2022年9月10日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第230号

薬剤師さんのための健康食品情報第230号


平成30年4月1日 第1号発行
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~~ お知らせ ~~

 

2022年度NR・サプリメントアドバイザーレベルアップセミナーのご案内

 

【グループ1

演題1「栄養士・薬剤師が身につけたい老化のエッセンス」

石井 直明(東海大学医学部 名誉教授)

演題2「今後の地域医療について」

小原 道子(帝京平成大学 薬学部 教授)

【グループ2

演題1「長寿のサイエンス」

森 望(福岡国際医療福祉大学 医療学部 視能訓練学科 教授)

演題2「健康長寿における食事の重要性:久山町研究」

二宮 利治(九州大学大学院 医療研究院 衛生・公衆衛生学分野 教授)

【グループ3

演題1「今、 COVID 19 を総括する」

矢野 邦夫(浜松医療センター 感染症内科 感染症管理特別顧問)

演題2「理論と実践から学ぶ栄養教育の最前線」

野口 孝則 (上越教育大学大学院 学校教育研究科 臨床・健康教育学系 教授)

【グループ4

演題1「サルコペニア・フレイル2022

杉本 研(川崎医科大学 医学部 臨床医学 総合老年医学 教授)

演題2「サプリメントアップデート2022

久保 明(医療法人財団百葉の会銀座医院 院長補佐 東海大学医学部 客員教授)

【グループ5

演題1AIライフログアプリによる健康寿命の延伸」

棚橋 繁行(ライフログテクノロジー株式会社 代表取締役)

演題2「高齢者の低栄養 防ぐ・気づく・改善するためにー栄養管理と服薬指導ー」

森 みさ子(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 看護師長)

 

1グループ 90×2演題。オンデマンド配信で、何度でも聴講可能です。

 

申込詳細は、
https://www.jcna.jp/seminar/streaming/

行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (9月4日~9月10日)
 
9月6日 キリンビバレッジ株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令

https://www.caa.go.jp/notice/assets/
representation_220906_1.pdf

 
消費者庁は、本日、キリンビバレッジ株式会社に対し、同社が供給する「トロピカーナ 100% まるごと果実感 メロンテイスト」と称する果実ミックスジュースに係る表示について、景品表示法に違反する行為(優良誤認に該当)が認められたことから、同法の規定に基づき、措置命令を行いました。
 

表示媒体 容器
表示内容
「厳選マスクメロン」、「Tropicana® REAL FRUIT EXPERIENCE まるごと果実感」、「100% MELON TASTE」等の表示することにより、あたかも、本件商品の原材料の大部分がメロンの果汁であるかのように示す表示をしていた。
実際は、原材料の98パーセント程度はぶどう、りんご及びバナナの果汁を用いており、メロンの果汁は2パーセント程度しか用いていないものであった。

(KC 業界ルールも守っている表示ではありますが、一般消費者が見ると、メロンしか使われていないジュースのようにも見えるかもしれませんね。)
 
 
9月9日 株式会社山田養蜂場に対する景品表示法に基づく措置命令

https://www.caa.go.jp/notice/assets/
representation_220909_01.pdf

 
消費者庁は、本日、株式会社山田養蜂場に対し、同社が供給する「ビタミンD+亜鉛」と称する食品、「ファースト1stプロテクト」と称する食品及び「セカンド2ndプロテクト」と称する食品に係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(優良誤認に該当)が認められたことから、同法の規定に基づき、措置命令を行いました。
 
例えば、本件商品について、令和3年11月1日に、自社ウェブサイトにおいて、本件商品の容器包装の画像と共に、「新型コロナウイルス“第6波”に警戒を <感染>と<重症化>どちらも予防したい…お客さまの声に応えて 『ビタミンD+亜鉛』 2021年11月1日(月)新発売」及び「■感染と重症化に備える『ビタミンD+亜鉛』 山田養蜂場にも、多くのお客さまから『予防だけでなく、もし感染しても重症化しないよう、今すぐできる対策をしたい』との声が寄せられております。そのようなご要望にお応えするため、このたび抗菌ペプチドの産生をサポートする『ビタミン D』に、身体の免疫力をサポートする必須ミネラル『亜鉛』『ビタミン A』『ビタミン B6』『ビタミン C』を配合し、一粒に凝縮した製品を開発いたしました。『ビタミン D』と『亜鉛』は、ともに新型コロナウイルス感染時の重症化を防ぐ可能性が研究報告されており、いま注目されている栄養素です。」等と表示するなど、により、あたかも、本件3商品を摂取することにより、新型コロナウイルスの感染予防及び重症化予防の効果を得られるかのように示す表示をしていた。

(KC プレスリリースも広告ともなされて、違反とされました。記載の内容は、誰が考えても違反としか判断の出来ない内容であることは言うまでもありません。)


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより


健康食品の健康被害情報(/4~9/10) 国立健康栄養研究所HPより


(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません)
 
専門家に聞きました 【第9回】 食薬区分の実際と問題点

https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/
detail4999.html

 
今回は、日本薬科大学 薬学部教授 袴塚高志 先生が、食薬区分をテーマにコラムを書かれています。


患者さんとの会話のための話題提供


LINK de DIETより



ビタミンDサプリとCOVID-19リスク低下に関連なし

ビタミンDサプリとCOVID-19リスク低下に関連なし
  
SARS-CoV-2 パンデミック時に成人のビタミン D レベルを高めることは、呼吸器感染症または COVID-19 に対する保護と関連していないようだ、という2件の大規模臨床試験の結果報告。
最初の試験は、2020 12 月から 2021 6 月の間に英国で実施され、登録時にビタミン D サプリメントを使用していない 6,200 人の成人 (16 歳以上) が参加した。
 
半数(3,100 人の参加者) にビタミン D の血液検査が提供され、ビタミン D レベルが低いことが判明した人 (2,674; 86%) は、6 か月間 3,200 IU/日または 800 IU/日のビタミン D サプリメントを受け取った。残りの半数 (対照群)は検査もサプリメントも受けなかった。
どちらの投与量のビタミンDも、診断された急性呼吸器感染症またはラテラルフロー抗原検査またはRT-PCRで確認されたCOVID-19症例に対して、6か月の追跡期間にわたって効果を示さなかった。有害事象の数は群間で類似しており、研究サプリメントに起因する深刻な有害事象はなかった。
 
2番目の試験は、2020 11 月から 2021 6 月の間にノルウェーで実施され、低用量のビタミン D とビタミン A、およびオメガ 3 脂肪酸を含むタラ肝油を使用した。
ビタミン D サプリメントを使用していない合計 34,741 人の成人 (18 75 ) が、毎日 5 mL のタラ肝油または 5 mL のプラセボ (コーン油) 6 か月間摂取した。試験を受けた参加者の大部分 (86%) は、研究開始時に十分なビタミン D レベルを持っていた。
 
研究者らは、プラセボと比較して、急性呼吸器感染症またはPCRで確認されたCOVID-19に対するタラ肝油の効果がないことを発見した。タラ肝油群は、プラセボ群よりも多くの副作用がなく、軽度の副作用のみが報告された。
https://www.bmj.com/content/378/
bmj-2022-071230


低BMIほど朝食欠食とたんぱく尿陽性は強く関係する

BMIほど朝食欠食とたんぱく尿陽性は強く関係する
  
朝食を食べない人はたんぱく尿との関連が報告されているが、この傾向はBMIが低い人ほど強くみられるという。
たんぱく尿は様々な心血管イベント(脳梗塞、心筋梗塞など)との関連が報告されている。一方、朝食欠食はたんぱく尿との関連が報告されているが、どの様な人において、より注意すべきか明らかにされていなかった。
そこでりんくう総合医療センターの腎臓内科医である村津 淳氏らは、市中病院の健康診断データを用いて、eGFR 60ml/min/17.3㎡以下、腎疾患が既にある症例を除外した26,888例(男性 15,875例、女性 11,013例)を対象に解析を行った。なお、朝食を週3回以上欠食する症例を朝食欠食群、たんぱく尿試験紙法で1+以上をたんぱく尿陽性と定義した。
 
その結果、男性女性ともに、それぞれ朝食欠食とたんぱく尿陽性と有意な関係を認めた。さらに、BMI、腹囲を男女それぞれ3群ずつに分けて、たんぱく尿との関連を解析した所、BMI、腹囲ともに低いほどたんぱく尿と有意な関係を認めた。
たんぱく尿のあるBMIが低い人において、朝食欠食は注意が必要である、とのことだ。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/
fendo.2022.916374/full


先週の健康・健康食品関連情報


先週の健康・健康食品関連情報(9月4日~9月10日)

 
行政公表資料より
 
特になし


大学・研究機関等公表資料より



大学・研究機関等公表資料より

 
野菜・果物摂取と死亡リスクとの関連 (国立がん研究センター)

https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/
8961.html

 
果物・野菜摂取量が少ないグループに比べ、果物摂取量が多いグループでは全死亡リスクが約8-9%低く、心臓血管死亡リスクが約9%低く、野菜摂取量が多いグループでは約7-8%低いことがわかりました。
 
 
血中鉄代謝マーカー濃度とがん罹患リスクとの関連 (国立がん研究センター)

https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/
8958.html

 
体内の貯蔵鉄が過剰な状態にある人では、肝臓がんに罹患するリスクが高いことが分かりました。
ヘプシジンが低いことが、肝臓がん罹患リスク上昇と関連することを示しました。このことは、肝臓がんにおいて、ヘプシジンが十分高くなれないような病態が存在し、体内の貯蔵鉄が過剰になることで、肝臓がん罹患リスク上昇とつながりうることを示すものと考えます。
 
 
妊娠中のチーズの摂取量と生まれた子どもの3歳時点の睡眠時間との関連:エコチル調査 (富山大)

https://www.u-toyama.ac.jp/wp/
wp-content/uploads/20220901.pdf

 
妊娠中の発酵食品(味噌汁・ヨーグルト・チーズ・納豆)の摂取量と、生まれた子の 3 歳時点の睡眠時間との関連を調べました。その結果、チーズを多く摂取した母親から生まれてきた子どもは、3歳時点において睡眠不足になるリスクが低くなることを明らかにしました。
 
 
腸でおこる歯周病の発症と重症化の仕組みを解明
腸内細菌をターゲットとした歯周病の予防と治療への応用に期待 (福岡歯科大)


https://www.fdcnet.ac.jp/col/news/
archives/300

 
腸内細菌の影響を受けて腸で歯周病原細菌に応答するようになったヘルパーT細胞が歯周病の発症と重症化を引き起こす仕組みを解明しました。
 
 
マグネシウムが肌バリアを守る (岐阜薬科大)

https://www.gifu-pu.ac.jp/news/2022/09/
research-20220908-01.html.html

 
肌バリア機能の維持におけるマグネシウムのメカニズムが明らかになった。
マグネシウムによって産生されたポリアミンは、紫外線や酸化ストレス障害に対して保護作用をもつことが示された。
 
(KC マグネシウム入りの化粧品も出てくるかもしれませんね。)
 
 
「健康」に関するアンケート調査 (明治安田生命)

https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/
news/release/2022/pdf/20220905_01.pdf

 
4人に1人以上が1年前に比べて「体重が増えた」と回答。長引くコロナ禍で、3年連続で「体重が増えた」と回答する人が増加(一昨年:21.2%昨年:25.0%今年:26.0%)

「健康投資」(健康増進に向けた自己投資)をしている人は、昨年に比べて増加(55.7%58.5%)しており、平均金額は年間5.0万円
具体的には、「サプリメント」「ウォーキング・ランニングのためのシューズ・ウエア」「自宅で使うトレーニング器具」等、長引くコロナ禍において、「手軽に」「ひとりで」できるものが上位



先週のトクホ・機能性表示食品情報


特定保健用食品


先週のトクホ・機能性表示食品情報(9月4日~9月10日)
 
特定保健用食品
 
今週はなし


機能性表示食品届出公表


効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。
会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧
制度開始から届出た商品を確認できます。

商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス
エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。
H314 ワダカルシウム製薬株式会社 Naka-Kire(ナカキレ)美骨サポート
H315 明治薬品株式会社 健康きらり 楽々温活
H316 株式会社ユニオン オアロパプリカ
H317 株式会社リフレ ブルーベリー&ルテインαプレミアムb
H318 エムジーファーマ株式会社 脂肪注意報EX(イーエックス)b
H319 エムジーファーマ株式会社 糖質注意報EX(イーエックス)b
H320 日産化学株式会社 SUPER DHA(スーパーディーエイチエー)
H321 松谷化学工業株式会社 アストレアプロb
H322 株式会社明治 明治プロビオヨーグルトLG(エルジー)21宅配専用
H323 株式会社明治 明治プロビオヨーグルトLG(エルジー)21ドリンクタイプ宅配専用
H324 株式会社Candee エンジェルトーン
H325 株式会社パソデ 脂減丸
H326 松谷化学工業株式会社 アストレアプロG
H327 キューオーエル・ラボラトリーズ株式会社 モイストスキン
H328 オリヒロプランデュ株式会社 ブルーベリールテイン
H329 松谷化学工業株式会社 アストレアプロGC(ジーシー)
H330 プライム製薬合同会社 アラレバサポート
H331 株式会社KINS GUT+(ガットプラス)
H332 ダイドードリンコ株式会社 ブルーベリークランベリーレモン
H333 エルセラーン化粧品株式会社 ルルド DHA&EPA
H334 グローブサイエンス株式会社 MERAKUDA(メラクダ)

届出撤回情報
 
2022830日付け
C125 「植物性乳酸菌 匠乃(たくみの)キムチ」
東海漬物株式会社 ・・・・ Q-1乳酸菌(L. plantarum TK61406
撤回理由 「生産終了のため。」
 

注目の届出
 
今週はなし

「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから

 
YouTube チャンネル名
「機能性表示食品情報」


https://www.youtube.com/channel/
UCz0TQYw99ttqqQCmiKzxVww


チャンネル登録をしてご覧いただければ幸いです。


あとがき


こんにちは


今週は、景品表示法の優良誤認の大きな違反が2件摘発されました。
 
健康食品の違反例については、広告の記載内容は、関係者が見れば、「これはやり過ぎ」という内容ですが、プレスリリースも広告と見なされて違反とされました。今後プレスリリースの打ち方も各社さん変わってくるかもしれません。なかなかインパクトのある摘発だったと思います。
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メルマガに対する意見、感想等あれば、ぜひお声を聞かせてください。

それでは、素敵な週末を。  (KC)

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