2022年5月14日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第213号

薬剤師さんのための健康食品情報第213号


平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (5月8日~5月14日)
 
513日 インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について(令和41月~3) 

https://www.caa.go.jp/policies/policy/
representation/extravagant_advertisement
/assets/
representation_cms214_220513_01.pdf

 
消費者庁では、令和4年1月から3月までの期間、インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視を実施しました。
この結果、インターネットにおいて健康食品等を販売している 98 事業者による117 商品の表示について、健康増進法第 65 条第1項の規定に違反するおそれのある文言等があった。
 
主な検索キーワード等
・指定成分等含有食品(コレウス・フォルスコリー、ドオウレン、プエラリア・ミリフィカ、ブラックコホシュ)の注意書き等が記載されていない商品
・「免疫力」等の身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果があるかのような表現
・「ダイエット」等の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変える効果があるかのような表現
 
(KC 今回は、違反件数が少なくなっています。検索ワードがいつもと違うからと思われます。指定成分等含有食品にまで取締りを広げているのにはびっくりしました。)


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより


健康食品の健康被害情報(/8~5/14) 国立健康栄養研究所HPより


(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません)
 


5月10日 シンガポールHSAが医薬品成分 (メトキサレン) を含む製品の自主回収情報を公表
■注意喚起および勧告内容
2022年4月28日、シンガポールHSA (Health Science Authority) が医薬品成分 (メトキサレン) を含む製品「LIFE ENERGY®BIO ε3 CAPSULE 活力宝精气神」の自主回収情報を公表。
 
■解説
店舗で販売されていた当該製品をシンガポールHSAが分析したところ、医薬品成分であるメトキサレンが検出された。このため、バッチNo. 2014011、賞味期限:2024913日を対象に、業者 (GI Life Sciences Pte. Ltd.) による自主回収が実施されている。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害は不明。
https://www.hsa.gov.sg/announcements/
product-recall/
life-energy-bio-%ce%b53-capsule

 
(KC なんでこんな成分を入れてしまうのですかね?)

5月13日 香港衛生署が医薬品成分 (インドメタシンなど) を含む製品に注意喚起

■注意喚起および勧告内容
2022511日、香港衛生署 (Department of Health) が医薬品成分 (インドメタシンなど) を含む製品「百痛敵2X」に注意喚起。香港衛生署は当該製品を購入・使用しないように勧告。
 
■解説
これは、香港衛生署による買上調査で判明した事例。当該製品は、香港域内の薬局でカプセルまたは錠剤入りのボトルで販売されていたが、検査の結果、カプセルからは医薬品成分であるインドメタシンが、錠剤からはデキサメタゾンが検出された。
現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。
https://www.info.gov.hk/gia/general/
202205/11/P2022051100674.htm

 
(KC 痛みはとれるでしょうが、サプリメントと呼んではいけないものです。)
素材情報より
「サラシア、サラシア・オブロンガ、サラシア・キネンシス、サラシア・レティキュラータ、コタラヒム、コタラヒムブツ」安全性:危険情報
78歳男性 (日本) が、サラシア抽出物含有サプリメントを2週間摂取していたところ、尿量減少、両下肢の浮腫、倦怠感を生じて受診。検査により急性腎障害が認められ入院した。DLSTにおいてサプリメントに対して陽性を示し、急性間質性腎炎と診断されたが、サプリメントの摂取中止と加療により改善した 。
日本腎臓学会誌. 2021;63(6-E):692

新規掲載のコラム

 
●専門家に聞きました【第7回】
子どものサプリメント利用の考え方
城西大学 薬学部医療栄養学科 佐藤 陽子先生
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/
detail4932.html

 
(KC 以前、国立健康・栄養研究所で健康食品情報研究室室長をされていた佐藤先生が、子供のサプリメント摂取についての留意事項等について記事を書かれています。)


患者さんとの会話のための話題提供


LINK de DIETより



微量栄養素は、ADHDと情動制御不全の子供に有益?

微量栄養素は、ADHDと情動制御不全の子供に有益?
  
ADHDと情動制御不全のある子供を対象にしたランダム化臨床試験で、微量栄養素の補給は、プラセボに比べて、症状の改善が3倍(54%18%)多く見られた、という米国オレゴン健康科学大学からの報告。
対象者の子供135人は、既知のビタミンと必須ミネラルすべてを含む微量栄養素カプセル投与群とプラセボ(偽薬)投与群にランダムに振り分けられ、8週間の介入が実施された。
参加者の4分の3が研究プロトコルを順守した。介入は忍容性が高く、微量栄養素群とプラセボ群の間で有害事象に有意差はなく、血液検査と尿検査に基づく安全性の懸念もみられなかった。
 
「この調査結果は、ニュージーランドで実施されたADHDの子供を対象とした微量栄養素の以前のランダム化試験の結果を再現したものであり、幅広い栄養素の補給が一部の子供に利益をもたらす可能性があることを確認しています。これらの調査結果は、ADHDおよび関連する情動制御不全の子供たちの統合的治療を求める医師や家族にガイダンスを提供する可能性があります」と研究者はコメントしている。
https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/
pii/S0890856721004731


コーヒー抽出法と男女差がコレステロール値上昇のカギ?

コーヒー抽出法と男女差がコレステロール値上昇のカギ?
  
コーヒーの血清総コレステロールへの影響は、抽出方法と摂取者の性別によって異なるようだ、というノルウェー・トロムソ大学などからの研究報告。
研究チームは、ノールノルゲ(北部ノルウェー)におけるトロムソ研究の第7次調査からの横断的集団データ(40歳以上、女性11,074人、男性10,009人)を解析した。
 
その結果、13-5カップのエスプレッソの定期的摂取は、エスプレッソを飲まない者と比べて、血清総コレステロールの上昇(女性0.09mmol/L、男性0.16mmol/L)と有意に関連していた。
 
16カップ以上のボイルド/プランジャー・コーヒーの摂取もまた、これらを飲まない者と比べて、血清総コレステロールの上昇(女性0.30mmol/L、男性0.23mmol/L)と関連していた。
女性では、16カップ以上のフィルター・コーヒーの摂取は、これらを飲まない者と比べて、血清総コレステロールの上昇(女性0.11mmol/L)と関連していたが、男性では関連がみられなかった
 
インスタント・コーヒーの摂取は、有意な線形傾向を示したが、インスタント・コーヒーを飲まないものを排除すると、用量作用関係を示さなかった。
ボイルド/プランジャー・コーヒー以外のコーヒー摂取では有意な男女差が認められた。


先週の健康・健康食品関連情報


先週の健康・健康食品関連情報(5月8日~5月14日)

 
行政公表資料より
 
栄養成分表示を活用するための普及啓発動画の公開 (消費者庁)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/nutrient_declearation/
consumers/movie/

 
消費者庁から、栄養成分表示活用を普及するための動画が3本、公開されました。


大学・研究機関等公表資料より



ライフスタイルの改善による寿命延伸効果を評価

多くの生活習慣病を有する人ほど延命効果が高いことが判明 (大阪大)


https://www.med.osaka-u.ac.jp/activities/
results/2022year/iso2022-5-11

 
最新の分析技術を活用し、日本人約46,000 人の健診データと死亡診断データを基に、各年齢階級における生活習慣改善による寿命延伸効果を分析
生活習慣改善による寿命延伸効果は男女ともに80 歳以降でも認められ、さらに、生活習慣病を多く合併している人ほど、ライフスタイルの改善による利点がより高いことが明らかになった
 
 
子どもの生活リズムと健康・学習習慣に関する調査 (ベネッセ)

https://blog.benesse.ne.jp/bh/ja/news/
education/2022/05/10_5829.html

 
小学4年生から高校3年生までを対象とした調査の結果、学年が上がるにつれて生活リズムの乱れが増加する傾向にありました。また、精神的な健康状態・成績が良い子どもは、普段から規則正しい生活をしている傾向がみられました。

1. 学年が上がるにつれて、平日・休日の睡眠時間が減少し、生活リズムの夜型化や平日と休日の生活時間のズレ(「社会的時差ボケ*」の発生)が大きくなる傾向がみられました。

2. 学年が上がるにつれて、寝る前のスマートフォン・携帯電話、パソコン、タブレット、テレビ、ゲームの画面を見る時間(スクリーンタイム)が増えており、疲れ・翌日の眠気にも影響する傾向がみられました。
 
 
発症早期の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんを対象とした高用量メチルコバラミン第3相試験(JETALS)のご報告 (日本医療研究開発機構)

https://www.amed.go.jp/news/
release_20220510-01.html

 
全登録者を対象とした評価においては主要評価項目に対するメチルコバラミンの有効性を示すことができませんでしたが、発症から1年未満に治験登録された被験者を対象とした評価においては、メチルコバラミン50mgの週2回筋肉内投与は、プラセボ注1と比較して有意に生存期間を約600日も延長、症状の進行を抑制する効果が示唆されていました。
 
KC やはり、ビタミンは、すごいですね。)



先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

特別用途食品
 
5月13日 1件 許可
 
区分:
とろみ調整食品

商品名:
キユーピー やさしい献立 とろみファイン

申請者:

キユーピー株式会社

許可を受けた表示内容:
本品は、えん下(飲み込み)を容易にし、誤えんを防ぐことを目的にした食品です。えん下が難しい方のとろみの調整に適しており、水・お茶・濃厚流動食を飲み込みやすく、食事をまとまりやすくします。

許可番号:
2022001
 
詳細は、
https://www.caa.go.jp/notice/assets/
food_labeling_cms206_20220513_1.pdf


機能性表示食品届出公表


効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。
会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧
制度開始から届出た商品を確認できます。

商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス
エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。


機能性表示食品届出公表(5月8日~5月14日)

 
今週はなし
 
 
「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから
 
YouTube チャンネル名

「機能性表示食品情報」


https://www.youtube.com/channel/
UCz0TQYw99ttqqQCmiKzxVww

 
チャンネル登録をしてご覧いただければ幸いです。


あとがき

こんにちは

関東地方は、ここ数日、まるでつゆにはいったような天候が続いています。
GW明けの性もあるか見しれませんが、今一つ調子が回復しません。
皆さんも、ご自愛ください。
 
GWも明け、いろいろなところから講演依頼が舞い込むようになってきました。今年は地方でもリアルの講演ができそうで、今のから楽しみです。
機能性表示食品の届出公開が無いと、メルマガのページ数もずっと少なくなり、きっと最後までたどり着いてくれた方も、今回は多かったと信じています。
 
メルマガに対する意見、感想等あれば、ぜひお声を聞かせてください。

それでは、素敵な週末を。  (KC)

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