更新:2019年4月21日
平成30年4月1日 第1号発行
平成30年4月1日 第1号発行
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行政からの通知、取り締まり等
先週の行政の動き (4月14日~4月20日)
4月16日 医薬品成分を含有する製品の発見について (東京都)
都では、いわゆる健康食品による健康被害発生の未然防止のため、都内で販売等される製品の調査及び成分検査を行っています。
平成31年3月26日に「医薬品医療機器等法」違反で都内事業者に対して措置を行いました(平成31年3月27日付報道発表)。その際、違反品と類似の下記1製品を発見したため任意提出を受け成分検査を行ったところ、医薬品成分である「ノルカルボデナフィル」が検出されました。
なお、これまでに当該製品による健康被害発生の報告は受けていません。
都民の皆様へ
当該品の摂取により健康被害を受ける可能性が否定できませんので、当該製品をお持ちの方は、直ちに使用を中止してください。また、健康被害が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診してください。
なお、ノルカルボデナフィルは、ED治療薬として承認されているシルデナフィルの類似化合物です。国内では、ノルカルボデナフィルを配合した医薬品は承認されていません。
詳細は、
4月18日 消費者注意情報 ひょっとしたら高齢者が深刻な消費生活トラブルにあっているかも? (東京都)
ひょっとしたら高齢者が深刻な消費生活トラブルにあっているかも? ~トラブル解決には介護サービス事業者などの見守り関係者の協力が重要です~
相談事例 1<介護サービス利用の高齢者に大量の健康食品が届いていた!>
介護サービス事業者のケアマネジャーをしている。高齢の利用者のところに高額な健康食品の請求書が多数届いていることがわかった。本人に聞いてみたところ、何かの会場で健康食品を購入したことがあると言う。自宅内を見てみると、健康食品が山のように積まれていた。本人に支払いをどうしているのか尋ねたが、答えてくれない。事業者に返品・返金を求めることはできるだろうか。(契約当事者 80歳代 女性) 他
(健康食品ではありませんが)
4月15日 要指導医薬品から一般用医薬品に移行した医薬品等について (厚生労働省)
4月15日より、イコサペント酸エチル(エパデールT)が、第一類医薬品になりました。
同日付けで、販売方法についても、
一般用医薬品のイコサペント酸エチル製剤の適正販売の徹底を求める通知も出ています。https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000501819.pdf
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健康食品の健康被害情報(4/14~4/20) 国立健康栄養研究所HPより
(外国のバイアグラ関係成分含有のサプリメントの注意喚起は掲載していません)
4月15日 カナダ保健省が医薬品成分 (ニメスリド) 、鉛などを含む未承認製品に注意喚起
■注意喚起および勧告内容 2019年4月12日、カナダ保健省 (Health Canada) が医薬品成分 (ニメスリド) 、鉛などを含む未承認の8製品 (下記の一覧参照) に注意喚起。カナダ保健省は当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。
■解説 A1 Herbal Ayurvedic Clinic Ltd.がウェブサイト等でアーユルヴェーダ製品として販売していた当該製品を検査したところ、医薬品成分や金属が検出された。当該業者の販売していた製品からは過去にも高濃度の金属が検出されており、使用との関連が疑われる重金属中毒の事例が報告されている。すでにカナダ保健省は当該業者の健康製品の販売許可を取り下げており、カナダ保健省は同社の販売するいかなる製品も使用しないように注意喚起している。
(KC 日本人で個人輸入している人がいるかはわかりませんが、何とも恐ろしいものが混入していますね。)
4月18日 カナダ保健省が医薬品成分を表示した製品に注意喚起
■注意喚起および勧告内容
2019年4月17日、カナダ保健省 (Health Canada) が医薬品成分を表示した8製品に注意喚起。カナダ保健省は当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。
■解説
店舗で販売されていた当該製品は、医薬品成分の混入、表示または過去に違反製品として摘発された製品と類似しているなどの理由により、カナダ保健省により押収された。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。
健康食品素材データベースに書き2素材が新たに加わりました。
「エリスリトール」
「ナリルチン」
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail3954.html |
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患者さんとの会話のための話題提供 LINK de DIETより ①適度の飲酒にも脳卒中の予防効果はない
血圧と脳卒中のリスクは、アルコール摂取量の増加に伴って漸進的に上昇していくようだ、という英国オックスフォード大学などからの中国人を対象とした研究報告。1日1-2杯の摂取にも保護効果はみられなかった。
東アジア人集団では、アルコール摂取が非常に不快な紅潮反応を引き起こすアルコール不耐症の一般的遺伝子変異が存在する。彼らは殆ど飲酒しないが、喫煙などの他の生活習慣とは無関係であるため、アルコール摂取の因果的影響を研究するために使うことができるという。
飲酒パターンに強く影響する遺伝的要因は、ランダムに割り当てられ、かつ生涯持続するので、大規模ランダム化臨床試験の遺伝的等価物として、因果関係を推定することができる。これはメンデルランダム化と呼ばれている。
研究チームは、50万人以上の中国人男女に、アルコール摂取を尋ね、その後10年間追跡調査した。彼らのうち16万人以上について、アルコール摂取を実質的に低下させることに関連する2つの遺伝子変異(rs671とrs1229984)を測定した。
男性の場合、これらの遺伝子変異は、平均飲酒量に50倍の差をもたらした。1日の摂取量が、ほとんどゼロに近い人と約4単位の人とである。アルコール摂取量を減らす遺伝子変異は、血圧と脳卒中のリスクの低下にも関連していた。
このエビデンスから、研究チームは、アルコール摂取が1日4単位(週280g)増えるごとに、脳卒中のリスクを35%高め、軽度から中程度の飲酒に保護効果はないと結論付けた。
飲酒する女性は極めて少数であり、アルコール不耐症を起こす遺伝子変異は血圧や脳卒中リスクに殆ど影響を及ぼさなかった。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)31772-0/fulltext |
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②ボディビル・サプリと肝臓障害
市販のボディビル用サプリメントの服用によって、長期間に渡る治療困難な肝臓障害や体重減少、黄疸、全身のかゆみに悩まされるケースが見られているという。米国・南カリフォルニア大学の研究。
この研究は、米国予防衛生研究所(NIH)の「薬物性肝障害ネットワーク」に登録された人のうち、市販のボディビル・サプリメントが要因の44人を対象としている。対象者は全員が黄疸(眼や皮膚の黄変)を発症していたほか、ほとんどは全身のかゆみが起こり、入院に至った例が71%にものぼった。死亡した人や肝移植が必要とされた人はいなかった。
調査の結果、彼らの摂取したサプリメントには概して、製品ラベルに書かれていない違法な筋肉増強剤が添加されていることがわかった。「筋肉増強剤は、医師の厳格な管理下でのみ使用されるべきです」と、筆頭著者のシュトルツ博士。
「患者さんは、何らかのサプリメントを利用している場合には医療提供者に対してそれを伝える必要があります。そして、とくにボディビル・サプリメントには特に慎重でなければなりません。それらは違法な、または米国麻薬取締局の規制対象である筋肉増強剤を含んでいる可能性があるからです」
(KC 日本のデータではないですが、ボディビルをやっている方は、かなりの量のサプリメントを服用されているようなので、このようなことが起きても全く不思議でありませんね。)
③ 動物性たんぱく質が豊富な食事は、死亡リスク上昇と関連?!
たんぱく質の供給源に関して食事のバランスが取れていた男性に比べて、植物性たんぱく質より動物性たんぱく質を好んだ男性は、死亡リスクが高いようだ、という東フィンランド大学等からの報告。
研究では、クオピオ虚血性心疾患リスクファクター研究において、食事性たんぱく質とたんぱく質源と死亡リスクとの関連を調査した。対象者はフィンランド男性2,641名(1984-1989年のベースライン時、42歳から60歳)である。ベースライン時、4日間の食事記録法を用いてたんぱく質摂取を推定し、全国死因登録から疾病死亡に関するデータを収集した。
結果は、たんぱく質の供給源が主に動物由来である者は、動物性と植物性のたんぱく質のバランス比率が最も良い者より、フォローアップ中、死亡リスクが23%高かったという。特に、肉の摂取量が多い者は、悪影響との関連が認められた。肉の摂取量が1日当たり200g以上と多かった者は、肉の摂取量が1日当たり100g以下だった男性と比し、死亡リスクが23%高かったという。
研究では、さらに、試験開始時、2型糖尿病、心血管疾患、がんと診断された男性において、たんぱく質の総摂取量が高い者は、死亡リスクの増大と関連したこともわかったという。これら疾患のない者では、同様の関連は認められなかった。
「今回の調査結果は、特に慢性的な病状を有する者において、たんぱく質摂取の健康への影響を調査する必要性を強調する」と締めくくられている。
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先週の健康・健康食品関連情報(4月14日~4月20日)
行政公表資料より
特になし
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大学・研究機関等公表資料より
腸内環境改善により骨密度低下が抑制される可能性 (J-オイルミルズ)
レジスタントスターチ摂取が腸内細菌叢を変化させるとともに骨髄中の炎症を抑え ることで、エストロゲン欠乏に起因する骨密度の低下を防ぐ可能性が示唆された。
(KC 動物試験のデータですが、興味深いですね。)
機械学習で卵巣腫瘍の特性を術前予測
予測・個別化医療に向けた予後に関する新たな分類を発見 (理化学研究所)
卵巣腫瘍患者(悪性卵巣腫瘍334名、良性卵巣腫瘍101名)の年齢及び術前血液検査データ32項目に基づいて、教師あり機械学習を用いることで悪性腫瘍と良性腫瘍を非常に精度良く(AUC=0.968)予測する手法を開発しました。そして、同じデータに基づき、がんの進行期や組織型といった特性を予測できることも示しました。さらに、このデータ32項目に基づいて教師なし機械学習を行った結果、早期がんの中に「良性腫瘍に似た血液検査データパターンを示す症例(クラスタ1)」と「進行がんに似た血液検査データパターンを示す症例(クラスタ2)」が存在していることを見いだしました。クラスタ1は再発がほとんどなかったのに対して、クラスタ2は再発率と死亡率が高いという、予後との強い関連を示しました。
(KC どんどんAIが活用され、早期の的確な診断や最適治療につながることを期待したいですね。本当は、病気になる前に予防できることがベストですが。)
日本人特有の光線過敏症を発見 (富山大学)
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先週のトクホ・機能性表示食品情報(4月14日~4月20日)
特定保健用食品
4月15日 1件 許可
詳細は
機能性表示食品届出公表(4月14日~4月20日)
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届出撤回情報
2019年4月11日付け
D22 「HMB Drink(エイチエムビードリンク)レモン味」
D24 「HMB Drink(エイチエムビードリンク)アップル味」
D25 「HMB Drink(エイチエムビードリンク)ブルーベリー味」
株式会社スマートヘルス ・・・・ 3-ヒドロキシ-3-メチルブチレート(HMB)
撤回理由 「販売予定が白紙になったので一度撤回いたします。」
2019年4月12日付け
B289 「楽らく闊歩」
株式会社学文社 ・・・・ 非変性Ⅱ型コラーゲン
撤回理由 「生産終了となるため」
2019年4月15日付け
A309 「ダノンビオ プレーン・加糖」
ダノンジャパン株式会社 ・・・・ ビフィズス菌
BE80 (Bifidobacterium lactis CNCM I-2494)
撤回理由 「ブランド内での一貫した広告宣伝活動を行うため、当該商品の販売を終了したため。」
今週の注目の届出
D572
「ファットケア スティックカフェ モカ・ブレンド」
大正製薬株式会社 ・・・・ コーヒー豆マンノオリゴ糖
機能性表示 「本品にはコーヒー豆マンノオリゴ糖が含まれています。コーヒー豆マンノオリゴ糖には、BMIが高めの方のおなかの脂肪(腹部脂肪面積、内臓脂肪面積)や体脂肪率、ウエスト周囲径(ウエストサイズ)を低下させる機能があることが報告されています。」
新成分 SR(1報 5研究)で評価
採用文献1報に記載された5研究におけるコーヒー豆マンノオリゴ糖(マンノビオースとして)の摂取量は3~6g/日であった。5研究の中にはBMIが30以上の被験者が含まれている研究もあったが、採用文献では、BMIが30以上の被験者を除き、BMI25以上30未満の健常成人での解析が実施され、コーヒー豆マンノオリゴ糖の摂取が、BMIが高めの方の腹部脂肪面積、内臓脂肪面積、体脂肪率、ウエスト周囲径を低下させることが示されていた。また、BMIがBMI25以上30未満の健常成人の内、内臓脂肪面積が100cm2未満に該当する者(肥満症に該当しない者)のみを用いた層別解析においても、同様の結果が確認された。
Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療) 2016 1 44:1417-34
作用機序
コーヒー豆マンノオリゴ糖は、構造を維持したまま小腸に到達することで食事から摂取される脂質の吸収を抑制し、糞便中への脂質排泄を促進することによって、体内に吸収されるエネルギー量を減らし、これにより脂肪細胞の肥大化を抑制することで、結果としておなかの脂肪(腹部脂肪面積、内臓脂肪面積)や体脂肪率、ウエスト周囲径(ウエストサイズ)を低下させると考えられる。
(KC トクホでは既出ですが、機能性表示食品の成分としては、初めての届出です。
以前は、オリゴ糖は糖質ということで認められなかったため、届出が遅れていたものですね。評価も、本当の意味でのSR論文で評価しています。同じ1報のみの評価にしても重みが違います。5研究を総合的に評価した論文で評価しています。)
D573
「骨こつケア」
アサヒカルピスウェルネス株式会社 ・・・・ 枯草菌(バチルス・サブチルス)C-3102株
機能性表示 「本品には生きた枯草菌(バチルス・サブチルス)C-3102株が含まれており、加齢とともに低下する骨密度を高める働きがあります。骨の健康が気になる健常な方に適した食品です。」
新規成分 臨床試験で評価
健康な閉経後女性(50-69歳)76名を38名ずつ2群に分け、片方の群には枯草菌(バチルス・サブチルス)C-3102株を34億個含む「骨こつケア」を、もう片方の群には機能性関与成分を含まないプラセボを摂取させ、24週間後の骨密度を測定しました。
結果
個人的な理由で脱落した7名、試験期間中に抗生物質を使用した8名の計15名を除外した61名(「骨こつケア」摂取群:31名、プラセボ摂取群:30名)を対象に解析した結果、プラセボ摂取群と比較して、「骨こつケア」摂取群では、摂取24週間後の大腿骨骨密度の変化率が有意に上昇しました。このことから、「骨こつケア」の摂取により、骨密度が上昇することが示されました。
Bioscience of Microbiota, Food
and Health Vol. 37 (4), 87–96, 2018
作用機序
枯草菌(バチルス・サブチルス)C-3102 株においても、腸内のビフィドバクテリウム属が増加することにより炎症性サイトカインが減少し、破骨細胞の活性が抑制されることで、骨吸収が抑えられ、骨密度が上昇した可能性が考えられる。
(KC キャッチフレーズを乳酸菌ともビヒィズス菌とも違うと謳って既に販売しているもので、機能性表示食品として届出をしたみたいですね。)
機能性表示食品の届出一覧は、情報検索のデータベースで確認できます。
過去のメールマガジンは、こちらのサイトから閲覧可能です。
http://kc1104.blogspot.com/2018/ |
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今週も最後まで、お付き合いいただき有難うございました。
平成の世も残すところ、10日となりました。30年というのは長いのか短いのか、今から振り返ると、あっという間だったような気がします。
振り返ってみると、何も残せていないということを改めて知ることとなり、落ち込んだりもしてしまいます。
令和の世を30年生きられるかはわかりませんが、なにかこの30年で足跡を残したいと意気込みだけは大きくして、次の時代に突入したいと思います。
次週は、平成最後のメルマガ配信となりますが、GWに突入していることもあり、配信が若干遅れることもあるかもしれません。その節はご了承ください。
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平成30年4月1日 第1号発行
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