2022年5月9日月曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第212号

薬剤師さんのための健康食品情報第212号


平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (5月1日~5月7日)
 
特になし


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより

健康食品の健康被害情報(/1~5/) 国立健康栄養研究所HPより

(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません)
 
5月6日 シンガポールHSAが医薬品成分 (シブトラミンなど) を含む製品に注意喚起
 
■注意喚起および勧告内容
2022427日、シンガポールHSA (Health Science Authority) が医薬品成分 (シブトラミンなど) を含む2製品  に注意喚起。当該製品との因果関係が疑われる健康被害が1件報告されている。
製品名・・・・ 混入していた医薬品成分
Premium Pro S F・・・・シブトラミン
AK-II Phenomenal King・・・・タダラフィル
 
■解説
当該製品はウェブサイトやソーシャルメディアを介して販売されていたが、「Premium Pro S Flash」との関連が疑われる健康被害の報告を受けて検査したところ、医薬品成分が検出された。
・1名 (性、年齢不明) が「Premium Pro S Flash」を摂取したところ、動悸、不眠、吐き気を生じた。シンガポールHSAによる検査で、当該製品から高濃度のシブトラミンが検出された。当該製品は、過去に医薬品成分混入と健康被害が報告された製品「Flash Slim (詳細はこちら→20213月 シンガポールHSA) の新しいバージョンとして、体重減少をうたって販売されていた。
また、性機能改善をうたって販売されていた「AK-II Phenomenal King」に関する消費者からの通報を受けて検査したところ、通常量の60倍以上のタダラフィルが検出された。
https://www.hsa.gov.sg/announcements/
press-release/alert-akiiandpremiumprosflash


素材情報より
 
「コエンザイムQ10、ユビキノン」安全性:危険情報
・頭痛のためロキソプロフェンを10年間服用中の52歳女性 (日本) が、コエンザイムQ10サプリメントを3ヶ月間摂取していたところ (摂取量不明) 、頻繁な発汗を経験するようになり、夜間の大量の発汗、脱力感、意識低下により救急搬送され、極度の低血糖と昏睡状態のため入院したところ、インスリン、インスリン抗体、C-ペプチド高値が認められた。コエンザイムQ10の摂取中止と加療により回復したため、コエンザイムQ10が原因と疑われるインスリン自己免疫症候群と診断された 
J Rural Med. 2019 May;14(1):132-137.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31191778/


患者さんとの会話のための話題提供


LINK de DIETより



適度な運動は乳がん生存者の免疫応答を改善?

適度な運動は乳がん生存者の免疫応答を改善?
 
適度なフィットネスの改善によって、乳がんが化学療法がもたらす自然免疫への副作用に対する保護効果が期待できるかもしれない、という米国オハイオ州立大学からの研究報告。
研究チームは、158名の乳がん生存者を対象に、腸チフスワクチンへの免疫応答を調べる二重盲検ランダム化プラセボ対照クロスオーバー臨床試験を実施した。
158人の閉経後参加者のうち、108人は研究が始まる前の1年から10年の間に化学療法を受けていた。研究者らは、腹部脂肪組成に基づいて中心性肥満について女性を評価し、エアロバイクに乗っている間の最大酸素消費量に基づいて心肺フィットネスレベルを評価した。
腸チフスワクチンの均一投与はモデル免疫チャレンジとして機能した。参加者は、2回の訪問の間にワクチンまたはプラセボのいずれかを受け、予想通り、ワクチンはプラセボよりも有意に高い炎症反応を示した。
ワクチン接種後7時間半の参加者の自然免疫応答を測定するために、研究者らは、90分ごとに採取した採血中の2つの炎症誘発性たんぱく質、IL-6IL-1Ra、のレベルと白血球を測定し、予防接種前のレベルと比較した。
 
参加者の炎症マーカーのベースラインにおける違いを調整した結果、過去の化学療法、腹部肥満の増加、低いフィットネスレベルは、IL-6と白血球の反応の低下と関連していることが示された。以前の化学療法に最も強い影響があり、化学療法を受けなかった参加者に比べて、IL-6および白血球はそれぞれ44%および35%低かった。この効果は、女性がどれくらい前に治療を受けたかに関係なく一貫していた。
けれども、平均をわずかに上回るフィットネスレベルは、IL-6と白血球数を少なくとも33%増加させた。
https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/
S0889159122000873


超低カロリー食は免疫系にもプラスの効果?

超低カロリー食は免疫系にもプラスの効果?
  
カロリーを減らした食事は、代謝性疾患の発症を遅らせるだけでなく、免疫系にもプラスの効果をもたらすかもしれない、という独シャリテ・ベルリン医科大学などからの研究報告。
研究チームは、BMI27以上の閉経後女性に対する超低カロリー食による8週間の介入試験で、その前後(前:AdLib、後:CalRes)に採取されたヒト腸内細菌叢(単一ドナー由来)を移植して、無菌マウスにコロニー形成した。
CalRes検体の腸内細菌叢は、全体的に高いアルファ多様性と Clostridium ramosum, Hungatella hathewayi, Alistipi obesiなどの低下がみられた。
 
CalRes細菌叢移植マウスは、AdLib移植マウスに比べて、体脂肪の減少とグルコース耐性の改善を示した。さらにマスサイトメトリーによって、特定のメモリーT細胞とB細胞のレベルが低下したことが明らかになった。これは免疫老化の遅延を示唆するものだという。
「これらの発見は、代謝と免疫系に対する低カロリー食のプラスの効果が腸内細菌叢を介して媒介されることを示唆しています」と筆頭著者のユリア・スビーラスキー=キント博士はコメントしている。https://microbiomejournal.biomedcentral.com/
articles/10.1186/s40168-022-01249-4


サプリメントと運動で70歳以上の浸潤がんリスクが61%減少する?

サプリメントと運動で70歳以上の浸潤がんリスクが61%減少する?
  
高用量ビタミンD、オメガ3、およびシンプル家庭筋力運動プログラム(SHEP)の組み合わせにより、70歳以上の健康な高齢者の浸潤がんリスクが累積で61%減少するかもしれない、という瑞チューリッヒ大学病院からの研究報告。
研究チームは、201212月から201712月の間に欧州5か国(スイス、フランス、ドイツ、オーストリア、ポルトガル)で実施された3年間のDO-HEALTHトライアルの参加者2,157名(平均年齢74.9歳、女性61.7%)のデータを解析した。
参加者は8つの異なるグループにランダム化され、介入の個々の利点と組み合わせた利点が検証された。グループ11日あたり2,000IUのビタミンD3(高齢者に対する現在の推奨量の200%以上)、1gのオメガ3、および1週間に3回のSHEP。 グループ2はビタミンD3とオメガ3。グループ3はビタミンD3SHEP。グループ4はオメガ3SHEP。グループ5はビタミンD3のみ。グループ6はオメガ3のみ。グループ7SHEPのみ。そして最後のグループ8はプラセボを受け取った。
 
解析の結果、3つの介入(ビタミンD3、オメガ3、およびSHEP)はすべて、浸潤がんのリスクに累積的な利益をもたらしたことが示されたという。
それぞれの介入にわずかな個別の利益があったが、3つの介入すべてを組み合わせると、利益は統計的に有意になり、全体的ながんリスクの61%の減少がみられた。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/
fragi.2022.852643/full


先週の健康・健康食品関連情報

先週の健康・健康食品関連情報(5月1日~5月7日)
 
行政公表資料より
 
特になし


大学・研究機関等公表資料より


高齢日本の20年後:認知症患者は減るが、格差拡大・フレイル合併で介護費増 (東京大)

https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/PR/
2022/release_20220427.pdf

 
20 年後の日本では人口高齢化にもかかわらず認知症患者の総数は減るという予測を世界で初めて発表しました。
認知症患者の総数は減る一方、男女格差・学歴格差が広がること、格差の影響を受ける人たちではフレイルを合併し、介護費総額は増えることがわかりました。
 
 
WHO身体活動および座位行動に関するガイドライン (国立健康栄養研究所)

https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/
pdf/WHO_undo_guideline2020.pdf

 
WHO身体活動および座位行動に関するガイドラインの日本語翻訳版
 
 
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)で高齢男性の運動機能が改善
超高齢化社会の課題“サルコペニア”の予防効果に期待 (東京大)


https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/
20220501.html

 
健常な高齢男性を被験者として、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を経口摂取した場合に、筋力低下を始めとした老化現象に与える影響についての無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を行いました。健常な高齢男性に1日あたり250 mgNMN12週間経口摂取すると、NAD+および関連代謝物の血中濃度が上昇し、歩行速度、握力などの運動機能が改善することを明らかにしました。さらに、NMNの経口摂取により、聴力の改善傾向がみられることも分かりました。
 
(KC 聴力の改善というのは、すごいですね。)
 
 
飲酒による膵臓がん発がんのメカニズムの一端に迫る (知県がんセンター)

https://cancer-c.pref.aichi.jp/uploaded/
attachment/3332.pdf

 
日本人にとっても飲酒が膵臓がんのリスク因子であることを確認しました。
その上で、日本人の約半数がもつ、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒド1)の代謝に関わるALDH2Aldehyde dehydrogenase2:2型アルデヒド脱水素酵素)遺伝子の変異(一般的にお酒に弱くなる遺伝子変異)は、膵臓がんリスクを上昇させる発がん効果を持つ一方で、飲酒行動の抑制を介し膵臓がん発がんへの保護的効果を併せ持つことを明らかにしました。



先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

先週のトクホ・機能性表示食品情報(5月1日~5月7日)
 
特定保健用食品
 
今週はなし


機能性表示食品届出公表


効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。
会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧
制度開始から届出た商品を確認できます。

商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス
エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。
G1373 株式会社東洋新薬 大麦若葉の繊維青汁S
G1374 エタニクス製薬株式会社 血圧ケア
G1375 ファイテン株式会社 ファイテン アスタインザイム
G1376 株式会社JAPAN BGA 本社 薬膳菜果ミニトマト
G1377 株式会社丸信 毎日健康玉露習慣
G1378 井藤漢方製薬株式会社 リフトップ プロテオグリカンマンゴスチン
G1379 株式会社FTC FTC(エフティ―シー)リセットファイバー
G1380 旭松食品株式会社 綿半こうや豆腐8個ポリ
G1381 株式会社あじかん 栄養とろけるごぼうスープ
G1382 株式会社NKホールディングス とおちかBB(びーびー)青汁
G1383 株式会社ニコリオ フラボスα
G1384 森永乳業株式会社 PREMiL Red (プレミルレッド)脂肪0(ゼロ)
G1385 雪印メグミルク株式会社 恵 megumi(メグミ) ガセリ菌SP(エスピー)株ヨーグルト いちご 100g
G1386 雪印メグミルク株式会社 恵 megumi(メグミ) ガセリ菌SP(エスピー)株ヨーグルト ドリンクタイプ いちご 100g

届出撤回情報
 
2022427日付け   
C368 「いたわりみそ汁」
株式会社永谷園 ・・・・ γ-アミノ酪酸(GABA)
撤回理由 「販売終了の為」


今週の注目の届出

注目の届出
 
今週はなし
 
 
「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから
 
YouTube チャンネル名
「機能性表示食品情報」


https://www.youtube.com/channel/
UCz0TQYw99ttqqQCmiKzxVww

 
チャンネル登録をしてご覧いただければ幸いです。


あとがき

こんにちは

GWも終わってしまいますね。
あっという間です。
 
少しだけ、骨休みで来たので、来週からまたしばらく頑張れそうです。
これで、GW明けコロナ感染者が増えなければ、日本も普通通りになりそうですね。
 
GW期間中につき、情報は大変少なくなっています。
最後まで、お付き合いいただきありがとうございました。

 
では、素敵な週末を。 (KC)

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