更新:2019年4月21日
薬剤師がぜひ知っておきたい「健康食品」に関する情報
(2018/3/25~3/31)
薬剤師がぜひ知っておきたい「健康食品」に関する情報
(2018/3/25~3/31)
平成30年4月1日 第1号発行
行政からの通知、取り締まり等
3月27日 東京都 平成29年度健康食品試買調査結果が公表されました。
表示・広告の検査結果
販売店で購入した製品では、46品目中25品目に不適正な表示・広告がみられました。
インターネット等の通信販売で購入した製品では、79品目中76品目に不適正な表示・広告がみられました。
(KC コメント)
試売調査したほとんどの健康食品が、違反の可能性があるとされていますが、元々違反の思われるものをピックアップして試売をかけているのではいう疑義もあります。
全ての健康食品が、不適正な表示や広告をしているわけではありません。
健康食品の健康被害情報(3/25~3/31) 国立健康栄養研究所HPより
3月29日 香港衛生署が健康食品の偽造品に注意喚起
■注意喚起および勧告内容
2018年3月27日、香港衛生署 (Department of Health) が健康食品の偽造品に注意喚起。
■解説
当該製品の正規品の商標権保有業者からの情報を受けて行われた調査で、香港内の2店舗で偽造品が販売されていたことが判明し、香港衛生署により押収された。偽造品は正規品と比較すると印刷が不鮮明な部分があるほか、QRコードのセキュリティーシール、個包装のあけくちなどに違いがある。香港衛生署は製品を信頼できる店舗で購入するように、また偽造が疑われる場合は正規品を扱う業者に確認するように勧告している。
3月30日 カナダ保健省が未承認製品に注意喚起 (その1) (その2)
■注意喚起および勧告内容
2017年12月14日から2018年3月28日、カナダ保健省 (Health
Canada) が店舗等から押収した性機能改善標榜製品43製品に対する注意喚起情報を公表。カナダ保健省は当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。
■注意喚起および勧告内容
2017年12月14日から2018年3月28日、カナダ保健省 (Health
Canada) が店舗等から押収した未承認製品9製品に対する注意喚起情報を公表。カナダ保健省は当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。
3月30日 カナダ保健省が医薬品成分を表示した製品に注意喚起
■注意喚起および勧告内容
2018年3月29日、カナダ保健省 (Health Canada) が医薬品成分を表示した7製品に注意喚起。カナダ保健省は当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。
sarm center GW-1516、sarm center Andarine、sarm center LGD-4033、sarm center MK-677、sarm center Ostarine、sarm center RAD-140、sarm center SR-9009
■解説
運動機能向上サプリメントとして販売されていた当該製品には、選択的アンドロゲン受容体調節薬 (SARMs: Selective androgen receptor modulators) が表示されていたため、カナダ保健省により販売店舗から押収された。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。カナダでは、販売が許可された健康製品(Health Products)には8桁の医薬品認証番号(Drug Identification Number (DIN))やNatural Product Number (NPN)、Homeopathic Medicine
Number (DIN-HM)が表示されているので、カナダ保健省はその表示を確認するように勧告。
(KC コメント)
日本で、正規に販売されてなくても、個人輸入で製品を購入することができ、以前も海外の健康食品を利用して国内で、健康被害が起きているので、海外の製品であっても、注意が必要である。
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患者さんとの会話のための話題提供
LINK
de DIETの記事より
① 歩行速度が遅いと認知症のリスクが高くなるかも?
60歳以上の者において、歩行速度が遅いことや低下することが、認知症の発症リスクの上昇と関連しているようだ、という英国ユニバーシティコレッジロンドンからの研究報告。
2015年には、世界中で4700万人近くが認知症を発症している。最も多い認知症の原因には、アルツハイマー病が挙げられるが、他の要因も影響している。
本研究は、英国加齢縦断研究(English Longitudinal Study
of Ageing)の、60歳以上の3,932名を対象とした。歩く速度と認知機能のベースライン調査を2002-2003年(Wave1)、2004-2005年(Wave2)に行い、認知症発症の評価は、2006-07年(Wave3)と、2014-15年(Wave7)に行った。解析には、コックス比例ハザードモデルを用いた。
ベースライン時に、歩行速度が速かった者は、認知症の発症リスクが64%低下した。Wave1とWave2の間で歩行速度が低下した者は、認知症の発症リスクが23%増加した。
ベースライン時に認知機能が、良好であった者は、認知症発症リスクが58%低かった。Wave1とWave2間で認知機能が低下した者は、認知症の発症リスクが78%に高かった。
著者らは、高齢者の遅い歩行速度と、歩行速度の低下は、どちらも認知症のリスクを高める因子であるようだ、と結論づけている。ただし、歩行速度の低下と、思考や決断能力の変化の両方が、必ずしも一緒に認知症発症に影響するわけではないようだ、と注記している。
(LINK de DIETの記事より)
② 座位中心、不活動な生活は尿路症状のリスクを高める
座位時間の延長と低い活動レベルは、下部尿路症状(LUTS)の発症リスクの上昇と関連付けられるようだ、という韓国カンボクサムソンホスピタル(江北三星病院)からの研究報告。
研究チームは、韓国人男性69,795名を平均2.6年追跡調査した結果、175,810.4人年につき9,217人がLUTSを発症し、その有病率が39/1,000人年であることが明らかになった。データ解析の結果、低い身体活動量と長い座位時間が独立にLUTSのリスクを高めたことがわかったという。
活動的な人々は、不活動な人々に比べて、LUTSの発症リスク(ハザード比)は0.93-0.94だった。1日5時間以上の座位時間の人々は、5時間未満の人々に比べてLUTSの発症リスク(ハザード比)は、1.08-1.15だったという。
「この結果が支持するのは、座位時間の短縮と身体活動の促進がLUTSの予防に重要であるということだ」と研究者はコメントしている。「座位行動のなにがLUTSに関与しているのかについては、更なる研究が必要である。」
(LINK de DIETの記事より)
③ 単身者の中食・外食に関する意識調査
中食を「月1回以上」(※)利用する割合は、女性と比べて(東京女性79%、大阪女性76%)、男性で(東京男性85%、大阪男性83%)高くなりましたが、地域による差はみられませんでした。外食を「月1回以上」利用する割合は、男女ともに、大阪と比べて、東京で高くなり、また「1日1回以上」は東京男性が26%で最も高くなりました。
(日清オイリオ生活科学研究レポートより)
④ 働く単身者の間食に関する意識調査
間食する理由は、どの層も「小腹を満たすため」が最も高くなりましたが、男性と比べると、女性は「イライラ・不安・ストレス解消」、「自分へのご褒美」などが高くなるのも特徴的でした。また、男性は大阪で「小腹を満たすため」が6ポイント、女性は、東京で「イライラ・不安・ストレス解消」が6ポイント高くなりました。「イライラ・不安・ストレス解消」を性年代別にみると、男性30代、男性40代、女性40代で、東京がそれぞれ6ポイント、11ポイント、14ポイント高くなりました。
(日清オイリオ生活科学研究レポートより)
知っておきたい関連情報(3月24日~3月30日)
行政公表資料より
・臨床研究法
4月1日より施行された臨床研究法の一連の法律・通知等、取扱いにつき、このぺーじにて、見ることができます。
・特定健診・特定保健指導手引き
3月29日に、特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第3版)が公表されました。
・オンライン診療の適切な実施に関する指針
3月30日に、オンライン診療の適切な実施に関する指針が公表されました。
遠隔診療がスタートし、しばらくたつと、当然に、対面による調剤・服薬指導も不要であり、オンライン等活用した方法も認められる方向になることについて、今後動向を見ておく必要がある。
トクホ・機能性表示食品情報(3月25日~3月31日)
機能性表示食品届出公表
届出番号
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届出日
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商品名
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届出者
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食品の区分
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機能性関与成分名
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表示しようとする機能性
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C403
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2018/2/6
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サラダに!まめ
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カネハツ食品株式会社
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その他加工食品
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大豆イソフラボン
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本品には大豆イソフラボンが含まれています。大豆イソフラボンには骨の成分の維持に役立つ機能があることが報告されています。本品は丈夫な骨を維持したい方に適した食品です。
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C404
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2018/2/6
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記憶サプリ
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株式会社宇治田原製茶場
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サプリメント
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イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトン
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本品には、イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンが含まれます。イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンは、脳の認知機能の一部である記憶力(見聞きしたことを思い出す力)を維持する機能があることが報告されています。
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撤回情報
30年3月27日
A111 「ヘラスリム」
株式会社ステップワールド ・・・・葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)
撤回理由「届出文言変更」
30年3月29日付け
A71 「GABAX(ギャバックス)」
株式会社プロント ・・・・ GABA
撤回理由「株式会社プロントの事業継続が難しくなったため、販売元としてCreare株式会社が事業を継承。
既に「C-92」で新たに届出番号を取得。現在流通している商品パッケージも「C-92」「販売元Creare株式会社」に変更済であるため。」
B6 「クロセチンアイ」
理研ビタミン株式会社 ・・・・ クロセチン
撤回理由「商品化中止のため」
B142 「β‐クリプトキサンチン」
理研ビタミン株式会社 ・・・・ β-クリプトキサンチン
撤回理由「商品化中止のため」
届出受理された機能性表示食品は機能性表示食品の届出情報検索のデータベースで確認できます。
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/
平成30年4月1日 第1号発行
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