肪面積(内臓脂肪面積、皮下脂肪面積、総脂肪面積)、体重、BMI、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径及び排便回数に及ぼす影響を評価していた。介入群はプラセボ群と比較して摂取20週間後において、腹部内臓脂肪面積及び皮下脂肪面積、総脂肪面積、体重、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径及び排便回数において有意な改善を示した。
応用薬理 100 (3/4): 63-70  (2021)
 
作用機序
フコースは PPARγ活性の阻害により脂質合成を阻害すると共に、アディポネクチンの多量体化を促進することにより脂肪酸酸化を刺激し、脂質代謝と熱産生を介したエネルギー消費の増加を促進することで脂肪蓄積を減少させるものであると考えられた。
フコースは腸内の短鎖脂肪酸量を増やすことにより、腸管の蠕動運動を誘導し便通改善(排便回数の増加)をする機能があると考えられた。
(KC フコースはフコイダンの構成糖で、海藻に多く含まれている成分ですね。この機能性の表示の仕方、製品の臨床試験で評価したように、一瞬間違いますね。メーカーさんのグッドジョブと思います。)

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あとがき

おはようございます。
新年度がスタートしました。
今年は、どんな展開になるのか、今からワクワクしています。
 
さて、認知機能を標榜する機能性表示食品について、指導が入っているという話は聞こえてきていましたが、まさか、あんなに多くの事業者に指導が入っているとは思いませんでした。
ただ、年度末の取締りの公表、今年は、大きいものはありませんでした。ひょっとすると来週出てくるのですかね。
 
東京の桜は、この週末までですね。
もう少しすると、ツツジが咲き、藤が咲くきます。春はいいですね(花粉症の人、ごめんなさい)
 
では、素敵な週末を。(KC)


平成30年4月1日 第1号発行

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