2022年9月3日土曜日

薬剤師さんのための健康食品情報第229号

薬剤師さんのための健康食品情報第229号


平成30年4月1日 第1号発行
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薬剤師がぜひ知っておきたい「健康食品」に関する情報 (/28~9/)
 
 
今週、何と言ってもびっくりしたのは、食品衛生に関する行政所管が、2024年度より厚生労働省から、消費者庁に移管されるというニュースでした。
今後の動向が注目されます。
 
~~ お知らせ ~~
 
2022年度NR・サプリメントアドバイザーレベルアップセミナー
 
オンデマンド配信も始まりました。
今年も盛りだくさんの内容になっています。、
 
【グループ1

演題1「栄養士・薬剤師が身につけたい老化のエッセンス」

石井 直明(東海大学医学部 名誉教授)

演題2「今後の地域医療について」

小原 道子(帝京平成大学 薬学部 教授)

【グループ2

演題1「長寿のサイエンス」

森 望(福岡国際医療福祉大学 医療学部 視能訓練学科 教授)

演題2「健康長寿における食事の重要性:久山町研究」

二宮 利治(九州大学大学院 医療研究院 衛生・公衆衛生学分野 教授)

【グループ3

演題1「今、 COVID 19 を総括する」

矢野 邦夫(浜松医療センター 感染症内科 感染症管理特別顧問)

演題2「理論と実践から学ぶ栄養教育の最前線」

野口 孝則 (上越教育大学大学院 学校教育研究科 臨床・健康教育学系 教授)

【グループ4

演題1「サルコペニア・フレイル2022

杉本 研(川崎医科大学 医学部 臨床医学 総合老年医学 教授)

演題2「サプリメントアップデート2022

久保 明(医療法人財団百葉の会銀座医院 院長補佐 東海大学医学部 客員教授)

【グループ5

演題1AIライフログアプリによる健康寿命の延伸」

棚橋 繁行(ライフログテクノロジー株式会社 代表取締役)

演題2「高齢者の低栄養 防ぐ・気づく・改善するためにー栄養管理と服薬指導ー」

森 みさ子(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 看護師長)

 
1グループ 90×2演題。オンデマンド配信で、何度でも聴講可能です。
 
申込詳細は、
https://www.jcna.jp/seminar/streaming/

行政からの通知、取り締まり等


先週の行政の動き (8月28日~9月3日)

 

830日 食品表示基準について(平成27330日消食表第139)の改定

 

通知「食品表示基準について」が改定されました。

 

最新版

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220830_04.pdf

新旧対照表

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220830_06.pdf

 

今回の変更は、

脂質の測定法に「ヘキサン-イソプロパノール法」、食物繊維の測定法に「酵素-HPLC 法2」追加等

 

 

831日「特定保健用食品の表示許可等について」の一部改正について

 

特定保健用食品の表示許可等について(最新版)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_specified_health_uses/notice/assets/food_labeling_cms201_220831_07.pdf

新旧対照表

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_specified_health_uses/notice/assets/food_labeling_cms201_220831_09.pdf

 

特定保健用食品の表示に関するQ&A(最新版)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_specified_health_uses/notice/assets/food_labeling_cms201_220831_18.pdf

新旧対照表

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_specified_health_uses/notice/assets/food_labeling_cms201_220831_20.pdf

 

「特定保健用食品の表示許可等について」の一部改正案に関する意見募集の結果

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000240269

 

今回の改定は、疾病リスク低減表示の保健機能の表現の改正と、虫歯の疾病リスク低減の新設です。


健康食品の健康被害情報 国立健康栄養研究所HPより

健康食品の健康被害情報(/28~9/) 国立健康栄養研究所HPより

(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起、米国FDA/FTCの新型コロナウイルス対策に関連した虚偽宣伝に関する注意喚起は、掲載していません)
 
素材情報より
 
「ダイズ」安全性:危険情報
・鶏卵アレルギー、気管支喘息の既往がある花粉症の10歳男児 (日本) が、豆乳飲料摂取開始直後に口腔内に違和感を持ったが、200 mL全量摂取。その直後から嗄声、呼吸困難を生じたため外来受診。アナフィラキシーと診断され加療も改善せず転院。意識障害、眼瞼浮腫を生じ、喘鳴が強く発声不能であたため、治療継続により軽快後、さらに転院。その後、集中治療室に入院の上、嗄声に対しアドレナリン投与後、呼吸状態が安定し、翌々日に退院。抗体価検査の結果、大豆に対しては陰性であったが、大豆タンパク質およびハンノキに対して陽性を示し、花粉フルーツ症候群による豆乳に対するアナフィラキシーと診断され、豆乳および湯葉の摂取が制限された。

日本小児救急医学会雑誌. 2021;20(2):327.


患者さんとの会話のための話題提供


LINK de DIETより



朝食を抜くと若者が心の健康問題を発症する可能性が高まる?

朝食を抜くと若者が心の健康問題を発症する可能性が高まる?
  
自宅で健康的な朝食を食べる若者は、心理社会的健康状態が良好であるようだ、というスペイン・カスティーリャ=ラ・マンチャ大学からの研究報告。

先行研究では、栄養価の高い朝食の重要な役割が報告されていたが、今回の報告は、子供が朝食を食べるかどうか、またどこで何を食べるかについての影響を調べた初めてのものだという。
研究チームは2017年スペイン国民健康調査のデータを分析した。この調査には、朝食の習慣と、自尊心、気分、不安などの特性を含む子供の心理社会的健康の両方に関するアンケートが含まれていた。アンケートは子供の両親または保護者によって完了され、その結果には4歳から14歳までの合計3,772人のスペイン在住者が含まれていた。
 
解析の結果、研究チームは、家から離れて朝食を食べることが、朝食を完全に抜くのと同じくらい有害であることを発見した。チームは、これは家から離れた場所での食事が、自宅で準備されたものよりも栄養価が低いことが多いためである可能性があると示唆している。

結果はまた、コーヒー、牛乳、チョコ、ココア、ヨーグルト、パン、トースト、シリアル、ペストリーの摂取が、すべて行動問題の起きる確率の低いことと関連していることを発見した。驚くべきことに、タマゴ、チーズ、ハムは、行動問題のリスク上昇と関連していた。
 
「我々の結果は、朝食を食べることが重要であるだけでなく、若者がどこで朝食を食べ、何を食べるかも重要であることを示唆している。朝食を抜いたり、家から離れて朝食を食べたりすることは、青少年の心理社会的な行動問題の可能性を高めることに関連している」と研究者はコメントしている。

https://www.frontiersin.org/articles/
10.3389/fnut.2022.871238/full

 
(KC 日本で4歳~14歳の子が朝食を外で食べるということはほぼないとは思う。ただ、食べていない子はある程度の数いるような気がする。)



貧血で筋肉が衰えている高齢者は死亡リスクが高い

貧血で筋肉が衰えている高齢者は死亡リスクが高い
 
ブラジルのサンカルロス連邦大学 (UFSCar) と英国のユニバーシティカレッジロンドン(UCL) の研究者らによる研究では、高齢者の貧血と筋力低下が組み合わさると、10 年以内に死亡するリスクが男性で64%、女性で117%高まることが示されている。

貧血だけでも男性の死亡リスクが58%増加する。女性の場合、ダイナペニア (筋力の低下) はそれ自体がより重要なリスク因子であり、死亡リスクが68%増加する。2つの状態が一緒になると、特に年配の女性にとってさらに大きなリスクが 生じるという。
 
「女性の場合、2つの条件が重なると死亡リスクは2倍になります。これは非常に有意な増加であるため、これらの要因を臨床的に監視する必要があります. 患者が医師の診察を受ける際には、貧血の原因を迅速に特定して治療する必要があります。筋力低下の理由を発見し、抵抗運動を処方することも重要です」と筆頭著者のマリアンヌ・マルケス・ルイス博士候補生は述べている。
研究者らは、英国加齢縦断研究 (ELSA)50歳以上の英国人5,310人を10年間追跡調査したデータを解析した。参加者の84%は貧血もダイナペニアもなかったが、10.7%はダイナペニア、3.8%は貧血、そして1.5%は両方を持っていた。
 
10年間の追跡調査期間中に、合計984人の死亡が記録された。死亡者のうち、63.7%は貧血もダイナペニアもなく、22.8%はダイナペニア、7.5%は貧血、6%は両方だった。
「すべての死因を分析した結果、貧血とダイナペニアの組み合わせが全死因死亡リスクを高めることが示されました。貧血とダイナペニアの両方を持つことは、高齢者にとって重大なリスクです」とルイス氏はコメントしている。
https://www.sciencedirect.com/science/
article/pii/S0167494322001200?via%3Dihub


紅茶を飲むと死亡リスクが低下する可能性がある

紅茶を飲むと死亡リスクが低下する可能性がある
  
紅茶を飲むことは、死亡リスクがやや低いことに関連している可能性があるようだ、という米国・国立がん研究所の前向きコホート研究。リスクは、1日に2杯以上のお茶を飲む人で最も低かったという。

お茶は、世界中で最も消費されている飲料の1つである。以前の研究では、緑茶が最も一般的な種類のお茶である集団において、お茶の消費と死亡リスクの低下との関連性が示唆されている。対照的に、紅茶を飲むことがより一般的である集団で発表された研究は、限られており、結果に一貫性がなかった。
研究チームは、紅茶の飲用が一般的である英国のバイオバンクのデータを使用して、紅茶の消費と全死因および原因別の死亡率との関連性を評価する研究を実施した。彼らはまた、一般的なお茶の添加物(ミルクと砂糖)の使用、お茶の温度、および人々がカフェインを代謝する速度に影響を与える遺伝子変異によって関連性が異なるかどうかを評価した。
バイオバンクには、2006 年から 2010 年の間にベースライン アンケートに回答した 40 歳から 69 歳までの 50 万人の男女に関するデータが含まれている。そのうち 85% が定期的にお茶を飲んでいると報告し、89% が紅茶を飲んでいると報告している。
 
お茶を飲まない人と比較して、毎日2杯以上飲むと報告した参加者は、死亡リスクが9-13%低かった. この関連性は、参加者がコーヒーを飲んでいたかどうか、お茶にミルクや砂糖を加えたかどうか、好みのお茶の温度、またはカフェイン代謝に関連する遺伝子変異に関係なく観察された。
著者らによると、彼らの調査結果は、摂取量が多い場合でも、お茶は健康的な食事の一部になる可能性があることを示唆しているという。
https://www.acpjournals.org/doi/
10.7326/M22-0041


(KC いつもこういう研究を見ると思うのですが、緑茶とウーロン茶と紅茶、あるいはコーヒー、何を飲んだら、一番良いのでしょうか?)


先週の健康・健康食品関連情報


先週の健康・健康食品関連情報(8月28日~9月3日)

 
行政公表資料より
 
特になし


大学・研究機関等公表資料より



大学・研究機関等公表資料より

 
血中ポリフェノール濃度と結腸がん罹患の関連 (国立がん研究センター)

https://epi.ncc.go.jp/jphc/
outcome/8960.html

 
対象集団全体における35種類のポリフェノール濃度と結腸がんリスクの関連を調べたところ、ジヒドロカフェ酸(P=0.02)、フェルラ酸(P=0.02)、およびカフェ酸(P=0.03)濃度が高いほど結腸がんリスクが低くなっていました。一方で、3-ヒドロキシ安息香酸濃度が高いほど、結腸がんリスクが高くなる傾向がみられました(P=0.03)。その他のポリフェノールにおいては関連がみられませんでした。
 
 
CPCSARS-CoV-2に対する抑制効果を解明
CPC含有口腔製剤による新型コロナウイルス感染制御に期待 (北海道大)


https://www.hokudai.ac.jp/news/
2022/08/cpcsars-cov-2cpc.html

 
市販の洗口液等に使用されている殺菌成分のセチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して抗ウイルス効果があることを示し、CPC製剤によりSARS-CoV-2感染予防、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発症・重症化予防等の効果が期待できることを明らかにしました。
 
 
腎移植レシピエント(腎移植を受けた患者)のタンパク摂取量と筋肉量の関係が明らかに
サルコペニアの予防に十分なタンパク摂取が必要 (大阪公立大)


https://www.omu.ac.jp/info/
research_news/entry-01969.html

 
腎移植レシピエント(腎移植を受けた患者)において骨格筋量の変化とタンパク摂取量が正に相関することを発見した。
慢性腎臓病患者ではタンパク制限が一般的だったが、腎移植後の骨格筋量の改善には十分なタンパク摂取が必要である。
 
 
アブラナ科野菜由来成分のスルフォラファングルコシノレートの継続的な摂取が高齢者の生活の質を改善
健康な高齢者を対象とした二重盲検無作為比較対照試験で検証 (東北大)


https://www.tohoku.ac.jp/japanese/
2022/08/press20220830-04-sgs.html

 
アブラナ科野菜由来の健康成分"スルフォラファングルコシノレート(SGS)の摂取による栄養介入効果を無作為比較対照試験で検証。
健康な高齢者がSGS12週間毎日摂取すると、認知機能の一つである処理速度が向上し、怒りや混乱や抑うつなどを含む全般的なネガティブ感情が低減することを明らかにした。
 
(KC 機能表示食品の登場も間近かということでしょうか。)
 
 
野菜サラダを先に食べると急激な血糖値の上昇が抑えられる要因を明らかに (キューピー)

https://www.kewpie.com/
newsrelease/2022/2678/

 
野菜サラダは食後の血糖値上昇を抑制しましたが、野菜サラダの搾り汁では、その効果が弱まることを確認しました。また、その要因が“食物繊維の量”と“噛む・噛まないの違い”にある可能性が示唆されました。



先週のトクホ・機能性表示食品情報

特定保健用食品

先週のトクホ・機能性表示食品情報(8月28日~9月3日)
 
 
特定保健用食品
 
今週はなし


機能性表示食品届出公表


効率的に使用できるよう、外部サイトへのリンクを貼りました。
会社名のリンク::機能性表示食品まとめ一覧
制度開始から届出た商品を確認できます。

商品名のリンク:機能性表示食品リストとエビデンス
エビデンス詳細・製造工場・摂取時の注意等を確認できます。
H305 マルサンヘルスサービス株式会社 納豆博士
H306 株式会社ネイチャーラボ むくみぱっくん
H307 アリメント工業株式会社 GoTo(ゴートゥー)ウォークA
H308 株式会社舞昆のこうはら ぽかぽか甘酒ヒハツ入り
H309 株式会社エーエルジャパン クロワールアイ・Qプラス.
H310 株式会社サラダボウル ごちそうトマトα(ごちそうとまとあるふぁ)
H311 殿村食品株式会社 日本産ひとくちどんこ椎茸
H312 株式会社健美舎 めぐりさぷりヒハツウォーム
H313 株式会社PROE スルフォ30

 
届出撤回情報
 
今週はなし
 
注目の届出
 
今週はなし


「機能性表示食品届出情報 簡単動画解説」はこちらから
 
YouTube チャンネル名
「機能性表示食品情報」


https://www.youtube.com/channel/
UCz0TQYw99ttqqQCmiKzxVww

 
チャンネル登録をしてご覧いただければ幸いです。


あとがき


おはようございます。

9月最初のメルマガ配信です。
ついに、コロナに感染してしまい、自宅療養中の身となってしまいました。
既に、熱も下がり、咳が治まれば普通に戻れるところまで来ております。
ちょっと遅い夏休みという感じです。
 
さて、今週は、本当にビックリしたニュースが飛び込みました。
厚労省が、食品安全行政を手放すというニュースです。少なくても、食品衛生の分野は消費者庁に移管されるらしいです。
2024年度から移管らしいですが、これからの動向が注目されます。
食品表示だけでなく、食品全般が消費者庁の管轄になるとは、夢にも思っていませんでした。
やはり、感染症対策に厚労所は重きを置くための措置とは思いますが、本当にビックリです。
 
ここにきて、雨の被害が出ているようなので、くれぐれもご注意ください。
 
メルマガに対する意見、感想等あれば、ぜひお声を聞かせてください。

それでは、素敵な週末を。  (KC)